2013/11/3

今回もたまったレビューを大放出。イチ押しは爽やかなラブ・ファンタジー、
オールスターキャストのイリュージョン、そしてフランスの気鋭の最新作

陽だまりの彼女  監督 : 三木孝浩  出演 :松本潤、上野樹里
 2013年 日本映画
今週のイチ押し:広告代理店に勤める浩介はあまりパッとしない青年。恋愛にも疎い。そんな彼が下着メーカーを商談で訪れた時、運命の再会が待っていた。そこにいたのは中学時代の同級生の真緒だった。中学時代に転校してきた真緒は勉強ができなくていじめの対象になっていた。どんどんエスカレートしていくいじめに我慢が出来なくなった浩介は真央をかばって助けたのだ。ふたりはなんとなく付き合うようになったが浩介の引っ越しで離ればなれ。実に10年ぶりの再会だった。偶然の再会は浩介の心に再び灯をともした。しかし、ふたりの出会いはまったくの偶然ではなかった。東京の大学に行くと言っていた浩介の言葉を聞いていた真緒は勉強に勉強を重ね東京の大学に入学。ずっと彼を追い続けていたのだ。付き合う事になったふたりは江ノ島を訪れた。すると真緒は強引に浩介を実家に連れていき両親の前で結婚宣言をした。厳格な真緒の父親は彼女の秘密を語る。知られざる真緒の過去を知った浩介だったが、真緒を愛する気持ちがさらに強くなり結婚を決意。しかし、真緒にはさらに「不思議」な秘密が隠されていた・・
私評:まだ、ボクの知らない真緒がいるでしょう・・・ファンタスティックなラブストーリーでした。久々に爽やかな涙を流した気がします。映画の中盤までのふたりの関係がすごくキラキラしていて、最高の関係だからこそラストの展開は胸にググッと来る物がありました。しかし、この映画を観に行った一番の理由は3年ぶりにスクリーンに復活した上野樹里が見たかったから。やっぱり、彼女はイイです!本当に抱きしめたくなるくらい可愛い女性を体現しています。そして驚いたのが共演の松本潤の演技。二枚目でちょっとタカビーな感じさえする彼がモテナイ男子を好演。しかも、演技が抜群にうまい!「嵐」のメンバーで演技力に定評がある二宮和也に引けを取らない名演技でした。ふたりの中学時代を演じる北村匠海君と葵わかなちゃんのフレッシュな演技も良かったな~。不思議な老婆役の夏木マリの声は「千と千尋の神隠し」の湯婆と同じで笑えましたが・・・。その他、玉山鉄二、大倉孝二、谷村美月、塩見三省などが脇を固めます。監督は「ソラニン」の三木孝浩。今年最高の恋愛映画かも??
グランド・イリュージョン  監督 : ルイ・レテリエ  出演 : ジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ
Now You See Me  2013年 アメリカ映画
今週のイチ押し:実力は持っているが売れない手品師のアトラス、脱出マジックのヘンリー、メンタリストのメリット、そしてストリートハスラーのジャックはその夜、謎の招待状に導かれある部屋に集まった。そこで彼らが見た物は・・・。1年後、4人はラスベガスの大舞台の上にいた。「フォー・ホースメン」というグループになった彼らの今夜の出し物は「銀行強盗」。無作為に選んだ観客の預金銀行の金庫に彼を瞬間移動させて金を盗むと言うのだ。そして見事に金は盗みだされ会場にはユーロ札が舞った。FBIは彼らの身柄を確保するが捜査官のディラン、そしてインターポールから派遣されたアルマの追及を軽々と交わし、証拠不十分のまま釈放される。そこでディランとアルマはマジックの種明かしを生業とするサディアスに助言を求め、舞台裏のあまりに大胆な手口を知る。フォー・ホースメンの次の舞台はニューオーリンズ。今夜も彼らは観客を沸かせていた。そしてクライマックスでは彼らのスポンサーである大富豪をまんまと罠に陥れる。ディランとアルマはショー後の彼らを追うが、またしても大胆な手口で逃げられてしまう。そこでディランは5人目の人物の存在がいるのでは?と事件を立て直そうとするが・・
