夏休みの映画ラッシュが終わり、ようやく一段落。
しかし、相変わらず私は韓国映画に翻弄されています。
そしてなんとも哲学的で、アヤシイアメリカ映画も・・。
私の頭の中の消しゴム | 監督:イ・ジェハン | 出演:チョン・ウソン、ソン・イェジン | |
2004年 韓国映画 | |||
今週のイチ押し:何不自由ないお嬢様として育ってきたスジン。しかし、彼女は忘れっぽいのが玉に瑕。今日もコンビニでコーラを買ったものの、店に忘れてきてしまった。店に戻るとむさ苦しい男がコーラを片手に店を出てきた。自分のコーラだと確信したスジンは男の手からコーラを奪い取り一気飲み。しかし、彼女のコーラはレジの男が確保していた。これがふたりの出会いだった。男の名はテヒョン。そして偶然は再びふたりを引き合わせる。なんと、チェはスジンの父親が社長を務める会社に勤めていたのだ。再会を果たした二人は急接近。子供のときから苦労を重ねてきたチェと箱入り娘のスジンは紆余曲折を乗り切り、ついに結婚した。しかし、その頃からジウンの物忘れが激しくなる。ついには自分の家に帰る道で迷子になったりもした。意を決し、病院で診察を受けたスジンに医師は恐ろしい病名を告げた。「あなたはアルツハイマー病です」・・ | |||
私評:「私はあなたの事を忘れたくない」「俺が覚えているから、ずっと・・ずっと・・」・・私がこの映画を見に行った一番の理由は、主演女優のソン・イェジンが好きだからです。今どき珍しい清純派女優。日本には彼女のようなキャラの女優はいない。また、彼女は悲劇のヒロインが似合う。今回も生きながらに記憶をなくしていくという悲しい女を見事に演じています。アルツハイマーの映画といえば『アイリス』という映画も好きですが、この映画の切り口はちょっと違います。ふたりの愛を最後まで遂げようと努力し、残された短い時間を必死に愛し合うふたりの姿に、後半は涙・涙・・。そんな悲劇も力強く演出されているのが昨今の韓流映画ですね。テヒョン役はめちゃめちゃカッコいい(男の私が見てもカッコいいと思う)チョン・ウソン。クールな感じの彼が流す涙は、すごい威力があります。そしてそんな彼の優しさが、この悲しい物語を格調高く、そして美しいものへと誘っていくのです。もう、この映画は主演のふたりの独壇場。他の家族や、友人などは本当に添え物のようです。しかし、そんな演出がこの映画では成功しているように思えます。それにしてもソン・イェジンのキュートさに、私は完敗。次回作はヨン様と共演の『四月の雪』ですね。ところで、この映画には「ディレクターズ・カット」があるようです。監督はこれが長編デビュー作となるイ・ジェハンです。 | |||
ハッカビーズ | 監督:デヴィッド・O・ラッセル | 出演:ジュード・ロウ、ナオミ・ワッツ | |
I Huckabees | 2004年 アメリカ映画 | ||
今週のイチ押し:ハッカビーズとはありとあらゆる商品をお手ごろ価格で消費者に提供する急成長のスーパーマーケット。この店のエリート社員ブラットはキラースマイルを武器に、メキメキと頭角を現してきたちょっと厭味な男。しかし、そんな男が成功を収めるのだ。しかも、キュートでカワイイこの店のキャンペーンガール、ドーンのハートも掴み、まさに彼は『成功者』だった。そんな彼に嫉妬を感じていたアルバートと言うオタク青年が、ハッカビーズの新店舗の建築計画に反旗を翻した。彼が前々から推進していた『自然保護』に引っ掛け建築反対をし始めたのだ。苦悩の日々を送るアルバートは実存的問題を取り扱う(とってもアヤシイ)『哲学探偵』夫婦に自分自身の調査を依頼し、物事の根本を見直そうとする。一方、その事を知ったブラットも、アルバートに対抗すべく『哲学探偵』夫婦を雇い入れ、これまた自分自身の調査を依頼。そのことを知ったアルバートは、『哲学探偵』夫婦と対立しているフランス人思想家のカテリンに寝返る。こうしてふたりの対立はどんどんと泥沼化していくが・・ | |||
