2005/10/10

今回のイチ押しは、ひさびさに香港映画。
これぞ香港ルノワール。そしてニュースタイルの香港映画!!

ベルベット・レイン  監督:ウォン・ジンポー  出演:アンディ・ラウ、チャッキー・チュン
Velvet Rain  2004年 香港映画
今週のイチ押し:ついに今日、暗殺者を決めるくじ引きが行われる。ターボはイックとともにディスコへと出かけていった。その日のくじはディスコに集まった女の中から秘所にリンゴの刺青のある女を捜すこと。ターボは女を突き止め、イックに譲った。

闇の世界で絶大なるポジションを得たホンの暗殺の噂に配下の3人のボスたちは浮き足立っていた。いったい誰が??彼が殺された後、もしも彼の配下のレフティが主導権を取ったら??パーティの最中、ホンは自分に子供が生まれたことを発表する。父親になったホンにレフティは引退を勧める。一緒に戦い続けた同胞がもしかしたら暗殺者なのか??

イックはボスから受け取った金を母親に渡そうとするが、母はその金で銃を買うことを勧めた。リンゴの刺青の女ヨーヨーに心を惹かれたイックは銃を強奪し、強盗を働きヨーヨーが抱えた借金を返済。ヨーヨーは心を動かされるが、これから死にに行く男に「かならず戻ってきて」と言うことしかできなかった・・

私評:俺を殺せる者がいるとしたら、お前だけだ・・・・香港の名だたる俳優たちが、若き天才監督ウォン・ジンポーの元に集結した。正直、この映画には何度も驚かされた。スタイリッシュで、意表をつく数々の映像。それらは逆回転映像だったり、不思議なアングルからの映像だったり、動くはずのないものを動かしての映像だったり・・。しかし、そんなお遊びみたいな映像だけではなく、セリフの一つ一つ、そしてカットの一つ一つが鳥肌が立つほどカッコイイ。そしてついにはラストの大どんでん返し。私の連れは途中で気づいたらしいのですが、私は最後まで分かりませんでした。やられた〜!という感じですね。こういうスタイリッシュなハード・ボイルドに、今までの香港マフィア映画の良さも取り込んで、素晴らしい映画になっています。主演はアンディ・ラウ、ジャッキー・チュン、ショーン・ユウ、エディソン・チャン。とにかくこの男たちが熱くてカッコイイです。これにエリック・ツァン、チャップマン・トゥが入ると「頭文字D」「インファナル・アフェア」と同じメンバー。(笑)ヨーヨーを演じるのは主題歌も歌うリン・ユアン。85分という短い映画ですが、見どころ満載。久々に香港ルノワールに震えました。
ステルス  監督:ロブ・コ−エン  出演:ジョシュ・ルーカス、ジェニファー・ビール
Stealth  2005年 アメリカ映画
近未来のアメリカ。海軍はテロ対策の極秘任務として、エリートのパイロットに召集をかけ、最終的に3人のトップガンが選ばれた。ステルス戦闘機を操る彼ら、難なく演習を終え、フィリピン沖の空母エイブラハム・リンカーンに到着した。そこで彼らを待っていたのは最新型の無人ステルス機。エディと名付けられた最新鋭の頭脳が操縦する最新のステルスは3人と一緒に初の任務に向かい、底知れぬ力を見せ付けるのだった。しかし、期間途中で突然の雷がエディを直撃。それ以来エディに変化が現れる。タジキスタンでは、近くに農村があることが判明したのに命令を無視して爆撃を加えてしまう。ついに暴走を始めたエディを止めるべく3人のトップガンがエディに挑むが・・・・
私評:人間はマシンより上だって証明してみせる・・・映像が描き出せるスピードに人間はどこまで着いていけるのでしょうか?新幹線の窓から駅の名前を見ることができない私は、そのうち映像に追いついていけなくなるのでは??今回はそんな心配をしてしまいました。映画館の一番前の席ではブンブン首を振らないとステルスを確認できないと思いますよ。しかし、その映像のすごさがこの映画の一番の見所。ストーリーや設定はめちゃめちゃですが、それを気にしていたらこの映画は楽しめません。とにかくなんでもありの映画で、アメリカ万歳の映画なのです。ステルスの空中戦も然ることながら、ビルの崩壊、武器倉庫の大爆発などなど、これでもか!と言わんばかりに壊しまくります。でも、この映画はそれで良いんです・・・たぶん。主演はイマイチ華やかさに欠けるジョシュ・ルーカス、「テキサスチェーンソー」「ブレイド3」でブレイクしたジェシカ・ビール、そして「レイ」でオスカーを獲ったジェイミー・フォックス。注目はマッチョな女を演じるジェシカ嬢でしょう!!脇役陣に「ブラックホーク・ダウン」のサム・シェパード、「T2」のジョー・モートンとおいしい顔ぶれ。監督は「トリプルX」のロブ・コーエン。アクションの演出はさすがです。 
エコーズ  監督:デヴィッド・コープ  出演:ケビン・ベーコン、キャスリン・アーブ
Stir of Echoes  1999年 アメリカ映画

