2005/10/2

今回のイチ押しは、私好みのバイオレンスアクション映画。
未だに興奮冷めやらず。もう一作は韓国映画の名作の
リメイク。これは拾い物でしたよ・・・

シン・シティ  監督:F・ミラー&R・ロドリゲス  出演:ミッキー・ローク、ブルース・ウィリス
Sin City  2005年 アメリカ映画
今週のイチ押し:仮出所中のマーヴは生まれて初めて「天使」を抱いた。醜い彼に声を掛け一夜を共にした女の名はゴールディ。しかし、翌朝彼女は何者かに殺されていた。殺人の罪を着せられたマーヴは彼女のために復讐を誓った。そしてついに犯人らしき人間に辿り着いた。農場を突き止めたマーヴはそこでメガネをかけた、奇妙な男に遭遇する。彼こそゴールディを殺した犯人だった。しかも、彼は異常者だった。捕らえられたマーヴはやっとの思いで男を倒した。そしてマーヴは今回の事件の黒幕がアメリカを陰で牛耳るほどの実力者である枢機卿だと突き止める。ついに枢機卿の元へと辿り着いたマーヴは彼の口からとんでもないことを聞かされる・・
私評:俺には彼女はまさに天使だった。その温もりを俺は覚えている・・・すげー!こんなにすごい映画だとは思わなかった。まさにハードボイルド。しかも、問答無用のストレートさ。そのストレートさは残酷なシーンや、アクションシーンだけではない。この映画は3つの話から構成されているのですが、その全ての根底に流れているのは「ストレートな愛」。男はここまで女を愛せるのか?そしてそれを貫き通すために、命を張れるのか??こんなにカッコイイ男たちに私はしびれっぱなしでした。しかし、男をそこまで動かすには、それに見合う女が必要なのですが、これまたセクシーで美しい女たちがゾロゾロ登場します。ヒーローたちは久々に勇姿を見たミッキー・ローク、最近大活躍のクライブ・オーエン、そして大御所ブルース・ウィリス。女たちは「アレキサンダー」のロザリオ・ドーソン、ファンスティック・フォーのジェシカ・アルバ、そして「バレット・モンク」のジェイミー・キング。その他にも男たちはマイケル・マドセン、イライジャ・ウッド、ベニチオ・デルトロ、ジョシュ・ハートネット、ルトガー・ハウアーなどなど・・。女優陣もデボン青木、ブリタニー・マーフィという超豪華な顔ぶれを見ているだけでも、めちゃめちゃ楽しい。監督は原作者のフランク・ミラーと「デスペラード」のロバート・ロドリゲス。そして特別監督としてクエンティン・タランティーノも絡んでいます。サイコー!!!
8月のクリスマス  監督:長崎俊一  出演:山崎まさよし、関めぐみ
Chiristmas In August  2005年 日本映画
今週のイチ押し:写真店を営む寿俊は父親と二人暮らし。彼は小さな写真店を営んでいた。ある日、彼の元に臨時教員の由紀子が訪れる。ふたりは時々会うようになり、徐々に距離を狭めていった。しかし、寿俊は病に冒されていた。彼女が現れる前は、そんな運命さえも静かに受け入れていた寿俊だったが、彼女の出現により彼の心中は揺れ動いた。自分に残された時間が短いゆえに本当の自分の気持ちを伝えることができないでいる寿俊に、徐々に思いを募らせていく由紀子。しかし、寿俊の容態が急変し、彼は入院を余儀なくされる。しかも、そんな時に由紀子は次の赴任先が決まる。彼の入院を知らないまま由紀子は町を去ろうとするが・・・
私評:君は神様がくれた最高のプレゼントです・・・泣けた!!もちろん、ハン・ソッキュ主演の韓国版も見ている私ですが、今回のリメイクも素晴らしかったです。しかも、前作へのオマージュのようなスクーターの二人乗りシーンや雨の中の相合傘などが前作とそっくりに作られています。映画の題材自体はすごく良いので、あとはそれをどう料理するかが問題なのですが、そんな心配はまったくご無用です。まず、私が感心したのが主役の山崎まさよし。彼の演技は素晴らしかったです!劇中の主題歌も最高でした。そしてヒロイン役の関めぐみも爽やかで、すごく好感が持てました。脇役の井川比佐志、西田尚美、戸田菜緒らも確実な演技で映画を盛り上げます。そしてオリジナル版を見ていた人にはビックリのラスト。(これは言えません!)監督は長崎俊一。 
蝉しぐれ  監督:黒田三男  出演:市川染五郎、木村佳乃
 2005年 日本映画
江戸時代。東北の小藩の下級武士である父の元で牧文四郎は、すくすくと育っていた。彼の家の隣には幼馴染のふくがいた。彼はふくに淡い恋心を抱いていたが、そんな気持ちもぐっと胸の奥にしまっていた。そんなある日、父の助左衛門が藩内でおきた世継ぎ問題に巻き込まれ、罪人として捕まってしまう。しかも、父の課せられたのは切腹だった。涙をこらえ父の面談に行った文四郎に父は「わしを恥じてはならん」という言葉を残した。文四郎は父に伝えるべき言葉を、何一つ言えず泣いた。そして処刑の日、文四郎は父の亡骸を引き取りに行った。真夏の猛暑の中、大八車を引く文四郎が坂道で難儀をしているところを駆けつけたのはふくだった。しかし、ふくは江戸で殿の屋敷の奥に勤めることになったのだ・・・・
私評:忘れようと・・忘れ果てようとしても忘れられるものではありません・・・・藤沢周平の時代劇ドラマが今度は東宝で映画化された。松竹で山田洋二監督が手がけた「たそがれ清兵衛」と「隠し剣鬼の爪」が作品だっただけに、この映画も期待をしていたのですが、期待を裏切らぬ素晴らしい映画でした。とにかくこの映画でこだわっているのが日本ならではの美しい景色。東北の山々、紅葉の山道、夏の小川、そして緑の田畑まで本当に美しい景色を切り取って画面に納めている。その時は役者も画面の左端に押しやられているんですよ。そして藤沢文学の真骨頂である「真っ直ぐに生きる」人々が、家族のため、愛する人のため、そして友人のために命をも掛ける姿に胸を打たれました。文四郎を演じるのは市川染五郎。「修羅城の瞳」の時とはひと味もふた味も違う「純で素朴」な感じが素晴らしかった。ふく役は木村佳乃。いまいち華がないのですが、いかにも「賢い女」という雰囲気が良かったです。そしてそれぞれの少年少女時代を演じる石田卓也、佐津川愛美の初々しい演技もグッド。そしてビックリしたのが文四郎の友人役で登場する、今田耕司とふかわりょうのふたり。最初に画面に出てきたときはちょっとビックリでしたが、なかなかの演技でしたよ。圧巻の演技を見せるのが緒形拳と加藤武の両重鎮。本当に圧倒された。監督は「オルゴール」の黒木三男。
ファンタスティック・フォー 超能力ユニット  監督:ティム・ストーリー  出演:ヨアン・グリフィス、ジェシカ・アルバ
Fantastic Four  2005年 アメリカ映画

