2012/12/23

もうすぐ2012年も終わりだった言うのにごっそりレビューを
溜めております。すでに公開が終わった作品もありますが・・・。

レ・ミゼラブル  監督 : トム・フーパー  出演 : ヒュー・ジャックマン、アン・ハサウェイ
Les Miserables  2012年 イギリス映画
今週のイチ押し:囚人のジャン・バルシャンは娘のためにたった一個のパンを盗んだ罪で19年の刑に服していた。そしてついに仮出所を許されるが、彼の監視役のシャベールは監視の目を緩めなかった。罪人というレッテルで仕事にも就けないジャンは司教に命を救われる。しかし、ジャンは司教所から銀食器を盗み、ふたたび警察に捕まってしまうが司教はジャンが盗んだのではなく差し上げたのだと伝える。ジャンはこれまでに味わったことのない真心に触れ、過去を全て捨て去り新たに生まれ変わる決意をする。そして数年後、ジャンは人々に好かれる市長になっていた。しかし、貧困は彼の周りにいつも付いてまわる。ジャンが経営する工場で働くフォンテーヌは幼い娘を人に預け、自分は働き詰め。しかし、工場でいざこざを起こしクビになってしまう。仕方なくフォンテーヌは美しい長い髪を売り、そして娼婦にまで身を落としてしまう・・・
私評:もう決して離れはしない~♪・・・1985年の初演以来、ロングランを続けている名作中の名作。過去に何度か映画化されていますが、今回はその決定版と言えるでしょう。ストーリーは基本的には”悲劇”なのですが、見終えた後はとんでもない感動で。生きる力を貰えたような気がしました。驚きなのが劇中で演じながら歌を歌っているという事。舞台では当たり前ですが、映画の場合、歌は別録りが定番。ところが、この映画ではまさに演じながらピアノ伴奏で歌い、それに後からオーケストラをつけるという手法。これが大成功。感情が歌を通してビンビン伝わり、泣いてしまいました。そして何よりもこの映画の見所は最強のキャストです。ジャン・バルシャン役は「ウルヴァリン」のヒュー・ジャックマン、ベシャール役は「グラディエイター」のラッセル・クロウ、ファンテーヌ役は「プラダを着た悪魔」のアン・ハサウェイ、ゴセット役は「マンマ・ミーア!」のアマンダ・セイフライド。その他、エディ・レッドメイン、ヘレナ・ボナム・カーター、サシャ・バロン・コーエンという超豪華なキャスト。しかも、全員、歌が上手い!壮大な作品に酔いしれ、まさに至福の2時間40分でした。監督は「英国王のスピーチ」のトム・フーパー。ミュージカルが大好きな私にはたまらない1本です!
ホビット 思いがけない冒険  監督 : ピーター・ジャクソン  出演 : イアン・マッケラン、マーティン・フリーマン
The Hobbit : Unexpected Jorney  2012年 アメリカ映画
今回のイチ押し:その昔、ドワーフ族の国は清栄を極め、中つ国の中でも有数の国家だった。彼らの財源は地下から湧き出すように採れる金。しかし、ドワーフ国の平和も永遠ではなかった。ある日、突如現れたドラゴンによって国を追われてしまったのだ・・・。ホビット族のビルボの元に魔法使いのガンダルフが現れ、彼を冒険の旅へと誘った。一度は断ったものの、その日の夜にドワーフ族が次々とビルボの家を訪れた。その数じつに13人!彼らの話に触発されたビルボはドワーフ、そしてガンダルフとともにドワーフ国を取り戻すための冒険の旅へと出発した。彼らの行く手をワーグ、ゴブリン、オークが阻む。エルフの森を抜けて、危険な山道を越えて、ついにたどり着いたのがゴブリン・トンネル。ここを抜けなければ、目的地であるはなれ山には行けない。危険なゴブリンが彼らを待ち受ける。そしてビルボはここで、運命の出会いをする・・
