2010/10/11

涼しくて過ごしやすくなった今日この頃、朝の一発目の
映画を見ようとすると寝坊してしまう・・。
今回のイチ押しはテッパンアクション作品と日本のSFの名作!

ナイト&デイ  監督:ジェームズ・マンゴールド  出演:トム・クルーズ、キャメロン・ディアス
Knight and Day  2010年 アメリカ映画
今週のイチ押し:カンザス州ウィチタの空港でジューンは不思議な魅力の男に2回もぶつかった。しかも、飛行機も同じ。しかし、彼女が化粧室に入っている間に機内の様子は一変。なんとパイロットを始めとする彼以外の乗客がみんな死んでいた。しかも、彼はコックピットに座ると不時着を試みた。彼の名前はロイ・ミラー。ロイから幾つかの注意を聞かされた後、彼女は気を失った。目が覚めると彼女はボストンの自宅にいた。妹の結婚式の衣装選びに出掛けた彼女は怪しげな男たちに取り囲まれた。「怪しい車に乗ってはいけない!」ロイの言葉が蘇る。しかし、ジューンは強引に車に押し込まれてしまう。しかし、いきなり飛んできた銃弾で運転手は即死。しかも、空からボンネットに落ちてきたのはなんとロイ!なんとか危機を脱したジューンは怒りを露わに、元恋人の消防士ロドニーと会い、ロイの事を話し始める。しかし、そこに現れたのはまたしてもロイ。ロドニーの足に銃弾を撃ち込み、ジューンをその場から連れ去って行く。「ぼくと一緒にいないと君は危険だ」果たしてロイはFBIが追う犯罪者なのか?それともジューンを守るナイト(騎士)なのか??
私評:運命は信じない、私はあなたを信じる・・・・アメリカではあまりヒットしなかったこの作品ですが、日本人は好きでしょうね。なんたってトムとキャメロンという日本の映画ファンは待ちに待った取り合わせ。ふたりの息もぴったりで、しかもふたりの魅力全開の映画でした。もちろん、アクションシーンも満載で危険なスタント大好きなトムは活き活きとしていました。(トムは私と同い年。だけど、あんな危険なアクションは私には絶対無理だろうな〜・・ってあたりめえだ!)そして彼に負けじとキャメロンも大活躍。しかし、彼女ももう38歳。なのにあのキュートさは犯罪ですよ。この年で あんな小さい赤いビキニを着れるのって彼女くらいでしょう!?そして今回はふたりのコメディセンスが爆発。特にキャメロンはお得意の(?)下ネタも大放出。という事で、私はこの映画大好きです。展開はかなり強引ではあるのですが、この映画は主演のふたりの「俺様ムービー」。ふたりの魅力が最大限に引き出されていたこの作品はこれで正解なのだ!共演は「エスター」のピーター・サースガード、「ダウト」のヴィオラ・デイヴィス、「96時間」のマギー・グレイスなど。監督は「17歳のカルテ」「ニューヨークの恋人」「3時10分、決断の時」など幅広い作品を作り続けるジェームズ・マンゴールド。 
七瀬ふたたび  監督:小中和哉  出演:芦屋星、田中圭、佐藤江梨子
 2010年 日本映画
今週のイチ押し:七瀬は人の心を読むことができるテレパス。彼女はときどき海外のカジノに赴き、荒稼ぎをして生活費にしている。七瀬は同じくテレパスの少年ノリオと念動力を持つ黒人青年のヘンリーとともに北海道の奥地で暮らしていた。七瀬はマカオで知り合った瑠璃と一緒にいる時に、突然殺意を感じた。そして瑠璃に向けて放たれた銃弾。しかし、弾は瑠璃をよけて後ろの男に命中した。都内のホテルにチェックインした七瀬に予知能力を持つ了から「気をつけろ」という連絡が入る。了と七瀬は互いに惹かれあっていたが、七瀬に心を読まれる恥ずかしさに耐えられない了は彼女の前に姿を見せなかったのだ。了の警告通り瑠璃の元を離れず、そしてタイムトラベルの力を持つ藤子を訪ねる事にした。ホテルに戻った七瀬と瑠璃に男たちが襲いかかる。そして瑠璃は撃たれ命を落としてしまう。意識の流れが過剰な瑠璃のオーラを超能力者と間違えたのだ。そして七瀬は彼らの目的を知る。それは超能力を持つ者たちの抹殺だった・・
