2004/12/9

2004年もいよいよ大詰め。目標の200本は達成できそうもありません。
今回のイチ押しは「ありえない」くらいパワフルな映画です。

カンフーハッスル  監督・主演:チャウ・シンチー  出演:サモハン・キンポー
Kung Fu Hustle  2004年 香港映画
今週のイチ押し:ここは一昔前の中国。大都会は悪の組織の斧頭会が牛耳っていた。彼の手口は非道そのもので、誰もが恐れをなしていた。チンピラのシンは頼りにならない弟分といきがってはいるが、バカにされてばかり。いつか斧頭会に入ってひと花咲かせようと目論んでいた。そんなある日、小金をたかろうとシンは貧民外のボロアパートへとやってきた。しかし、彼は一番弱そうな女にいとも簡単に敗れてしまう。そこに通りかかった斧頭会は、住民に襲い掛かるが素性を隠していた3人の武道の達人が現れる。彼らはあっという間に斧頭会の軍団をやっつけてしまう。怒った斧頭会のボスは彼らに次々と刺客を送りつける。絶体絶命のピンチに陥るアパート軍。しかし、そんな戦いの中でシンは恐るべき覚醒を遂げていた・・・・
私評:この力は封印したのに・・・・「少林サッカー」から3年。香港のスパースター、チャウ・シンチーの新作がやってきた。それにしても彼の作品は面白い。バカな演出はとことんおバカに、そして「ありえね〜!」映像もこれ以上ないってくらい大胆に描かれていて、私は終始開いた口がふさがらない状態。「少林サッカー」もすごかったけど、「カンフー・ハッスル」はそれ以上でした。また、この映画の笑いのツボが私にはピタリとはまっていて何回も噴出してしまいました。しかし、要所要所で心に染み入るドラマを盛り込んでいます。これは不要と言えば不要なのですが、チャウ・シンチーの人柄を忍ばせる演出だと思いました。ラストなんかちょっとくすぐったくなるようなオチですが、彼の作品ならではかも? 製作、主演、監督、脚本の4役をこなしたのは我らがチャウ・シンチー。しかし、その他の出演者がとにかく変なやつらばかりで、彼の影が薄れてしまうほど。もちろん「少林サッカー」から今作へと続けて登場している人もたくさんいます。中でもアパートの住人たちは強烈なキャラクターばかり。「少林サッカー」のダンスシーンで登場した、あの頭が異常にデカイ青年が再登場。出番も増えて、今回も思い切り笑わせてくれました。何を書いてもネタばれになりそうなので、この辺で・・・。 
血と骨  監督 :崔洋一  出演:ビートたけし、鈴木京香
 2004年 日本映画
大正時代、日本で一旗あげようと多くの朝鮮人たちが済州島から大阪へと流れ込んだ。その中の一人、金俊平は朝鮮人部落の中でメキメキと頭角を現してきた。まず彼は工場勤めの時に上司の子供を宿しこの部落にやってきた英姫を手篭めにして、強引に結婚をする。金は英姫との間にふたりの子供をもうけた。そして次に彼が行ったのは蒲鉾工場の開設。金の一番の舎弟、高信義を筆頭にチンピラを集めた工場は大当たり。金は大金を手にした。そしてその金を元に高利貸しの稼業もはじめ、彼は着々と財を成して行った。しかし、金は生来の野獣で酒を呑んでは大暴れをして、家族だけでなく周りの全てのものを震え上がらせた。そんな時、金の実の息子と名乗る朴武という若い男が訪ねてくる。彼は金が済州島にいたときに、人妻と寝て作った男だった。金の目の前でも堂々と振舞う朴武に、金の息子正雄は憧れを抱くが、彼も家を出て行く。そして年月が経っても金の横暴はとどまる事を知らなかった。ついに正雄も金に牙をむくが・・・