私評:「ビルボ!どこに行くんだ~!」「冒険に出かけるのさ!」・・・私は「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズが大好き。それゆえにこの映画を期待しないわけにはいきません!オープニングでいきなりフロドが登場して、「旅の仲間」の冒頭のシーンに繋がるシーンを見ただけで、私の鼓動は早くもヒートアップ!そしてLOTRに登場していたガンダルフ、エルフのガラドリエルとエルロンド、そしてサウロンも次々に登場!嬉しかったな~。そして今回は13人のドワーフ族が新たに登場。人数が多すぎて誰が誰だか良く分からないかと思いきや、みんな個性的で面白いキャラクターばかり。特にリーダーのトーリンはカッコいいんです。そして霧降山脈で“ゴラム”も登場。このシーンはLOTRを見た人ならワクワクしてしまうシーンです。そして今回は指輪を捨てに行くという重い使命を背負っての旅ではなく、ビルボ自らが冒険の旅に出ると言うのが良いですね。挫折しそうになっても諦めないホビット根性!ステキです!今回も全部で3部作。次回の作品は「スマウグの荒らし場」。早く観たいな~!ビルボ役は「ラブ・アクチュアリー」のマーティン・フリーマン、トーリン役は「キャプテン・アメリカ」のリチャード・アーミテッジ。そしてお馴染み面々はイアン・マッケラン、ケイト・ブランシェット、ヒューゴ・ウィービング、クリストファー・リー。そしてもちろんゴラム役はアンディ・サーキス。監督はピーター・ジャクソン。
ウーマン・イン・ブラック  監督 : ジェームズ・ワトキンス  出演 :ダニエル・ラドクリフ、キアラン・ハインズ
The Woman In Black  2012年 イギリス映画
19世紀末のロンドン。若い弁護士のアーサーは最愛の妻を亡くし失意のどん底にいた。そんな彼の心の支えは妻の命と引き換えに生まれてきたひとり息子。そんなある日、アーサーは所長の命令でクライシン・ギフォードという田舎町を訪ねることになった。その町に一人で住んでいた老女の遺言を探すのが彼の仕事だった。町に向かう列車の中でアーサーはサム・デイリーという紳士と知り合う。ようやく町にたどり着いたアーサーは予約した宿を訪ねるが、予約はないという。そこではアーサーは歓迎されていないという雰囲気が漂っていた。翌日、老女が住んでいたという、沼の向こうにある城をアーサーは訪ねた。そこでサムは7歳の少年の死亡証明書を発見。その直後、アーサーは森の中に黒い服を着た女の姿を見た。それらを報告するためにアーサーは警察を訪ねるが、そこにやってきた少女が彼の目の前で息絶えてしまう・・・・
私評:あの女を見たら、子供が死ぬ・・・イギリスのベストセラーのゴシックホラーが映画化。この映画はいわゆる“正統派ホラー”。血しぶき映画ではなく、なんとも不気味な雰囲気の中、真綿でじわじわと首を絞められるような恐ろしさが溢れている。しかも、この映画の製作にはホラー映画ファンなら誰もが知っている(?)ハマーフィルムが絡んでいるのです。これが怖くないはずがない!?ホラー映画好きの私も、この映画が醸し出す独特の雰囲気にはゾクゾクしちゃいました。そして注目はこの作品のロケ地。濃い霧の中に浮かび上がる沼と森。これだけでも充分怖いです!主演はハリー・ポッターこと、ダニエル・ラドクリフ君。子持ちの冴えない弁護士というハリーとはまったく違うキャラクターを、見事に演じています。怖がる芝居もうまい!サム・デイリー役は「ザ・ライト エクソシストの謎」のキーラン・ハインズ、そして彼の妻役は「ローズ・イン・タイドランド」のジャネット・マクティア。監督はジェームズ・ワトキンス。彼の2作目の監督作品なのですが、1作目の「バイオレンス・レイク」もかなりの傑作ホラーらしい。これも見なくちゃ!!
