2011/9/11

今週は夏休みもあったので有効に使いました。
一押しはどちらも邦画。

神様のカルテ  監督:深川栄洋  出演:櫻井翔、宮崎あおい、加賀まり子
 2011年 日本映画
今週のイチ押し:信州松本の基幹病院で当直医として勤務する栗原一止。彼には写真家の妻の榛名がいた。一止が当直の日は外来患者なぜか多い。その日も明け方まで患者が途切れる事がなく、一止を始めとする医療スタッフは、不眠不休で日勤に入った。ようやく帰宅するとお膳の上に一通の置手紙。なんと昨日は一止と榛名の結婚記念日だった。そんなある日、一止に信濃大学医学部付属病院の消化器内科から研修の誘いがあった。上司の勧めもあり研修に参加した一止はシステマチックではあるものの徹底した医療体制に感銘を受ける。しかも、一止は内視鏡の世界的権威である高山からセミナーの誘いを受ける。それは高山が一止に一目置いているという事だった。外来診療を受け持った一止の元に安曇雪乃という女性が訪れる。彼女は胆嚢ガンで手術を希望していたがガンの発生場所が悪く、リスクを回避するために大学病院での手術は見送られた。研修後、松本の病院に戻った一止の元に雪乃がやってくる。余命半年と宣告された彼女は藁をも掴む気持ちでここにやってきたのだ。その数日後、雪乃は大量の下血で病院に担ぎ込まれる・・
私評:拝啓 栗原一止大先生さま・・・・なんとも心にじんわりと染みわたる良い映画でした。登場人物のキャラクターがすごくいい。主人公だけでなく彼らを取り巻く人たちもとても丁寧に描かれていて、だからこそ一止のキャラクターが生きてくるんですね。そして医療現場に携わる人々がとてもリアルに描かれている。それゆえに優しい気持ちにさせられる一方で、医療の限界もイイ感じで描かれています。完璧な医療などないのは分かっているのですが、その狭間で悩む主人公にすごく感情移入ができました。そして最後の手紙のシーンはもう号泣でした。一止役は“嵐”の櫻井翔。最初はどうもこのキャラクターに取っ付きづらかったのですが、映画の後半はもう彼以外の役者は考えられないくらいはまっていました。彼の妻の榛名役は、若くしてもうすでに日本の名女優の座に君臨する宮崎あおい。しかし、今回、いちばん私の印象に残ったのは雪乃役の加賀まり子。どちらかというと”お高くとまった”イメージの彼女ですが、実にピュアで優しい、だけど弱さを秘めた女性を好演。その他には池脇千鶴、柄本明、西岡徳馬、朝倉あきなどが素晴らしい演技を見せます。監督は日本映画界を牽引する若き映像作家、「白夜行」「半分の月がのぼる空」の深川栄洋
探偵はBARにいる  監督:橋本一  出演:大泉洋、松田龍平、小雪
 2011年 日本映画
今週のイチ押し:探偵と彼の助手兼運転手の高田はその日もススキノのバー“KELLER OHATA”にいた。そこに依頼の電話が入る。相手の名前は「コンドウキョウコ」。それは簡単に済む依頼のはずだった。ミナミという弁護士を訪ね「去年の25日にカトウはどこにいた?」と聞くだけ。しかしその直後、探偵は怪しい男たちに拉致され、雪原に生き埋めにされてしまう。なんとか穴から這い出した探偵は怒り心頭。報復のためにミナミの周辺を調べているとキナ臭い人間が次から次へと現れる。そんな時、探偵は記者の松尾と一緒に出掛けた高級クラブのママ、沙織に一目惚れしてしまう。彼女は1年前に死んだ霧島グループの社長の未亡人。しかも、今は霧島に替わる新興勢力のボスの息子と付き合っているらしい・・・。またしても「コンドウキョウコ」から依頼が入る。しかし、探偵はひょんなことで「近藤京子」の名前を発見する。彼女は2年前に起きた飲食店の放火事件の被害者。調査を進めていくと、なんと近藤京子は霧島の実の娘である事も判明する・・
