2013/10/20

今年も東京国際映画祭の季節がやってきました。
2本だけですが観てきましたよ。お祭りは良いな~。
イチ押しは宇宙の恐怖とお化け屋敷。

ゼロ・グラビティ  監督 : アルフォンソ・キュアロン  出演 :サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニー
Gravity  2013年 アメリカ映画
今週のイチ押し:エンジニアのライアンは上空60万メートルの宇宙空間で通信システムの修理を行っていた。彼女の傍らにはベテラン宇宙飛行士のマットが宇宙遊泳を楽しんでいた。その時、NASAから作業の中止の通信が入った。破壊された人工衛星の破片が地球軌道上を高速で飛んでいると言うのだ。当初は安全と思われていたが、連鎖反応で破片は多方に広がり彼ら元にも向かっていると言う。シャトルに戻ろうとしたその時、多数の破片が彼らを襲いかかった。切り離されたアームと共に宇宙空間に放り出されたライアンは漆黒の闇の中へと落ちて行く。通信も途切れ残りの酸素もわずか。しかし、そんな彼女の耳にマットからの通信が届いた。なんとかマットに救出されふたりはシャトルに辿り着くが、他のクルーは全員死亡。シャトルも大破していた。マットはライアンを連れて国際宇宙ステーションに行くことを決意。無重力空間で必死にパニックを抑えるライアンにマットは美しい日の出を見せる。しかし、和んだふたりを次々と危機が襲う・・
私評:なんで女にライアンと言う名前を??・・・この映画で私は新しい体験をしました。なんたって90分の映画の95%は無重力空間。映画が始まった途端に私は広大で漆黒の宇宙空間に投げ出されたような感覚になってしまいました。とにかく宇宙には地面がないのでどっちが上でどっちが下なのかも分からなくなる。そんな世界で絶望的な危機がふたりを襲います。映画の最初の方で宇宙に放り出されるシーンがあるのですが、めっちゃ怖かったです。掴まる物もなければブレーキもない。放っておけば永遠に宇宙を彷徨う事になってしまうのですからね。そんな世界にひとりだけなんて・・・。考えただけでもゾッとします。そしてだんだんと無くなっていく酸素・・・。宇宙は広すぎて怖いですね。しかし、そんな恐怖ばかりではなく宇宙から見る地球の映像はため息が出るくらい美しい。地球越しの日の出は神々しくも見えました。この映画にはほとんどふたりしか登場しません。ライアンを演じるのは「しあわせの隠れ場所」「あなたは私の婿になる」のサンドラ・ブロック。絶望の淵から文句をたれながらも這い上がって来るヒロインは彼女以外にはできません。マット役は「ファミリー・ツリー」「シリアナ」のジョージ・クルーニー。完璧なキャスティングです!!監督は「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」「トゥモロー・ワールド」のアルフォンソ・キュアロン。
死霊館  監督 : ジェームズ・ワン  出演 :ベラ・ファーミガ、リリ・テイラー
The Conjuring  2013年 アメリカ映画
今週のイチ押し:1971年、ロジャーとキャロリン夫妻、そして5人の娘たちはロードアイランド州の家に引っ越してきた。大家族がようやく手に入れた家に家族は大喜び。しかし、なぜか愛犬だけは決して家に入ろうとしなかった。しかも、その翌日犬は無残な姿で発見される。その後も屋敷の中では不可解な現象が続く。目隠し鬼のゲーム中にキャロリンの体に謎の痣ができたり、毎日午前37分に家の中の全ての時計が止まったり・・・。怪奇現象は娘たちにも及んだ。夜中に寝ていると何者かに足を引っ張られたり、末っ子が見えない相手と話をしていたり・・・。キャロリンはカトリック教会にも公認された悪魔研究家のエド・ウォーレンと透視能力を持つ妻のロレインに救いを求めた。さっそく調査に訪れたロレインはすぐさまこの家の異変に気付く。この家では過去に陰惨な事件が起きていた。泊まり込みで調査をすることになったエド、ロレイン、そしてスタッフは家中にマイク、カメラを設置。それらにも怪奇現象が記録されていく。そしてついに壮絶な死闘の火ぶたは切って落とされた・・
