あっと言う間に12月。映画もラストスパートで鑑賞中。レビューが追いつきません。
今回もイチ押しがいっぱいです。
起終点駅 ターミナル | 監督:篠原哲雄 | 出演 : 佐藤浩市、本田翼、尾野真千子 | |||||
2015年 日本映画 | |||||||
今回のイチ押し:北海道に単身赴任していた裁判官の鷲田の元に学生時代の恋人の冴子が被告人として現れる。執行猶予の刑が下った冴子が働くスナックに通ううちに鷲田と冴子の仲が再燃。鷲田は東京にいる妻子と別れて冴子との生活を選ぶが、冴子は彼の目の前で列車に飛び込んだ・・。以来、25年間、鷲田は釧路で国選弁護人としてひっそりと生きていた。そんなある日、彼は敦子という若い女性の弁護をすることになった。そして彼女が家を訪ねてきた。ある人を探してほしいというのだ。個人の依頼は受けない主義の鷲田だったが、頼る宛もない敦子に心が動かされる。そしてふたりの交流が始まった。人を避けてきた鷲田の心のわだかまりがほぐれていく。そして敦子も新しい道を探し動き始める・・ | |||||||
私評: また、会いに戻ってきてもいい??・・・いい。すごくいい。なんだか久々に大人の人間ドラマを見た。まさに人の出会いが育む再生のドラマです。釧路という舞台もこの作品を描く上では最適な場所です。最果ての地で、ひっそりと人生を送るはずだった男の運命が新たに動き出す。そして同時に過去と対峙する事になるのです。釧路ってまさにタイトルの「起終点駅」なんですね。私がしびれたのはラスト近くで敦子が「会いに戻ってもいい??」と聞いた時に鷲田の答え。これが大人の対応なんだ・・・。鷲田役は「清須会議」「のぼうの城」の佐藤浩市、冴子役は「バリの神様」「探偵はバーにいる2」の尾野真知子、敦子役は「アオハライド」の本田翼。その他、中村獅童、泉谷しげるなど。監督は「深呼吸の必要」「地下鉄(メトロ)に乗って」の篠原哲雄。 | |||||||
リトル・プリンス 星の王子さまと私 | 監督 : マーク・オズボーン | 日本語吹替 :鈴木梨央、瀬戸浅香、津川雅彦 | |||||
The Little Prince | 2015年 フランス映画 | ||||||
今回のイチ押し:女の子は母親と一緒にその家に引っ越してきた。目的はその地域にある名門校に入るため。彼女の生活はすべて母親が管理していて将来も母親の手中にあった。そんなある日、隣の家からプロペラが飛び込んでくる。そこにはおじいさんが住んでいた。隣に興味を持った女の子はおじいさんを訪ねると、彼は昔、自分が飛行士をしていた時に砂漠で出会った少年の話をしてくれた。すっかりおじいさんと仲良しになった女の子は、母親のスケジュール表を無視しておじいさんと遊ぶことに夢中になる。しかし、その事が母親に知れてしまった女の子は、また元の生活に戻ったが、ある日おじいさんの家の前に救急車が・・ | |||||||
私評:おじいさんのかわりに王子に会いに行くの・・・世界中で愛されているアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの名作「星の王子さま」のアニメ化です。しかも、物語の後日談も描かれています。私自身、「星の王子さま」は幼いころに読んだのですが、あまり強烈な印象はなくほとんど忘れていました。しかし、この映画を観てこの物語の世界観にどっぷりと浸かりしびれてしまいました。そして今更のように原作本を買い読み直しました。すごい本です。大人が読むべきファンタジーです。そしてCG技術に拘らない柔らかなストップモーション映像と手書き風の映像がまた、素晴らしい。正直言って全く期待していなかっただけに大きな衝撃でした。私が観たのは吹替え版で声優陣は主人公の女の子に子役の鈴木梨央ちゃん(彼女が素晴らしい!)、隣のおじいさんは津川雅彦、お母さんは瀬戸朝香。その他に脇役で伊勢谷友介、竹野内豊、滝川クリステルなど、豪華な布陣。オリジナル版はジェフ・ブリッジズ、レイチェル・マクアダムス、ジェームズ・フランコ、ベニチオ・デル・トロ、マリアン・コティヤール・・という超豪華版。次回は字幕版を観よう!監督は「カンフー・パンダ」のマーク・オズボーン。 | |||||||