私評:探偵は依頼人を守らなくちゃ・・タイトルだけを見ると本格的なハードボイルド作品みたいですが、これはエンターテインメント作品。ミステリーとしても面白いけど、アクションシーンも満載、そしてなにより笑いが満載なのです。こういう映画って往々にして途中でトーンダウンしがちなのですが、この映画にはそういうダレたシーンがなかったです。それは私が主演の大泉洋を好きだからでしょうね。「水曜どうでしょう!」のぶっちゃけトークをそのまま映画にも持ち込んでいる。だけど、やっぱり役者なので決めるところはしっかり演じる。しかも、舞台が彼のホームグラウンドである北海道なのでこの作品の「探偵」役にはホントにピッタリの人選でしたね。高田役は相変わらず“喋らなければ名優”の松田龍平。謎の女、沙織役は「ラストサムライ」の小雪、町の有力者の霧島役は西田敏行。そしてもう一人、私が良いと思ったのがイヤらしいやくざを演じる高島政伸。キレてました!そして歌手として出演もしているカルメン・マキの歌が最高です・・。監督は橋本一。
ハウスメイド  監督:イム・サンス  出演:チョン・ドヨン、イ・ジョンジェ
 2010 韓国映画
上流階級の家に泊まり込みでメイドをすることになったウニ。子供好きのウニはその家の娘ナミとすぐに仲良しになった。この家の主人フンは全てを兼ねそろえた完璧な男。彼の礼儀正しさにウニは好感を抱いた。双子を妊娠中の彼の妻のヘラも、ウニには好感を持った。この家で長年メイドをしているビョンシクは口を開けば愚痴ばかりだが、その仕事ぶりは完璧だった。そんなある日、一家のお供で山間の別荘へと出掛けたウニ。その夜、フンはウニの部屋に忍び込みふたりは関係を持ってしまう。しばらくするとビョンシクは、独特の女の勘でウニが妊娠している事に気付く。ビョンシクはその事をヘラの母親に告げ口をした。その事に怒りを覚えたヘラの母親は、シャンデリアを掃除中のウニの梯子を蹴飛ばした。ウニは高所から落下したために病院に運び込まれる。しかし、ここでの診査結果でウニは初めて自分の妊娠を知る。ヘラとヘラの母親から金を積まれ堕胎を勧められるが、ウニは悩んでいた・・・・
私評:おばさん、かわいそう・・・・韓国では名作と謳われている「下女」という作品のリメイク。オリジナルは見た事がないのですが・・。しかし、この映画の登場人物たちはみんな怖い!上流生活に慣れ親しみ、金さえあれば何でもできると思っている輩の狂気。そしてパッとしなかったウニという女がある意味“覚醒”するシーン辺りから、彼女は“勘違い”をしだすんですね・・。復讐という形をとったウニが最後にとった手段とは??それは想像を絶します。私も空いた口が塞がりませんでした・・。それにしてもこの映画エロすぎませんか??主演は韓国の演技派女優、「ユア・マイ・サンシャイン」のチョン・ドヨン。しかし、(掲示板にも書きましたが)この女優が“いとうあさこ”に見えてしまうんです。実際に隣の写真なんてよく似てませんか?それゆえに恐怖シーンもなんとなくユーモラスに見えてしまうんです(苦笑)。全てを手に入れた完璧な男フンを演じるのは「イルマーレ」のイ・ジョンジェ。そして完璧なメイドのビョンシク役はユン・ヨジョン。監督は「浮気な家族」のイム・サンス。ラストシーンでナミは何を見ていたのでしょうか??
