2014/11/15

どんどん映画が公開されていくので
観るだけで精一杯・・。イチ押しは心揺さぶる感動作と
遊女の恋・・・。

花宵道中  監督 : 豊島圭介  出演 : 安達祐実、渕上泰史、津田寛治
 2014年 日本映画
今週のイチ押し:吉原の遊郭は男と逃亡を図った女郎が火を放ち大火に見舞われた。働く場所を失った女郎たちは仮の場所で営業を始めることになり、吉原を出ることになった。山田屋の姉女郎の朝霧も仲間と一緒に引越しをした。そんなある日、朝霧は妹分の八津と一緒に縁日に出かけるが、群衆に押され転んでしまう。その時、彼女を抱き上げ、失くした下駄を見つけてくれたのは見たことがない若い男だった。ふたりはひょんな所で再開をする。男は朝霧の一番の客である吉田屋の主人と一緒にお座敷に現れたのだ。男の名前は半次郎。お互い目配せをする朝霧と半次郎に気付いた吉田屋は半次郎の前で朝霧を辱めた。しかも、半次郎には姪御との結婚を押し付け、朝霧を引き取ると言いだしたのだ。実は半次郎は、以前に山田屋で働いていて吉田屋に引き取られた女郎・霧里の弟だった。霧里は吉田屋に引き取られたあと無残な死を遂げていた・・・
私評:どんな男に抱かれても、心が疼いたことはない・・・原作は宮木あや子の漫画(R18)。映画版は朝霧の話に集中させているけど、原作はもっと話に広がりがあるようです。私はすごく好きな作品です。これは男女の純愛物語。しかし、主人公の女は遊郭で働く女郎。そんな女たちにはそれぞれの物語があり、そしてそれぞれの生き様がある。そんな中で朝霧は客とは一線を引いていたのですが、一世一代の恋をしてしまうのです。これが何とも言えなく可愛くて、いじらしくて、そして悲しい・・・。映画の最後のシーンの朝霧の笑顔はとても素敵でした。朝霧役は「家なき子」の安達祐実。「同情するなら金をくれ!」と言っていた彼女が遊女役で、しかもヌードもあり濡れ場もあり。おじさんはちょっと複雑な気分です。半次郎役は「へルター・スケルター」の淵上泰史、憎たらしい吉田屋役は「恋の罪」の津田寛治、そして山田屋の女将役は「地獄でなぜ悪い」の友近。監督は「非女子図鑑」の豊島圭介。
トワイライト ささらさや  監督 :深川栄洋  出演 : 新垣結衣、大泉洋
 2014年 日本映画
今週のイチ押し:落語家のユウタロウは交通事故で短い人生を閉じた。彼の葬儀会場には成仏できずに、妻のサヤの横に佇む幽霊のユウタロウの姿があった。彼は生まれたばかりの息子のユウスケも気になって仕方がない。そんな葬儀に席に厳つい男が入ってくる。彼は棺の中を覗き込むと「ばか者が!」と怒鳴りつけた。そしてサヤに向かってユウスケを自分に預けるように言い放った。実は彼はユウタロウの父親。しかし、ユウタロウは自分の両親は死んだと言っていたのだ。サヤが葬儀会場を歩いていると、ユウタロウの落語の師匠が彼女に話しかけてきた。実は師匠にはユウタロウの霊が取り付いていて、師匠の体を通して語りかけてきたのだ。すぐにユウタロウの父親に見つからない所へ逃げろと言われ、サヤはユウスケを連れて山奥の小さな村「ささら」にやってきた・・・
私評:だから、俺はいつまでもずっとお前たちと一緒に居たかったんだ・・・夫を亡くした若い母親が夫の霊に支えられながら小さな村で暮らし始め、そこに住む人たちとの交流と、時々他人に乗移って出てくる夫の交流、そして語られることのなかったユウタロウと父の話など泣き所が満載です。しかし、基本的にはコミカルなノリなので見ていて疲れません。私はユウタロウと父親の話のところで号泣してしまいました。劇場の前のほうの席で人知れず嗚咽をあげておりました・・・。主演は母親役もなんだかとっても似合う「フレフレ少女」「ハナミズキ」の新垣結衣。私は彼女を大画面で見ているだけでけっこう幸せな気分。ユウタロウ役は「清洲会議」「幸せのパン」の大泉洋。今回のようなコミカルなキャラクターはまさにうってつけ!その他、「舞妓はレディ」の富司純子「ウルヴァリンSAMURAI」の福島リラ、「BECK」の中村蒼、石橋凌などなど。監督は「神様のカルテ」「くじけないで」の深川栄洋。本当にこの監督の作品は私の感動する確率が高い!
