ついに師走に突入。ラストスパートで
年内に何本見れるのでしょうか?今回のイチ押しは大逆転で邦画の名作が獲得
春の雪 | 監督:行定勲 | 出演:妻夫木聡、竹内結子 | |
2005年 日本映画 | |||
今週のイチ押し:大正時代。公爵家の松枝家の一人息子の清顕は幼少時代、「雅」の優雅さを身につけるため公家の綾倉家で育てられた。綾倉には聡子という娘がいて、いつの頃からか聡子は清顕に恋心を抱いていた。年月が過ぎ清顕は立派な青年に育つが、大人になりきれない彼は聡子の前では素直になれないでいた。親友の本田からもそんな気持ちを見透かされ指摘されるが聡子の前ではつい見栄を張り、聡子の心を弄んでしまうのだった。その頃綾倉家では宮家の王子と聡子の縁談が進められていた。没落寸前の綾倉家にとってこれはまたとない機会だった。聡子は清顕からの求愛を待っていたが、清顕は聡子を無視し、聡子は宮家との縁談を受けざるを得なかった。ふたりの婚約が新聞発表され清顕は初めて聡子への自分の気持ちに気づくが・・ | |||
私評:私がもし、急にいなくなってしまったら・・清様、どうなさる??・・・三島由紀夫の原作が見事なまでに映像化されていた。私は三島由紀夫の「豊饒の海」が大好きなので、この映画を見るに当たって色々と思惑を抱いておりました。まず、今まで三島作品の映画化で、私が原作で抱いた衝撃がほとんど描ききれていなかったことがあります。「潮騒」「金閣寺」など、まあ別の意味で面白さはあるのですが三島由紀夫の小説の深さは描ききれていなかったからだ。しかし、今回の演出は「素晴らしい」の一言。清顕と聡子の心情の描き方は完璧でした。そして原作では2部以降で主役となる本田の描き方も上手いです。主演の妻夫木聡と竹内結子の演技も素晴らしかった。今までのふたりの演じてきたキャラクターとはかなり違う役だと思うのですがお見事!共演陣も素晴らしい役者ばかり。中でも光っていたのは聡子の乳母の大楠道代と月修寺門跡の若尾文子。そしてこの映画で素晴らしいと思ったのが撮影のリー・ピン・ビンです。つねに滑らかにそして静かに動いているのです。格子の多い日本家屋での撮影にはめちゃめちゃ効果があります。監督はもはや日本を代表する映画監督、行定勲。本当に素晴らしい映画でした・・。 | |||
そして、ひと粒のひかり | 監督:ジョシュア・マーストン | 出演:カタリーナ・サンディノ・モレノ、ギリード・ロペス | |
Maria Full of Grace | 2004年 アメリカ・コロンビア映画 | ||
コロンビアの田舎町に住むマリアは、日々の生活にうんざりしていた。少ない収入は5人家族のために吸い取られ、ボーイフレンドもまったく刺激を感じない。そんな彼女に追い討ちをかけるように、仕事先の上司と揉め事を起こし彼女は仕事をクビになってしまう。田舎町に見切りをつけたマリアは友人が住む大都市のボコタを訪ねることにした。そんな彼女に声を掛けてきたのは週末のパーティで知り合ったフランクリン。彼はマリアをバイクに乗せてボコタに送ってくれるという。ボコタへの道中で、フランクリンはマリアに「旅に関係する仕事」を持ちかけた。それは胃袋の中に麻薬を隠し運ぶ「ミュール」。いち度は断りかけたものの、1回運べば5000ドルも手に入ると知り彼女は仕事を引き受けてしまう。実は彼女は妊娠していたのだ・・・・ | |||
私評:こんな所大嫌い。息が詰まりそう・・・・今年のアカデミー賞の主演女優賞に見たことも聞いたこともない女優がノミネートされていた。彼女の名前はカタリーナ・サンディノ・モレノ。惜しくもオスカーはヒラリー・スワンクが獲得したが、その時からとっても気になっていた映画です。自分の胃袋に麻薬を入れて運ぶ「ミュール」は実際たくさんいるそうで、実に恐ろしい事です。そんなミュールたちの話が実にリアルに描かれています。そういった社会的な問題を掲げた映画でもあるのですが、マリアと言う17歳の少女の成長と決断を描いた作品でもあります。映画の最後で彼女はまた、新たな決断をするのですがその時の彼女の表情が忘れられません。果たして彼女にその決断をさせたのは??主演のカタリーナ嬢は最初の頃は普通の女の子という感が拭えなかったのですが、徐々に輝きを放ち始めます。ほんの数日間のうちに彼女が経験したとんでもない事件が彼女の外見も変えてしまうんです・・監督も今回が初映画というジョシュア・マーストン。南米映画も侮れませんよ〜・・。 | |||
