2013/11/24 (その2)

さあ、今年も残すところ1か月とちょっと。良い映画がどんどん公開されます。
今回のイチ押しは極上の美女ふたりのサスペンス。

ルームメイト  監督 : 古澤健  出演 : 北川景子、深田恭子、高良健吾
 2013年 日本映画
今週のイチ押し:萩尾春海は交通事故に遭い病院に担ぎ込まれる。幸い命に別条はなかったが足を骨折し入院を余儀なくされた。そんな春海に優しく接してくれたのは看護師の西村麗子。ふたりは意気投合し、晴海の退院を機にルームシェアを始める。優しい麗子にすっかり心を許していた春海だったが、ひとりきりなのに誰かと会話をしていたり、会話の途中で急に口調が変わったりする麗子に不安を感じ始める。そんな時、麗子の元同僚の看護師のリカが帰宅途中で顔に硫酸をかけられ、死亡する事件が起こる。ますます不安を募らせ、生活費を稼ぐため仕事を探していた春海に声をかけたのは交通事故の加害者の工藤だった。そんな中で春海は麗子の中に「マリ」というもう一人の人格が存在する事を知る。麗子とマリのふたつの人格に恐怖を感じた春海だったが、マリの呼び出しに応じて怪しげな店に足を踏み入れる。しかし、そこで春海はある恐ろしい事実を知ってしまう。それは春海自身をも滅ぼしかねない驚愕の事実だった・・
私評:死ねばよかったのに・・・北川景子、深田恭子という屈指の美人が殺し合う??みたいなキャッチが心に残り、初日に出掛けて行きました。こういう多重人格を扱った作品は大好きですが、この映画はストーリーが見事に練られていてすごく面白かったです。最後に23重に仕掛けられたどんでん返しは本当に驚愕!!このオチを予見できる人はなかなかいないと思いますよ。それにしてもこの映画の見所はふたりの主演女優でしょう!怖がる演技で観客を引き込むのは「謎解きはディナーの後で」の北川景子。ここには絶対に書けませんが、物語のラストは違う一面も覗かせてくれます!そして優しく可愛い人格とサイコパスのふたつの顔を演じ分けるのは「ヤッターマン」の深田恭子。特に深田恭子は目が怖い!!ふたりとも決して演技が上手いわけではないのですが、まさに「魅せる」女優たちですよね。そしてこのふたりの絡むのは「横道世之介」の高良健吾、平成ガメラシリーズの蛍雪次郎、そして「GANTZ」の田口トモロヲ。脇役ながら存在感十分の男優たちです。監督は「オトシモノ」「Another アナザー」の古澤健。ゾッとしたい方にはおススメです。
悪の法則  監督 :リドリー・スコット  出演 : マイケル・ファスベンダー、キャメロン・ディアス
The Counselor  2013年 アメリカ映画
カウンセラーと呼ばれる男はCAの美しい恋人ローラとの幸せなひと時を経て、ライナーという男に会っていた。ライナーはとにかく勢いだけで成り上がってきた男だが、カウンセラーは彼との危険なビジネスに足を突っ込もうとしていたのだ。ライナーにはマルキナという恋人がいる。怪しげな雰囲気の彼女の本性はまったきわからない。取引には完璧なまでのシナリオで事を進める自信がカウンセラーにはあった。その後、カウンセラーはウェストリーという男と会った。彼は麻薬取引の仲介をしているのだが、用心深い彼はいつもしっかりとガードを固めている。彼は脅しとも取れる組織の恐ろしさをカウンセラーに聞かせるが、彼は耳を貸さなかった。しかし、ウェストリーの言葉が現実となる。完璧なはずだったカウンセラーのシナリオがほころび始める。それは思いもよらない事件が発端だった。果たして裏で事件をかき回しているのは誰なのか??・・・・
私評:彼女のアレはなまずだ・・・監督のリドリー・スコットはアクションやSFが得意なイメージがありますが、今回の作品はとても挑戦的。物語の展開は相変わらずゆっくりで、難解なのですが事件のほころびが見え始めるとすごい勢いで物語を転がしていく。しかも、登場する役者に今までに演じた事がないキャラクターをさせているところが良いです。映画を見終えた後は何とも言えない「後味の悪さ」を残すのですが、それが「悪」に関わった者の人生なのかも??砂漠の一本道にワイヤーを張ってバイクの男を引っかけるシーンは怖いです!以前にそんな事件が日本でもありましたよね??映画の中では強烈なシーンになっています。カウンセラー役は「プロメテウス」に続いてのリドリー作品出演になるマイケル・ファスベンダー。彼の恋人で一番悲惨な目にあうローラ役は「ローマでアモーレ」のペネロペ・クルス。ライナー役は「スカイフォール」のハビエル・バルデム。(ペネロペと夫婦共演ですが一緒のシーンはなかった)ライナーの恋人マルキナ役はいつものキュートさを封じ込め極悪女を演じる「バッド・ティーチャー」のキャメロン・ディアス。そしてウェストリー役は「ワールド・ウォーZ」のブラッド・ピット。彼が「テルマ&ルイーズ」の時と同じ白いカウボーイハットで登場した時はニヤリとしてしまいました。監督は「エイリアン」「ブレイド・ランナー」「プロメテウス」のリドリー・スコット。
