2014/9/7 Part2

やっとレビューが追いついた・・・。今回のイチ押しは感動の映画の裏方ストーリー
と園子温が好き放題作ったぶっ飛びエンターテインメント!

イン・ザ・ヒーロー  監督 : 武正晴  出演 : 唐沢寿明、福士蒼汰
 2014年 日本映画
今週のイチ押し:スーツ・アクターを長年演じている本城渉は「下落合ヒーローアクションクラブ」の社長でもある。テレビで放映中の「神龍戦士ドラゴンフォー」の主役のスーツ・アクターが今の仕事だ。彼には3年前に別れた妻の凛子、そして娘の歩がいる。いつか自分の名前を出して映画に出演する事を夢見ているが、無情にも時間ばかりが過ぎていく。久々に顔出しができる役を貰うが、それも新人俳優にとられてしまう。その新人とは最近売り出し中の一ノ瀬リョウ。礼儀知らずの若造に現場のスタッフは彼を毛嫌いするが、リョウのマネージャーの門脇は渉からアクションを学べとリョウに伝える。自信満々でアクションシーンの臨んだリョウだったが、受け手との息が合わず相手に怪我をさせてしまう。そんな折、ハリウッド映画「ラストブレイド」のオーディションが始まる。リョウはこの役をどうしても手に入れたかった。実は彼にはアカデミー賞でスピーチをして訴えかけたい人がいたのだ・・
私評:俺がやらなきゃ、誰も信じなくなるぜ。夢が叶うって事を・・・映画を作って表舞台に出られる人はほんの一握り。最近はエンドクレジットに映画に関わった人の名前がず~っと出てくるので、一本の映画にどれだけの人が関わっているのかを知る事ができますが、やはりほとんどは裏方。スーツ・アクターという仕事もそのひとつですよね。しかし、この映画は戦隊物のメッカである東映が作らなければいけない映画ですよね。この映画を観ていて私は松竹の「蒲田行進曲」と被ったのですが、日活ならロマンポルノ系、大映、東宝などもそれぞれの会社の色でこういう作品を作ったら良いのにと思いました。主演は「20世紀少年」「ステキな金縛り」の唐沢寿明。御歳51歳であのアクションを演じられるのはすごいぞ!新人のリョウを演じるのは「あまちゃん」でブレイクした福士蒼汰。そして渉の長年のパートナー海野役は「清須会議」の寺島進。彼は実際に女性キャラのスーツ・アクターの経験があるそうです。その他、和久井映見、黒谷友香、松方弘樹、加藤雅也。そして先日観た韓国映画「ソウォン/願い」の監督イ・ジュニクがハリウッドのぶっ飛び監督役で登場します。監督は「ボーイ・ミーツ・ガール」の武正晴。 
TOKYO TRIBE  監督 : 園子温  出演 : 鈴木亮平、清野菜名、染谷将太
 2014年 日本映画
今週のイチ押し:近未来の東京は様々なTRIBEが街を牛耳り支配していた。TRIBE同士の争いは後を絶えなかったが微妙なバランスが保たれ、それぞれの領域で、それぞれが生きていた。しかし、ブクロを牛耳るウォンコンの黒幕ブッパ一族が均衡を破壊し、東京を支配しようとしていた。なかでもブッパの右腕でもあるブクロWURONSのボスのメラは、異常なまでに毛嫌いするムサシノSARUに揺さぶりを掛ける。彼らのアジトの「ペニーズ」に男を送り込みキムという男をブクロに誘い出した。その事に気付いたムサシノSARUのリーダーのテラと海(カイ)は、罠と知りつつブクロに乗り込みメラと顔を合わせた。そこにはスンミという謎の女も囚われていた。戦いの火の粉は複数のTRIBEを巻き込んで、一大バトルへと突入する・・
私評:ゆるぎない信念の元、俺らは闘うYar!・・・あまりマンガを読まない私ですが、TOKYO RRIBE2は大好きで読んでいました。そのマンガを、あのぶっ飛び監督園子温が実写化するというので、ずっと楽しみにしておりました。いや~、面白かったです。オープニングでのいきなりのロングカット!デ・パルマもビックリのシーンです。そして街をひとつ放り込んだ巨大なセット!セリフのほとんどがラップ!そしてバイオレンス&エロのオンパレード。さすがです!しかし、私の一番の見所はスンミ役の清野奈々のパンチラ、いやいやパンツ丸出しシーン!最高!!彼女のパンツ見せ回し蹴りは「愛のむきだし」の満島ひかりを超えた!その他、出演者は「H/K 変態仮面」の鈴木亮平、「Wood Job!」染谷将太(ラップ下手すぎません??)、佐藤隆太、石田卓也、市川由衣、(まさかの胸元が超セクシー)、窪塚洋介、竹内力、中川翔子、そして叶美香(今回は園夫人、神楽坂恵が出ないと思ったらさらに巨乳の叶妹を投入!)、そしてよく知りませんがたくさんのラッパーたち。よくぞここまでやってくれました!監督は「地獄でなぜ悪い」「冷たい熱帯魚」の園子温。