私評:ようこそ!目に見える物はすべてまやかし・・・テレビでは時々見るイリュージョン・マジック。しかし、映画版はさらにスケールアップした大舞台です。まあ、映画なので「それは無理でしょう!?」という内容もあるのですが、エンターテイメント作品としては超一級です。とにかくこの映画はテンポが良い。最初から最後まで一気に走り抜けていきます。イリュージョンの仕掛けの大胆さももちろんですが、カーチェイスなどのアクションシーンも盛りだくさん。とにかく楽しませようという意識が高い作品ですね。そしてとにかく凄いのがこの映画に集ったキャスト。アトラス役は「ソーシャル・ネットワーク」のジェシー・アイゼンバーグ。今回もしゃべり倒します!ディラン役は「アベンジャーズ」のマーク・ラファロ、メリット役には「ゾンビランド」のウディ・ハレルソン、アルマ役は「イングロリアス・バスターズ」のメラニー・ロラン、ジャック役には「ウォーム・ボディ」のデイブ・フランコ、ヘンリー役は「華麗なるギャツビー」のアイラ・フィッシャー。そして脇役陣にはモーガン・フリーマン、マイケル・ケインというオールスターキャスト。なんとも贅沢な映画でした。監督は「トランスポーター」「タイタンの戦い」のルイ・レテリエ。
危険なプロット  監督 : フランソワ・オゾン  出演 :ファブリス・ルキーニ、エルンスト・ウンハウワー
dans la maison  2012年 フランス映画
今週のイチ押し:高校教師のジェルマンは元々、作家を目指していたが挫折して国語の教師になった。今の高校生に、そして学校の体質に対してジェルマンは不満だらけ。彼の妻のジャンヌは現代アートを扱う画廊に勤務している。そんなある日、ジェルマンは一人の生徒の作文に目を留めた。彼の名前はクロード。彼は級友のラファの家を訪れた事について事細かに書いていた。そして最後の一文は意味ありげな「続く・・」。特にジェルマンが興味を持ったのはラファの中産階級の女と表現したラファの母親についての揶揄だった。とにかく彼の文才は際立っていた。翌日、クロードを呼びとめて話し合いをすると、彼は次の作文をすでに用意していた。ジャンヌはクロードの作文を不快だと言うが、ジェルマンはすでに彼の才能に惹かれ始めていた。クロードへの個人レッスンを開始したジェルマンは、知りうる全ての文学論をクロードにぶつけ、クロードも次々と作文をジェルマンに提出する。いつしか、毛嫌いしていたジャンヌまでもが、クロードの作文を心待ちするようになっていた・・・
私評:「続く・・」・色々なフレイバーを持った作品です。クロードが紡ぐ「作文」はジェルマンの心を通して観客に届く。他人の家のプライバシーを覗き見しているのような罪悪感とちょっとエロチックな興奮。美貌の少年のクロードの真意は最後の最後まで分からない。ジェルマンは彼の掌の上で弄ばれているのか?それとも何か特別な感情をジェルマンにぶつけているのか??不敵なクロードの行動には、最後まで私も興味津津でした。そしてクロードが描いてきたフィクションが現実と交差する時、とんでもない結末が待っていました。それにしてもこの監督は「もったいぶる」演出がうまい。展開がまったく見えなかった。しかし、ラストの映像はヒッチコックの「裏窓」ですよね。ジェルマン役は「しあわせの雨傘」のファブリス・ルキーニ、クロード役には新人のエルンスト・ウンハウアー。彼はとっても魅力的。ジャンヌ役にはハリウッドでも活躍している「砂漠でサーモン・フィッシング」のクリスティン・スコット・トーマス。そしてラファの母親役には「フランティック」のエマニュエル・セニエ。熟女の魅力が爆発!監督は「焼け石に水」「8人の女たち」のフランソワ・オゾン。
ムード・インディゴ うたかたの日々  監督 : ミシェル・ゴンドリー  出演 :ロマン・デュリス、オドレイ・トトゥ
Mood Indigo  2013年 フランス映画
