さあ、今年もあとわずか。でも、これから良い映画が
目白押しです。今回のイチ押しはピクサーの感動作。
カールじいさんの空飛ぶ家 | 監督:ピート・ドクター | 声の出演:エド・アズナー | |||
UP | 2009年 アメリカ映画 | ||||
今週のイチ押し:冒険が大好きだけど内気な少年カールは、ある日エリーという少女と出会う。活発でやっぱり冒険が大好きなエリーは、伝説の場所「パラダイス・フォール」について語った。そしてふたりはいつか一緒に伝説の場所に行く約束をした。やがて、ふたりは結婚。旅行の資金をビンに貯めようとするけど、なかなかお金は貯まらない。だけど、ふたりは確実に幸せな日々を送っていた。年月は流れ・・・、エリーはカールを残して他界してしまう。心にぽっかりと穴が空いてしまったカールに追い討ちをかけるように、立ち退きを要求される。そこでカールはたくさんの風船を家に結びつけ、ついにエリートの念願だったパラダイス・フォールを目指して旅に出る。快適に空の旅をしていたカールの家のドアを誰かがノックした。そこに居たのはボーイスカウトのラッセル。仕方なくカールはラッセルを部屋に招き、一緒に旅を続ける事にした。そしてついにカールは「パラダイス・フォール」を発見するが・・ | |||||
私評:ラッセル、君には一番大事なこのバッヂをあげよう・・・今年いちばん泣ける映画といわれているこの映画。実際、冒頭の10分が終わったくらいから会場のあちこちですすり泣く声が・・・。しかも、みんな3Dのメガネをかけているので、いちいち外して涙をぬぐっている・・。しかし、エリーが死んだ後はメロドラマが一転、アドベンチャー映画に大変身。カールとラッセルがすごい大冒険をするのですね。しかし、この映画の面白いところは、偏狭の地で飛んだり跳ねたりハラハラドキドキのアドベンチャーもあるけれど、最愛の女性エリーと紡いできた人生こそがアドベンチャーだと語ってくるんですね。人間は生きている事自体が冒険なんですよね。だからこそ、平凡な毎日を一生懸命生きる事が大事なんだよって・・。このメッセージが私の心に届いた瞬間、私の中で何かが弾けてとめどなく涙が溢れてきました。そして老人になる日が近づいている私ですが、老いても遊び心と冒険心を持ち続けたいと切に思いました。もう、こうなると子供向けのアニメーションという枠を遥に超越していて、今後のアニメーションの限りない可能性を感じさせます。監督は『モンスターズ・インク』のピート・ドクター。 | |||||
インフォーマント | 監督 : スティーブン・ソダーバーグ | 出演 : マット・デイモン、メラニー・リンスキー | |||
The Infomant! | 2009年 アメリカ映画 | ||||
1992年、イリノイ州の大手食品メーカーでエリートコースを着実に進んでいるマーク・ウィテカーは、彼の管理下である工場で発生したウィルスにより、会社が莫大な被害を蒙ったと責任を問われてしまう。マークはその事件の犯人は日本のライバルメーカーで、金の要求が来ていると説明する。会社は恐喝事件としてFBIに捜査を依頼。捜査は当然、マークにも及んだ。ところがマークは会社が違法な価格協定を結んでいるというとんでもない内部告発をしてしまう。世界を巻き込んだ巨大な不正を暴いたマークに対してFBIは協力を要請。マークは積極的に捜査に協力をし、自分が諜報部員であるかのごとく大はしゃぎ。しかし、マークの報告は2転3転して捜査員たちを撹乱する。そしてマークの口から、新たな事実が明かされる・・・・ | |||||
私評:解説はいらないから普通に録音してくれ・・・この映画は実話がベースになったコメディ。とにかく面白かったです。しかし、大爆笑ではなくてクスクス笑えるシーンが延々と続くんですね。インサイダー取引、裏金工作、価格協定という重い題材ではあるのですが、これをコメディにしてしまうところがこの映画の良いところ。しかし、なんと言っても面白いのがマット・デイモン演じる主人公のキャラクターです。今回、マットは体重を15kgも増やして「ボーン・シリーズ」のイメージは完全に払拭。なんだか普通のオッサンキャラだったのですが、これが良いんです。彼ってこんなに演技が上手かったんですね・・。あのすっ呆けた演技、最高です!彼の妻を演じるのはピーター・ジャクソン監督の「乙女の祈り」で衝撃絵的なデビューを果たしたメラニー・リンスキー。彼女の怪演も要注目です。その他、出演はスコット・バクラ。監督は「エリン・ブロコヴィッチ」「トラフィック」のスティーブン・ソダーバーグ。 | |||||
宇宙戦艦ヤマト 復活篇 | 監督 : 西崎義展 | 声の出演:山寺宏一、伊武雅刀 | |||
2009年 日本映画 | |||||
水惑星アクエリアスとの戦いを終え、古代進は輸送船「ゆき」の艦長として戦いからは身を引いていた。そんな時、巨大なブラックホールが銀河系を横切り、地球を飲み込んでしまうことが判明した。残された時間はわずか3ヵ月。そこで全人類は地球から二万七千光年離れた、サイラム歩死刑への移住を決めた。第1次移民船団の責任者は古代雪。しかし、突如現れた謎の船団に襲撃され消息を絶ってしまう。そして第2次の船団まで・・・。そこで宇宙科学局・本部長の真田は古代進を地球に呼び戻し、秘密裏に製造されていた「宇宙戦艦ヤマト」の艦長に就任させた。最新の技術で更なる進化を遂げたヤマトは、第3次移民の大船団の護衛をしながらサイラム恒星系の惑星アマールの衛星。そこで彼らを待ち伏せていたのは異星人連合軍。彼らは強国のSUSの命令によりヤマトに襲いかかる・・・・ | |||||
私評:命を粗末にするな・・・・あのテーマ曲を聴くと血が騒ぐんですよね〜!!TVシリーズが始まったのが1974年。当初、私はあまり気にもかけていなかったのですが、1977年(私が高校生の時)に劇場版が公開され大ブレイク。以来、私はヤマトが大好き。なので、私は「ガンダム」「エヴァンゲリオン」より「ヤマト」なんですね。でも、私の中での「ヤマト」は1978年の「さらば宇宙戦艦ヤマト」で終結しており、以降の作品にはあまり興味がありませんでした。今回も、一応『ヤマトファン』として観にいったのですが、予想通りイマイチでした。監督を西崎義展氏(彼は元々ヤマトシリーズのプロデューサー)がやっている時点でかなり期待薄だったし・・・。なんと言っても、肝心の話が面白くない。旧ヤマトシリーズが掲げた「愛」と「命」の尊さを高らかに唱ってはいるのですが、思い切り空振りをしています。(笑)しかし、見どころは最新のCG技術です。バージョンアップしたヤマトの新たな勇姿はなかなかカッコいいです。まあ、ヤマトファンにには酷評を浴びる事、間違いない作品でしょうね・・。声の出演は古代進役で山寺宏一が、そしてヤマトファンには忘れられないデスラー総統の声優、伊武雅刀が異星人連合のひとり、エトス星艦隊司令長官として出演しています。 | |||||