2014/9/28

あっというまに9月も終わりそう。
イチ押しは韓国の傑作サスペンスと巨匠のミュージカル

悪魔は誰だ  監督 : チョン・グンソプ  出演 : オム・ジョンファ、キム・サンギョン
 2013年 韓国映画
今週のイチ押し:少女誘拐事件で娘を失ったハギョンの元を、担当刑事のチョンホが訪ねた。まもなく事件から15年が経ち時効を迎えるのだ。チョンホは必死に犯人を追ってきたがついに逮捕には至らなかった。ところが数日後に少女の殺害現場に花を添える男の映像が見つかった。その現場を知っているのはハギョン、チョンホ、そして犯人だけ。そして現場近くで見つかった車のタイヤ痕から左右のタイヤが違う事を突き止めたチョンホは必死に犯人を追うが、ついに時効を迎えてしまう。その事に責任を感じてチョンホは刑事を辞職した。しかし、時効を迎えてすぐに、ふたたび少女が誘拐される。祖父と公園で遊んでいて、祖父が電話に出ている隙に誘拐されたのだ。そして出された要求、そして身代金の受取り方法は15年前の事件と酷似していた・・
私評:犯人は・・・誰だ・・・2時間の映画なのですが、最初からフルスロットルで息つく暇もない。前半は犯人が誰なのか?と考える余裕もなく次々と展開していくストーリーに身を任せていた。そして時効後に起こる第2の事件。15年前には少女も助からず、身代金もとられてという失態を演じた警察が汚名挽回とばかりに犯人に迫る。しかし、犯人はさらにその上を行く。そして物語は急転直下、まさかの犯人が浮かび上がってきます。しかも、シナリオはさらに捻ってあって予想もつかないラストを迎えます。本当に唖然としてしまいました。やっぱり韓国映画はすごいな~・・・。この映画の結末は誰にも分からないでしょうね。ハギョン役は「私の小さなピアニスト」のオム・ジョンファ。彼女はこの作品で韓国のアカデミー賞である大鐘賞最優秀主演女優賞を獲得。納得です。チョンホ役は「ザ・タワー」のキム・サンギョン。新しい誘拐事件の祖父役は「アジョシ」「悪いやつら」のソン・ヨンチャン。監督はこれが初の長編作品の監督というチョン・グンソプ。いやはや韓国映画にはいつも驚かされます。傑作です!
ジャージー・ボーイズ  監督 : クリント・イーストウッド  出演 : ジャン・ロイド・ヤング、エリック・バーゲン
Jersey Boys  2014年 アメリカ映画
今週のイチ押し:1951年、ニュージャージー州ペルヴィル。16歳のフランキーは床屋の見習いをしながら歌手になる夢を抱いている。彼の天性の歌声は地元のマフィアのボス、ジップ・デカルロも惚れこんでいる。初めてステージに立ったのは町の酒場。悪友のトミーが率いるバンドのステージに立ったのだ。しかし、トミーは手のつけられないワルで刑務所にも入っていたが、彼はフランキーを傍から離さなかった。やがて、新メンバーとしてボブ・コーディオが加わり、ベーシストのニックと4人グループになった。なかなかチャンスに恵まれなかった4人だがついにその日はやってきた。彼らの「シェリー」が大ヒットしたのだ。一躍トップスターに躍り出た4人。出すレコードはみんなヒットし、テレビにも出演。そしてツアーの連続でゆく先々で女たちを侍らすトミー。しかし、彼らの歯車は次第に噛み合わなくなっていく。一番のきっかけはトミーが作った多額の借金だった。その額の多さに愕然とするメンバーたち。ニックはグループを去り、フランキーとボブはふたりで借金を払うと決心するが・・
私評: I LOVE YOU BABY AND IF IT’S QUITE ALL RIGHTS, INEED YOU BABY・・・ザ・フォーシーズンズは、名前は知っていて、彼らのヒット曲も何曲か知っていましたが深くは知らない。なんたって彼らの大ヒット曲「シェリー」が発売されたのは1962年。つまり私が生まれた年です。急にビッグになった田舎者たちが一気呵成に落ちぶれていくというのはよくあるストーリーですがこの作品は、その絶望からの再起までを描いています。しかも、もちろんほとんどが実話。実はこの作品のベースはステージで世界的にヒットしていた物。ミュージカルとしても秀逸の作品です。ラストの大円団はまさにミュージカル。まさかのあの人まで踊っていました!フォーシーズンズの4人のうち3人はステージで演じていた男たち。フランキー役はジャン・ロイド・ヤング、ボブ役はエリック・バーゲン、ニック役はマイケル・ロメンダ。トニー役は「処刑教室」のビンセント・ピアッツァ。有名どころではマフィアのボス役で「ディア・ハンター」のクリストファー・ウォーケンが出演しています。監督は大御所クリント・イーストウッド。本当に彼はマルチな監督ですね。
ザ・ヘラクレス  監督 : レニー・ハーリン  出演 : ケン・ラッツ、スコット・アドキンス
The Legend Of He  2014年 アメリカ映画
紀元前1200年。アンピトリュオン王は近郊諸国を次々と侵略し勢力を拡大していた。しかし、彼の妻のアルクメネ妃は血塗られた夫に嫌悪を抱いていた。そんなある日、彼女は宮殿を抜け出しアルゴスを訪ねた。神々が祀られている宮殿でアルクメネはヘラのメッセージを得た。アルクメネは近日、ゼウスとの契によって男の子を得るという。そして彼女は大きな男の子を産んだ。彼の名前はヘラの贈り物という意味で「ヘラクレス」と名付けられた。20年後、ヘラクレスはアルケイデスと名付けられ逞しく育っていた。彼の兄のイピクレスは彼より何でも秀でている弟に嫉妬の念を抱いていた。アルケイデスはクレタ島の王の娘、ヘベと恋仲になってしまう。しかし、その事を知ってか父のアンピュトリュオンはイピクレスとヘベの婚約を発表。しかも、アルケイデスはエジプトへの遠征を下される・・
私評:戦争は息子を失った悲しい母親の歴史よ・・・来月に公開される「ヘラクレス」と間違って映画館に入ってしまう人もいるのでは??なんで924日の水曜に公開されるのかと思ったら「ヘラクレス」が1024日だったから。もちろん私は知っていて観に行きました。作品の方は思っていた以上に面白かったです。すごいのは何と言っても屈強の男たちの肉弾戦。筋肉隆々の男たちが剣で闘うシーンは迫力満点。そしてこの映画は3Dなのですが、昨今の奥行きのある3Dではなくて、いわゆる飛び出す3D。弓矢が画面からビュンビュン飛んできます。ちょっとチープな感じはするのですが私の欲求を満たすには十分なアクション映画でした。役者陣は有名な人がまったくいません。ここでコストを削っていますね。ヘラクレス役は「トワイライト」シリーズのケラン・ラッツ、アンピトリュオン王には「エクスペンダブルズ2」のスコット・アドキンス。ふたりともどこに出ていたのか、全然覚えていません・・・。監督は「ダイハード2」「クリフハンガー」のレニー・ハーリン。すっかり2流監督になってしまった・・


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