2013/12/8

年末に入り映画公開もラッシュ!レビューがまったく追いつかず
本日、一気に大放出!!
イチ押しはジブリのアニメと、緊迫のサスペンス!

かぐや姫の物語  監督 : 高畑勲  出演 :浅倉あき、地井武男、宮本信子
 2013年 日本映画
今週のイチ押し:昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山で竹をとって色々な物を作って生計を立てていました。そんなある日、竹林の中に光る竹がありました。近づいて見ると竹の根元から筍が飛び出し、ぱっくり開いたてっぺんには可愛い赤ん坊が入っていました。家に連れ帰りおばあさんに見せたおじいさんは「この子は天からの授かりもの」と大喜び。隣の家に乳を貰いに行く途中、おばあさんの体に異変が起こり、突然乳が溢れてきました。女の子はすごい勢いで成長していきます。そんな女の子を近所の子供たちは「タケノコ」と呼びました。女の子は近所子供の中でも最年長の捨丸に恋心を抱きはじめました。そんなある日、おじいさんは山で黄金色に輝く竹を見つけました。切ってみると中から黄金がザクザク。おじいさんはこの金を使って都に屋敷を建てて引っ越す事になりました。雅な女になるために相模という名の教師が雇われましたが、女の子は山での生活が懐かしくて仕方ありません・・
私評:今は昔、竹取の翁という者ありけり・・・かぐや姫の話は今まで何度も聞かされ、読んできましたが初めて泣いてしまいました。今までのかぐや姫の話は姫の登場人物の個性がまったく描かれていなかったのですが、今作では姫の初恋やいたずらな性格、そして翁と媼もとても個性的に描かれていて登場人物にすごく感情移入ができました。そして今回の作品のために創られたキャラクターの捨丸の登場により物語がさらに肉厚になっています。彼とかぐや姫の微妙な関係の描き方もすごく良いです。水彩画のような絵については最初のうちはちょっと違和感があったのですが、逆にだんだんと心地良くなっていきました。今となってはあの画風でないとダメだと思っています。予告を見てもチラシを見てもまったくそそられなかったのですが、本当に映画館で観ることができて良かった!!かぐや姫の声は「神様のカルテ」の浅倉あき、捨丸は「横道世之介」「ルームメイト」の高良健吾、翁役は昨年の6月に逝去された地井武男さん。これが遺作です。媼役は「マルサの女」の宮本信子。その他、高畑淳子、田畑智子、立川志の輔、宇崎竜童、仲代達矢など錚々たる顔ぶれ。監督は「火垂るの墓」の高畑勲。
ザ・コール 緊急通報司令室  監督 : ブラッド・アンダーソン  出演 :ハル・ベリー、アビゲイル・ブレスリン
The Call  2013年 アメリカ映画
今週のイチ押し:アメリカの緊急通報司令室“911に勤務するジョーダンは優秀なオペレーター。しかし、彼女の元に掛かってきた若い女性の助けを求める電話で致命的なミスを犯し、通報者を死に至らしめてしまう。それが元でジョーダンは現場のオペレーターを辞し、教官として勤務をしていた。そんなある日、911にケイシーという名の若い女性から電話が入る。ショッピングモールの駐車場でいきなり襲われた彼女は車のトランクに入れられ移動中だった。偶然、ポケットに入れていた友人の忘れた携帯電話で911に連絡をしたのだ。新人オペレーターからバトンタッチをして対処する事になったジョーダンは、ケイシーを励ましながら適切な判断で車を追跡。しかし、あと一歩のところで逃げられてしまう。そしてジョーダンはある事に気付く。偶然聞いた犯人の声が以前に自分がミスを犯した事件の犯人であることを・・
私評:私と一緒に戦って・・・けっこう地味に公開されているこの映画。なんたって劇場で予告を見た事がなかった。しかし・・、めっちゃ面白いです!まずは、緊急通報司令室の描き方。冒頭でガンガン電話がかかって来る中、手際よく対処していくオペレーターたち。ハイブ(ハチの巣)と呼ばれる施設はセットなのですが、ほぼ忠実に再現されているという。滑り出しからすごい緊張感とスピード感。そしてケイトの誘拐後は、ジョーダンの頭脳が炸裂。あらゆる手段でケイトの居所を探ります。そして色々言われているラストシーンは、本当に今まで常識ではありえない。私は思わずニヤリとしてしまいました。主演は「チョコレート」のハル・ベリー。彼女も色々なキャラクターを演じますよね~。今回はセクシーなハルは拝めません。ケイト役には「リトル・ミス・サンシャイン」のアビゲイル・ブレスリン。彼女も17歳になりました!今回は下着姿で放漫な胸元を披露します。しかも、顔面を殴られたり刃物で傷つけられたり・・・。その他、「地獄の変異」のモリス・チェスナット、「デヴァイド」のマイケル・エクランドなど曲者役者が揃っています。監督は「マシニスト」のブラッド・アンダーソン。この映画、観ないともったいない!!