私評:誰もが悩んでいるんだ。そして繋がっている・・・哲学コメディと称されるこの映画ですが、何も難しく考えて映画を見る必要はない。一見、とても高尚な会話も、実はとってもアヤシイ内容だったり、エッチな内容だったり・・。人間を突き詰めていくと、たどり着くところは野生??それにしてもこの映画の翻訳は大変だったろうな〜。逆にネイティブの人たちとは映画の内容の捕らえ方が違っている可能性も、かなり高いのではないでしょうか?それでもシュールでブラックなギャグは爆笑必至。めちゃめちゃ楽しかったです。主演は「天才マックスの世界」のジェイソン・シュワルツマン。まさに『天才マックスの世界』のマックスのその後・・、みたいな感じでこの監督の映画にはピタリと納まっているんですよね。ブラット役はこれまた、イヤミな役が似合うジュード・ロウ。そしてめちゃめちゃ可愛いけど、ちょっと脳みそが足りないキャンペーンガール役はナオミ・ワッツ。彼女、最高です!!『哲学探偵』夫婦役は最近、こういう役が多いダスティン・ホフマンとリリー・トムリン。そして火を消せない消防士役にはマット・デイモン。そしてフランス人思想家カテリン役は「8人の女たち」のイザベル・ユペール。監督は「天才マックスの世界」「スリー・キングス」のデヴィッド・O・ラッセル。不思議な切り口で自分探しをして見たい人は、ぜひご覧ください。 | |||
恋する神父 | 監督:ホ・インム | 出演:クォン・サンウ、ハ・ジウォン | |
Love, So Divine | 2005年 アメリカ映画 | ||
ギョヒクは神に仕える神学生。神父になる儀式を1ヵ月後に控えていたある日、友人のいざこざに巻き込まれてしまう。罰として片田舎の教会で精神修行を課せられた。そんなある日、彼は教会の聖堂の中で酔って寝込んでいる若い娘を発見する。彼女はアメリカ帰りの元気娘ボンヒ。彼女は恋人と別れ大暴走していた。すると教会はギョヒクに、ボンヒに洗礼を受けさせる事を卒業課題とした。必然的に、彼女との時間が多くなったギョヒクはいつの間にか天真爛漫なボンヒの魅力の虜になっていく。しかし、神に仕える身の彼に恋はご法度。そこでギョヒクがとった手段は、なんとボンヒの元彼に彼女をゆだねる事だった・・。 |
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私評:今、韓流スター男優の中でトップクラスの人気を誇るクォン・サンウと人気急上昇中のハ・ジォンの映画ということで、ミーハーな気持ちで映画を見に行ったのですが、これがまたとても面白い映画でした。設定はありきたりなのですが、脚本のうまさが光っていて、物語の展開が実に面白い。ところどころで挿入される「ありえね〜!」シチュエーションで大爆笑。そして最後はきっちりとまとめてみせます。韓国映画のラブ・コメディって独特の味わいを持っていて、私には本当に向いているみたい。今回も見事にツボにはまってしまいました。クォン・サンウは先般イチ押しで紹介した「マルチュク青春通り」でも、いい演技を見せていましたが、今回もグッドでしたよ。彼は写真で見るよりスクリーンの中のほうが数倍輝いていますね。そしてビックリしたのがハ・ジォン。私の中では「ボイス」や「友引忌」で見せたホラーのヒロインのイメージが強かったのですが、コメディエンヌとしての彼女もとてもチャーミングでした。私は当分、韓流ラブ・コメディにはまりそうです。 | |||
チーム★アメリカ ワールドポリス | 監督・出演 : トレイ・パーカー、マット・ストーン | 出演:?? | |
Team America : World Police | 2004年 アメリカ映画 | ||
テロ事件が蔓延る現代。今日もパリで機関銃を持ったテロが市民を脅かしていた。その時颯爽と現れたのは「チーム★アメリカ」。彼らは対テロリスト対策として組織された国際警備組織だった。あっという間にテロリストたちを蜂の巣にした彼ら。しかし、凱旋門とエッフェル塔も彼らの手によって葬り去られた。彼らはそこでとある国の実力者が、テロリストに大量殺人兵器を販売しようとしている事実を突き止めた。そこでチーム★アメリカのリーダースポッツウッドは、ブロードウェイで活躍する俳優、ゲイリーを仲間に引き入れ潜入捜査をさせる事にした。1度は断ったゲイリーだったが、自分の才能が世界を救う事を信じチームへの参加を快諾した。さっそく中東人の顔に整形されたゲイリーは、巧みな話術で敵陣に潜入する事に成功。すべてはうまく行くと思われたが・・・。・・ |