黄金のアデーレ 名画の帰還 | 監督 : サイモン・カーティス | 出演 : ヘレン・ミレン、ライアン・レイノルズ | |||||
Woman In Gold | 2015年 アメリカ・イギリス映画 | ||||||
今回のイチ押し:1998年、アメリカ。マリアは小さなブティックを経営している。彼女の姉の葬儀を終え、遺品の中から姉がある絵画を奪還しようとしていた事を知る。その絵画とはオーストリアの宝とも呼ばれるクリムトの作品。そこの描かれていたのはマリアの叔母のアデーレだった。その絵画は戦時中にナチスによって強奪された後、アデーレの遺言によりベルベデール美術館に移されたというが、マリアも姉もそれを見たことはなかった。姉の遺志を継ぐためにマリアは友人の息子の若い弁護士のランディに相談をする。最初は乗り気でなかったランディも、アデーレの絵画の金額を知って愕然とする。マリアとランディはオーストリアに渡り、交渉を続ける。しかし、マリアはこの土地でかつて起きたナチスの暴挙を思い出していた。交渉はオーストリアでは進捗がなかったが、ランディはこのケースを諦めきれず方策を探っていた。すると、アメリカからオーストリアに対して訴訟を起こせることを知る・・ | |||||||
私評:あそこには戻らない。家族を奪ったあの土地には・・・この映画は実話です。アメリカのおばあちゃんがオーストリアを相手に訴訟を起こした!なんてすごい話。しかし、その話の裏にはさらにドラマチックな物語があったのです。こんなすごいお話を映画にしなきゃ本当にもったいない。事実は創作よりドラマチック。ラストが分かっていてもこういう作品って楽しめちゃうんですよね。また、これだけの事をしでかすからには一筋縄では行かない。そんなやり取りもすごく面白かった。しかし、この映画の最大のウイニングポイントは主演のヘレン・ミレンでしょう。「クイーン」でアカデミー主演女優賞を獲った彼女はもはやこういう役をやらせたら無敵??そしてランディ役は「グリーン・ランタン」のライアン・レイノルズ。彼とヘレンのやりとりはコミカルでとても楽しかったです。そしてランディの奥さん役はミセス・トム・クルーズのケイティ・ホームズ。監督は「マリリン 7日間の恋」のサイモン・カーティス。 | |||||||
ラスト・ナイツ | 監督: 紀里谷和明 | 出演 : クライブ・オーウェン、モーガン・フリーマン | |||||
Last Knights | 2015年 アメリカ映画 | ||||||
ある、封建的な帝国が舞台。かつて正義を心に掲げる騎士たちの時代は終わりを告げようとしていた。その国では賄賂が横行していたが、バルトーク卿は金の代わりにショールを送った。それは彼への賄賂を拒否するという意思表明だった。しかし、彼は反逆罪にされ死刑を言い渡される。しかも、バルトーク卿に忠誠を尽くした家臣のライデンの手によって斬首されるという命令が下る。断固として断るライデンにバルトーク卿は騎士の掟を語った。そしてついに・・・。それから1年後、バルトーク卿の家臣の騎士たちはそれぞれの身分を隠し、大臣を討つことを画策していた。しかし、体調のライデンは酒に溺れ妻にも愛想を尽かされていた・・・ | |||||||
私評:騎士としての使命を果たせ・・・これは西洋版の忠臣蔵。日本人が大好きな「浪花節」的な要素がたっぷり入ったアクション+人情ドラマです。話の内容は分かっていてもワクワクするストーリー展開。そして何よりも騎士(ナイト)たちがカッコいいんです。後半は怒涛のバトル・アクションが続くのですが、まったく飽きない。しかし、この映画の注目点は何と言っても、監督が日本人だという事。彼がハリウッドのみならず、アジアのスターまで起用して世界に挑んだ作品。個人的には世界に出しても全然いける作品だと思いました。認められて欲しいな~!!ライデン役は「インサイド・マン」「トゥモロー・ワールド」のクライブ・オーウェン、バルトーク卿役は「ショーシャンクの空に」のモーガン・フリーマン、皇帝の側近のアジア人役で「シルミド」「武士(MUSA)」のアン・ソンギ、日本からは「硫黄島からの手紙」の伊原剛志。監督は「GOEMON」「CASSHERN」の紀里谷和明。 | |||||||