劇場版 スペック クローズ 爻の篇  監督 : 堤幸彦  出演 : 戸田恵梨香、加瀬亮
 2013年 日本映画
当麻はシンプルプランのウィルスに感染し体調を崩している。今のところ特効薬は見つかっていないが、スペックホルダー以外の人間にはただのインフルエンザだった。自らの手から血液を絞り出し書道タイム。そこで導き出された答えはプロフェッサーJの正体。彼は当麻の父親の知り合いの湯田だった。彼は警察病院に入院していたが、中の医師に憑依しスペックホルダー保護施設を襲う。大人たちは惨殺、そして子供たちにはシンプルプランのウィルスを感染させた。サブアトラス会議。そこで湯田は人類の発祥、そしてスペックホルダーこそ、先人類の子孫であると語る。そして彼の役目はスペックホルダーを殺してその魂を集めることだった。当麻の怒りが最高潮に達し、ついに左手を解放する。ヤタガラスの大群が押し寄せ、当麻を包み込みサブアトラス会議場へと連れて行く。そこでついに当麻の正体が・・・。彼女こそファティマ第3の予言に出てくる、炎の剣持つ天使だった・・・
私評:ダメ元、上等!!・・・私の大好きなスペック、終わっちゃいました。もう、続きはありません。この作品は「ケイゾク」に端を発し、ついには人類の歴史、そして神?の発祥まで書き換える壮大なストーリー。大風呂敷を広げてどうなっちゃうのかと思ったら見事なまでの締めくくり。いや~、鳥肌が経ちました。しかし、この映画の中で一番の鳥肌シーンは、佐野元春の名曲「彼女」が使われるシーン。当麻の父親役で登場していたのに、なぜ彼の曲を使わないのか?と思っていたらとんでもない、そして最高の場面で使用されていました。さすがは堤監督!!あとは、歴代のスペックホルダーが勢揃いするシーンはTV版から観ていたファンには圧巻ですね。(仮面ライダーやウルトラマンも映画だと全部揃いますからね!)そして気になったのはワンシーンだけ登場する今、人気の若手女優。今まで中谷美紀、仲間由紀恵、そしてこの作品では戸田恵梨香をまったく違うキャラクターでトップ女優に押し上げた堤監督の次なるミューズは彼女かも知れません??出演は戸田恵梨香、加瀬亮、向井理、大島優子、遠藤憲一、栗山千明・・・。堤監督の次なる作品は「TRICK」の最終章。これも見逃せません!