ドラキュラ ZERO  監督 : ゲイリー・ショア  出演 : ルーク・エヴァンス、ドミニク・クーパー
Dracura Untold  2014年 アメリカ映画
1462年、串刺し公の名前で知られるトランシルヴァニアの君主ヴラドは妻と息子との平和な生活を望んでいた。しかし、そんな平和をトルコ帝国の密使がぶち壊す。ヴラドは共存共栄を訴えるが却下され、帝国は1000人の少年を兵士として引き渡すよう強制する。しかも、その中にはヴラドの息子も含まれていたのだ。そこでヴラドが向かったのは古より伝わるおぞましき者が棲むという山の洞窟。長きに渡りそこに閉じ込められていたのはヴァンパイアだった。そこでヴラドは家族と民を守るための強大な力を手に入れる。しかし、自らのヴァンパイアと化したヴラドは血への渇望と戦わなければならなかった。トルコの帝王メフメト2世は大群を引き連れトランシルヴァニアへと向かう。しかし、その大群にひとりで立ち向かったのはヴラド。彼の人知を超えた力は最強の軍団を誇るトルコの兵士たちを次々と蹴散らしていく・・
私評:お前のような男が現れるのを待っていた・・・ブラム・ストーカーの「ドラキュラ」は私の大好きな作品。これはホラー・ストーリーではなく、ラブ・ストーリーなのです。今回の作品はヴラド・ドラキュラがいかにしてヴァンパイアになったかを描いています。オリジナルの原作では神を信じていたのに愛するものを救えなかった悔しさから悪魔に魂を売ったのですが、今回は家族や民を守るためその身を捧げるのです。なんともドラマチック。そこに最新のCG技術が加わり戦いのシーンも迫力満点。そして山の洞窟の奥で出会ったモンスターと交わした約束をどこまでヴラドが貫けるのかが描かれています。ストーリーも面白いぞ!ヴラド役は脇役が多かった「ワイルド・スピード EURO MISSION」のルーク・エヴァンス。満を持しての主演です!憎たらしいトルコ軍の帝王は「マンマ・ミーア」「デビルズ・ダブル」のドミニク・クーパー。ヴラドの妻役は「危険なメソッド」のサラ・ガドン。監督は新人のゲイリー・ショア。
エクスペンダブルズ ワールド・ミッション  監督 : パトリック・ヒューズ  出演 : シルベスタ・スタローン、メル・ギブソン
The Expencables 3  2014年 アメリカ映画
傭兵軍団「エクスペンダブルズ」を率いるバーニーはかつての仲間「ドク」の居場所を突き止め仲間と救出に向かった。危機を乗り越え彼らはドクの救出に成功したが、まさに危機一髪だった。次に彼らに出された指令は、ある男の確保。しかし、そこに現れたのはかつてバーニーとともに「エクスペンダブルズ」を立ち上げたストーンバンクス。そして仲間のひとりシーザーがストーンバンクスの銃弾に倒れ、瀕死の重傷を負ってしまう。ついにバーニーは歳を重ねた現メンバーに別れを告げ、新たに若いメンバーを集めストーンバンクスの確保に向かう。しかし、若いメンバーたちはストーンバンクスに逆に囚われてしまう。たった一人で仲間の救出に向かうバーニーの前に現れたのは、別れを告げたはずの旧メンバーたちだった・・
私評:ラッキーリングは返すぜ・・・今回もスタローンの元にとんでもないメンバーが集結。70年代からアクション映画を見てきた私にはあまりに強烈すぎて涙が出そうになりました。しかも、みんな5070代のおっさんと、ほとんどおじいさん。しかし、そんな無理を承知で頑張っているおじさんたちに、私はパワーをもらいました。もう4作目も作られることが決まっているらしいのですが、このシリーズはスタローンのライフワークにして欲しいな~。今回もすごいアクションに大満足。メンバーはシルベスター・スタローン、ジェイソン・ステイサム、アーノルド・シュワルツェネッガー、ドルフ・ラングレン、ジェット・リー(今回、出番が少なすぎ!!)らの常連組。(今回、ブルース・ウィリスは欠席)それに新キャストとしてハリソン・フォード(すごいじいさんになってしまった)、アントニオ・バンデラス(彼のキャラ最高です!)、ウェズリー・スナイプス(ステイサムとふたりで敵を叩きのめすところは最高!)、そしてメル・ギブソンが悪役っていうのが最高。若手メンバーはおっさんたちに押されて影が薄い。監督はパトリック・ヒューズ。
