2007/12/2

今回のイチ押しは最高のラブストーリーと
ウィットに富んだ老匠の小粋なミステリー。
どちらも最高です!

Once ダブリンの街角で  監督:ジョン・カーニー  出演:グレン・ハンサード、マルケタ・イルグロヴァ
Once  2006年 アイルランド映画
今週のイチ押し:ダブリンの街角はストリート・ミュージシャンで賑わっている。その中で毎日、穴の開いたオンボロギターをかき鳴らして歌い続ける男がいた。昼間は誰もが知っている名曲を歌い、夜は自分のオリジナルを歌う男。しかし、彼の歌に足を止めるものはなかなかいない。そんな中、彼のギターケースに10セントを投げ入れた女がいた。それがふたりの出会いだった。最初は疎ましく思っていた男だったが、彼の本業である掃除機の修理を請け負ってしまう。翌日、彼女は掃除機を引きずってやってきた。そしてふたりは彼女がピアノを弾かせてもらっている店に立ち寄る。そこでふたりは初めて音楽を紡ぎあう。美しいハーモニーに男は喜びを覚え、彼女に惹かれてしまう。しかし、彼女はチェコからの移民ですでに結婚をしていて娘もいた。やがて、彼はダブリンを出てロンドンにいく決意をする・・
私評:♪沈みそうな船で家を目指そう、まだ時間はあるから・・・最近はちょっと刺激が欲しくて、いわゆる大作系やアクション系に走っていたのですが、こんな「小さな映画」に心を大きく揺さぶられた。物語は男と女と音楽がベースのすごくシンプルなラブストーリー。俳優も無名、バジェットも少ない。しかし、この映画の持つ力は計り知れない。あまりに感動した私は2日連続で映画館に行ってしまいました。そして速攻でサントラをゲット。もう、この映画に惚れました。とにかくこの映画の音楽は最高。アコースティックのシンプルなメロディーなのですが、思わず涙が流れてきた。そして主演のふたりのプラトニックな関係もすごく新鮮。変に飾りつけないストーリーがかえって力強いのです。シンプルなだけに完璧なストーリーでした。主演の男は「ザ・コミットメント」のグレン・ハンサード。そして女はチェコ出身の新人マルケタ・イルグロヴァ。監督はダブリン出身のジョン・カーニー。
タロットカード殺人事件  監督・出演:ウディ・アレン  出演:スカーレット・ヨハンソン、ヒュー・ジャックマン
Scoop  2006年 イギリス・アメリカ映画
今週のイチ押し:急死した敏腕新聞記者のジョーはあの世に行く舟の上でとんでもない「スクープ」を聞かされる。ロンドンを恐怖のどん底に陥れている連続殺人事件の犯人がなんとハンサムな青年貴族のピーター・ライモンだというのだ。居ても立ってもいられなくなった彼は船から三途の川に飛び込み、流れに逆らって泳ぎ始める。イギリスでジャーナリズムを勉強中のサンドラは下町の劇場のマジックショーを観劇中に、マジシャンのスプレンディーニに指名され不思議な箱に入った。するとそこにジョーが現れ、サンドラに船上で掴んだ特ダネを打ち明けた。半信半疑だったサンドラはピーターに近づき、事件の謎を解き明かそうとする。しかし、彼の魅力に負けたサンドラは捜査そっちのけで、彼とのデートを続ける。そんな彼女を見たジョーは、今度はスプレンディーニにヒントを与えるが・・
私評:イギリスは車が反対車線を走るから危ないんだ・・・ウディ・アレンは72歳になっても絶好調。ここ最近のウッディ映画はどれも面白いのですが、この映画は群を抜いています。テンポの良さとウィットに富んだ会話、そしてあふれ出すユーモア。どこを切っても面白い。しかも、スカーレット・ヨハンソン&ヒュー・ジャックマンという強力な助っ人の力を借りて、極上のミステリー作品が出来上がりました。笑えます!それにしてもこの映画のスカーレット嬢は最高です。私はめがね美女に弱いんです。そしてめがねを取ると、めっちゃセクシー・・・。もう、私はスカーレットにメロメロです。そしてヒュー・ジャックマンの軽妙で、しかもミステリアスな演技はまさに完璧!ウディ・アレンはいつもどおりです。(笑)ラストのどんでん返しの台詞はしびれました・・。ウディ・アレンさん、これからも応援しますのでいっぱい映画を作ってください。
バイオハザードV  監督 : ラッセル・マルケイ  出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、アリ・ラーター
Resident Evil : Extinction  2007年 アメリカ映画