サプライズ  監督 : アダム・ウィンガード  出演 : シャーニ・ヴィンソン、バーバラ・クランプトン
You're Next  2013年 アメリカ映画
両親の結婚35周年の祝いのために久々に集まった家族。しかし、家族は間違っても仲良しとは言えず、長男と次男は口を開けば喧嘩ばかり。せっかく集まった家族もうんざりしていた。そんな彼らを動物の面をつけた3人の男たちが狙っていた。彼らが最初に血祭りにあげたのは近所に住む大学教師と女子生徒だった。家族が来る前日にふたりは無残にも殺されていたのだ。まるでそれは、これから起こる惨劇のリハーサルのように・・・。宴もたけなわになってきたとき、長女のボーイフレンドが、窓の外に不審な影を見つけた。その直後、彼は額をボウガンの矢で撃ち抜かれて即死。その後も、ガンガン飛んでくる矢を掻い潜るが、母親をかばって長男は背中を射抜かれてしまう。誰がいったい何のために??パニックに陥った家族の中で一人果敢に危機に立ち向かったのは次男の恋人のエリン。実は彼女はサバイバルに長けていたのだ。ひとり、またひとりと家族が殺されていく中で、ついにエリンは反撃に出るが・・・・
私評:そこに行ってはダメ!!・・・これはホラー映画と呼んでいいのでしょうか??訳も分からず突然襲撃を受けて、バタバタと殺されていくのですが、二男の恋人が逆襲をしていく。登場人物のほとんどが死んでしまうのですが(笑)、悲惨なホラー映画ではなくて、むしろ爽快な気分になってしまうのが不思議。これは新しいジャンルのホラー映画か??一応、事件の裏もきっちりと描かれているので納得の行く展開ではありますが、ツッコミを入れてみたい気分も・・・。そしてラストシーンは大爆笑!?(これはホラーファンだけですが・・)主演のエリン役は「パニックマーケット3D」のシャーニ・ヴィンソン。彼女がすごい勢いで、しかも徹底的に相手をやっつけます。殴り方もハンパない!!そして注目のキャストは「ZOMBIO/死霊のしたたり」「ボディ・ダブル」のバーバラ・クランプトン。すっかりおばあさんになってしまいました。その他に役者は良い面子が揃っていますが、みんなほとんど無名。これもホラー映画ならではのキャスティングかも??監督はアダム・ウィンガード。
47 RONIN  監督 : カール・リンシュ  出演 : キアヌ・リーブス、真田広之、浅野忠信
47 Ronin  2013年 アメリカ映画
浅野内匠頭の一行は森の中で天狗の子供を捕えた。しかし、彼に恩赦をかけた浅野によって子供は生かされ領地内でひっそりと暮らし始める。やがて年月が過ぎ、カイと名付けられた男は成人になるが相変わらずの生活。そんなある日、浅野の領地に巨大な牛が乱入して大暴れをする。この巨大な牛を仕留めたのはカイだったが、彼は手柄を浅野の家来に委ねた。浅野の娘ミカはカイに淡い気持ちを抱いていたが、姫と家来という身分の違いと浅野への恩義から、彼は姫を遠ざけた。そんな時、浅野領に将軍が訪ねてきた。最高のもてなしをするが、同行した吉良上野介の腹心で怪しい術を操る女ミヅキにたぶらかされ、幻覚を見た浅野は吉良に斬りつけ将軍に切腹を言い渡される。そして浅野領は吉良に乗っ取られ、大石内蔵助を筆頭とする家臣は主を持たない浪人となってしまう。しかも、大石は吉良の手下に捕えられ、1年も深い穴の中に閉じ込められてしまう。一方のカイは場末の格闘場に売り飛ばされてしまう。解放された大石は吉良を討つためにかつての浅野の家臣を集めはじめるが・・・・
私評:戦いの時は来た!われらと共に来るか?!・・・あの有名な「忠臣蔵」をハリウッドが独自の解釈ととてつもないSFXで作り上げたのがこの映画。「なんで47士の中にキアヌ??」という不安感がぬぐい切れなかったのですが、映画が始まるとそんな違和感は払拭されました。しかし、日本人が見ると日本の描き方にちょっとしたずれを感じてしまう。「ウルヴァリンSAMURAI」でもそうでしたがガイジンが日本を忠実に描こうとしても無理があるんですよね。まあ、粗は探せばどんどん出てきそうなので・・・。しかし、単純にエンターテインメント作品としては映像のすごさも、戦闘シーンの迫力も存分に楽しめました。主演は「マトリックス」のキアヌ・リーブス。彼の太刀さばきもなかなかのもの。大石内蔵助役は「ウルヴァリンSAMURAI」の真田広之、吉良上野介は「バトル・シップ」の浅野忠信、ミヅキ役は「パシフィック・リム」の菊池凛子。こうして見ると日本人もハリウッドで頑張ってますね。ミカ役は「容疑者Xの献身」の柴咲コウ、大石内蔵助の息子を赤西仁、浅野内匠頭を田中泯が演じています。監督はCM等で世界的に活躍をしてきたカール・リンシュ。これが劇場長編デビュー作です。


前回の記事も読んでね~!



I Love Movieに戻る