グリーン・ランタン  監督:マーティン・キャンベル  出演:ライアン・レイノルズ、ブレイク・ライブラリー
Green Lantern  2011年 アメリカ映画
グリーン・ランタン。それは数十億年前に不死の種族である“ガーディアン”が宇宙の平和のために全銀河から勇者を集め作り上げた宇宙警察機構。しかし、この宇宙に未曾有の危機が迫っていた。無人の惑星に閉じ込めた最大の敵パララックスがその封印から解き放たれたのだ。グリーン・ランタンの勇者アビン・サーはパララックスに襲われ致命傷を負ってしまう。瀕死の彼がようやく辿り着いたのは地球。そこで彼は勇者を選ぶために”パワーリング“を解き放つ。そしてリングが選んだのはテストパイロットのハル。操縦の腕は一流だが自信過剰で、お調子者。その日も重要なテスト飛行中に無謀な行動に出たばかりだった。リングが選んだ男・ハルに言葉を遺しアビン・サーは息を引き取った。地球人初のグリーン・ランタンのメンバーとなったハルは、惑星オアに呼ばれ訓練を受ける。しかし、そこでハルは自身が抱える“恐怖心”を見出されてしまう・・・・
私評:恐怖は誰でも持っている。大切なのはそれを克服する勇気だ!・・・またしても、アメコミのヒーローが映画になった。私はこの「グリーン・ランタン」を知らなかったのですが、実際に観てみたらすごく面白かったです。もちろん、人並み外れた超能力を持っているのですが、彼のイマジネーションがそのまま実体を作り出すのが面白い。創造力豊かでないとその力を使いきれないのですが、ハルのイメージするものがユニークで笑えるんです。アクションシーンの迫力、3,600名いるというグリーン・ランタンのメンバーのユニークな容姿、そして宇宙空間を飛びまわる痛快な映像などなど、見所は満載。正直、あまり期待をしていなかっただけにこれは拾い物でした!ハル役は「あなたは私の婿になる」のライアン・レイノルズ。コメディセンスも抜群の彼だからこそできた役ですね。彼の恋人のキャロル役は「ザ・タウン」のブレイク・ライブラリー、彼の友人の生物学者でパララックスの菌に感染してしまうへクター役が「エスター」のピーター・サースガード。へクターの父親で上院議員役は「ショーシャンクの空に」のティム・ロビンス。監督は「マスク・オブ・ゾロ」「バーティカル・リミット」のマーティン・キャンベル。
ライフ いのちをつなぐ物語  監督 :マイケル・ガントン、マーサ・ホームズ  出演:松本幸四郎、松たか子 英語版はダニエル・クレイグ
One Life  2011年 イギリス映画
世界中でいちばん過酷な環境で子育てをするのはウェッテルアザラシ。極寒の海氷の上で子供産むのは、そこに天敵がいないから・・。ニホンザルは冬の寒さを凌ぐために温泉に入る。極楽顔のサルたち。しかし、そこに入れるのは特定のサルだけ・・・フサオマキザルは道具を使うサル。大好物のヤシの実をある道具を使って食べるのだ。それは何世代も受け継がれた伝統の技・・一生に一度だけ産卵する水タコは半年間卵を見守り、孵化するのを見届けるとその一生を終える・・
私評:あなたは何のために生きるのですか?・・・「アース」「WATARIDORI」「オーシャンズ」など地球のドキュメンタリーが大好きな私。しかも、こういう映画は映画館の大画面で観たい。今回もどうやって撮影したんだろう?と考えてしまうほど“超至近距離”で“とんでもないアングル”で、しかも“決定的瞬間”を映像に納めている。そこに至るまでには私たちの想像絶する長い時間が費やされているはず。しかし、今回の作品はそのタイトル通り“命”について考えさせられた。人間以外の動物のほとんどは産まれて、育って、恋をして、子供を産んで、育てるだけに一生を費やしている。しかし、地球上の動物の数だけその方法がある。我々目線では「なぜ、あんな大変なことを・・」と思える事も、彼らには当然の生業なのです。しかし、あらためて映像でそれらの行為を観ると、シンプルゆえに美しい。生きていく事の理由を問われれば、人間は“夢”や“希望”を述べるけど、他の動物たちの理由はただ単に「生きる事」なのです。こんなナレーションを聞いた時、私はハッと思いました。それは私たちがどんどん自然から遠ざかって行っているのでは?ということ。この映画には、本当に大切なものは何か?そして本来の私たちが進むべき道も描かれているような気がしました。日本語版のナレーションは松本幸四郎と松たか子親娘。監督はマイケル・ガントンとマーサ・ホームズのふたり。


前回の記事も読んでね~!



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