2004/11/23

今回は中休みと言う事で?3本です。イチ押しは涙なくしては見られない
とても遣る瀬ない悲劇です・・・

砂と霧の家  監督:ヴァディム・パールマン  出演:ジェニファー・コネリー、ベン・キングスレイ
House of Sand and Fog  2003年 アメリカ映画
今週のイチ押し:母親からの電話で目を覚ましたキャシー。彼女は夫に捨てられ父親の残したこの家にひとりで住んでいた。そんな彼女の静寂を破るかのように男たちがこの家に押しかけてきた。キャシーが8ヶ月間に渡って所得税を払っていないと言う理由で、この家は抵当に入れられてしまう。しかし、彼女は所得がない旨の書類を提出していたのだ。しかし、家を追い出されたキャシーは仕方なくモーテルに移り、弁護士に相談をする。ところがキャシーの家は翌日には競売に掛けられ、イランからの移民ベラーニ大佐によって落札されていた。イランにいた頃は裕福な生活をしていたベラーニは知人には見栄を張って裕福なフリをしていたが、彼の一家の生計は逼迫しコンビニのバイトや道路工事の仕事でなんとか食いつないでいたのだ。今回の家は破格値で手に入れたため、家を修繕し高い値段で転売することが彼の目論見だった。その事を知ったキャシーは彼女に優しくしてくれる保安官のレスターとベラーニを追い出そうと画策する。しかし、ベラーニも家族のためにこの家を守らなければならなかった。一軒の家を巡り、諍いはヒートアップしていく。そしてある悲劇が彼らを襲う・・・
私評:この家は故郷のイランの別荘から見たカスピ海の海に似ているだろう・・・。強烈なお話でした。父親の遺産である家を必死に取り返そうとする女と、イラン時代のプライドと家族への愛から家に執着する男の話です。しかし、この映画のあとはグッタリとしてしまった。私の中に残された感情は「遣る瀬なさ」だった。この映画の登場人物たちは誰もが「何か欠けている」人間ばかり。キャシーは夫に逃げられ、ニコチン中毒。ベラーニも逃げるようにして祖国からアメリカに渡ってきた移民。キャシーに心を寄せる保安官、キャシーの家族、そしてベラーニの一家も。こういう諍いをしているときと言うのは、お互いの粗しか見えてこないもの。しかし、お互いの心に静かに足を踏み入れた瞬間から何かが変わることもありますよね。そんな時に限って運命は意地悪です。これ以上ないと言えるくらいの悲劇を彼らにもたらすのです。それはここでは言えませんが・・・。とにかく私は言葉をなくしてしまった。それにしてもこの映画の主演ジェニファー・コネリーとベン・キングスレイは素晴らしかった。決してヒーローやヒロインではなく、むしろ弱かったり傲慢だったりするのですが、そういう人間だからこそ紡げるドラマなのです。また、ベラーニの妻を演じるショーレ・アグダシュルーがまた、素晴らしい。彼女はまさにイラン出身の女優なのです。果たして皆さんの心にはどのような感情が芽生えるでしょう?絶望?怒り?悲しみ?それとも安堵??
スカイ・キャプテン ワールド・オブ・トゥモロー  監督 :ケリー・コンラン  出演:ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロウ
Sky Captain and The World of Tomorrow  2004年 アメリカ映画
1939年、NY。新聞記者のポリーは今日も特ダネを狙い、上司の言うことも聞かず我が道を爆走。そんな時、巨大なロボット軍団がNYの空を覆い尽くした。身の危険より特ダネを狙うポリーは、市街地に駆けつける。軍が出動するがロボットにはまったく歯が立たない。そしてついにスーパーヒ−ロー、スカイ・キャプテンの出動が要請された。愛機でNYに登場したスカイ・キャプテンは、縦横無尽な操縦でロボットを粉砕。そしてロボットに踏みつけられそうになっていたポリーの救出にも成功。実はふたりの間には、以前から特別な感情があったのだ。実は今回のロボット騒動の裏では、著名な科学者が次々と姿を消すと言う事件が起きていた。その事件を追っていたのもポリーだった。次の襲撃に備え、スカイ・キャプテンはロボットの一体を基地に持ち込み、パートナーのデックスに託す。しかし、敵は彼の隠れ家にまで押し寄せデックスまでが誘拐されてしまう。そしてついに狂った天才科学者トーテンコフの姿が浮かび上がる・・・・・