私評:あなたは生きて・・・中学生の時に夢中になった作家のひとりが筒井康隆。彼のハチャメチャで下品な作品も好きなのですが、SFチックな作品が当時の私はたまらなく好きでした。中でも「時をかける少女」と「七瀬シリーズ」は最高でした。そして私がこの七瀬を好きになった決定打がNHKで放送された「少年ドラマシリーズ」。懐かしいな〜。「七瀬ふたたび」というタイトルから分かる通り、この作品には前があり、そして続きもあります。(「家族八景」「エディプスの恋人」)この作品では超能力者の苦悩が描かれている。人と違う力を持ってしまったが故の、普通の人とは違う悩みが生まれる。しかも、その力を悪用せず正義のため、そして極力表に出さず常人と同じでいる事の苦痛や、そんな力を使わずに済むように、静かにそして人との接点を極力排して暮らす孤独な彼らが悲しい。そして今回は彼らの力を疎む組織との戦いがあります。低予算ながらその辺りの映画き方は素晴らしかったです。やっぱり良い原作があってこそ、良い映画も生まれるのだ!七瀬役は「シルク」で国際女優としてスタートした芦名星。クールでカッコイイ七瀬のイメージにピッタリでした(筒井氏も絶賛!)その他、田中圭、佐藤江梨子、前田愛、ダンテ・カーヴァー、平泉成、吉田栄作という渋い役者が脇をガッチリと固めています。監督は「劇場版ウルトラマンシリーズ」の小中和哉。 本編が始まる前にある“しょこたん”こと中川翔子が監督した短編もあります。こちらもお見逃しなく!
大奥  監督:金子文紀  出演:二宮和也、柴咲コウ、堀北真希
 2010年 日本映画
徳川7代将軍家継の治世。男だけが患うという疫病が大流行し男の数は女の四分の一に減ってしまう。そんな世の中でも武士としての本分に生きる若い青年水野祐乃進は困窮した旗本である家を救うため、自ら大奥に行く事を決意する。そこは男の園でひとりの女将軍のために三千人の美男が集められていた。また、そこは男たちの欲と嫉妬が渦巻く場所でもあった。容赦のない嫌がらせにあいながらも水野は窮地を切り抜けていく。そんなある日、大奥総取締役の計らいで水野は大奥でいちばんの剣の使い手である鶴岡と立ち会い勝利する。手を差し伸べ健闘をたたえる水野に鶴岡は怒りを顕わにした。大奥の暗い一面を垣間見た水野は落ち込むが先輩の杉下は自らの生い立ちを語り、自分はここでしか生きていけないと告げる。そんな時、幼少の家継が息を引き取り、新たな将軍として紀州から吉宗が迎えられる。男勝りな性格だが、財政難の幕府のため質素倹約を旨に政治の抜本的な改革に乗り出す。そして彼女は大奥にも目をつける・・・・
私評:なんともまあ、よくこれだけの着飾った男たちよのう・・・・美しい男たちがわんさか出てくるという事で劇場は若い女性が大半を占めていました。それにしてもこの作品は発想が面白い。ただの奇抜なアイデアに止まらず、リアルな状況が描かれています。初っ端から江戸の町に溢れる女たちが男勝りの大工仕事や駕籠かき、そして目明しまで女で男の姿がない。そして種馬のように扱われる貧しい男たち。しかし、将軍はそんな男不足の庶民を差し置いてイイ男たちを囲い込んで・・・。この状況をいきなり叩きこんでくる演出がいい!そして今まで描かれてきた女たちの大奥とはひと味違った“男の園”がまた妖艶で、しかも美しいのです。いや〜、ここまで面白いとは思わなかったです。水野役は演技には定評のある「硫黄島からの手紙」の二宮和也。彼は今回ふたりの美女とキスして、しかも男とも!!将軍吉宗を凛と演じるのは「食堂かたつむり」の柴咲コウ。そして水野と身分違いの恋をする町娘に堀北真希。美しい男たちは関ジャニ∞の大倉忠義、「BECK」の中村蒼、「のだめカンタービレ」の玉木宏、「なくもんか」の阿部サダヲなどなど、その他佐々木蔵之介、(すげえ太った)和久井映見。監督は「木更津キャッツアイ」の金子文紀。
