2005/9/11

新しい映画がどんどん公開されていくのに、仕事が忙しくて
平日は全然、映画を観にいけません。それでも先送りにした
2作品を含め、今回は6作品をアップ。疲れた〜・・・

NANA  監督:大谷健太郎  出演:中島美嘉、宮崎あおい
 2005年 日本映画
今週のイチ押し:歌手として成功する夢を抱いて上京する、ヴォーカリストの大崎ナナと恋人を追いかけて東京に向かう小松奈々。まったく、正反対の性格で生き方も違う二人のNANAが東京へと向かう電車の中で偶然出会った。すっかり気持ちを許した奈々はナナに身の上を語り続けた。そして東京駅でナナは姿を消してしまう。しかし、偶然は二人を再会させる。部屋探しをしていた奈々と同じ部屋にナナもいたのだ。そしてふたりは同居生活をすることにした。恋人の章司のために必死な奈々。しかし、二人になれる時間が少なく奈々は不満を募らせている。そんな時、章司はバイト先で同じ大学に通う幸子に心を許してしまう。一方、ナナは彼女を追って東京にやってきたバンド仲間と音楽活動を開始。しかし、ナナには奈々には告げていない秘密があった・・・
私評:それはありがとうを何千回言われるよりうれしい・・・矢沢あいの超ベストセラーコミックが映画化された。実際、私は原作を読んでいないのですが、巷の噂では二人のNANAを演じる中島美嘉と宮崎あおいは、原作のイメージにピッタリだとか・・。私は逆にそういう先入観がなかったのですが、ふたりともすごく自然に演じているな〜と思えました。また、ふたりの個性がぶつかり合いながらもお互いをうまく引き出して・・。これが男同士の友情だとちょっとむさ苦しいのですが、女の子同士だと絵になるんですよね〜。私的にはこの二人のコラボは最高。そして歌手中島美嘉の魅力もこの映画だと十分に引き出せる。彼女のライブシーンは鳥肌が立ちました・・。脇役も(初めて普通に演技をできていると思った)松田龍平、成宮寛貴、玉山鉄二、松山ケンイチなどイケ面男が大集合。監督は「約三十の嘘」の大谷健太郎。実はこの映画、先週末と今週と2回も見てしまいました。そして実感したこと「やっぱりこの映画、面白い!!」
ヒトラー 最期の12日間  監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル  出演:ブルーノ・ガンツ、アレクサンドラ・マリア・ララ
DOWNFALL  2004年 ドイツ映画
今週のイチ押し:1942年、11月。ナチスの親衛隊の警護の元数人の若い女性が「狼の巣」と呼ばれている東プロセインの本部へと向かっていた。そこで彼女たちを待っているのは総統アドルフ・ヒトラー。彼女たちはヒトラーの個人秘書の候補者たちだった。その中からヒトラーが選んだのはトラウドゥル・ユンゲだった。それから数年後、第2次世界大戦も大詰めを迎え、ソ連からの砲撃が激しくなった。ヒトラーは側近や身内とともに首相官邸の地下にある要塞へと避難をした。もちろん、その中にはユンゲも含まれていた。ヒトラーの周りの誰もが敗戦を確信し、かのヒムラーでさえ総統に逃亡を勧めるが、ヒトラーの狂い始めた頭の中では、夢のような大逆転劇が描かれていた。刻々と悪化する戦況の元、ベルリンは地獄絵と化していった・・
私評:この街に、新しい時代を築き上げる・・・歴史上の「極悪人」として名高いドイツのアドルフ・ヒトラー。この物語はヒトラーの個人秘書として、彼の最後の瞬間まで立ち会ったユンゲの手記が元になっている。そして映画の中では本当のヒトラーが見せた人間らしい弱さ、そして人間ならではの狂気が見事に描き出されている。豪華なセット、そして恐ろしいまでにリアルな戦場、狂気に駆られた人々、そしてひとつの時代の終わりが2時間半の映画の中にギューっと描きこまれています。私が胸を打たれたのはエヴァ・グリーン(ヒトラーの愛人で最期を共にした女性)との質素な結婚式。まさに悪魔の顔に天使の笑みが降ったようでした。ヒトラーを演じるのはブルーノ・ガンツ。彼の鬼気迫る演技は、まさにこの映画の最大の見所。ユンゲ役はアレクサンドラ・マリア。監督は「es」のオリヴァー・ヒルシュビーゲル。歴史の中で、埋もれてしまいそうになっていた20世紀の壮大なミステリー。久々に骨のあるドイツ映画を観ました。
ライディング・ジャイアンツ  監督:ステイシー・ペラルタ  出演:グレッグ・ノール、ジェフ・クラーク
Riding Giants  2004年 アメリカ映画
いつの時代も若者の心を捉えて離さないマリンスポーツ、それがサーフィン。その歴史は1000年にも及ぶと言う。サーフィンのカルチャーが登場したのは1940年代の南カリフォルニア。やがて彼らは「ジャイアントウエイブ」を求めてハワイのオアフ島へ向かう。57年、この巨大な波を制した男がいた。彼の名はグレッグ・ノール。彼の出現によりサーフィンは一大ブームとなる。1990年代は北カリフォルニアが注目される。そこで20フィートもの波に乗ったのがジェフ・クラーク。彼もまた、新たな伝説を作り上げた。そして1994年、レイアード・ハミルトンによってまた、新たな伝説が築き上げられた。彼のサーフしているところをヘリコプターからの低空飛行でとらえた写真が「Surfer」誌に掲載されたのだ。その波の高さは50から60フィートにも及んでいた・・
私評:何度も死を意識したさ。そんなときは波とダンスを踊るんだ・・・この映画はサーフィンの記録映画です。大きく3つの時代に分けて語られるのですが、サーフィンと言うスポーツも常に変化をしています。そして映画の中ではその時代を飾った名サーファーたちが次々と登場し、華麗な技を見せてくれます。そのサーフィンの技術もすごいのですが、これを捉える映像がまたすごい!!そしてそれがまた、本当に美しいのです。映画館ならではの大迫力を味わいました。巨大な波の上では人間は豆粒のようですが、そんな大自然に挑む男たちが本当にカッコ良かった。サーフィンのファンでなくても、この映画は存分に楽しめるでしょう。あ!ちなみに、私は2×年前に千葉の小さな波に乗っていました。
タッチ  監督:犬童一心  出演:長澤まさみ、斉藤祥太、慶太
Touch  2005年 日本映画

