2007/9/29

秋になり公開数自体は減っているのですが、
観たい映画はてんこ盛り。今回は2作とも心癒される映画でした。
疲れているのかな〜・・??

めがね  監督:荻上直子  出演:小林聡美、もたいまさこ、市川実日子
 2007年 日本映画
今週のイチ押し:ここは何処か分からないが南の島。春が訪れたこの島に一人の女性が降り立った。小さなかばんをひとつ持った女性を島のみんなが待っていた。時を同じくして、もうひとりの女性が島に降り立った。彼女の名前はタエコ。大きなトランクを引きずり、地図を片手に小さな宿「ハマダ」にたどり着いた。そこには不思議な雰囲気を持った主人のユージと犬のコージがいた。次の日の朝、タエコの枕元にひとりの女性が座っていた。この島のすべてがタエコの常識を遥かに超えていた。毎朝、砂浜で行われるメルシー体操、砂浜で振舞われるカキ氷、毎日ぶらぶらしている高校教師のハルナ。あまりの違和感に言葉をなくしてしまう。そんな彼女を追って一人の青年がこの島を訪れる。あっという間に島になじんでしまった彼を、ちょっと羨ましそうに見つめるタエコだったが・・
私評:終わらない旅はありませんから・・・「かもめ食堂」が好きな私が、この映画を見逃すわけには行きません。これと言った大きな事件が起こるわけではなくて、ゆったりとした時間が映画館に流れていく。これがなんとも心地良いのです。誰もが時間に追われている今、誰もがこんな生活を求めているのかもしれない。だけど、それは無理なことなんだから映画を見ている間だけでも、こんな生活を夢見ながら緩やかな時間に身を任せてみましょう。ヒーリング作用は、私が保証します。そして極め付けは劇中の「メルシー体操」!マスターして私も体操したいです!主演は私も大好きな小林聡美。今回も彼女独特の飄々とした演技が素敵。そしてもたいまさこ、市川実日子、光石研、加瀬亮という超豪華な出演者たち。おまけに薬師丸ひろ子が変なおばさん役で登場します。監督は「かもめ食堂」の荻上直子。のほほ〜んとしたい人には超おススメの映画です。
ミス・ポター  監督:クリス・ヌーナン  出演:レニー・ゼルウィガー、ユアン・マクレガー
Miss Potter  2006年 イギリス・アメリカ映画
今週のイチ押し:1902年。イギリスも新しい時代を迎えたが、封建的な空気が漂う中で上流階級の女性が仕事を持つことはご法度だった。しかし、この時代にアーティストとして生きたいと願う一人女性がいた。彼女の名前はビアトリクス・ポター。何不自由ない家庭で育った彼女は、子供の頃に育った湖水地方で出会った動物たちの絵に物語を添えが「絵本」を出版しようとしていたのだ。そんな彼女が運命の人と出会う。出版社の若き編集者ノーマンだった。彼はビアトリクスの才能を理解し、彼女の絵本の出版に情熱を注ぎ込んだのだ。ついにビアトリクスの絵本「ピーターラビットのおはなし」は完成し、あっという間にベストセラーになる。ビアトリクスの情熱は冷めることなく、ノーマンの協力を得て「ピーターラビット」はシリーズ化された。そしてクリスマスパーティの夜、ノーマンはビアトリクスにプロポーズをする・・
私評:ここの土地はすべて私が買い取ります・・・ピーターラビットは知っていましたが、その作家についてはまったく知らなかった私。しかし、彼女がこんなに魅力的なキャラクターだったとは・・。もちろん、レニー・ゼルウィガーの演技力もあると思いますが、ただ単に作家であるだけではなく、現在イギリスの湖水地方の美しい風景が拝めるのも彼女のおかげだったとは・・。しかも、彼女の人生がドラマチックに動き出すのは彼女が36歳のときだというのも良いんです。そして彼女のドラマチックな人生以外にも、この映画では最上級に美しい湖水地方の美しい風景が大画面いっぱいに映し出されます。これは劇場で楽しみたいですね・・。ビアトリクスを演じるのはレニー・ゼルウィガー。彼女は本当に演技が上手い。今回のビアトリクスは、意志は強いが、ちょっと内向的・・みたいな演技をさらりとこなす。映画の中盤の悲劇で彼女がショックで泣くシーンの演技は絶品。ノーマン役にはこれまた演技派のユアン・マクレガー。生真面目だけどまっしぐらな男を好演。そしてノーマンの姉役で登場するのがエミリー・ワトソン。彼女も良いですよ〜・・。監督は「ベイブ」以来、11年ぶりのクリス・ヌーナン。
サイボーグでも大丈夫  監督:パク・チャヌク  出演:チョン・ジフン、イム・スジョン
I'm a Cyborg, But That's OK  2006年 韓国映画
ある精神病院。ここに新しい患者がやってきた。彼女の名前はヨングン。自分をサイボーグだと思っていて、自動販売機に声を掛ける変な女の子だ。ヨングンは大根ばかり齧っていたおばあちゃんが療養所に入れられて以来、頭のねじが緩んでしまったらしい。彼女に目をつけたのがイルスン。人のものなら何でも盗めるある意味天才??ヨングンを観察し始めたイルスンは、彼女のパワーがどんどん落ちていることに気付く。彼女は自分がサイボーグなのでご飯を食べると壊れてしまうと信じていたのだ。そんなイルスンにも悩みがあった。それはいつか自分がこの世から消滅してしまうことだった。ヨングンは無理やり食事をさせられたり、電気治療をされたりと酷い目に遭っている。イルスンは彼の持てる全ての知能を凝縮して、ヨングンの救出を試みる・・