ミックマック  監督 : ジャン=ピエール・ジュネ  出演:ダニー・ブーン、ドミニク・ピノン
MicMacs  2008年 フランス映画
映画好きでビデオショップに働くバジルは孤独な青年。そんなある夜、彼は発砲事件に巻き込まれ流れ弾が頭に当たってしまう。命はなんとか助かったが、彼は一生涯銃弾を頭に残したままの生活を余儀なくされた。入院中に彼は家も職も失くしホームレスになる。パントマイムで小銭を稼いでなんとか生活をしていた。そんな彼に声をかけてきたのはギロチンで死に損なったというプラカールという男。彼は廃品回収をしてきたガラクタを改造して生計を立てる集団のひとり。そこには不思議だけど逞しい人たちが暮らしていて、バジルを温かく受け入れてくれた。バジルもこの“疑似家族”の生活が好きになって行く。ある日、バジルは廃品回収の最中にとんでもない物を見つけてしまう。それは彼の頭の中の銃弾を作った会社と30年前に彼の父親の命を奪った地雷製造した会社。しかも、その2社は向かい合って建っていた・・・・
私評:新しい家族を紹介する・・・・この作品の魅力はやっぱり監督のジャン=ピエール・ジュネが描き出す独特の映像と摩訶不思議だけどとってもピュアで愛らしいキャラクターたち。良い人たちはみんなどこか足りないような人物。だけど、彼らがひとつになるととんでもない力を発揮する。そして大企業となった兵器会社へのリベンジが・・・。かなりブラックなネタではあるのですが、クスクスと笑いながら私の顔は終始ほころんでいました。“ミックマック”が意味する“いたずら”にしてはちょっと度が過ぎますが、ジュネ監督ならではの“毒”がこの映画では良い感じで醸し出されていました。あの「エイリアン」でさえファンタジックにしてしまう監督ですからね・・・。「アメリ」が好きな方にはお勧めかも??(恋物語ではありませんが・・)主演は「戦場のアリア」のダニー・ブーン、ジュネ監督作品の常連ドミニク・ピノンが、またまた変なおじさん役で登場します。(今回はロケット男??)そしてあの「アメリ」で印象的なナレーションをしたアンドレ・デュソリエが悪い奴なんだけどなんか憎めない軍事会社の社長を嬉々と演じています。監督は「ロングエンゲージメント」以来6年ぶりの作品となるジャン=ピエール・ジュネ。
超強台風  監督 :フォン・シェオニン  出演:ウー・ガン、
 2008年 中国映画 
太平洋上に発生した巨大台風。“藍鯨”と名付けられたこの台風は強烈な勢いで台湾を直撃し甚大な被害を及ぼした後、中国大陸を北上していた。しかし、台風の進路は不安定で政府は対策に苦慮していた。もし、台風が来なかったら、その経済損失は莫大だからだ。しかし、台風が来てから避難したのでは遅すぎる。市長は決断を迫られていた。そんな彼の前に現れた気象学者は、なんと彼の小学校時代の恩師だった。そして彼はわずかな可能性でもあるのであれば市民を避難させるという決定を下した。超強力な台風は町に上陸した。その威力たるや想像を絶する破壊力だった。しかし、町には避難をしなかった一部の人々が残っていた。出血多量で生死の境をさまよっている妊婦の救出にヘリコプターが向うが、救出できるのは台風の目が差しかかる僅かな時間のみ。一方で市長はひとりでも多くの市民を救うべく奔走する・・・・