西遊記 はじまりのはじまり  監督 : チャウ・シンチー  出演 : ウェン・ジャン、スー・チー
 2013年 香港映画
若き妖怪ハンター・玄奘はある村の川に住む水の妖怪を退治しようと向かう。彼はわらべ歌を使って妖怪をなだめ、善の心に訴えるのだがなかなかうまくいかない。そして彼の目の前で少女を含む何人かが犠牲になってしまう。そんな彼の前に現れたのは女妖怪ハンターの段。彼女は妖術と強引なまでのぶん殴り戦法で水の妖怪を封じ込めた。次に玄奘が向かったのは豚の妖怪が住むという食堂。不細工な顔のせいで女に裏切られた男が豚の妖怪になったのだ。しかし、ここでも段が現れる。ところがここでは妖怪を取り逃がしてしまう。玄奘は師匠に自分の力のなさを訴えるが聞き入れてはくれない。そして師匠が玄奘に与えた次のミッションは最強の妖怪と謳われる孫悟空の元に赴くことだった。如来によって穴に閉じ込められた孫悟空はあの手この手で玄奘をたぶらかし、穴から脱出を試みるが・・
私評:女が目を閉じたらキスをするのよ・・・この映画は「西遊記」のビギニング。玄奘は後の三蔵法師、水の妖怪は沙悟浄、豚の妖怪は猪八戒、そして孫悟空が出会うまでの物語です。監督のチャウ・シンチーは「少林サッカー」「カンフー・ハッスル」で私の度肝を抜いた監督。その監督が普通の西遊記を作るはずもない。それはまさにシンチー・ワールド。相変わらずのおバカなキャラクターたち。そのバカさは隅々の脇役まで筋金入り。そしてCGを多用したアクションシーンの数々。まさに「とんでもね~!!」映画なわけです。しかし、正直言うとちょっと物足りない。それは「少林サッカー」や「カンフー・ハッスル」が凄すぎたんですよね。私は吹き替え版で見たのですが段役の貫地谷しほりが超~うまい!!その他にも、吹替え版には有名な声優がゾロゾロ出てきます。玄奘役は「白蛇 ホワイトスネーク」のウェン・ジャン。段役は「トランスポーター」「クローサー」のスー・チー。そしてチャウ・シンチー映画の常連たちも続々と登場します。チャウ・シンチー本人にも出演して欲しかったな~。
ヘラクレス  監督 : ブレット・ラトナー  出演 : ドウェイン・ジョンソン、ルーファス・シーウェル
Hercules  2014年 アメリカ映画
万能の神ゼウスと人間の女・アルクメネの間に生まれたヘラクレスは並外れた力と、優しい心を兼ね揃えたスーパーヒーロー。しかし、彼はゼウスの妻のヘラの呪いによって自分子供を殺してしまったと信じ込む。彼は罪悪感を抱き、12の試練を己に課して挑んでいく。(地獄の番犬ケルベロスの確保、レルネーのヒドラ、ネメアの獅子など)そしてその道中で彼は強力な助人たちと出会い、今では傭兵として戦っている。そんな彼の前にトラキアの王女、ユージニアが現れヘラクレスに助けを請うた。レーソスが率いる反乱軍から国を守ってほしいというのだ。多額の礼金にも惹かれ、ヘラクレス一行はトラキアに向かった。しかし、そこの兵たちは農民やアーチストの寄せ集め。ヘラクレスはまず、彼らのトレーニングから始めた。その甲斐あってトラキアは勝利を収めるが、その裏には恐るべき陰謀が隠れていた・・
私評:お前たちが死にそうになったら仲間のことを、そして家族のことを考えろ・・・先日、レニー・ハーリン版の「ザ・ヘラクレス」を見ていたせいか、今回の作品はとにかくCGがすごい!戦闘シーンの迫力たるや劇場が揺れるくらいの大音響と相まみれて、まさにその場にいるかのよう。マッチョな男たちの肉弾戦もすごいのですが、戦隊を組んで縦横無尽に戦う戦法もとても面白かった。盾で敵を通さなければ誰も死なないのだ!(当たり前だけど、面白かった)最後はなんだか(まさに)力技で事態を収拾させてしまうのですが、ここでもうひと捻り欲しかったな~。主演は「ワイルド・スピードEURO MISSION」のドウェイン・ジョンソン。元格闘家の彼もすっかりハリウッドスター。それにしてもあの肉体はすごい!彼の右腕アウトリュコス役は「ツーリスト」のルーファス・シーウェル、トラキア王役は「エイリアン」のジョン・ハート。私の注目はヘラクレス一行の紅一点ユージニア役のレベッカ・ファーガソン。めっちゃかっこいい・・・。監督は「ラッシュアワー」のブレット・ラトナー。


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