ムーン・ウォーカーズ | 監督 :アントワーヌ・バルド=ジャケ | 出演 : ロン・パールマン、ルパート・グリント | |||||
Moon Walkers | 2015年 フランス・ベルギー映画 | ||||||
1969年、アポロ11号が月に向かう。しかし、NASAはここのところ失敗続きでアポロを月に送り込むことは国家を挙げての大プロジェクトだった。しかし、失敗のリスクも考えたCIAはスタンリー・キューブリックにニセの映像を作らせる事にした。ベトナム帰りのCIAエージェントのキッドマンは単身ロンドンに渡りキューブリックに交渉することになっていたが、なぜは借金まみれの売れないバンドマネージャーのジョニーをエージェントと勘違いして大金を巻き上げられてしまう。しかも、ジョニーは借金をしていたギャングに金を奪われてしまう。その事を知ったキッドマンは激怒するが、使命を果たすためにジョニーの知人のドラッグ中毒の映画監督にフェイクの映像を作らせる事にした。しかし、彼らの怪しい行動をCIAは嗅ぎつけていた・・・ | |||||||
私評:なんか違うぞ!!・・・アポロ号の月面での映像はねつ造されたもの??というのはかなり昔から聞いていた都市伝説。いまだに「本当に月まで行ったの??」と疑いたくなります。そんな噂を逆手にとってブラックな視点の作品ができました。はちゃめちゃなコメディでもあり、皮肉が効いた社会風刺映画でもあり、そして最後はスプラッターな展開。すごいです。こんなジョークみたいな作品なのに発散されるパワーがすごいのなんのって・・・。しかし、ネタ的には宣伝材料に乏しいので「ハリー・ポッター」シリーズの主要キャストのルパート・グリントを前面にし出して頑張りましたが・・・。だって、この映画の主演ンは「ヘル・ボーイ」「パシフィック・リム」のロン・パールマンですから!だけど、日本では押しが弱いか・・・。ちなみにこの映画、フランスとベルギーの合作映画です。監督はCM界で活躍しているというアントワーヌ・バルドー=ジャケ。 | |||||||
Re:Life ~リライフ~ | 監督 : マーク・ローレンス | 出演 : ヒュー・グラント、マリサ・トメイ | |||||
Rewrite | 2014年 アメリカ映画 | ||||||
かつて「間違いの楽園」という作品でアカデミー脚本賞を手に入れたキース。しかし、彼はまさに一発屋だった。今日もハリウッドのプロデューサー相手に脚本の営業に出掛けたが撃沈したばかり。そんな時に彼に舞い込んできた仕事はビンガムトンという田舎町の大学の脚本コースの教鞭をとる事だった。電気代も払えない彼に選択の余地はなかった。いやいや現地に到着したキースは、町のカフェでカレンという女子生徒と意気投合し、そのまま一夜を共にしてしまう。翌日、学科長から70人分の脚本を渡されたキースは、中身を読まずに女生徒のルックス重視で生徒を抜粋。授業もテキトーだった。その夜の歓迎会でもテキトーぶりを発揮したキースは大学の倫理委員長のメアリーを怒らせてしまう・・・ | |||||||
私評:見たことは秘密よ。言ったら殺すよ・・・・この映画はヒュー・グラントを楽しむ映画です。彼の真骨頂であるテキトー男ぶりが良いです。過去の栄光にすがる・・という展開は「ラブソングができるまで」に似ているかも??それにしても憎まれ口を叩きまくって、仕事も女性もテキトーすぎる中年男を、こんなにチャーミングに演じられるって素晴らしい。ある意味、私が目指したいおっさん像なのかもしれません??ステキすぎます。主演は「ノッティング・ヒルの恋人」「ラブ・アクチュアリー」のヒュー・グラント、彼の生徒のシングル・マザーは「忘れられないひと」「レスラー」のマリサ・トメイ、学科長は「セッション」のJ.K.シモンズ。監督は「デンジャラス・ビューティー」「ラブソングができるまでのマーク・ローレンス。 | |||||||
