2007/9/2

夏休みも今日で終わり。今回は強烈な作品のラインナップ。
イチ押しは問答無用の大活劇。これを観なきゃ!!

プラネット・テラー in グラインドハウス  監督:ロバート・ロドリゲス  出演:ローズ・マッゴーワン、フレディ・ロドリゲス
Planet Terror  2007年 アメリカ映画
今週のイチ押し:テキサスの片田舎。悪徳軍人のマルドゥーンは生物兵器の取引をしていた。しかし、取引相手のアビーが予備の薬を隠し持っていたことを知り、彼を追い詰めるが装置を射撃し中からガスが噴出。そのガスを浴びた者は醜いゾンビと化していく。時を同じくしてゴーゴーガールのチェリーは店を辞めて自暴自棄になっていた。しかし、彼女は2週間前に別れた恋人のレイと再会。ところが彼の車がゾンビ軍団に襲われチェリーは片足を失ってしまう。また、女医のダコタは横暴な夫の元を去るため、レズビアンの恋人タミーと待ち合わせをしていたが、タミーもゾンビの餌食になってしまう。チェリー、レイ、ダコタは保安官を味方につけてゾンビ軍団に立ち向かう。チェリーは失くした片足にマシンガンを仕込み戦いを挑むが・・
私評:この3本目の注射で、あなたは私と2度と会うことはない・・・おもしれ〜!!スプラッター・アクション・コメディとでも呼べばよいのでしょうか?ロバート・ロドリゲス監督の作品ゆえに、ノリはもう「フロム・ダスク・ティル・ドーン」なのです。しかし、この映画は笑いどころが満載。しかも、けっこうお下劣なギャグのオンパレードで会場は大爆笑。初っ端のキン○マのくだりは最高でした。そしてスプラッター作品としてもこの映画は秀逸。撃ち殺すなんて甘い甘い!頭でも腕でも思いっきり吹っ飛ばしてしまうんですよ。これはかなり痛快でした。主演は「スクリーム」のローズ・マッゴーワン。彼女も泣かず飛ばずだったのですが、この映画で完全ブレイクでしょう!?そしてめちゃめちゃカッコいいレイ役は「ポセイドン」のフレディ・ロドリゲス、めちゃクールなブルース・ウィリス、相変わらずの演技のトム・サビーニ、そして出たがり屋のタランティーノも出演。いや〜、ご機嫌な映画でした!
デス・プルーフ in グラインドハウス  監督 : クエンティン・タランティーノ  出演:カート・ラッセル、ゾーイ・ベル
Death Proof  2007年 アメリカ映画

今週のイチ押し:オースティンのラジオで人気NO.1DJ、ジャングル・ジュリアは久しぶりに友人たちとはしご酒。そんな彼女たちを密かにつけている謎の影が・・。その男は顔に傷があり、髑髏マークのシボレーに乗っていた。男は"スタントマン・マイク“と名乗った。しかし、見かけとは違いユーモア溢れる男の会話に彼女たちもすっかり安心。マイクはバーで拾った女パムを連れて店を出て行った。しかし、マイクは車に乗ると豹変。デス・プルーフ(対死仕様)の車で女たちを・・・・14ヵ月後、スタントウーマンのゾーイ・ベルとキム、メイク係のアバナシーと女優のリーは、撮影の合間の時間を持て余していた。そこでゾーイは売りに出ていたダッジ・チャレンジャーの試乗をしようと言い出す。リーを売り手のもとに残して3人は猛スピードで走り出す。ゾーイはボンネットに乗って大はしゃぎ。しかし、彼女たちの車に近づいてくる1台の車が・・。それはスタントマン・マイクのシボレーだった・・