私評:あと2枚しか写真が撮れないのよ・・・・20世紀の初頭に人々が夢見たSFの世界ってまさにこの映画のような世界だったのでしょう。日本でも手塚治虫が初期に描いた未来のマンガはまさにこんな世界だった。しかも、画面にフィルターをかけ、セピアな映像はちょっとレトロな感じでこの映画の舞台にピッタリだった。そんな懐かしい雰囲気の映像に、最新のCGを織り交ぜて作られたのがこの映画。不思議な空間ではあるのですが、それが逆に新しいのです。そしてその舞台で暴れまくるスカイ・キャプテン役は、天下の2枚目ジュード・ロウ。こういうマンガチックな作品にはピッタリのキャラです。そしてポリー役にはグウィネス・パルトロウ。彼女ってちょっとドンくさい感じがするのですが、良い雰囲気を出していました。また、このふたりの会話が漫才みたいでけっこう笑えるんですよ・・・。そして映画開始から1時間以上経ってから登場のアンジェリーナ・ジョリー。それでもとってもオイシイ役柄でしたね。彼女ってこういう、変わったキャラが似合いますよね。そしてこの映画のラストのオチはかなり笑えました。そしてエンド・マーク。この辺りの展開も懐かしい雰囲気がしてくるんですよ・・。めちゃめちゃ面白かったです。
ポーラー・エクスプレス  監督 :ロバート・ゼメキス  出演:トム・ハンクス
The Polar Express  2004年 アメリカ映画
クリスマスの夜、サンタの存在を信じなくなった少年はため息をつきながらベッドに入った。寝たふりをする少年の耳元で両親が呟いた。「もう、少年の時代を卒業するのね・・」ベッドでウトウトしていた少年は突然の大きな振動に目を覚ました。すると家の前に機関車が止まろうとしている。ビックリして外に飛び出す少年。車掌が叫ぶ「これは北極行きの列車。ポーラー・エクスプレスだ。乗るかい??」少年はビックリするが列車に乗ることを決意。すると列車の中にはたくさんの子供たちがいた。間もなく列車はすごいスピードで走り始める。途中で少女の切符をなくしてしまったり、列車の屋根にいる不思議な男と話をしたり、凍りついた湖を爆走したりと色々なトラブルはあったが、ついにポーラー・エクスプレスは北極点へと到着した。外を見るとたくさんのエルフたちが広場に向かっている。そう、あの人を出迎えるために・・・・・
私評:これには君の意志で乗るんだ・・・クリス・ヴァン・オールズヴァーグの人気絵本が映像化された。この本はかなり人気があるらしく、(私は知らなかったのですが)甥っ子も愛読書でもありました。とにかく夢と冒険がいっぱいのお話で、特に男の子には人気がある作品みたいです。それにしてもこの映画はすごい映像です。ジェットコースターのように急降下するシーンは思わず足を踏ん張ってしまいました。しかも、全然下が見えないんですよ。ご存知の方もいらっしゃいますが、私は高所恐怖症なのでこういうシーンは苦手なんです。とにかく「アニメでなければできない映像」が次から次へと展開されていきます。これがこの映画の一番の見所でしょうね。そしてもうひとつの見所はトム・ハンクスの演技。今回は5役を担当。トムの動きをそのままCGにしているので、まさに彼は「演技」をしているのです。声のほうも何役かこなしているようです。それゆえこの映画はトム・ハンクスのテイストで覆い尽くされた感じ。それが悪いのではなく、そんな彼の熱意が伝わってくる作品なのです。きっと、彼はこの作品が大好きなんでしょうね。監督は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのロバート・ゼメキス。アニメの面白い作品が次々と公開される今年の年末。この映画はどれくらい健闘するのでしょうか??・・・


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