なんとか公開のスケジュールに追いつきました。
今回は日本映画の力を見せつける2本。最近、邦画ばかり見ているな〜・・・
悪人 | 監督:李相日 | 出演:妻夫木聡、深津絵里、満島ひかり | |||
2010年 日本映画 | |||||
今週のイチ押し:長崎の海辺近くで解体の仕事をしている祐一は、出会い系サイトで知り合った保険外交員の佳乃に会うため、福岡に訪れていた。しかし、佳乃は祐一の目の前で彼女が憧れている増尾の車に乗り込んだ。遣り処のない怒りを覚えた祐一はふたりの車を追った・・・。数日後、山中で佳乃の死体が発見された。当初、犯人と目されていた増尾を警察が捕らえるが、彼は佳乃を車から突き落としただけだった。彼女を殺したのは祐一だった。ガックリとしていた祐一に一通のメールが届く。やはり出会い系で知り合った光代だった。佐賀に住む彼女の元を訪ねた祐一はいきなり光代をホテルに誘う。しかし、そんな祐一を静かに受け入れる光代に祐一は心を許していく。そして自分が人を殺した事を告白する。いち度は警察に自首しようとした祐一を引き止めたのは光代だった。こうしてふたりの逃避行は始まった。ふたりが辿り着いたのは無人の灯台だった。 | |||||
私評:俺も本気でメールを送った・・・この映画はすごい。人間ドラマは数々見ましたが、登場人物のすべてを深く掘り下げ、悲喜こもごもフィルムに焼きつけている。主役のふたりはもちろんですが、脇役陣までみごとに描かれています。そして「孤独」という大敵と必死に戦う人々の姿がリアルに描かれています。ハッピーなストーリーではありませんが、魂を掴まれるような衝撃を味わいたい人には超がつくほどお勧めです。そしてこの映画を見た後は、誰かを抱きしめたくなる。ひとりでいるのが怖くなる。そして誰かを好きだと叫びたくなる。祐介を演じるのは「どろろ」「感染列島」の妻夫木聡。今回は無口な寂しい魂を抱える青年を好演。そして驚くべき演技をみせるのが光代役の深津絵里。彼女はこの演技でモントリオール映画祭の最優秀主演女優賞を獲得。納得です。被害者の佳乃を演じるのは「愛のむきだし」「川の底からこんにちは」の満島ひかり。彼女もすごい!佳乃の父親には柄本明、祐一の祖母役は樹木希林、増尾役は岡田将生。その他にも良い役者が続々出てきます。監督は「フラガール」の李相日。衝撃作です! | |||||
BECK | 監督:堤幸彦 | 出演:水嶋ヒロ、佐藤健、 | |||
2010年 日本映画 | |||||
今週のイチ押し:高校生の田中幸雄(コユキ)は早くも人生に絶望していた。いじめにも遭い、生きる活力も沸かない。そんなある日、コユキは運命的な出会いをする。天才的なギターテクニックを持つ竜介だ。NY帰りの彼はなんとアメリカで大人気のダイイング・ブリードのギタリスト・エディの親友だという。竜介は所属していたバンドのメンバーと意見が合わず脱退して、新しいバンドメンバーを集めていた。竜介から古いギターを譲り受けたコユキは徐々に音楽にのめりこんでいく。ギターの腕もめきめき上達したコユキは竜介が結成したバンド“BECK”のメンバーになった。そんなある日、竜介が書いた新曲を見たコユキは自分が歌いたいと申し出る。それは竜介が妹の真帆の事を書いた歌だった。そこでメンバーはコユキの恐るべき才能を目の当たりにする・・ | |||||
私評:BECKに必要じゃない人間なんていない!!・・・いや〜、めちゃめちゃ感動した〜。これはまさに映画と音楽が起こした化学反応。(劇中にもそんなセリフがあるけど・・)小さな核反応が大爆発を起こした感じです。また、私はこういう映画が好きなんですよね〜!クライマックスのライブシーンは鳥肌が立ちっぱなしでした。しかし、この作品の「核」になるのが「コユキ」のボーカル。あれだけの人々を虜にする歌声を劇中でどうやって描くのかが、作品の肝になるのですが、「この手があったか!!!」と納得。まさに観客のイマジネーションを思い切りかき立てる演出でした。そして登場する楽器もけっこう凝っています。監督の趣味がここに思い切り出ていたような・・・・。BECKのメンバーは水嶋ヒロ、佐藤健、桐谷健太、中村蒼、向井理の5人。原作のイメージにかなり近いと思います。そして真帆役は「ポッキー」にCMでブレイクしたオーストラリア出身、忽那汐里。彼女がめちゃめちゃイイです。その他、松下由樹、カンニング竹山、中村獅童などなど。監督は「20世紀少年」「TRICK」の堤幸彦。 | |||||
東京島 | 監督:篠崎誠 | 出演:木村多江、窪塚洋介 | |||
2010年 日本映画 | |||||