幼馴染の上杉達也、上杉和也、そして朝倉南。達也と和也は双子の兄弟だったが3人はまるで三つ子のように育った。野球好きの父親たちの影響で3人は、いつの頃から野球が大好きになった。そして女の子が甲子園に行けないと知った日、達也と和也は南を甲子園に連れて行こうと心に決めた。高校生になった3人。和也はいまや押しも押されぬ投手となり、1年生ながら明青高校のエースの座を勝ち取った。そして迎えた地区大会の決勝戦。この試合に勝てば甲子園。早起きした3人は笑顔でキャッチボールをした。そしてついに試合が始まるが、なぜか球場に和也の姿はなかった。そして・・明青高校は惜しくも試合に敗れてしまう。和也はこの球場に来る途中で、トラックに轢かれそうになった子供を身を挺して守り命を落としてしまったのだ。和也の夢は叶わぬまま途絶えてしまう。今まで和也に下駄を預けていた達也は野球部に入部。それは傍目からは和也の意思を継いだと思われていた。しかし、それは3人で紡いできた夢を、南を甲子園に連れて行くことを成し遂げるためだった・・・・・

私評:「上杉達也は、朝倉南を愛しています」「ありがとう」・・・「タッチ」「みゆき」「ラフ」などあだち充作品は、大好きな私。中でも「タッチ」は名作中の名作で、何度も読み返している本です。そんな私を夢中にさせるのは、あだちワールドに登場する不思議な魅力の少女たち。タッチの朝倉南はその代表格と言えます。そんな作品が実写化されると聞いて、やはり一番気になったのは誰が南を演じるのかと言うこと。ところが彼女を演じるのが今一番旬の長澤まさみちゃんだと聞いて、別の意味でもこの映画を観たくなりました。実際まさみちゃんの南は原作の南とは違ってもっと人間臭い。原作の南は女の子として完璧すぎるのですが、まさみちゃんは新しいスパイスを南に与えている。そしてビックリしたのが達也、和也を演じる斉藤兄弟。まさに私のイメージどおりでした。もちろん、あれだけの長い話を2時間に納めるためには、色々な細工が必要ですが、それはそれで良い感じでスッキリ出来上がっていました。しかし、原作の強さには到底敵いませんでしたね。でも、良いんです。溌剌としたまさみちゃんの演技を見れただけで、私は大満足。ミーハーだな〜・・。監督は「ジョゼと虎と魚たち」の犬童一心。
チャーリーとチョコレート工場  監督 : ティム・バートン  出演:ジョニー・デップ、フレディ・ハイモア
Charlie and the Chocolate Factory  2005年 アメリカ映画

