2008/12/23

明日はクリスマスイブですね〜。クリスマスにピッタリの映画には
出会えませんでしたが、今回はイーストウッド渾身のサスペンス
映画がイチ押しです。

チェンジリング  監督:クリント・イーストウッド  出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチ
Changeling  2008年 アメリカ映画
今週のイチ押し:クリスティンは一人息子のウォルターとLAの郊外に住んでいた。電話会社に勤めながらひとりで子供を育てるのは楽ではなかったが、ひとり息子はクリスティンの何よりも大事な宝だった。1928310日。クリスティンはウォルターと映画を見に行く約束をしていたが、急な仕事で約束を果たすことができなかった。後ろめたさを引きずりながら帰宅すると、家はもぬけのから。必死に近所を探すが息子の姿はない。警察に電話を掛けると大半は24時間以内に帰宅するので、それまでは捜索はしないという。しかし、翌朝になってもウォルターは戻って来なかった。ようやく重い腰を上げた警察は捜索を始めるがウォルターを発見することができなかった。しかし、その5ヶ月後、警察からウォルターを発見したという連絡が入る。イリノイで発見されたというのだ。やがて、息子と再会の日がやってくる。不祥事が続く警察はここぞとばかり派手な演出をしている。しかし、汽車から降りてきたのはウォルターではなかった。警察は断固として息子だと言い張るが、母親が分からないはずはないのだが・・
私評:正しく戦えば不正を終わらせることができる・・・・まず、余談ですが今回、かなり早いタイミングでこの映画を観たため、ほとんど予備知識がなく、タイトルだけ見た私は私の好きな同タイトルのホラー映画のリメイクだと決め込んで見に行ったのですが…(笑)映画の冒頭で「これは真実の物語です」と釘を刺されるのですが、起こる事件がいかにも映画的で本当に突拍子もない事件なのです。映画を見ている間に何度「これが事実なの?」と問い質したことか・・。しかも、この事件は危うく忘れ去れそうになっていたらしいです。最初はただ泣くことしかできなかった女性が徐々に強くなって行きます。そして最後には強い味方を手にいれ、巨大な敵と真っ向から・・・。主演はアンジェリーナ・ジョリーなのですが、派手なアクションや立ち回りは皆無。(強いて言えば職場でローラースケートを履いていることか??)泣き虫で臆病な女性役で、彼女は終始泣いてばかりなのです。これが彼女の名女優たる力なのでしょう。来年のオスカーを獲るのは彼女かも?そして腐った政府と真っ向勝負を挑む牧師役にはジョン・マルコヴィッチ、本当に憎たらしいLA警察の警部役にはジェフリー・ドノヴァン。監督は名匠クリント・イーストウッド。彼の作品は本当にどれも素晴らしいのですが、繰り返し見る気にはなかなかなれないんですよね・・・。