プロミスド・ランド  監督 : ガス・ヴァン・サント  出演 : マット・デイモン、フランシス・マクドーマン
Promised Land  2012年 アメリカ映画
大手エネルギー会社のトップセールスマンのスティーブは田舎町のマッキンリーを訪れる。貧しい農民たち、商売もぱっとしないこの町だったが、この土地の地下は天然ガスの宝庫。スティーブは同僚のスーと一緒に町を回り貧しい農家に多額の料金を支払い土地の掘削権を手に入れようとしていた。町のスポークスマンと話を詰めて、町民を一同に集めての説明会が行われた。スティーブはこの場で一気に契約をとれると思っていた。しかし、天然ガスの掘削にネガティブな意見を出す老人がいた。彼の名はフランク。元々は某有名大学の教授で、今はこの町でのんびりと暮らしていた彼はスティーブの会社について調べ上げ危険性を訴えたのだ。フランクの提案により結論は数週間後の投票に持ち越された。しかも、天然ガスプロジェクトの被害者と名乗るダスティンという男が現れ、町中で反対運動を開始する・・
私評:いま、すべてが託されている・・・コミカルでゆっくりとした展開の前半。スティーブの気持ちもMAXの時、そこにフランクという男が現れ不安の影が。そして彼の中のプライドや自身がズタズタに引き裂かれるのですが、彼は新たなアイデンティティに目覚めていく。誰にでも当てはまる事ではない。だけど、静かな感動が私を包みました。自分の信じていた物が実は間違っていても、やり直す勇気って大事。いつまでもしがみついていられないのだから・・・。今までの自分の人生の中でも何度かそんな選択肢があったかも??主演はアクションからドラマまで幅広く演じる「エリジウム」のマット・デイモン、彼の相棒役は「あの頃ペニー・レインと」のフランシス・マクドーマン、スティーブが心惹かれるアリス役は「レイチェルの結婚」のローズマリー・デウィット、そしてフランク役は名優ハル・ホルブルック!監督は「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」「ミルク」のガス・ヴァン・サント。
ルーシー  監督 : リュック・ベッソン  出演 : スカーレット・ヨハンソン、モーガン・フリーマン
Lucy  2014年 フランス・台湾・アメリカ映画
ルーシーは一週間前に知り合った男の依頼で、アタッシュケースを韓国人の男に届けるためホテルのフロントへと向かった。そこに現れた屈強の男たちに捕えられルーシーはスイートルームに連れ込まれた。そこで彼女はアタッシュケースを開けると中身は青いパウダー。実はそれは最新の医療用の新薬だった。その部屋にはルーシー以外にも捕らわれた3人の男たちがいて、彼らは腹を裂かれて青いパウダーを体内に入れて各国に運ぶことになっていた。ルーシーも体内に薬を込められるが、袋が破れ体中に薬がまわる。すると、彼女の脳は覚醒し周りの男たちをあっという間に葬り去ってしまう・
私評:脳が100%覚醒したらどうなるのですか??・・・予告編がとても良くできていてすごく見たかった作品。リュック・ベッソン監督の歴代の作品の中でもかなりのヒットを飛ばしている。だけど、この作品の魅力は何と言っても主演のスカーレット・ヨハンソン。彼女が主演の作品は少ないけど、脇役でもすごく良い味を出すハリウッドの若手のホープ。最近はアクション映画で頭角を現していますが、そんな彼女が満を持してのアクションで主役。脳が2030%覚醒しただけですでにかなりの威力なので100%になったらどうなるのか??と思っていたら、まさかの展開!!私の脳裏に浮かんだのは先日観た、ジョニー・デップの「トライセンデンス」でした。上映時間90分以内。アクション満載のこの映画。サクッと見るには最高のエンターテインメントです。脳科学者役で「オブリビオン」のモーガン・フリーマン、そして韓国マフィアのボス役で「オールド・ボーイ」「シュリ」のチェ・ミンシクが登場。「レオン」のゲイリー・オールドマンを彷彿させるブチ切れキャラを好演していました。監督は「フィフス・エレメント」「グラン・ブルー」のリュック・ベッソン。