私評:戦え、キャロリン。家族のために!!・・・久々に怖いホラー映画でした。この映画は実話がベースになっているのですが信じがたい内容です。「エクソシスト」と「ポルターガイスト」が融合したような話です。いつも言っている事ですが怖い映画こそ映画館で観たいですね。囁き声の後のショッキングシーン!なんていうホラーの定番をしっかり楽しみました。今回の演出で怖いのが目隠し鬼です。この映画のせいで子供たちがこれで遊ばなくなるでしょう!そしてもう一つの注目は実在したウォーレン夫妻と悪魔の戦いのシーン。彼らが収集した呪われた品々が「オカルト博物館」で公開されているそうです。一度、行ってみたいですね。ロレイン役は「マイレージ・マイライフ」のベラ・ファーミガ、エド役は「オペラ座の怪人」「「ウォッチメン」のパトリック・ウィルソン。このふたりも良いのですが、凄いのがキャロリン役のリリ・テイラー。クライマックスの悪魔祓いのシーンは超~怖いです。それも彼女が演じるからこそ出てくる恐怖なんです。そして私のもう一つの注目は5人姉妹。彼女たちがみんな可愛いんです!!監督は「ソウ」「デッド・サイレンス」のジェームズ・ワン。今年一番の恐怖、挑戦してみて!!
レッド・ドーン  監督 : ダン・ブラッドリー  出演 : クリス・ヘムズワース、ジョシュ・ハッチャーソン
Red Dawn  2012年 アメリカ映画
アメリカ、ワシントン州。その夜は地元のアメフトチームの試合。クオーターバックのマットは実力が出せぬまま敗北してしまう。その夜、戦地から兄のジェドが帰ってくる。しかし、兄弟の間には過去に大きな溝ができていた。翌日の朝、銃声と爆撃の音でふたりは目を覚ます。空を見上げると無数のパラシュートが降ってくる。戦闘機が飛び交い、町中を装甲車が走っている。町はあっという間に敵軍に制圧され、逆らうものは容赦なく射殺された。ジェドとマットは車で町を抜け出し、隠れ家がある山中に逃げ延びた。途中で拾ったふたりの少年、数名が他の車で合流してきた。ジェドとマットは状況を探るべく、町へ降りる。敵は北朝鮮軍だった。マットは恋人のエリカが捕虜となっていることを知る・・
私評:ウルヴァーリン!!・・・この映画は1984年に製作されたジョン・ミリアス監督の「若き勇者たち」のリメイク。このオリジナル版は大好きな映画で、当時の若手人気俳優がこぞって出演していました。その当時のアメリカはソ連との冷戦中で、映画の敵ももちろんソ連軍。しかし、リメイク版は時代が現代なので敵は北朝鮮!しかし、こんなにあからさまに名指しにして大丈夫??この映画の見所は戦闘経験など全くなかった若者たちがゲリラ戦を重ねて兵士としても、人間としても成長していくところ。時にはエゴを貫いたり、時には自らを犠牲にしたり・・・。この辺りのシチュエーションはオリジナル版と同じ。血沸き肉躍るアクション映画でした!ジェド役は「マイティ・ソー」「スノー・ホワイト」クリス・ヘムズワース。チームリーダーとしての貫録十分!マット役は初めて見たジョシュ・ペック。チームの一員ロバートを演じるのは「ハンガー・ゲーム」のジョシュ・ハッチャーソン。監督はこれまで多くの作品でスタントコーディネーターを務めてきたダン・ブラッドリー。
ブリング・リング  監督 : ソフィア・コッポラ  出演 :イズラエル・ブルサール、ケイティ・チャン
The Bling Ring  2013年 アメリカ・フランス・イギリス・日本・ドイツ映画
マークは前の学校を退学してカリフォルニアのカラバサスの高校に編入してきた。ファッションに敏感な生徒たちは彼を「キモイ」「ダサい」と見限っていたが、唯一黒髪の美少女のレベッカは彼に気軽に声をかけてきた。やがてふたりは意気投合していく。そんな時、ふたりはパリス・ヒルトンが外出中である事を知り、彼女の邸宅に忍び込んだ。高級ブランド品が並ぶ彼女の家でレベッカは大喜び。そしていくつかの品を盗んでいく。ナイトクラブでマットはレベッカの友人のニッキー、サム、クロエと出会う。レベッカがパリスの家の話をすると彼女たちも行きたいと言い出し、今度は5人でパリスの家へ。やがて彼らはハリウッドセレブの家を次々と襲い、盗みを重ねていく。そんなある日、忍び込んだ家の監視カメラに家を物色中のレベッカとマットの姿が映り、ネットで公開されてしまう・・・・
