2006/12/3

今年もあと1ヶ月を切りましたね〜。一年はなんて早いんでしょう。
今回のイチ押しは感動のSF映画と超人気シリーズの
最新作です

トゥモロー・ワールド  監督:アルフォンソ・キュアロン  出演:クライブ・オーエン、ジュリアン・ムーア
Children Of Men  2006年 アメリカ映画
今週のイチ押し:西暦2027年。人類は新たな生命を生み出す事ができなくなってから18年の歳月が流れていた。そしてこの日、人類で一番若い青年が18年の人生に幕を下ろした。全人類が悲しみに浸っていた。数年前から未来に希望をなくした人類は秩序を失い、暴徒と化した人民を抑えることができない国家は次々と崩壊していった。そんな中でイギリスはロンドンを中心に辛うじて秩序を保っていた。エネルギー省に勤めるセオは、ある朝何者かに拉致されアジトに連行される。そこで彼を待っていたのはセオの元妻のジュリアンだった。彼女は今、反政府組織の「FISH」のリーダーだった。実はセオもかつては平和を唱え政府と戦う闘士だったが、我が子を事故で亡くして以来生きることにさえ意味を見出せずにいた。ジュリアンはセオに政府の検問をくぐる事ができる「通行証」を依頼する。ジュリアンはある重要人物をヒューマン・プロジェクトという世界組織に届けようとしていたのだ・・
私評:彼女を見ろ!未来が託されている・・・・宣伝のヘタさが目立つこの作品ですが、映画館で見られて本当に良かったです。これは傑作です。ヒューマンドラマとしても魂を揺さぶるほどの内容だし、アクション映画としても天下一品。そしてSF映画としても・・。作品の最初から、長回し撮影でグイグイと近未来のロンドンの世界に引き込まれていく。そして子供が生まれなくなった未来は夢も希望も失った人々の掃き溜めのようになっている。そんな人類の最後に希望になりうる少女との出会いで変わる主人公。これらが見事なまでにしっかりと描かれているので、SF映画なのに全然嘘っぽくない。むしろ、そんなシチュエーションに自分も置かれ「どうしよう?」と考えてしまった。そしてラストは泣けました・・。この映画の最大の見せ場は銃弾の雨の中を突破するセオをカメラが追う6分以上のワンショット撮影。このシーンを見事に演じたクライブ・オーエンとそのシーンを作り上げたスタッフには大きな拍手を贈りたいです。映画史上でも稀に見るすごいシーンですよ。主演は「インサイド・マン」「シン・シティ」のクライブ・オーエン。彼はサイコー!彼の元妻役はジュリアン・ムーア。そして注目はセオの友人の元ジャーナリスト役を演じるマイケル・ケイン。ジョン・レノンばりの髪型&メガネが似合います!監督は「ハリーポッターとアズカバンの囚人」のアルフォンソ・キュアロン。彼の才能には脱帽です。これからの彼の監督作品は要チェックですね!
007 カジノ・ロワイヤル  監督:マーチン・キャンベル  出演:ダニエル・クレイグ、エヴァ・グリーン
Casino Royale  2006年 米・英映画
今週のイチ押し:若き日のジェームズ・ボンドが「00」の称号を得て最初の任務は武器商人のル・シッフルの策略を阻止する事。ル・シッフルはマイアミ空港でお披露目の最新型ジェット機の爆破を試みるが、あと一歩のところでボンドに阻止されてしまう。そこで莫大な借金を抱えたル・シッフルはカジノで大博打を打ち、資金の補充を試みるがまたしてもボンドが彼の前に立ち塞がる。今回の賭博でボンドのお目付け役に任命されたのは財務省の美女ヴェスパー・リンド。最初はいがみ合っていたふたりだったが、ふたりの距離はどんどん狭まっていく。そしてボンドもヴェスパーに対して今までに抱いた事のない感情を持ち始める。数々の試練をくぐり抜け、ル・シッフルとボンドは最後の大勝負に出るが・・
私評:この拷問はシンプルだが効き目は・・・・007シリーズの最新作は新しいジェームズ・ボンドを迎え、原点に戻った。最近はCGでアクションをごまかすのが当然のようになっているのですが、この映画はアナログの肉弾戦がメイン。若きボンドは手が付けられない暴れん坊で、それがまた魅力的です。ロジャー・ムーア、ピアース・ブロスナンのような小粋でセクシーなボンドではなく、ショーン・コネリーに近いボンドのように感じました。とにかく今回のボンドは走ります!!初っ端の「YAMAKASHI」みたいな男との足を使ったチェイスから始まり、中盤はカジノのドキドキハラハラとラブ・ロマンスをじっくり見せて、そしてまた最後は一気に畳み込む。痛快な作品です。主演は「Jの悲劇」「トゥーム・レイダー」のダニエル・クレイグ。新生ボンドは私的にはかなりのお気に入りです。ヴェスパー役は「キングダム・オブ・ヘブン」のエヴァ・グリーン、M役はもちろんジュディ・デンチ。監督は「ゴールデン・アイ」以来の007作品監督となるマーチン・キャンベル。新たに生まれ変わった007、次の作品も期待です! 
ディパーテッド  監督:マーチン・スコセッシ  出演:レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン
The Departed  2006年 アメリカ映画