パリに住むコランは資産家。専属のシェフのニコラの料理を楽しみ、カクテルを作るピアノを発明したりと自由気ままに生きている。しかし、彼の目下の問題は恋人ができないこと。ニコラにもイジスという恋人がいるし、親友のシックもニコラの妹と恋に落ち、俄然コランは恋に憧れる。そんな時、イジスの愛犬の誕生会に出かけたコランはクロエという名の美女と出会い、ひと目で恋に落ちる。最初のアプローチは最悪。しかし、初めてのデートで必死にクロエを喜ばせようとする態度が、彼女のハートを射抜いた。半年後、コランはクロエにプロポーズ。しかも、スケート場でぶつかりタンカで運ばれながら・・・。教会での結婚式を終えて、透明のリムジンでハネムーンに出掛けたふたりは、幸せいっぱいだった。しかしその夜、クロエの口から不思議な花弁が入り込み、肺の中で睡蓮が咲くという奇妙な病にかかってしまう・・・・
私評:ボクも恋がしたい!!・・・おもちゃ箱をひっくり返したような・・・そんな表現がぴったりの映像で哀しくも美しいラブストーリーが紡がれていきます。CGを極力排して、ストップモーションアニメや古いスタイルの特撮を駆使した映像は、逆に新鮮に感じました。彼女を守るために必死なコランの行動は滑稽なのですが、その努力が空しさも醸し出す。人は人を好きになればなるほど、空回りしてしまうのかもしれません。そして幸せな時は永遠には続かない。もしかしたら、本当に一瞬なのかもしれません??原作はボリス・ヴィアンの「うたかたの日々」。私は原作も大好きなんですよ。小説のファンタジックなイメージも映画に上手く反映されていました。そしてもう一つの注目は音楽。デューク・エリントンの楽曲「ムード・インディゴ」の使い方も最高です!恋人がいる人は一緒に観に行くことをお勧めします。(ちなみに私はひとりでした・・)コラン役は「真夜中のピアニスト」のロマン・デュリス。クロエ役は「アメリ」のオドレイ・トトゥ!彼女も35歳になったんですね・・。そしてニコラ役は「最強のふたり」のオマール・シー。監督は「エターナル・サンシャイン」のミシェル・ゴンドリー。
ダイアナ  監督 : オリバー・ヒルシュビーゲル  出演 : ナオミ・ワッツ、
Diana  2013年 イギリス映画
1995年、ダイアナはチャールズと別居して3年目を迎えていた。相変わらず公務に忙しかったがケンジントン宮殿に戻ると使用人を早く帰宅させてひとり寂しく時間を過ごしていた。愛する息子たちとは5週間に1回しか会えないが、その時間こそ彼女にとっての至福の時だった。親友であり、彼女の良きアドバイザーでもあるウーナの夫が倒れたと知りケンジントンの病院を訪ねたダイアナは、そこで心臓外科医のハスナットと出会う。自分を特別扱いしないハスナットに心を惹かれたダイアナは彼を夕食に招待した。そこでダイアナはあらためてハスナットが心から尊敬できる人だと確信した。真夜中に病院を訪ねたダイアナはハスナットと一緒のところをパパラッチに写真を撮られてしまう。ダイアナと一緒にいれば行く先々で騒がれてしまう。ハスナットはその事を知っていたが、すでにダイアナと別れる事はできなくなっていた。やがて、チャールズと離婚をしたダイアナは新たな人生を歩み出す。地雷廃絶キャンペーンでアンゴラを訪れたダイアナは病院を訪問するが国防大臣は彼女を「はた迷惑な女」と誹謗。落ち込むダイアナを励ましてくれたのは、やはりハスナットだった・・・・
私評:障害が一つなら他の道を探せるが・・・1997年のダイアナの突然の死は世界中を悲しみのどん底に突き落としました。私も記憶に新しいです。ダイアナと私は同級生で、彼女にはすごく親しみを感じていました。気取らず世界中の人の幸せのために生きた女性という感じが今でもしています。しかし、そんな彼女もひとりの女性。チャールズと別れた後の彼女の私生活が、この映画では描かれています。どこまでが真実なのかは分かりませんが、この映画はドラマチックなラブストーリーでもあります。そして彼女が本気で世界を変えようと思っていた事も窺える。彼女こそ真のプリンセスですね。そんなダイアナを演じるのは「キング・コング」のナオミ・ワッツ。さりげない仕草や独特の目線なども計算され尽くされています。彼女はアカデミー賞は未だに獲っていませんが、この作品でまたチャンスを得るでしょう。ハスナット役はTVドラマの「LOST」のイメージが強いナヴィーン・アンドリュース。監督はドイツ出身で「インベージョン」「ヒトラー 最期の12日間」のオリバー・ヒルシュビーゲル。