Mr. & Mrs. スミス | 監督:ダグ・リーマン | 出演:ブラッド・ピット、アンジェリーナ・ジョリー | |
Mr. & Mrs. Smith | 2005年 アメリカ映画 | ||
ジョンとジェーンは傍目から見れば理想のカップル。そんな二人は定期的にカウンセリングを受けている。どこを切っても幸せマークの二人。しかし、お互いに大きな秘密を隠していた。ジョンの表の顔は建築業。取引はアメリカのみならず世界をまたに駆ける。しかし、彼の裏の顔はプロの殺し屋。一方、ジェーンも表の顔はコンピュータープログラマー。しかし、裏の顔はジョンとは別の組織に属するプロの殺し屋だった。ふたりは敵同士だったのだ。そんなある日、ふたりは同じターゲットを追って砂漠へとやってくる。そしてふたりはお互いに重火器を向け合うことに・・。しかもターゲットを逃してしまう。お互いの素性を知ってしまったジョンとジェーンは、今までの愛情生活はどこへやら、お互いに殺し合いをするはめに。しかし、ふたりはとりあえず手を組んで逃したターゲットを奪回することに・・・・ |
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私評:312人も殺したのか!?・・・待ちに待ったこの映画。しっかり、初日に劇場にダッシュ!いや〜、思う存分楽しみました。この映画の魅力はなんと言ってもブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーのふたり。もう、最高のコンビです。息の合ったふたりの漫才(?)、アクション、格闘、そしてダンス。どれもこれも見所です。私も男なのでセクシーなアンジーには釘付け。とにかく彼女の魅力が150%引き出されていました。ブラピがアンジーにメロメロになっているようですが、その気持ちも分かります。私だってセクシーで、かわいくて、ワイルドで、そしてカッコイイ、アンジーにメロメロです。(笑)ふたりの他にブラピの友人役でヴィンス・ヴォーンが登場。相変わらずアヤシイ。そしてアンジーの仕事のパートナーとして「Ray」のケリー・ワシントンが出演。監督は「ボーン・スプレマシー」のダグ・リーマン。 | |||
同じ月を見ている | 監督 : 深作健太 | 出演:窪塚洋介、エディソン・チャン、黒木メイサ | |
Under the Same Moon | 2005年 日本映画 | ||
心臓外科医を目指している鉄也は恋人のエミの心臓の疾患を自分が治すため必死になっている。そんな彼の元へ警察がやってくる。彼の幼馴染で服役中のドンが脱走したという。彼は7年前に山火事を起して警察に捕まったのだ。そしてその火事が原因でエミの父親は命を落とした。鉄也の心を暗い影が覆い始める。ドンとは親友でいつも一緒だった。彼は不思議な力を持っていて、その力で描いた絵には不思議な力が宿っていた。ドンの出現により、ずっと彼が抱えている「ある罪悪感」が頭をもたげたのだ。あまりにもピュアなドンに対し、鉄也はいつも甘えていた。時には彼を傷つけたりもしたが、ドンはそんな鉄也をいつも受け入れてくれた。一方、ドンはエミから手紙を受け取り二人の結婚を知り、お祝いの絵を届けるために危険を承知で脱走をしてきたのだ・・・・ |
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私評:俺じゃなきゃだめなんだ・・・あの飛び降り事件で俳優生命も終わりだと思っていた窪塚洋介が復活してきた。しかも、映画のキャッチが「号泣のラスト」。最近、泣ける映画ばかり見ている私ですがこれを見ないわけには行きません。実際、話自体はすごく良い内容なのですね。そしてとても絵になる主役の3人。しかし、この映画にはかなり不満があります。映画を追っていると「なんで?」がたくさん出て来るのです。とにかく無理が多いんですね。まあ、それを挙げるとキリがないので・・。なんだか最後までしっくりこない映画でした。久々の窪塚は「ちょっと嫌なヤツ」の役なのですこれを彼流に上手く演じていました。エディソン・チャンはやっぱり日本語のセリフに無理がありましたね〜。でも、ピュアなドンをステキに演じていました。紅一点の黒木メイサも無難な演技で合格。チンピラ役は彼にお任せの山本太郎が相変わらず良い味出していました。さて、この映画がイマイチな一番の原因はたぶん監督の深作健太。親父さんは本当に良い監督だったのに・・ |
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