ついにTウィルスは世界中を飲み込み、至る所でアンデッドが跋扈している。わずかに生き延びた人々も食料が底をつきそうになっていた。そんな砂漠を一台のバイクが疾走していた。バイクを操っているのはアリス。彼女はアンブレラ社の偵察衛星から逃れるため単独行動をとっていた。アリスの体内ではまたしても異変が起き、彼女は驚異的な力を得ていた。クレアは武装集団を率いるリーダー。そこにはかつてアリスと行動をともにしたカルロスもいた。砂漠のモーテルを発見した彼らはそこで1夜を過ごす事にしたが、翌朝彼らは凄まじい数のアンデッド・カラスに取り囲まれた。そんな彼らを救ったのはアリスの超能力だった・・・・

私評:クローンではだめだ、本物のアリスを探せ!・・・人気ゲームの映画化第3弾。ついにアリスのパワーが最大限の覚醒をした。この辺りの展開はある意味卑怯なのですが(笑)、バイオシリーズはこれで良いのだ!この映画に私が期待しているのはアリスとゾンビ軍団の派手なアクション。しかも、今回はクレア・レッドフィールド率いる武装軍団が加わり、アクションはさらにパワーアップ。期待通りのアクション映画でした。(期待以上ではありませんが、全然及第点です)それにしても主演のミラ・ジョヴォヴィッチのアクションはすごい!いま、世界でNo.1アクション女優でしょう!?クレアを演じるのは「ファイナル・デッドコースター」のアリ・ラーター。そして憎き敵役アイザックを演じるのは「スパイ・ゾルゲ」のイアン・グレン。監督は「ハイランダー」のラッセル・マルケイ。
ウォーター・ホース  監督:ジェイ・ラッセル  出演:アレックス・エテル、エミリー・ワトソン
The Water Horse : Legend of The Deep  2007年 アメリカ映画
第2次世界大戦の真っ只中のスコットランド。戦地に赴いた父親を待つ少年アンガスはネス湖で奇妙な石を拾う。なんとその石は世界に立った一匹しかいないと言う「ウォーター・ホース」という生き物の卵だった。孵化した生物に「クルーソー」と名づけたアンガスはその生き物を飼おうとするが、それはあっという間に巨大に成長していった。そんな時、彼の暮らす田舎町に兵士たちがやってくる。最新の大砲を持ち込んだ兵士たちは、訓練に精を出すがこの戦況下で何の役に立つのか??大きくなりすぎたクルーソーをアンガスは湖に戻すが、巨大なクルーソーを見た兵士たちはドイツ軍の潜水艦と間違えて攻撃してしまう・・
私評:この写真は偽物だけど、本当の話を聞くかい??・・・「ベイブ」の原作者ディック・キング・スミスと「ロード・オブ・ザ・リング」のスタッフが集結。ネッシーの話をベースにした少年と巨大生物の心の交流を描いた感動作です。しかし、美しい森や湖の映像はなんとニュージーランドで撮影されたらしい。この国は本当に自然の宝庫ですね。その美しい映像と最新のCGが合体。巨大生物のCGは本当に目を見張ります。物語はすごく直球勝負な内容で、何の捻りもないのですが、こういう物語にはそんなオチは必要ありません。特に子供たちにぜひ見てもらいたいファンタスティックな映画です。主演のアンガスを演じるのは「ミリオンズ」のアレックス・エテル。そして彼の母親役はイギリスの名女優エミリー・ワトソン。その他ベン・チャップリン、デヴィッド・モリッシーが登場。監督は「炎のメモリアル」のジェイ・ラッセル。
ミッドナイト・イーグル  監督:成島出  出演:大沢たかお、竹内結子
Midnight Eagle  2007年 日本映画