私評:私は悪くないの。私のことが知りたい人は○○○.comを見てね!・・・東京国際映画祭一足早く観てきました。この映画の題材は実話です。監督はこの事件にかかわった少年少女と実際に会ったそうです。しかし、最近の若者たちの感覚は全く理解できない。これがフィクションであれば笑えるのですが、本当にこんなバカな真似をしているなんて・・。捕まるに決まっているじゃないか!しかも、彼らは盗みをしている時は、嬉々としていて罪悪感など微塵も抱いていない。最近のTwitterにバカな写真をアップする輩も同類ですね。しかし、この感覚のずれこそ監督が描きたかった事。もしかして、この映画は見る世代によって捉え方が異常に違ってくるのかも??映画出でてくるパリス・ヒルトンの家はご本人のお家だそうです!この映画の日本のWEBや宣伝を見ると「ハリー・ポッター」シリーズのエマ・ワトソンが主演のようになっていますが、彼女は脇役です。主演はマットを演じるイズラエル・ブルサール、そしてレベッカ役のケイティ・チャン。この二人はとても魅力的。エマ・ワトソンは女優志願のちょっと嫌な女ニッキー役です。ハーマイオニーのイメージは完全に払拭されています。とにかく出てくる女の子がみんなキレイですよ~・・。監督は「ロスト・イン・トランスレーション」「マリーアントワネット」のソフィア・コッポラ。彼女の映画の2作で主演したあの女優もセレブのチョイ役で登場します!
トランス  監督 : ダニー・ボイル  出演 : ジェームズ・マカヴォイ、ロザリオ・ドーソン
Trance  2013年 アメリカ・イギリス映画
オークション会場は熱気に包まれていた。その日の目玉はゴヤの「魔女たちの飛翔」。2750万ポンドで落札されたその瞬間、会場内にガスが充満した。競売人のサイモンは緊急時のマニュアル通り絵画をバックに入れて金庫へと向かう。しかし、金庫の手前でギャングのリーダーのフランクが待っていた。実はサイモンはギャングの一味に加担していて、ここでフランクに絵画を手渡す予定だった。ところがなぜか、サイモンはフランクにスタンガンを当てる。怒ったフランクはサイモンを殴り倒し絵画を奪ってその場を逃げ出した。アジトに戻ってバッグを開けるとそこにはなんと額縁だけが入っていた。気を失っていたサイモンは病院で目を覚ます。しかし、彼は記憶を失っていて絵画がどこにあるのかが分からないと言う。強烈な拷問にあっても分からないと言うサイモンはどうやら本当に記憶を失ったらしい。そこでフランクは催眠術を使って記憶を蘇らそうとする。白羽の矢が当たったのは催眠療法士のエリザベスだった・・・・
私評:記憶は造られたものだ・・・いやはや、騙されました。入り組んだストーリーはコロコロと矛先を変え、頭の中身をかき回す。推理してもすぐにはぐらかされ、最後まで答えに辿り着けませんでした。しかし、この展開は見事で、事件の真相が読めなかった私はちょっと悔しいくらい。もう一回見ると、あの時のあの人の視線やあの人のリアクションがすでに伏線を張っているのかも??しかも、この映画は終始かなりテンションが高い。主演は「ナルニア国物語」「ウォンテッド」のジェームズ・マカヴォイ。彼って日本の役者だと堺雅人だな・・と思っているのは私だけでしょうか?難しい役どころを見事に演じています。フランク役は「ブラック・スワン」「危険なメソッド」のヴァンサン・カッセル、そしてエリザベス役には「レント」「アンストッパブル」のロザリオ・ドーソン。この三人の掛け合いはお見事!監督は「スラムドッグ$ミリオネア」「127時間」のダニー・ボイル。面白かったです!


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