潜伏  監督 : 保坂延彦  出演 :土屋貴子、なだぎ武
 2013年 日本映画
宗教団体「カーマの家」は毒ガス無差別殺人を起こし教団員は次々に逮捕された。しかし、そんな中で松岡祥子は逃亡生活を送っていた。今のアジトにも危険が迫り、祥子は教団員のひとり田坂信行とペアになり夫婦を装う事になった。そして祥子には砂原波子という新しい名前が与えられた。人目を忍んで生きて行く波子はパートタイマーとして、ある工場で働き始める。そこで彼女は山路光秀という男と出会う。逃走生活で疲れ果てていた波子は山路の温かさに触れひと時の癒しを得ていた。山路は波子の素性を知ったうえでも彼女を受け入れ、やがてふたりはいっしょに生活をし始める。今まで抱いたこともない幸福に満ちた生活。しかし、波子はある決心をしていた・・・・
私評:あれはアメリカが起こしたハルマゲドンなんです・・・先日、某映画業界の人たちの集まりに参加した時に、偶然、私の前の席に座られたのがこの映画の主役の土屋貴子さん。その時にこの映画の話を聞いてぜひ、観たいと思っていました。この映画の題材は「オウム真理教」の事件で、主人公の波子は菊池直子です。もちろん、映画用のフィクション作品なのですが実にリアルな映画でした。サスペンス風の作品ですが、深い男女の愛の物語なのです。映画の冒頭では能面のように表情がなかった波子が、真の愛を知る事で柔和な顔になり、そして美しく変貌していく。インデペンデント映画なので色々と制約があったとは思いますが、見事なまでの完成度です。主演はTVドラマなどで活躍する土屋貴子。本人を知って観るとまた、映画の感じ方も違いますね。山路役はコメディアンのなだぎ武。田坂役には東野英治郎の孫、東野克。そして波子が最後に勤務する養護施設の館長は下條アトム。監督は「父と子」の保坂延彦。
レッド リターンズ  監督 : ディーン・パリソット  出演 : ブルース・ウィリス、ジョン・マルコビッチ
RED 2  2013年 アメリカ映画
CIAエージェントのフランクは恋人のサラと穏やかで平穏な日々を過ごしていたが、ショッピングセンターでその生活は終わりを告げる。フランクの元相棒のマーヴィンが、新たなミッションに彼を執拗に誘いにきたのだ。頑なに断ったその直後、マーヴィンの車が爆破されてしまう。マーヴィンの葬儀に際中、フランクはFBIに連行されてしまう。取調室にいたフランクを特殊部隊が襲い、フランクを殺そうとするがそこに現れたのは死んだはずのマーヴィンとサラ。間一髪、フランクはその場から逃げだした。フランクが襲われたのはネットに公表された「ナイトシェード作戦」が露見したためだった。それは米ソ冷戦時代に核爆弾を分解してモスクワで完成させた物。天才物理学者ベイリーの手によって作られたのだが、その警護をしていたのがフランクだった。フランク、マーヴィンは国際指名手配となりイギリスのMI6も動き始める。フランクの友人でもあるヴィクトリア、そして史上最強の殺し屋と謳われる韓国人のヒットマン、ハンも彼らを追うが・・・・
私評:ろそろ人を殺したいだろ??・・・前作も最高に面白かったのですが、パート2も負けていません!ご高齢のおじさま、おばさまたちが銃をぶっ放し、敵をぶん殴りの大活躍。アクションだけじゃなくて、とにかく笑えるのがこの映画の良いところです!そして今回は世界中が舞台。アメリカをスタートして、モスクワ、パリ、ロンドンと大移動します。ちょとした世界旅行ですね?前作に登場したモーガン・フリーマンは抜けてしまいましたが、今回のキャストにはまた更なる補充が!!主演は「ダイ・ハード」のブルース・ウィリス、マーヴィン役は「マルコビッチの穴」のジョン・マルコビッチ、サラ役は「ゴーストエージェントR.I.P,D.」のメアリー・ルイーズ・パーカー、ヴィクトリア役は「クイーン」のヘレン・ミレン。ここまでは前作に引き続きの登場。新たな布陣はベイリー役に「ヒッチコック」のアンソニー・ホプキンス、ロシアの女捜査官に「シカゴ」のキャサリン・ゼタ・ジョーンズ、そして殺し屋のハンは「アイリス」のイ・ビョンホン。このキャストだけで映画ファンは観なくちゃダメでしょう!?監督は「ギャラクシー・クエスト」のディーン・パリソット。


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