フライト・ゲーム  監督 : ジャウマ・コレット=セラ  出演 : リーアム・ニーソン、ジュリアン・ムーア
Non Stop  2014年 アメリカ映画
アメリカ航空保安官のビルは警備のためにNY発ロンドン行きの飛行機に乗り込んだ。彼は数年前に娘を亡くした傷を引きずっている。そんな彼の携帯に謎のメッセージが届く。送信者は不明。指定の口座に1万5千ドルを振り込まなければ20分にひとりずつ機内の乗客を殺すと言う。専用回線に割り込んできたためビルはもうひとりの航空保安官のジャックを疑うが、彼の携帯の送信記録はなかった。次にビルは機長にこの事を報告し運輸保安局に連絡をさせ乗客の調査を依頼するが、30分はかかると言う。ビルは自分の素性を知るCAのナンシーと隣の席に座ったジェンに協力を求め機内モニターでビルがメールを送った時に携帯を見る乗客をチェックし始める。頻繁に携帯を見ていたジャックを疑い、トイレ内で強引に携帯を取りあげようとすると揉み合いになり、ビルはジャックを殺してしまう・
私評:最初から信じていたわ・・・上に書いたあらすじから話はどんどん転がっていきます。乗客の中には疑わしい人物がいっぱい。映画を見ながら謎解きをしていたのですが、犯人は意外な人物でした。ミステリーではないのでアリバイがどうだとか、殺しの手口がどうだとかはつっ込んで観てはいけません。そんな都合良く行くわけね~だろう!!と言いたくなる気持ちをグッとこらえて観てください。しかし、物語の展開が早いし、狭い機内でのカメラの見せ方が上手い!上映時間は107分ですが、ずっとハラハラドキドキできました。もちろん、アクションの見せ場もいっぱいです。主演は「96時間」のリーアム・ニーソン。すっかりアクション俳優になってしまいましたが、今回は過去を引きずっていたりアル中だったりとただのヒーローではないところがグッド。ジェン役は「キャリー」のジュリアン・ムーア。そして端役ではあるのですが「それでも夜は明ける」でアカデミー助演女優賞を獲ったルピタ・ニョンゴがCA役で出演しています。監督は「エスター」「アンノウン」のジャウマ・コレット=セラ。
グレート・デイズ 夢に挑んだ父と子  監督 : ニルス・ダヴィニエ  出演 : ジャック・ガンブラン、ファビアン・エロー
DeToutes Nos Forces  2014年 フランス映画
ポールはロープウェイの修理のエキスパートで、世界中を飛び回っていたが職を失ってしまう。新しい仕事もなかなか見つからない。そんな彼には障がいを持ち、車椅子の生活をしているジュリアンという息子がいたが、面と向かって話ができないでいた。そんなある日、ジュリアンはガレージの中で多くのトロフィーと写真を見つける。それはポールの物。かつて彼の父はアスリートだったのだ。ジュリアンはネットで障がい者の息子と父親がトライアスロンに挑んだ記事を見て、ポールに出場したいと申し出るが、それ無理だと断れてしまう。しかし、ジュリアンは諦めずにポールを説得し、ついにポールも合意した。しかし、トライアスロンの特訓は過酷を極めた。しかも、主催者側から断りのメールが届く・・
私評:僕はどうしても出たい、父さんと・・・感動しましたね~。思わず2012年に初出場した東京マラソンで完走した時の自分と重ね合わせてしまいました。自分のあの時は自分自身に感動して泣きそうになりました・・・。今回は車椅子の青年とその父親がトライアスロンに挑むのですが、その練習シーンもしっかり描かれていて良かったです。それにしてもこのレースはほとんどが父親の負担。息子を乗せたボートを泳いで引っ張り、息子を乗せて自転車を漕いで、最後には車椅子を押してフルマラソン。ただの鉄人ではない!そして注目はフランスの美しい風景。山々の間を縫って自転車で走るシーンはさながら空を飛んでいるようでした。父親役は「クリクリのいた夏」のジャック・ガンブラン、母親役は(キャメロン・ディアスにそっくり)アレクサンドラ・ラミー、そしてジュリアン役は実際に障がいを持つファビアン・エロー。もちろんこの映画がデビュー作です。監督はドキュメンタリー映画「エトワール」のニルス・ダヴェルニエ。


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