若き天才科学者のリードは遺伝子の研究を続け、宇宙嵐が人間の進化に大きな影響を与えているという学説を打ち立てた。しかし、助成金が大幅に削減されたリードは渋々大学時代のライバルであり、今は億万長者の実業家であるビクターの元を訪ねた。ビクターはそんなリードの申し入れを受け入れたが、彼には魂胆があった。リードの元恋人で今はビクターの会社に勤めるスー、スーの弟のジョニー、リードの友人のベン、そしてビクターとともに彼が所有する宇宙ステーションへと旅立った。宇宙嵐の調査中、計算よりも早く宇宙嵐が訪れ、彼らは強烈な宇宙線を浴びてしまう。なんとか命は取り留めた5人だったが彼らの体に異変が起こる。彼らは突然自分の身に起こった事件に戸惑いながらも、元の体に戻るための研究を始める。しかし、ビクターは自分のみに起こった力を悪用し世界征服に乗り出す。そんなビクターの暴走を止めるべく4人の戦士が立ち上がった・・・

私評:愛は計算ではないのよ・・・マーベルコミックの超人気作品が映画化された。しかし、私くらいの年齢の方たちは、アメリカの人気アニメでテレビ放送されていた「スーパー・スリー」を思い浮かべる人が多いのでは??映画の途中で「♪ラリホーラリホーラリルレロン」と言う歌が何度も頭に浮かんでしまった・・(笑)。映画のほうはすごい特撮のアクションだけでなく、笑いもあり、ちょっとしたラブストーリーもありとにぎやかな映画になっていました。私は最後の最後まで楽しめました。ラストのビクターとの戦いが、もうひとつ盛り上がりに欠けたのですが、十分合格点です。主演は今まで存在さえ知らなかったヨアン・グリフィス、マイケル・チクルス、そしてバン・ドゥーム。「シン・シティ」でも存在感をアピールしたジェシカ・アルバ、「セルラー」の活躍が記憶に新しいクリス・エヴァンス。やはり、役者人の中で要注目はジェシカ嬢でしょうね。監督は「TAXI NY」のティム・ストーリー。
がんばれ!ベアーズ ニューシーズン  監督 : リチャード・リンクレイター  出演:ビリー・ボブ・ソーントン、グレッグ・キニア
A Bad News Bears  2005年 アメリカ映画