かつては戦場カメラマンとしてその名を馳せた西崎は、ある事件が元で戦場から遠ざかっていた。愛する妻もこの世を去り、自分自身を責め続ける彼は、今ひとりで山に篭り星空を撮影していた。そんな彼の目の前を閃光が走った・・。そんな時、内閣総理大臣の下に極秘の報告が入る。米軍のステルス戦闘機、通称“ミッドナイト・イーグル”が北アルプスに墜落した!政府は機体の回収のために自衛隊を山中に送った。しかし、その事件の裏には某国が絡んでいて、彼らも機体の回収に向かっていた。しかも、彼らはステルスに搭載された核爆弾を起爆させることを企んでいた。西崎は後輩で、東洋新聞社の記者の落合とともに事件現場に向かっていた。一方、東京では西崎の義理の妹で写真週刊誌の記者である慶子が、工作員の一人とコンタクトしていた・・・・
私評:息子に親らしいことをさせてくれ!・・・原作は読んでいなかったのですが、かなり手が加えられているようで、原作ファンからは非難ごうごうの作品。しかし、読んでいなかった私はすんなりストーリーに入れました。しかし、「邦画史上最大のスケール」という宣伝文句とは言いがたい作品。しかし、雪の北アルプスでの撮影は大変だったでしょうね〜。でも、何か物足りない・・・。主演は出演作品が目白押しの大沢たかお。彼はすごく良かったです。そして慶子役は銀幕の戻ってきた竹内結子。その他、玉木宏、吉田栄作、石黒賢、藤竜也らが脇を固めます。そして私が気に入っているのが音楽です。担当は小林武史。そして主題歌はミスター・チルドレンの櫻井和寿。監督は「フライ、ダディ、フライ」の成島出。
ソウ4  監督:ダーレン・リン・バウズマン  出演:トビン・ベル、リリク・ベント
SAW 4  2007年 アメリカ映画
死亡した希代の殺人鬼ジグソーの遺体が検死ルームに運び込まれた。次々と解体されていく遺体。すると胃袋の中から何やら異物が発見される。それはジグソーが死ぬ前に飲み込んだテープだった。テープには新たな殺人ゲームの予告が吹き込まれていた。ジグソーの次なるターゲットはSWATの隊長のリッグだった。部屋で襲われ気を失った彼が目を覚ますと、彼の部屋のTVにジグソーのメッセージが映し出された。そして次にふたりの男の映像が映し出される。それは失踪したエリック刑事とさっきまで一緒にいたホフマン刑事だった。「彼らの命は君の執念のあり方に掛かっている。助けたいなら執念を捨てろ」謎のメッセージを残して映像は消えた。リビングに進むとフードをかぶせられた何者かが座っている。そして5人の訳ありの人物の写真。果たしてリッグにどんな試練が降りかかるのか??・・・・
私評:私の仕事は続く・・ゲームは始まったばかりだ・・・ついにシリーズも4作目。前作で殺人鬼のジグソーが死に、これでこのシリーズも終わりと思ったら、意外な展開で物語は続いていきます。これなら幾つでも作れます!(笑)ベースになっている物は変わっていませんが、毎回目を塞ぎたくなるような残酷シーンのオンパレードで私を楽しませてくれるのがこの映画。今回もいきなりの解剖シーンで、思わず「おえ〜!!」。しかし、徐々にトーンダウンしてしまい、私的には今までのシリーズの中で一番平凡な作品になってしまった。それでもかなり残酷なシーンが続くので、ご覧になる方はしっかり肝を据えて見に行きましょう。私はこの手の映画を見すぎて、ちょっと感覚が麻痺しているのかもしれません。ジグソー役はトビン・ベル。そしてシリーズ常連となっているリッグ役のリリク・ベント、ホフマン役のコスタス・マンディラー、そしてジグソーの元妻役のベッツィ・ラッセルら物語を静かに盛り上げます。監督は「ソウ2、3」のダーレン・リン・バウズマン。


前回の記事も読んでね〜!



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