主婦の清子は結婚の周年記念で、夫と2人でヨットの旅に出たが嵐に遭い船は転覆。ふたりは無人島に流れ着いた。サバイバル生活を続ける中、島に新たな来客が訪れる。16人の若いフリーターの男たちが漂流、さらには6人の屈強の中国人の男たちも島に流れ着く。やがてその島は「東京島」と呼ばれるようになった。そんなある日、清子の夫は断崖から落ちて謎の死を遂げた。清子はこの島でたったひとりの女として地位を獲得する。まず、彼女はフリーターたちのリーダー、カスカベの妻となった。そして彼女は女王のように扱われる。しかし、そんな彼女に、変わり者の渡辺はひとり誹謗中傷をぶつけ続ける。ところが、カスカベは中国人の男たちに殺されてしまう。ガックリと落ち込む清子。そんな清子にフリーターたちのひとりオラガがある提案を持ってやってくる。清子の夫をくじ引きで決めたいと言うのだ。一度は断ったものの清子は申し出を受け入れることにした。そして彼女の夫に選ばれたのは、この島に来るまでの記憶を無くしていたGMだった。一方、渡辺は中国人たちと交流を始める・・・・ | |||||
私評:ケンタッキー!!ケンタッキー!!・・・・私の大好きな作家のひとり桐野夏生さんの小説の映画化。題材的にも映画に向いていると思っていましたが、実際映像になるとかなり面白い作品になっていました。この作品はもちろん主人公の清子目線でストーリーが進んでいくので、男にはかなり厳しい展開でもあるのですが、逞しく、そして頑なに「生」にすがりつく清子が清々しくもあり、そして疎ましくもあり・・。原作を読んでいるとき、「この清子ってまさに桐野さんだな〜・・」と思いながら読んでいたのを思い出しました。しかし、映画でこの清子役に抜擢されたのは、薄幸で大人しいイメージの木村多江。「ぐるりのこと」「ゼロの焦点」でも地味な女を独特のオーラで輝かせる彼女が・・・。しかし、これがピッタリでさすが女優と思わせる快演!コミカルな演技もシリアスな演技も、見事に演じ分けます。その他、活きの良い若手俳優が多数出場しますが、やはり印象に残るのは「GO!」の窪塚洋介。インパクトがありました!監督は「犬と歩けば チロリとタムラ」の篠崎誠。ラストシーンの屋上でのパーティで遅れていたのは、やはりあの人?? | |||||
バイオハザード アフターライフ | 監督 : ポール・W・S・アンダーソン | 出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、アリ・ラーター | |||
Resident Evil Afterlife | 2010年 アメリカ映画 | ||||
首都東京は渋谷のスクランブル交差点。1人の少女が道行く男に襲い掛かった。そしてウィルスはあっという間に蔓延した。渋谷の地下にあるアンブレラ社の支社を何者かが襲いかかった。あっという間に巨大な施設を壊滅に追い込んだのは、アリスのクローンたちだった・・それから半年後、アリスはアラスカにいた。安全な場所があると言うラジオ放送を聴きつけたのだ。しかし、そこにそんな場所はなかった。その時、何者かがアリスに襲いかかった。それはラスベガスで別れたクレアだった。クレアも安全な場所を求めてこの地にやってきたのだが、事件に巻き込まれ記憶をなくしていた。ふたりは飛行機でロスアンゼルスに向った。そこでふたりは生き残っている人間を発見する。そこは刑務所で壁に囲まれていたが、壁の外には無数のアンデッドが闊歩していた。アリスは彼らを連れて脱出を試みるが・・・・ | |||||
私評:全員でここを脱出するのよ・・・・バイオ・ハザードシリーズはけっこう好きで、過去3作品はDVDも買って再見するほど。元々はプレイステーションのゲームがきっかけなのですが・・。ひとえにこの映画の魅力のほとんどは主演のミラ・ジョヴォヴィッチのキャラクターなんですけどね。今回は「アバター」で使用した最強の3Dカメラを使用するという事で映像の方も期待して劇場に足を運びました。やはり、アクション映画に3Dは相性がいい。画面を飛び出して飛んでくる銃弾やガラスの破片は迫力満点。だけどこの映画、肝心なストーリーがなんかイマイチなんですよね〜。アクション重視で作った映画ではあるのでしょうがとって付けたような展開はちょっと・・・。主演はこの作品の監督の奥さんでもあるミラ・ジョヴォヴィッチ。やっぱりこの作品は彼女なしでは語れません。そして前作に引き続き、ゲームの人気キャラクターのクレア・レッドフィールドを演じたのは「ファイナル・ディスティネーション」シリーズのアリ・ラーター。そして彼女の兄クリス役は「プリズン・ブレイク」のウエントワース・ミラー。監督は「バイオハザード」「エイリアンVSプレデター」のポール・W.S.アンダーソン。 | |||||