キャリー  監督 : キンバリー・ピアース  出演 : クロエ・グレース・モリッツ、ジュリアン・ムーア
Carri  2013年 アメリカ映画
家の中で女性の叫び声が響く。血だらけのシーツの上で今まさに彼女の女の子を産み落とした。その子にハサミを振り上げるが・・・。それから十数年後、その時の赤子は女子高生になっていた。彼女の名前はキャリー。厳格な母親のせいで家と学校の往復だけの生活をしている彼女は友達もいなくて、学校ではいじめの対象だった。そんなある日、キャリーはシャワー室で初潮をむかえる。生理についての知識をまったく持っていなかったキャリーは必死に助けを求めるが、学友は彼女に生理用品を投げつけ、しかもその様子を携帯の動画で撮影していた。教師の制止でその場を出たキャリーは家に帰り、母親のマーガレットになぜ生理を教えてくれなかったのかと詰め寄るが、マーガレットは逆にキャリーをクローゼットに閉じ込めて懺悔を要求した。その時、キャリーの怒りが頂点に達しクローゼットのドアに大きなひびが入った。キャリーは自分が持っている「力」に気付き始めていた。そして図書館で調べた結果、それが念道力であることを知った。一方、キャリーのクラスメートたちは体育教師からキャリーをいじめた罰として過酷な運動を強いられていた。メンバーの一人のスーは、深く反省をしてキャリーに詫びたいと思っていた。そして彼女が思いついたのは一週間後に行われる「プロム」にキャリーを参加させること。自分のボーイフレンドに頼み込んでキャリーを誘う事に成功するが・・・・
私評:女の子よ、大事にして・・・人気小説家のスティーブン・キングと名匠ブライアン・デ・パルマ監督の名前を一気に有名にしたのが37年前に公開された「キャリー」。私もロードショー公開で観たのですが、その衝撃は強烈でした。DVDでも何度か観ているのですが、今見ても本当に面白い。そんな名作がリメイクされると聞いて「無茶なことをするな~」と思っていたのですが、配役を聞いて俄然観たくなりました。映画の内容は前作と同じですが、現代風になっているのがいじめ映像を「動画配信」するシーン。文明の利器はいじめに拍車をかけているのかもしれません。主演は「キック・アス」のヒットガールで人気爆発のクロエ・グレース・モリッツ。それにしてもこの難しい役を見事に演じています。しかも、あの豚の血のシーンは彼女の要望でさらにリアルに、そしてグロテスクになっています。前作でキャリーを演じたシシー・スペイセックとはまた違ったキャリーになっています。狂信的な母親マーガレット役は名女優ジュリアン・ムーア。前作のパイパー・ローリーも気持ち悪くて怖かったのですが、ジュリアンも負けていません!!監督は「ボーイズ・ドント・クライ」のキンバリー・ピアース。
ゴースト・エージェント R.I.P.D  監督 : ロベルト・シュヴァンケ  出演 : ジェフ・ブリッジス、ライアン・レイノルズ
R.I.P.D  2013年 アメリカ映画
ボストン警察のニックは妻のジュリアと幸せな日々を送っている。そんなある日、麻薬取引現場で銃撃戦となりニックは殉職。しかし、彼を撃ったのは同僚のボビーだった。実は以前にふたりで乗り込んだ事件現場でふたりは金塊を発見し隠し持っていたが、ニックは届け出る事を決めボビーに相談をしていたのだ。周りの時間が止まり空に大きな穴ができて天国へと向かうニック・・・のはずが、着いたところは「RIPD」の一室だった。「RIPD」とは成仏できない悪霊を取り締まる秘密組織。正義感の強い彼はここにスカウトされたのだ。彼の相棒になったのは西部開拓時代からここで働くロイ。一匹狼のロイはニックをパートナーとして認めなかった。ふたりで捜査を開始すると容疑者の悪霊が隠し持っていたのは例の金塊のかけら。その金塊をボビーが探し回っている事を知ったニックは彼の後を追うが・・・・