私評:わしの金を返せー!返せんのやったら殺すぞ!!・・・・予告編で「これは家族の物語です。」というキャッチを見て私はちょっと勘違いしていた。もっと明確に言うと「これは家族の戦い」の物語。そして金俊平という野獣の生涯を描いた物語。金という男は(その苗字どおり)金勘定と金儲けには才能を持っていたが、それ以外の部分では人間味を欠いた(理性など持っていない)まさに獣。しかし、「金」という餌に釣られて、そして誇示されれた「力」に人が集まってくる。つまり、彼はある意味この時代のカリスマでもあったのです。その強烈なキャラクターを演じるのはビートたけし。最初のうちはちょっと違和感があったのですが、彼は凶暴な男と化していきました。私は彼のキャスティングで良かったと思います。そして英姫を演じるのは鈴木京香。今までどちらかというと「清純派」だった彼女が一気に脱皮しました。キレイなだけじゃなく、老醜をさらすシーンまで見事に演じきりました。正雄役は成長著しい新井浩文。そして娘の花子役は田畑智子。朴武役は(こんな役もできるのか!?)オダギリジョー。その他にも國村隼、柏原収史、伊藤淳史、濱田マリ、寺島進、北村一輝など、個性派の俳優がぞろぞろ登場。監督は「御法度」の崔洋一です。
ゴジラ ファイナル・ウォーズ  監督 :北村龍平  出演:松岡昌宏、菊川令
Godzilla Final Wars  2004年 日本映画
地球防衛軍は最新鋭の戦闘機「轟天号」でゴジラを南極の氷の中に封じ込めることに成功。地球の平和はこれで守られると誰もが信じていた。ところが・・。近未来の地球。世界各地で怪獣たちが現れる。ラドン、アンギラス、カマキラス、クモンガ、キングシーサー・・。世界中で大暴れする怪獣たちを封じ込めたのは、宇宙からの使者「X星人」だった。X星人は地球と和平を申し出るが、彼らの本当の目的は他にあった。それを見抜いたのはミュータントの兵士、尾崎と国連から派遣された科学者の音無だった。ついにX星人は本性を現し、世界各地に再び怪獣を登場させる。地球防衛軍の必死の抵抗もむなしく、世界中の都市は次々と廃墟と化していく。地球防衛軍の荒くれ大佐ゴードンは、この危機を脱するため南極に閉じ込めたゴジラを呼び起こし、怪獣たちと戦わせることだった。地上最強のゴジラは次々と怪獣たちを葬っていくが、X星人には最後の切り札があった・・・
私評:マグロを食ってるヤツには無理か・・・ゴジラ生誕50周年。これでゴジラも最後になるという触れ込みで、早くから期待していた映画です。しかも、監督は「VRESUS」「あずみ」の北村龍平。否が応でも期待しちゃいますよね。特に「ゴジラの最後は一体どうなるのか??」という事で、数々の憶測が飛び交い私は初日に映画館に飛び込んできました。しかし、私的には釈然と行かない、奥歯に物が引っかかったまま・・・という感じが拭いきれない。まずは、主演のはずのゴジラの見せ場が少ないこと。映画の最初でちょっと登場したあと、1時間過ぎてもゴジラは登場しない。確かに主演の松岡やケインのバトルなどはそれなりに面白いのですが、ゴジラ映画には不要でしょう?そして極めつけはエンディング。内容は語れませんが「これでいいのか!?」。まあ、途中のゴジラ対怪獣軍団の戦いはけっこう面白かったので、それで良しとしましょうか・・・。でも、これでまたゴジラを作ったら怒るよ。でも、意思の弱い私はきっと見に行ってしまうんだろうな・・。主演はTOKIOの松岡昌宏。スタントなしのアクションを次々とこなす彼は、今後別のアクション映画で台頭してくるのでは?ヒロインは菊川令だけど、彼女ってイマイチ華がないよね・・。私的にお気に入りのキャラクターはX星人の北村一輝。面白いです、北村監督は役者としても登場しますが・・・・。最後にこの映画の外国の設定ではすべて吹き替えを使っているのですが、私はこれについては大賛成です。


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