チャーリーは貧しい家の少年。彼の家は傾いていて屋根も一部吹き飛んでいる。二人のおじいちゃんと二人のおばあちゃんはひとつのベッドで寝ている。お母さんは毎日キャベツのスープを作り、お父さんの稼ぎも少ない・。・。そんなチャーリーの部屋の窓からは世界一有名な「ウォンカ・チョコレート」の工場が見えた。ある日、チョコレート工場のオーナーである、ミスター・ウォンカから世界に向けてメッセージが発信された。ウォンカ製のチョコレートに入った金のチケットを引き当てた5人の子供を招待!!世界中の子供たちが見守る中、各国で金のチケットを引き当てた子供が名乗りを上げる。そして最後の一枚を引き当てたのは、なんとチャーリーだった。チャーリーは以前にウォンカの工場で働いていたおじいちゃんと一緒に工場へと出かけていった。現れたウォンカはなんだか怪しい男。彼の案内の元、工場の中を見学する子供たちがひとり、またひとりと姿を消していく。果たしてウォンカの目論見とは??・・

私評:♪ウィリー・ウォンカ、ウィリー・ウォンカ、みんなで声援を送ろう〜!・・ティム・バートン監督が子供心を抱えたまま大人になってしまった人たちへ、そしてはるか遠い昔にそんな気持ちを置いてきてしまった人たちへ、素晴らしい映画を作ってくれました。しかし、こんな映画にもしっかりと毒を仕込んでいるのがティム。今回も思い切りは笑えないギャグもふんだんに盛り込まれていました。しかし、相変わらず彼の映画のキャラクターは素晴らしい。主演のジョニー・デップも絶妙な演技を見せてくれるし、チャーリーを演じるフレディー・ハイモアはピュアな演技を、そして工場に招待される子供たちも一筋縄ではいかないガキばかり!そして脇役陣もデイビット・ケリー、ヘレナ・ボナム・カーター、クリストファー・リーなどなど、素晴らしい演技者ばかり。いや〜、面白かったです。今回の映画で一番「キモイ」のがウンパ・ルンパ。ちいさい体の人たちなのですが、これが実にキモイ・・。今晩の夢に出てきそうです・・。(苦笑)

南極日誌  監督:イム・ピルソン  出演:ソン・ガンホ、ユ・ジテ
Antarctic Journal  2005年 韓国映画

チェ隊長率いる6人の探検隊が、世界最初の南極の無補給横断に挑んでいた。目標地点は「南極到達不能点」。そこは零下80度の極寒の世界。隊員たちは誰もが優秀な男たちで、それぞれの胸に希望や夢を抱えていた。そんなある日、彼らはボロボロの旗がたなびいているのを発見する。そしてその旗の下から80年前に遭難したイギリスの探検隊の「日誌」を発見する。日誌に描かれていた隊員の絵が、なぜか自分たちに似ているような気がした。そしてその日から、彼らに信じられないような事件が降りかかる。ウィルスが存在しない極寒の地で風邪に似た症状を起こす隊員。ミイラのように渇ききったイギリス探検隊員の死体、ベースキャンプとの交信の断絶・・。やがて、ひとり、またひとりと隊員たちが白い世界に吸い込まれるように消えていく。そんな隊員たちの心配をよそに、隊長は強引に目的地を目指す・・

私評:そこまでしてい行く理由は??・・・・この映画はアクション映画だと思って見に行ったのですが、めちゃホラーな映画でした。この映画の南極は、いわば逃げ場のない広大な密室のような気がしました。そんなギリギリの精神状態の中で追い討ちをかけるように彼らを襲う未曾有の恐怖。そして狂いだした歯車は元に戻らなくなってしまう。じわりじわりと真綿で首を絞められるような恐怖がこの映画にはありました。そして恐ろしいだけではなく、常に美しい南極大陸の白夜も見逃せません。主演は韓国映画の重鎮「殺人の追憶」「大統領の理髪師」のソン・ガンホと「オールド・ボーイ」での狂気の演技が印象的だったユ・ジテ。このふたりの紡ぎ出す「恐怖」と「狂気」に、私は魅せられてしまいました。また、この映画の音楽を担当しているのが「甲殻機動隊」の川井憲次。ちょっとジョン・カーペンターっぽい音楽もすごく印象的でした。監督はイム・ピルソン。ちなみに「南極到達不能地点」とは南極のどの海岸線からも一番遠い位置で、地球上で最も自然条件の過酷な場所のこと。ソ連の探検隊が1958年に一度だけ征服した。


前回の記事も読んでね〜!



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