グリーン・インフェルノ | 監督 : イーライ・ロス | 出演 : ロレンツァ・イッツォ、アリエル・レビ | |||||
The Green Inferno | 2013年 アメリカ・チリ映画 | ||||||
大学に通うジャスティンは女性の割礼を儀式とする野蛮な部族の存在を知る。そんな時、彼女は過激な慈善活動をしているグループの集会に呼ばれる。彼らの次なるターゲットはペルーにあるジャングルで天然ガスを巡り、ヤハ族の居住区が危機に瀕しているという。リーダーのアレハンドロの話に共感したジャスティンは彼らと一緒にペルーに向かった。しかし、そのデモの裏にはアレハンドロの私腹を肥やす仕組みがあり、ジャスティンは彼女の父親が国連大使である事が巧みに利用されたのだ。その帰り道、セスナ機が故障しジャングルに墜落。死者も出るが生き延びた者たちにも不気味な足音が迫る。毒矢で眠らされた彼らは村に連行される。そして彼らの目の前でメンバーのひとりの解体が始まった・・・ | |||||||
私評:私は何も見ていません・・・1981年のイタリア映画「食人族」のリメイクです。ゾンビではなく生きている人間が人間を食べるというのが、かなりショッキングでしたね。観終わった後は「しばらくは肉を食えない」と思った・・(けど、直後に食べた)。それがなんで今頃??と思いながら観に行ったのですがけっこう観客が多くてビックリ。私みたいな「ホラー大好きです!」みたいなオーラを出しているおじさんばかりではなく、女性の一人客もいたから驚きました。前作から30年以上経って映像も特撮も技術が進化して、さらリアルでグロテスクになっていました。食べられるシーン以外でもけっこう痛そうなシーンがありました。こんな映画を公開できる日本って、やっぱり平和なのかな~・・。主演のジャスティンは南米顔の美女ロレンツァ・イッツォ、アレハンドロ役はアリエル・レビ。監督は「ホステル」「キャビン・フィーバー」のイーライ・ロス。R18作品です。 | |||||||
劇場版 MOZU | 監督 : 羽住英一郎 | 出演 : 西島秀俊、香川照之、伊勢谷友介 | |||||
2015年 日本映画 | |||||||
爆破テロ事件で妻を失った警視庁公安部の倉木は事件の裏を暴いたことから仕事への気力を失っていた。また、刑事部にいた大杉は警察を去り探偵事務所を開いていた。そんなある日、ビル乗っ取りのテロが発生。同時にぺナム大使館の車の襲撃事件が発生していた。実は彼らのターゲットは大使の娘のエレナだった。現場に偶然居合わせた倉木によってエレナは救出され、人目を避けるために大杉の探偵事務所に預けられた。事件の裏にいたのは「ダルマ」と呼ばれる大物。彼の部下の権藤によって大杉の娘のめぐみと倉木の同僚の明星が誘拐されぺナムへと連れ去られた。ぺナムに到着した倉木と大杉は「ダルマ」の影を追う。果たしてダルマの正体は??そして彼はなぜエレナを追うのか??・・・ | |||||||
私評:ここが地獄だよ・・・テレビ版は全く見たことがなかった私は、登場人物のバックグラウンドが分からず、消化不良のままストーリーが進んでいき結局最後まで話に乗れず・・・。せめて映画の最初にダイジェスト版で人間関係だけでも教えて欲しかった。テレビからの延長で劇場版・・という作品が多いけどこれはけっこう大きなハードルですよね。しかし、この作品はキャラが立っていますよね。癖のある演技がぶつかり合いなんだか異様な感じもしました。主演は「真木栗の穴」の西島秀俊。しかし、あれだけボコボコにされたら動けないでしょう・・・??大杉役は「るろうに剣心」の香川照之、明星役は「脳内ポイズンベリー」の真木よう子、そしてダルマ役はビートたけし。その他、伊勢谷友介、長谷川博己、松坂桃李、池松壮亮など、豪華なメンバーです。監督は「海猿シリーズ」「暗殺教室」の羽住英一郎。 | |||||||