ワールド・オブ・ライズ

 監督 : リドリー・スコット  出演:レオナルド・ディカプリオ、ラッセル・クロウ
Body of Lies  2008年 アメリカ映画 
CIAのエリート局員エド・ホフマンは今日も危険な現場で潜入工作を行っているフェリスに指示を出している。フェリスの目下のミッションは相次ぐテロ事件の主犯とみられているアル・サリームを捕獲すること。イラクのサマラにいたフェリスはアルの組織にいた男から情報を提供してもらい、その替わりに彼の身柄の保護を約束するが、ホフマンはその要請を却下。フェリスは結局、男を殺す羽目になってしまう。情報を元にイラクのバラドにやってきたフェリスを待ち受けていたのは激しい銃撃戦だった。瀕死の重傷を負ったフェリスにホフマンから次の指令が出て、彼はヨルダンへと向かった。そこでフェリスはヨルダン総合情報総局のハニ・サラームに援助を仰ぐ。ハニにすっかり気に入られたフェリスはホフマンの命令に背いてハニに情報を与える。フェリスの思惑通り動き始めたかと思った矢先、思わぬアクシデントが起こる。しかし、それを仕組んだのはホフマンだった・・
私評:「彼らはヨルダンを必死に守っているんだ」「何を言っているんだ、こっちは世界を救っているんだぞ」・・・突然、降って湧いたように公開が決まったこの映画。巷の噂では「ハリー・ポッター」の穴埋めと言われたりしていますが、レオナルド・ディカプリオ+ラッセル・クロウ+リドリー・スコットという超豪華な顔合わせでとてもそんな穴埋め作品とは言えません。内容はいかにもありそうな話で、とてもリアルな感じがしました。それにしても衛星からの監視などのシーンがふんだんにあるのですが、あれって怖いですよね。私たちもあんな風に空から監視されているのかも??そしてリアルなのがテロに殉じていく男たち。怖いですね〜。主演はレオナルド・ディカプリオ。彼はすっかりアクションスターになりましたね。今回も銃弾の雨の中を走り回り傷だらけ。ワイルドな彼もなかなかグッドです。一方、この映画のために体重を110キロにしたラッセル・クロウ。彼が憎たらしい役で・・。あとはスクリーンでご確認ください。クライマックスで絶体絶命のフェリスを救うのはいったい誰だ??監督は「アメリカン・ギャングスター」のリドリー・スコット。今回はクレジットの後のおまけ映像はありませんでした・・。
地球が静止する日  監督 :スコット・デリクソン  出演:キアヌ・リーブス、ジェニファー・コネリー
The Day The Earth Stood Still  2008年 アメリカ映画
ある夜、地球外生物学者のヘレンは政府のエージェントと名乗る一向に半強制的に連行される。そこには彼女の他にも名だたる学者が集められていた。実は木星の軌道の外で発見された小惑星が予想に反して地球に向かっていることが判明したのだ。インパクトの場所はマンハッタン。残された時間はあとわずか・・。しかし、小惑星が到達する瞬間、そこでは何も起きずに、怪しい球体が静かにセントラルパークに到着した。その球体の中から現れた生命体にヘレンが手を差し伸べた瞬間、動揺した兵隊が放った銃弾がその生命体を貫いた。政府はその生命体を医療施設へと運び入れた。球体からは巨大なロボットが姿を現す。ロボットは自分をぐるりと取り囲んだ軍に対し威嚇をするが・・・。生命体の白い外皮の中身は人間の男性そっくりの有機体だった。やがて、彼は意識を取り戻し『英語』を話し始める。宇宙からの球体はマンハッタン以外にも、地球上のあちこちに姿を現し、世界中を混乱に陥れていた。男は自分をクラトゥという名で地球外からの使者だと語り始める。果たして彼の真の目的とは??・・・・
私評:人間は破壊的な生き物だ。しかし、別の側面も持っている・・・・SF映画のリメイクと言えば昨年の「宇宙戦争」があるが、「地球が静止する日」もその一連の作品。どちらも「なんで、今頃リメイクするの?」という疑問が・・・。しかも、1951年に作られたロバート・ワイズ監督の「地球の静止する日」はまさにSF映画の傑作。しかし、今回の作品で「人類が地球を壊す」「地球は我々の星ではない」というフレーズから、今盛んに叫ばれている「エコ」がこの映画のキーワードなのかも??と勝手に考えてしまった。だけど、そう考えるとけっこう辻褄が合うんですよ。そして予告編でも盛んに流れていたトラックやスタジアムをボロボロにする謎の影の正体には、マジで鳥肌が立ちました。(これ以上は言えません)主演はこういうムッツリした役はピッタリのキアヌ・リーブス。ある意味無機質な感じの宇宙人役なので、彼には合っていたんでしょうね。そしてヒロインにはジェニファー・コネリー。インテリな役も似合います。そして国防長官役は貫録だけは十分なキャシー・ベイツ。監督は「エミリー・ローズ」のスコット・デリクソン。
K-20 怪人二十面相・伝  監督 : 佐藤嗣麻子  出演:金城武、松たか子、仲村トオル
 2008年 日本映画
1949年の第2次世界大戦が起こらなかったパラレルワールドが舞台。学術会議で無線伝送システムのテスラが盗まれた。犯人は希代の大泥棒怪人二十面相。さっそく名探偵明智小五郎と彼の助手小林少年が捜査に乗り出した。一方、貧民が住む町ではグランドサーカスがショーを繰り広げていた。そこの一番の見世物は曲芸手品師遠藤平吉のアクロバティックなショーだった。しかし、彼らはいくら働いても金持ちにはなれず、しかもサーカスの団長は病気であるにもかかわらずお金がないため病院にも行けずじまい。そんな平吉の前に顔に傷がある謎の紳士が妙な話を持ちかけてきた。彼はカストリ誌の人間で、今度行われる明智小五郎と財閥の令嬢羽柴葉子の結婚式の写真をこっそりと撮ってきて欲しいというものだった。札束を見せられた平吉は已む無くその仕事を受け入れた。式の当日、会場の屋根に上った平吉がシャッターを押した瞬間爆発が起こる。実はカメラのシャッターが起爆装置だったのだ。そこで姿を見られた平吉は、怪人二十面相と間違えられて逮捕されてしまう・・・・
私評:これも良家の子女のたしなみですわ・・・この映画の製作をしているROBOTは「Always 三丁目の夕日」のチーム。それゆえにこの作品の舞台である1949年の帝都はなんだかアンティックな雰囲気が漂う、まさにパラレルワールド。新旧取り混ぜたような不思議な空間です。しかも、怪人二十面相Vs明智小五郎と言えば、私の大好きな江戸川乱歩先生の傑作。これは観に行かねば!映画は思っていた以上に面白かったです。まずは、この映画のアクションがすごい!フランスのアクション軍団「YAMAKASI」みたいにビルを駆け上り、高いところから飛び降り・・と、肉弾アクションがたくさん。そしてCGアクションがすごい!爆発シーンも然ることながらヘリコプターでのアクションなど、日本映画としてはかなりハイレベルなアクションを見ることができました。137分とちょっと長い映画なのですが、最後まで飽きずに見ることができました。主演は相変わらずセリフが下手な金城武。しかし、アクションシーンはお手の物ですからね。彼の配役はグッド!明智小五郎役は仲村トオル。ちょっとコミカルなシーンもあったりしてかなり良かったです。そして財閥の令嬢がピッタリの松たか子!怪しい泥棒役には國村準、そして彼の妻役で高島礼子。(今回の高島礼子はコミカルで笑わせてくれます!)監督は「アンフェア the movie」の佐藤嗣麻子。ようやく日本でも女性監督がこういう大作を撮れるようになったんですね。


前回の記事も読んでね〜!



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