自堕落な生活を送っている元メジャーリーガーのバターメーカーの元に、少年野球チームのコーチの話が舞い込んできた。連戦連敗の『ベアーズ』はオチこぼれの集まり。やる気のないバターメーカーの教えの元で、初戦に当たったヤンキースには大敗を喫する。しかし、悔しそうな少年たちの顔を見て彼は発奮し、真剣にコーチを始め少年たちも少しずつ上達していく。しかし、このチームに必要なのはエースピッチャーとスラッガー。まず、バターメーカーが声を掛けたのは、分かれた妻との間に生まれた娘のアマンダ。彼女は女ではあるが豪腕ピッチャーで、登板した試合は三振の山を築いていった。そして次に彼が目をつけたのは不良少年のケリー。二人の加入によりベアーズは連戦連勝を重ね、見る見るうちに優勝戦線に名乗りを上げるが・・・・

私評:来年は負けないぞ〜!!・・・・1976年の大ヒット映画「がんばれ!ベアーズ」のリメイクです。当時中学生だった私はこの映画でアマンダ役を演じたテイタム・オニールが大好きだったので、この映画にはすごく思い入れがあります。今回の映画がどうだったかと言うと、見事なまでにそっくりに作ってあって私的にはそれが良かったです。題材が野球だと言うのも私的には最高!少年たちの成長を見ながら、スポーツの興奮も味わい、やっぱりこういう映画は良いな〜と思いました。前作でバターメーカーを演じたのは名優ウォルター・マッソー。その役を今回は曲者役者のビリー・ボブ・ソーントンが見事に演じました。アマンダ役はサマー・ケイン・クラフト。本物のピッチャーだけあって、投球フォームも男勝りでカッコイイ。でも、前作のテイタムに唯一勝っているところ胸の大きさか??その他、グレッグ・キニア、マーシャ・ゲイ・ハーデンが脇役で登場。監督は「スクール・オブ・ロック」のリチャード・リンクレイター。そう言えば・・・、旧作ではヤンキースのコーチ役で名優ビッグ・モローも出てたな〜・・・。