ボストン南部の町を牛耳っているマフィアの首領フランク・コステロ。警察は躍起になって彼の逮捕を試みるが、いつも決め手に欠けて野放し状態になっていた。そんな時、警察のトップは新人をフランクの元に潜入捜査をさせるプランを立てた。その大役に抜擢されたのはボストンで育ち、身寄りもないビリーだった。ビリーは確実にフランクに近づき、彼の信用を得た。時を同じくして警察学校からエリートの新人が現れる。彼の名前はコリン。しかし、彼は元々フランクに育てられたマフィアの一員で、警察に紛れ込んでフランクに情報を流していた。ビリーは二重生活が元で、精神的にまいってしまう。やがて、マフィア、警察のお互いに「ネズミ」がいる事が発覚する。このままでは正体がバレるのも時間の問題。ビリーとコリンは自分より先にスパイを見つけることに躍起になるが・・・・

私評:元の自分を取り戻したいだけだ・・・香港映画の名作「インファナル・アフェア」のリメイクがこの映画。トニー・レオン、アンディ・ラウが演じた役をそれぞれレオナルド・ディカプリオ、マット・デイモンという超人気スターが演じる事も話題だし、監督がマーチン・スコセッシという事も話題になっているけれども、私が注目していたのがマフィアのボスを演じるジャック・ニコルソンです。このハリウッドを代表する曲者俳優に若いふたりがどうやって絡んでいくのか??ところが私の期待を遥かに上回るジャック・ニコルソンの演技に周りの俳優は完全に食われていました。やはり彼のオーラはすごい!しかし、レオとマットもすごく良いんですよ。原作をほぼ忠実にリメイクしているのですが、最後の最後にとんでもないどんでん返しが・・・。それはここでは言えません。その他の出演者もマーチン・シーン、マーク・ウォルバーグ、アレック・ボールドウィンなどなど良い役者が揃っています。リメイク作品としては大成功の一本ではないでしょうか??
unknown  監督:サイモン・ブランド  出演 : ジム・カヴィーゼル、バリー・ペッパー
unknown  2006年 アメリカ映画

廃屋工場の中で男たちは目を覚ました。デニムシャツの男、縛られた男、作業着の男、手錠の男、そして鼻を折られた男。彼らは一様に記憶をなくしていて、なぜここにいるのか、そして自分が何者であるのかさえ分からなかった。しかし、彼らの身なりや傷から5人が激しい争いをしていた事は確かだ。デニムの男は工場内の事務所で電話を取った。相手はどうやら犯罪者らしい。「あと数時間で戻る」と言い残し、電話は切れた。果たして自分が彼の仲間なのか??工場内の様子から2人が囚われの身で、3人の目を盗んで逃亡を企てたが、その時記憶を飛ばすほどの薬品が漏れ、それを吸った5人が同時に記憶を失くしたのだ。その推論は次々と現れる証拠品が明らかにしていく。そしてその場にあった新聞から囚われていたのは富豪のコールズとその財務担当のマッケインであることが判明する。しかし、誰が誘拐犯で誰が被害者なのか??男たちの疑心暗鬼はどんどん募って行く・・・・