私評:ごめんなさ〜い。助けて〜!!・・・タランティーノ映画というと"長い!“と言う感じしていたのですが、この映画は90分くらい。しかし、この90分がめちゃめちゃ濃いのです。相変わらず訳の分からない長い会話もありますが、この映画の見所はCGなしのすごいカーアクションです。それもそのはずこの映画のゾーイ役はキル・ビルでユマ・サーマンの代役をしていたスタントウーマンゾーイ・ベル本人。彼女が強烈な生身のスタントを見せます。スタントマン・マイク役はこれまたピッタリのキャスティングのカート・ラッセル。そしてデス・プルーフにも出演しているローズ・マッゴーワン、「レント」のロザリオ・ドーソン、そして自分の映画にも出演するタランティーノ。そしてラストはもう大爆笑。これがタランティーノ印の映画の魅力ですね。私が見たのはアメリか公開版でデス・プルーフとプラネット・テラーが一本の映画になっているバージョン(3時間11分!)でしたが、日本公開はそれぞれバラバラの公開。しかし、日本仕様になっているらしい・・
ベクシル 2077日本鎖国  監督:曽利文彦  出演:黒木メイサ、谷原章介
VEXILLE  2007年 アメリカ映画
近未来、世界の産業をリードしていたのは「ロボット産業」だった。なかでも技術面、生産面で日本は世界でも群を抜き、他国に差をつけていた。しかし、技術が延命パーツやアンドロイドの領域に達したとき、国際連合は厳しい規制を設けたが、日本はそれに反抗し、ついには国際連合を脱退し「ハイテク鎖国」に突入した。そして2077年の現在、日本は鎖国から10年を経て「完全なる鎖国」を完成し、分厚いヴェールに包まれた日本は他国をシャットアウトしていた。アメリカの特殊部隊“SWORD”は日本への潜入を決意。その中には女性兵士のベクシルも含まれていた。なんとか日本上陸を果たした”SWROD”だったが、日本はすでに彼らを察知しており罠を仕掛けて待ち伏せをしていた。激しい銃撃を掻い潜りベクシルはなんとかその場から逃げるが、“SWORD”は全滅してしまう。ベクシルはマリアという女性に助けられ、変貌した東京を目の当たりにする。そしてマリアの口からとんでもない事実が明かされる・・
私評:私は人間のかけらをまだ持っている・・・日本のアニメは本当にすごい。以前に、私がイチ押しにした「アップルシード」は、物凄い迫力でドラマ的にも完成度が高かった。この映画でプロデュースをした「ピンポン」の曽利文彦が監督をするということで、私の期待値はマックス。そしてこの映画の圧倒的な迫力を堪能し、感動しました。とにかく動きがリアルで速い!そしてビックリなのが人間の表情です。陰影はもちろん、微妙な表情まで実にリアルなのです。そしてメカの数々もしっかり研究され、嘘っぽさが微塵も感じられないのです。これぞジャパニーズアニメの超進化!世界公開が決まっているのですが、どこの国でも人々をビックリさせることでしょう!ベクシルの声を担当するが黒木メイサ。決して上手くはないのですが、雰囲気はピッタリ。そしてレオンの声は谷原章介、マリアの声を松雪泰子が担当しているのですが、このふたりはビックリするくらい上手かったです。感動的なラストは私のお気に入りです・・。
ウィッカーマン  監督:ニール・ラビュート  出演:ニコラス・ケイジ、リーリー・ソビエスキー
The Wicker Man  2007年 アメリカ映画
白バイ警官のエドワードは勤務中に母娘が乗る車がトラックに激突され炎上する場面に遭遇する。必死にふたりを救出しようとするが車は爆発し、エドワードも怪我を負ってしまう。ところが、母娘の死体は発見されなかった。以来、エドワードは精神的なショックから休職していた。そんな彼の元に8年前に突如として彼の元から姿を消した婚約者のウィローから手紙が届く。彼女が今住んでいるサマーズアイルという島で、彼女の一人娘が突如姿を消してしまったので助けて欲しいという内容だった。密かに彼女を思い続けていたエドワードは単身、島に向かった。その島は携帯も繋がらず、外界との交流を絶った閉ざされた孤島だった。この島ではシスター・サマーズアイルという女性が島民のイコンとなり養蜂で生活を支えていた。しかも、この島は女性が全てを取り仕切り男たちは奴隷のような扱いを受けていた。よそ者のエドワードは島民に捜査協力を依頼するが彼らは非協力的だった。行方不明の娘について調べていくうちにいくつかの事実が明らかになるが・・・・