私評:生涯アフターサービス保障!・・・パク・チャヌク監督といえば「親切なクムジャさん」「復讐者に憐れみを」などのバイオレンス映画のイメージが強いのですが、この映画は不思議なファンタジー映画。しかし、一筋縄ではいかないのがこの監督の映画。理解不能なシチュエーションもあるのですが、その辺りは「その場の雰囲気」で感じ取りましょう。(笑)しかし、この映画のテーマは紆余曲折しながら、最終的には「ちゃんとご飯を食べようね!」と言っていたような気がします。主演は「箪笥」、「サッドムービー」などで韓国映画の若手を牽引するイム・スジョン。この子は以前から可愛いとは思っていなかったのですが、この映画ではかなりブ○です。イルソン役はチョン・ジヒョンこと、シンガーのRain (!)。彼が劇中で歌うヨーデルは絶品です。
ファンタスティック4 銀河の危機  監督:ティム・ストーリー  出演:ヨアン・グリフィス、ジェシカ・アルバ
Fantastick Four : Rise of the Silver Surfer  2007年 アメリカ映画
広大な宇宙を強大なエネルギーが疾走していた。それは行く手にある星を破壊して次の目標を地球に向けていた。そしてそのエネルギーが地球に達したとき、地球の各地で異変が起こった。しかし、そんな事件をそっちのけで全米が注目していたのは「ファンタスティック・フォー」のメンバーのリードとスーの結婚式。しかし、挙式の当日にNYでも異変が起こる。式場はパニックになってしまう。銀色のサーフボードを操る未知の生命体<シルバー・サーファー>を追い、ジョニーが火の玉となって追うが、シルバー・サーファーに触れたジョニーの体に異変が起きてしまう。他の人間に触れると互いの特殊能力が入れ替わってしまうのだ。軍の要請を受け研究を続けるリードは恐ろしい事実を知る。シルバー・サーファーが訪れた星は8日以内に、全て滅びているのだ・・・・
私評:そこは省略して・・・早く最後まで・・・すごーい映像で、しかも笑えるのがこの作品。今回もおバカなシチュエーションでけっこう笑わせてもらいました。しかも、こういう映画にありがちが長くてダラダラした作品ではなく、93分と言うお手頃サイズ。良いですね〜。しかし、今回圧倒的に活躍するのが火の玉ボーイのジョニー。というか、ほとんど、彼の活躍??その他にもかなりツッコミどころ満載で、ストーリーも穴ぼこだらけですが、それなりに楽しめてしまうのがこの映画。おっと、一番の見所はまたまたスッポンポンになってしまうスーことジェシカ・アルバかも??シルバー・サーファーの正体、そして前作で葬ったはずのビクターの再登場など、ファンの見所は満載かも??メンバーの4人は前作と変わらずヨアン・グリフィス、ジェシカ・アルバ、クリス・エヴァンス、そしてマイケル・チクリス。なんとシルバー・サーファーの声はローレンス・フィッシュバーンです。監督も前作に引き続きティム・ストーリーです。
HERO  監督:鈴木雅之  出演:木村拓哉、松たか子
 2007年 日本映画
東京地検城西支部にあの男が戻ってきた。6年ぶりに戻ってきた男の名は久利生公平。久々の再会なのに、彼の事務官の雨宮はなぜかよそよそしい。しかし、久利生はマイペースで仕事を再開する。彼が手掛けたのは同僚の芝山検事が起訴した傷害致死事件だった。結婚式を数日後に控えていた男が一人の男に暴行を受け、その際にコンクリートに頭を強打して死亡したのだ。容疑者は検事局では犯行を認めていたが、初公判で容疑者は容疑を全面的に否認し、無罪を主張した。彼の弁護に付いたのは刑事事件で無罪獲得数が日本一の蒲生。新聞の扱いも小さかったこの事件の弁護になぜ、こんな大物が??事件の証拠を求めて容疑者が当日犯行に使った車を追う久利生。そんな彼らをなぜか東京地検特捜部が監視をしている。実はこの事件の裏には、大物代議士の花岡が絡んでいたのだ・・・・・
私評:約束します。ぜったい離しません・・・記録的な視聴率を叩き出した伝説的なTVドラマが映画化された。主演は国民的アイドル木村拓哉。しかし、このTVドラマは彼のカリスマ性だけではなく、ドラマの作り自体が面白い。実は私も遅ればせながらTVドラマ版をレンタルして見たのですが、すごく面白かったです。映画版がどうだったかというと、私的にはTV版には及ばず・・。しかも、TVスペシャルの続編的な展開があり(まあ、その部分をすっ飛ばしても良いのですが、けっこう重要なくだりだしそれなら最初から入れなければ良いと思う)映画でHERO初体験者には不親切なくだりがあった。それでも130分間最後まで一気に見せてくれるのはキムタクを始めとする、キャストの面白さですね〜。中でもキムタク以上に私が目を奪われたのは、映画の中の「チンチクリン」と言う呼称がピッタリの松たか子!キムタクと松たか子のラストシーンはめっちゃ良かった〜!!その他にも松本幸四郎、タモリ、イ・ビョンホンなどのゲストも豪華です。監督は「忍者ハットリ君」の鈴木雅之。


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