頭文字(イニシャル)D  監督:アンドリュー・ラウ  出演:ジェイ・チョウ、エディソン・チャン
Initial D  2005年 香港映画
秋名峠では今日も若者たちが集い、峠道のカーレースが行われていた。ガソリンスタンドで働く藤原拓海の実家は豆腐屋で、父親チューンナップしたハチクロで峠道を配達しているうちに素晴らしいドライビングテクニックを身に着けていた。拓海が働くGSのオーナーの息子で彼の友人でもある樹の元に、「妙義山ナイトキッズ」のリーダー中里がやってきてレースを申し込んだ。勝負は樹の惨敗だった。しかし、中里はレースの帰り道に後方から迫ってきたハチクロに抜き去られてしまう。そのニュースはあっという間に仲間内に知れ渡り、ハチクロを操る拓海は有名人となってしまう。そんなある日、「赤城レッドサンズ」のリーダー高橋涼介から拓海にレースの申し込みが入る。涼介の代わりにレースに出たのは中里。彼は完璧にチューンナップされた涼介のR32で戦いを挑むが、巧みのドライビングテクニックには敵わなかった。それ以来、拓海の元には数々の刺客が訪れるが・・・・
私評:人生で大切なのは自分にあった世界を見つけることじゃない?・・・日本のマンガが香港のスタッフの手を借りて完全映画化された。主要のキャストも香港のスターなのですが、撮影場所は日本というなんとも不思議な雰囲気だったのですが、幸か不幸か私は甥っ子と「吹き替え版」を見たので、違和感はあっという間に消え去ってしまいました。映画のほうはめちゃめちゃ面白かったです。とにかくレースシーンの迫力は満点。特撮はなしで本当に運転しているのです。車がドリフトするたびに、私は右足を踏ん張ってしまいました。(車を運転される方は分かると思いますが、無意識にブレーキを踏んでいたのです・・)興奮しました!!しかし、拓海となつきの恋愛の方は、あんな終わり方で良いのでしょうか??・・・香港側のキャストは歌手として有名なジェイ・チョウ、「インファナル・アフェア」のエディソン・チャン、ショーン・ユー、アンソニー・ウォン。そしえ日本からは鈴木杏(今回はお色気満点!)という豪勢な面々。また、登場する車もチューンナップされ、車好きの人にはたまらないかも??しかし、この映画は香港で「SW EP3」を上回る人気だったとか。それも納得の作品です。
四月の雪  監督:ホ・ジノ 出演:ペ・ヨンジュン、ソン・イェジン
April Snow  2005年 韓国映画
コンサートの照明監督をしているインスの元に、彼の妻の交通事故の知らせが入った。高速道路を疾走し、彼は妻がいるサムチョクの町を目指した。病院に着くと廊下のベンチにひとりの女が座っていた。彼女の名はソヨン。彼女も夫の事故を知らされこの病院に駆けつけたのだ。その時、ふたりはまだ残酷なまでの事実を知らなかった。なんと、インスの妻とソヨンの夫は同じ車に乗り合わせていたのだ。しかも、ふたりは不倫をしていたのだ。悲しみはいつしか憎しみに変わるが、その怒りの矛先を向ける場所はふたりとも持ち合わせてはいなかった。そんな事実を共有したふたりはいつしか心を寄せ始める。お互いが負った深い傷を、お互いに埋めあうかのようにふたりは愛を求めあう。そんな時インスの妻の容態が好転し、意識を取り戻す。しかし、ソヨンの夫はますます悪化していく・・・・
私評:私たち、不倫しましょうか・・・・・韓流ブームの火付け役ともいえるヨン様こと、ペ・ヨンジュンと、主演作が目白押しの人気女優ソン・イェジンの主演と言うだけで観たくなる映画ですよね。しかし、「冬のソナタ」を見ていない私は、「スキャンダル」のプレイボーイのイメージしか持っていなくて、トレードマークのメガネ姿で演技する彼を見たのは初めて。でも、私はどうも好きになれないんですよね〜・・。一方、ソンちゃんの方は、先日見た「私の頭の中の消しゴム」のイメージが強くて違和感がいっぱい。しかし、いわゆるソープドラマとしてみれば、かなりのレベルには達していると思います。劇場のオバ様たちはみんあな涙・涙・・だったのですが、私はイマイチ乗れませんでした。ソン・イェジンのファンの私は「私の頭の中・・」の方が断然良かったですね。かなり厳しい評価になってしまいましたが・・・・。監督は「8月のクリスマス」「春に日は過ぎ行く」という名作を作ったホ・ジノ。前の2作が好きなだけに、今回はちょっと期待しすぎたかな??
セブンソード  監督・ツイ・ハーク  出演:ラウ・カーリョン、ドニー・イェン
Seven Swords  2005年 香港映画
1660年代、中国を侵攻した満州民族は明朝を倒し、清朝を立ち上げた。各地で反乱が起きる中、新政府は武術を禁じる禁武令を出し反乱軍を押さえようとしていた。その法律の発布に乗じ、明王朝の軍人、風火連城は不満分子の排除を行い、明王朝の残党を次々と抹殺し、彼らの住む村は女子供までも皆殺しにしていた。彼の次のターゲットは武荘という小さな村だった。明王朝で処刑人をしていた傳は、良心の呵責から風火連城に反抗するが戦いのさなかで重傷を負ってしまう。そんな彼を救ったのが武荘の韓という娘だった。風火連城が攻めてくることを訴える傳だったが、処刑人だった彼の言葉に村人は耳を貸さなかったが、韓と武のふたりと共に傳は、神秘の山「天山」へと向かった。そこで彼らは隠遁生活を送っている大師から7つの刀と4人の猛者を与えられる・・・・
私評:7つの刀はいつも共にあり・・・・中国ではすごいヒットを飛ばしたアクション映画。これは中国版の「七人の侍」のような映画でした。それにしても7人の勇者たちが数百人もの相手と戦うシーンはすごい迫力。中国ならではの人海戦術と、巨大なセットで迫力も倍増。2時間35分の長尺ですが、一気に楽しめる作品でした。アクションの合間合間にあるちょっとした小話も、それぞれ趣があって良いんですよ。それもそのはず、監督は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」や「スウォーズマン」のツイ・ハークなんですよ。彼らしいスピーディーな演出も見所です。主演の傳役は、ベテラン中のベテランでこの映画のアクション監督も努めるラウ・カーリョン。その他にも「インファナル・アフェア3」のレオン・ライや「HERO」のドニー・イェンなどが大暴れ。特にドニー・イェンはめっちゃカッコ良かったです。武侠映画ファンの方は絶対に見逃さないでください。劇場の大迫力で楽しみましょう!


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