静かなシカゴの町に住むトムは美しい妻と可愛い息子の3人暮らし。裕福ではないが幸せな家族だった。そんなある日、トムはパーティの余興で催眠術にかけられる。その時「精神の扉を開け」と命ぜられたトムに、その日以来不可解な出来事が起こり始める。彼は半年前から行方不明になっているサマンサという娘の幽霊を見てしまう。また、一人息子のジェイクも姿の見えない誰かと盛んに話をしている。トムはサマンサの失踪に関わる数々のビジョンを見るが、それらはとても暴力的でトムを苦しめるのだった。それはサマンサが何者かによって殺されたことを暗示していた。ついには精神状態にも異常をきたしたトムは、ふたたび催眠術を受けるが、またしても違う暗示を受けてしまう・・・・

私評:だってサマンサが言うんだもん・・・これは私の大好きなホラー映画。しかし、これはただの怖がらせるホラー映画ではなく、不思議な感動をも与えてくれる映画。ところどころでちょっとドキドキさせる演出があるのですが、ほとんどはケビン・ベーコンの一人芝居。彼の狂気は「シャイニング」のジャック・ニコルソンにも似た追い詰められる恐怖からくるのです。まあ、話自体はありきたりなのですが、演出の面白さが映画を引き立てていたように思えます。主演はケビン・ベーコン。そして彼の妻役はキャスリン・アーブ(彼女は「おつむてんてんクリニック」でリチャード・ドレイファスの娘を演じていました)。そして驚くべき演技を見せるのが当時6歳だったザカリー・デヴィッド・コ−プ。彼の演技が怖いんです〜・・。(監督と名前が極似名のですが、他人とのこと)監督は脚本家として有名なデヴィッド・コープ。
この胸いっぱいの愛を  監督 : 塩田明彦  出演:伊藤英明、ミムラ
 2005年 日本映画

2006年。羽田発門司行きの飛行機の中に鈴木比呂志がいた。そして久々に訪れた門司の町。比呂志はそこで20年前の自分と出合った。喫茶店に駆け込んだ彼は新聞もカレンダーもみんな1986年だと知る。彼はなぜか1986年にタイムスリップしてしまったのだ。その店で比呂志は同じ飛行機に乗り合わせていた布川というやくざな男と出会う。彼も比呂志と同じく、20年前にタイムスリップしてきたのだ。しかし、その時彼はまだ生まれていなかった。ひょんな事で少年時代に厄介になっていた温泉宿に居つくことになった比呂志は、少年時代の自分と同じ部屋で生活をすることになった。そして彼が少年時代に憧れていて、若くしてこの世を去った和美と“再会”する。そして比呂志と布川はもう一人の224便の乗客「影が薄い」臼井と出会う。そして彼の口から不思議な事件を聞かされる・・・・

私評:生きたい・・・・原作は「クロノスジョウンターの伝説」というタイムトラベル・ロマンス。偶然、私はこの本を読んでいたのですが、原作と映画はかなり違う話。原作は過去に戻ってひとつだけやり直すことができたら??という話なのですが、映画は無理やり(?)その時代に放り出された4人が、この時代にやり残したことを遂げる話。比呂志と和美の話が8割を占めるのですが、その他の3つの話もかなり良い話です。ただ、私の中では「黄泉がえり」という大好きな映画が頭にあったせいか、イマイチ物足りなさが残ってしまった。これは「黄泉がえり」が良すぎたせいです。主演は伊藤英明とミムラ。伊藤英明は爽やかですごく良かったです。しかし、ミムラってどうなんでしょう??人気があるのですかね??私はイマイチ華がないような気がします。そして布川を演じる勝地涼と臼井を演じる宮藤官九郎の演技はサイテー。なんだか浮いちゃってます。伊藤英明の少年時代を演じるのは富岡涼君。彼はすごく演技がうまい。セリフも動きも完璧です。(しかし、時々山田花子に見えるんです・・)脇役陣は倍賞千恵子、愛川欽也、吉行和子、中村勘三郎などが素晴らしい演技を見せてくれます。監督は「黄泉がえり」の塩田明彦。


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