私評:満点よ!・・・中国も頑張ってます。いま、日中間の関係が不安定になっていますが、そんな状況を吹き飛ばすかのように、しかも韓国の「TSUNAMI」と同じ日に公開するという無鉄砲さ。潔いと言うべきか・・・。中国のデザスター映画はCGに頼らない手作り感いっぱいの映画。破壊する町や家屋はミニチュアだし、大荒れの海や風の映像は実際の台風の映像。しかし、やっぱり中国映画のすごいところはあの人海戦術。エキストラはふんだんに使えますからね。この辺りは40年前の日本映画みたいでした。いちばん笑えたのはサメが襲ってくるところ。市長が棒きれを振り回してサメに向かうシーンは必見です。そして映画の冒頭で過去に人民解放軍が台風に立ち向かシーンがあるのですが、この辺りはいかにも中国らしいかも・・・。最近のCG満載の映像に飽きた方は、ぜひ!出演者は市長役は中国のテレビで活躍するウー・ガン、名女優ソン・シャオイン、そして若い研修医役はヴィッキー・チャオと同期の親友だというリウ・シャオウェイ。監督はフォン・シェオニン。
ガフールの伝説  監督 : ザック・シュナイダー  出演:ジム・スタージェス、ヘレン・ミレン
Legend Of The Guardeans: The Owls Of Ga'Hoole  2010年 アメリカ映画 
メンフクロウの少年ソーレンは「ガフールの勇者たち」の伝説が大好き。中でもヒーロー中のヒーローであるキールのライズは彼の憧れ。毎晩、妹と芝居を演じるたびに役の取り合いをしていた。そんなある夜、ソーレンは兄のクラッドと一緒に飛行練習をしている時に、2匹は巣から落ちてしまう。森の獣に襲われそうになったところを間一髪助けてくれたのは邪悪なフクロウの組織「純血団」のフクロウたち。総統のメタルピークと妻のナイラはメンフクロウ以外のフクロウを奴隷として全てのフクロウの支配を狙っていた。奴隷となったフクロウたちはフクロウが吐き出すペリットの中にある金属のかけらを仕分けする仕事に就いた。それには不思議な力が宿っていたのだ。ソーレンはナイラに反抗的な態度をとったためメンフクロウであるにも関わらず奴隷の仕事に割り振られた。一方のクラッドはナイラに認められ兵士となり、ソーレンに爪を向ける・・・・
私評:あなたはもしかして、あの伝説の・・・・フクロウが主演の3Dアニメという事であまり食指が動かなかったのですが、監督があの「300」のザック・シュナイダーだという事を知り、俄然見たくなった作品。映像は2Dを無理やり3Dにした「なんちゃって3D」ではなく、きっちりと3D用に作られた作品なので、迫力の映像でした。特に飛行シーンは不思議な「浮遊感」が味わえます。そしてシュナイダー監督と言えば格闘シーン!フクロウの2派閥が繰り広げる死闘は「300」を彷彿するようなド迫力。ストップモーションを多用したり、カメラを360度ぐるぐる回したりと遊び心もいっぱいの映像。ストーリーはよくありがちなファンタジーではあるのですが、勇気・家族・冒険・そして少年フクロウの成長という大人から子供まで楽しめる内容になっています。原作も(私は知らなかったのですが)アメリカでは500万部を超えるベストセラーだそうです。私は吹き替え版を観たのですがソーレン役は「ROOKIES 卒業」の市原隼人と川島海荷という旬のふたりが担当。なかなか上手かったです。オリジナル版の方では主演は「アクロース・ザ・ユニバース」のジム・スタージェス。脇にはオスカー女優のヘレン・ミレン、サム・ニール、ジェフリー・ラッシュ、ヒューゴ・ウィービングという豪華な顔ぶれ。


前回の記事も読んでね〜!



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