私評:この島から連れ出して・・・1973年に製作されカルト的な人気を誇った「ウィッカーマン」がニコラス・ケイジの手によってリメイクされた。ご他聞に漏れず、私もオリジナル作品は好きです。リメイク版がどうだったかと言うと、オリジナル作品の良さを継承しつつ新しい素材も取り入れたなかなかの作品に仕上がっていました。主演のニコラス・ケイジの妙に頼りない感じと、島の女たちの怖さが良いバランスで、映画を見ながらドキドキハラハラ。そしてそこに隠されていた驚愕の事実・・。絶体絶命のエドの行く末はかなり強烈ですよ。主演のニコラス・ケイジはやっぱりこういう映画で活躍して欲しいですね。島を牛耳る女帝(?)を演じるのは「エクソシスト」のエレン・バースティン。島の娘役で久々に登場のリーリー・ソビエスキーが不気味な演技を見せてくれます。そしてラストのバーのシーンにちょっと有名な彼が登場しますので、お見逃しなく!監督は「ベティ・サイズモア」のニール・ラビュート。
シッコ  監督:マイケル・ムーア  出演:マイケル・ムーア
SICKO  2007年 アメリカ映画
仕事で2本の指を落とした男。薬指の接着料は1.2万ドル、中指は6万ドル。安い薬指を選らんだ男に中指はない。50代の夫婦。夫は心臓疾患、妻はガンを患った。しかし、彼らの加入していた保険は保険料が安い代わりにクオリティが低い。ついには保険料が払えなくなった夫婦は娘夫婦の物置部屋に。長年住んだ我が家を売りに出されてしまった。70をとうに過ぎた男は今日もスーパーマーケットで雑用係として働いている。仕事を辞めることは=福利厚生を失い妻の薬を変えなくなってしまうのだ。彼は死ぬまで働き続ける・・。これらはアメリカのずさんな医療システムが生んだ悲劇のほんの一部。世界の大国アメリカには保険に加入していない国民が4700万人もいる。WHOの調査ランキングで、アメリカの健康保険充実度は世界37位。どうしてアメリカはこんな国になってしまったのか?M・ムーアは70年代のニクソン政権時代に遡り調査を開始。そこには利益だけを追求する民間保険会社と、それに癒着する政治家たちの姿が・・・・
私評:「病院の費用はタダです・・」「嘘だろ〜!!」・・・・私も医療保険はしっかりしたものに入っています。それは独り者の私が将来病気になったとき、誰かに迷惑を掛けないようにという、小さな気配りなのですがこの映画を観て保険内容を再チェックしてしまいました。(笑)しかし、日本では私のようにサラリーマンは給料から健康保険料が天引きされ、医療費の3割負担になっていますが、これって良いのか悪いのか??ところがこの映画を観たら「アメリカよりは遥かに良い!」と言うことだけは実感できます。もちろん、上には上があるので、現在の日本の状況がベストではありませんが・・・。それにしてもアメリカの状況の酷さには閉口した。アメリカの保険会社は巨大な詐欺軍団なのだ。しかも、マイケル・ムーアが取材を始めていることを知ると、掌を返したように・・・??あとは劇場でお楽しみください。今回の映画でのいちばんの収穫は、映画の後半でのキューバのシーン。感動で胸が熱くなりました。マイケル・ムーアの次なるターゲットは??ぜひ、日本の取材もお願いしたいもんです・・。
伝染歌  監督:原田正人  出演:松田龍平、大島優子
 2007年 日本映画
学校の講堂で女子高生の香奈が自殺を遂げた。「お先に・・」の一言を残して・・。あんずはその現場を目撃するが、その時、香奈が不気味な歌を歌っているのを聞いた。マスコミは校内のいじめでは?と盛り立てる。その頃、B級雑誌の記者の長瀬は歌を歌うと死んでしまうという「伝染歌」の噂を耳にする。それは10年前に発売された「僕の花」という歌。長瀬はこの都市伝説を追い始める。運命に操られるかのようにあんずと長瀬は出会い、ふたりは「伝染歌」の謎を追い始める。さらにあんずのライバルの朱里、長瀬の先輩の太一をも巻き込み、4人は不思議な世界に足を踏み入れる。連鎖する自殺。あんずが見た白い服の少女・・。そして事件を解決すべく、あんずの友人の女子高生たち、そして長瀬の勤める編集室のメンバーは自ら「僕の花」を歌うことにした・・・・
私評:♪なぜ、ボクはこの片隅で生きているのだろう・・・・AKB48と言えば、私の住む秋葉原では知らない人がいないくらい有名なユニット・・らしい。そのメンバーと松田龍平という組み合わせは私を突き動かすには弱かったのですが、「着信アリ」の秋元康が原作、そして最近は監督としてより役者として目立っていた原田正人が久々に監督すると言うことで劇場に足を運びました。短直にいってしまえばこの映画は「着信アリ」のバッタもん。特に目新しさもないありきたりなホラー映画。強いて見所を挙げるならAKB48のフレッシュな演技と、彼らを支える脇役がとんでもないキャラで登場するところでしょうか?ぶち切れ演技の伊勢谷友介、おばさん役の木村佳乃、憎まれキャラの阿部寛、そして相変わらずエロ可愛い小山田サユリ・・。まあ、劇場はAKB48ファンの男子で溢れていたので、興行的にはまあまあなのかもしれませんが、私はちょっと期待はずれ。ホラーではずすなんて・・


前回の記事も読んでね〜!



I Love Movieに戻る