私評:ここは生者の世界だ、とっとと成仏しろ!!・・・今年の夏くらいに急に公開が決まったこの映画。「ゴーストバスターズ」みたいな映画なのですが、とにかく設定が面白い。RIPDに入ると現世では違う人間の姿になる!もしかしたら、私たちの周りに姿を変えたエージェントがいるかも??(笑)そして悪霊がインド料理のスパイスに弱い!これも然も有りなんって感じ。そしてこういうバディ映画につきものなのが、まったきキャラの違うコンビ。このふたりの設定が面白いと作品は化学反応を起こすんですね。3Dも特撮も一級品です!そしてなんとも楽しいのがキャストです。ロイ役はオスカー俳優「トゥルー・グリット」のジェフ・ブリッジス。まさに破天荒オヤジがピッタリ!ニック役は「グリーン・ランタン」のライアン・レイノルズ、ボビー役は「フットルース」のケビン・ベーコン、そしてRIPDの監督官役は「フライド・グリーン・トマト」のメアリー・ルイーズ・パーカー。この4人のアンサンブルだけでも十分観る価値ありでしょう!?監督は「RED」「フライトプラン」のロベルト・シュヴァンケ。
おしん  監督 : 冨樫森  出演 :濱田ここね、上戸彩、泉ピン子
 2013年 日本映画
明治40年。山形県の寒村で小作をしている谷村家のおしんは両親、祖母、そして兄弟たちと貧しい生活をしていた。7歳のおしんは来年から学校に行くことを楽しみにしていたが、父親の一存で口減らしのために年季奉公に出される事になった。おしんを残すために母親は冷たい川に浸かりお腹の子を堕ろそうとする。そんな母を見ておしんは奉公に行くことにした。奉公先の材木店では朝から晩まで働き詰め。女中頭のつねのしごきに遭いながら、おしんは歯を食いしばって頑張った。しかし、店の財布から金がなくなりおしんのせいにされた時、彼女も我慢の限界になり店を飛び出してしまう。おしんは雪の中をひとりで故郷を目指す。疲労のため途中で倒れてしまうが、偶然通りかかった猟師の俊作に命を救われる。山奥の炭焼き小屋で、おしんは俊輔に読み書きを教わったり、山の獣を食べたりと幸せな時を過ごした。春になり俊輔と別れの時がきた。おしんは麓まで俊輔にで送ってもらうが憲兵に見つかり俊輔は射殺されてしまう。彼は脱走兵だったのだ。やっとの思いで生家に辿り着いたおしんだったが、そこに彼女の居場所はなかった。そしてふたたび奉公に出される・・・・
私評:大事なものだからお前にやるんだ・・・1983年に大ブームを巻き起こしたNHKの連続テレビ小説「おしん」。しかし、私はテレビ版はまったく見ておりません。不幸な少女が必死に生きていく様は当時の日本人の心を強くしたとまで言われていました。映画版の方は長~いTVドラマの少女時代だけを切り取った作品です。それでも2時間以内の作品にすると薄っぺらな感じになってしまう。オリジナルを見ている方はさらにそんな感じを抱くのでは??しかし、この映画の一番の見所はおしん役の濱田ここねちゃんの演技。感情豊かなこの子の演技で私は何回も泣かされてしまいました。まさに名子役!そして驚いたのが母親を演じた「あずみ」の上戸彩の演技。貧しい農家の4人の母親を彼女が演じると聞いて最初は「マジか!」と思ったのですが、素晴らしい演技。川に浸かって子供を堕胎しようとするシーンでは本当に冷たい水に入っていたと言うからすごい。父親役には「13人の刺客」の稲垣五郎。彼も幅広い演技をします。そしてTVシリーズのおしんで母屋を演じた泉ピン子とおしんを演じた小林綾子がおしんの奉公先の大女将と女将役で登場します。監督は「鉄人28号」「非バランス」の冨樫森。この作品の写真は敢えてパンフレットではなくチラシを使用しました。ここねちゃんのこの表情だけで泣ける・・・。


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