私評:やっぱりおまえが犯人だな!?・・・・この映画は発想が面白いです。誘拐犯と人質が同時に記憶を失う事自体ありえないのですが、「if」の設定でこういうシチュエーションを作り出すとこんなにも面白いドラマができちゃうんですね。誰を信じて、誰を疑うか??もしかしたら、犯人は記憶が戻っているのでは??もしも、自分が犯人だったら??謎は謎を呼び、疑いは疑いを塗り重ね、そしてある真実へと辿り着くのですが、そこからがまた修羅場・・。こんな複雑な人間関係の映画なのですが、上映時間はたったの85分。それだけ監督の演出が上手くてサクサクと物語が進行していくのです。まあ、所々ツッコミ所もありますが・・・。主演はこういうB級映画には持って来いのジム・カヴィーゼル(パッション)、バリー・ペッパー(プライベート・ライアン)、グレッグ・キニア(恋愛小説家)、ジョー・パントリアーノ(メメント)、ピーター・ストーメア(プリズン・ブレイク)などなど・・。けっこう良い面子が揃っています。監督はコロンビア出身のサイモン・ブランド。時間も短いのでちょっとした暇つぶしには最高の映画です。

コワイ女  監督:雨宮慶太 ほか  出演:中越典子、香川照之
 2006年 日本映画
「カタカタ」から・・結婚を間近に控えた加奈子は婚約者と別れた直後に「カタカタ」という不思議な音を聞く。そこは少女が落ちて死んだマンションの前だった。すると、彼女の頭の上から何かが落ちてきた・・。目を覚まして家に帰った加奈子の元に婚約者から電話が入る。離婚したばかりの前妻に刺されたというのだ。しかも、彼女は加奈子を探していると・・。ふと気付くと、風呂場から湯気が噴出している。そこで加奈子が見たものは、鬼のような形相の赤い服の女だった。あまりの恐怖に部屋を逃げ出した加奈子のあとを、女はどこまでもすごいスピードで追いかけてくる。いつしか、加奈子はマンションの前に辿り着く。そして死んだ少女の母親がいつも階上から少女が落ちた場所を見つめていた事を思い出す。果たして赤い服の女の正体は?そして加なぜ、女は加奈子を追うのか??・・・・
私評:カタカタカタカタ・・・・この映画は予告を見たときにすごい衝撃を受けた作品。とにかく、久々にドキドキする予告編だった。しかし、知名度はまったくと言っていいほどない。それもそのはずこの映画はめちゃめちゃ低予算で作られているのです。公開している劇場も六本木のあまり知られていない劇場で、しかも劇場の中で一番小さな所。これでめちゃめちゃコワイホラー映画だったら、すごい拾い物だと思ったのですが・・・・。やはり、怖いのは予告編だけでした。(笑)一応、この映画は3つのショートストーリーでできています。1話目がシノプシスを書いた「カタカタ」、2話目はずた袋を頭から被って上半身を見せない女の話「鋼−はがね」、そして最後は母親が犯した罪を娘がまた繰り返すという「うけつぐもの」。1作目以外は・・・??監督は「ゼイラム」の雨宮慶太、鈴木卓爾、豊島圭介の3人。特に3作目は「呪怨」の清水崇が監修していたのに・・・出演者は中越典子、関口幹夫、目黒真希。共演に香川照之、須賀健太(3丁目の夕日)などなど、けっこう豪華なのですが・・・。これ以上は語るまい・・・(苦笑)予告編を見たい方はhttp://www.kowai-onna.jp/ 予告は怖いよ・・・


前回の記事も読んでね〜!



I Love Movieに戻る