映画 妖怪人間べム  監督 : 狩山俊輔  出演 : 亀梨和也、杏、鈴木福
 2012年 日本映画
旅を続けるベム、ベラ、そしてベロの周りで不可解な殺人事件が続発。被害者は大手製薬会社MPLの社員。しかも、現場には大きな爪痕が残っていた。その事件の鍵を握っていたのは新薬の開発を担当している上野という男。実は彼の妻の小百合は交通事故のあと行方不明になっていたのだ。しかし、小百合は生きていた。事故で一度は死んだ小百合だったが、上野が開発した新薬によって植物と人間の混じりあった妖怪として復活していたのだ。彼女の怒りが頂点に立っすると、彼女の中の植物が目を覚まし危険な生物に変身してしまうのだ。そんな時、ベロは足の悪い少女、みちると出会いほのかな思いを抱く。子供の姿のままのベロと長年付き合ってきたベラは、彼が抱いた恋心に心配を抱く。しかも、みちるは上野の娘だった。また、ベムは“名前のない男”の幻に悩まされる。人間になることを止めて、妖怪人間のままで生きていく決心が揺らぎ始める・・・・
私評:闇に隠れて生きる、俺たちゃ妖怪人間なのさ~♪・・・テレビアニメの「妖怪人間ベム」は大好きでよく見ていました。それが実写版のTVシリーズになったので最初の頃は見ていたのですがTVという規制の中では、アニメ作品が持っていた「物悲しさ」のような物が欠けているような気がした。今回は劇場版ということで、さらに脱皮した作品を期待していたのですが、どうもインパクトが足りません。そして今作では“最強の敵”という謳い文句で植物と人間の融合体が出てくるのですが、CGを駆使しすぎてなんだかリアリティがなくなってしまった。残念。主演は亀梨和也、杏、鈴木福の3人。テレビシリーズからの続投なので、すっかり板についています。個人的には杏がすごくサディスティックで、しかもムチを持っている姿が凛々しく思えました。Mの男にはタマらんビジュアルでしょうね。植物妖怪を演じるのは「超少女REIKO」の観月ありさ。そして刑事の夏目役は、北村一輝、上野役は筒井道隆。監督はこれが劇場作品のデビューとなる刈山俊輔。
ダーケストアワー 消滅  監督 : クリス・ゴラック  出演 : エミール・ハーシュ、オリビア・サールビー
The Darkest Hour  2011年 アメリカ映画
ビジネスの商談のためにモスクワを訪れたショーンとベン。自信満々で取引先を訪ねた二人だったが、現地での仲介を頼んだスカイラーが彼らのアイデアを盗み、勝手に商談をまとめてしまっていた。その夜、ふたりはモスクワで有名なクラブを訪ねた。そこでふたりはSNSで知り合ったアメリカ人のふたりの美女と合流。しかも、そこにはスカイラーも来ていた。その時、店の中が突然真っ暗になった。外に出た彼らは空から無数に落ちてくる光を目撃。しかし、その光に触れた者はあっという間に灰になってしまう。しかも、光は意志を持って襲いかかってくる。5人はなんとか逃げ延びるが、その光は世界中に降り注いでいる事が判明。それはエイリアンによる地球の侵略だったのだ。灯りのついたビルを発見した彼らは、なんとかそこにたどり着く。そこでは物理学者がある武器を作成していた・・・・
私評:俺たちはここで闘う。方法もわかったしな・・・「ウォンテッド」の監督と「プロメテウス」の脚本家が作ったSF映画!という触れ込みでしたが、劇場は都内でったった2館。気になると見たくなっちゃう性格なので突入してきました。思ったとおり“超B級”の映画でした。アイデアは面白いので、前半はそれなりに楽しめたのですが、“大風呂敷を広げすぎたSF映画は収拾がつかない”というちょっとお粗末な結果になってしまった映画。ただ、モスクワが舞台というのがちょっとだけ新鮮な感じがしました。この町だけの物語にしたのはもちろんコストセービングでしょうね。主演は「スピードレーサー」のエミール・ハーシュ。最近姿を見ないと思っていたら、こんなB級映画でご対面できました。その他「JUNO/ジュノ」のオリヴィア・サールビー、「ソーシャル・ネットワーク」のマックス・ミンゲラ、「トランスフォーマー」のレイチェル・テイラーなどなど、知らない若手俳優たちが頑張っています。監督はクリス・ゴラック。彼のデビュー作はB級映画のメッカ、アルバトロスから発売されている「クライシス」。怖いもの見たさで、これも見てみたい気がする・・・


前回の記事も読んでね~!



I Love Movieに戻る