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私評:♪「パール・ハーバー」はシット〜、ベン・アフレックの演技もサック〜・・・この映画のあらすじはこれ以上書けません。それくらい過激です。しかし、こんな映画を作っていいの??(笑)「サウスパーク」はお気に入りで私は好んで見ていますが、あのかなり過激なSPでさえ平凡に見えてしまうほどこの映画は過激。なんたって実写ではタブーとされているシーンのオン・パレードだから。しかし、それを成し得たのは全編を操り人形で作ったからですね。劇中にハリウッドの大物スターが実名で登場しますが、彼らはOKしているのでしょうか?(特にマット・デイモン)そして極めつけは金正日。ラストで明かされる彼の本当の正体とは??こんなの本人が見たら、アメリカに核爆弾を飛ばすのではないでしょうか??監督・声の出演はトレイ・パーカーとマット・ストーン。彼らお得意の過激な歌詞の歌もこの映画の見所??しかし、私は大爆笑でした。こんな下品な内容で大爆笑をして良いのでしょうか??良いんですよ。思い切り笑い飛ばしましょう。
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星になった少年 | 監督:河毛俊作 | 出演:柳楽優弥、常盤貴子 | |
Shining Boy and Little Randy | 2005年 日本映画 | ||
田舎町で動物のプロダクションを営む小川一家。その家で育った哲夢も幼少時代から動物に触れあっていた。そんなある日、小川家に一頭の象がやってくる。『ミッキー』という名のその象と哲夢はすぐに心を通わせた。しかし、そのあとにやってきたもう一頭の象『ランディ』は調教されていなかったために、なかなか言う事を聞かない。そんなある日、哲夢はタイにある象を調教するために訓練センターがある事を知り、留学を決意する。厳しいトレーニング、異国の地での慣れない生活、クラスメートのいじめ等もあったが、哲夢はついに一人前の調教師になった。そして日本に戻った哲夢はランディの調教に明け暮れる。一見、厳しすぎるのではないかと傍目からは思われていたが、哲夢は怯むことなく信念を持って調教を続けた。そしてついに哲夢とランディの間にルールが築かれた・・・・・ |
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私評:象たちが最後のときを過ごせる『象の楽園』を作りたんだ・・・高校時代って何かひとつの事に打ち込むには最高の時。私にはバンド活動があった。毎日、毎日の練習は決して楽ではなかったけど、その結果を「コンサート」という舞台で証明し自分自身に感動した。この映画は実話です。そして主人公の哲夢君は高校生。そして彼が選んだ「心から打ち込める何か」は象使いになる事。私のバンドとは趣こそ違うものの、根本は一緒のような気がした。また、そういう強い気持ちがあれば例えその試みが失敗してもイイのです。しかし、哲夢君はそれを成功させた。ところが運命は本当に残酷な事をするのです・・。私はこの映画の哲夢君が成功に至るまでの過程が好きです。そしてひとつの成功は彼の夢を更に広げていく。この映画は見ていてパワーをもらえるような気がしました。主演はカンヌで最年少主演男優賞を獲得した柳楽優弥。「誰も知らない」の演技はまぐれじゃなかった。ちょっと大人になった優弥君の表現力は素晴らしい。そして映画をグイグイ引っ張っていく力を持っている。その他蒼井優、常盤貴子、高橋克実などの実力派がしっかり脇を固めています。この映画を一緒に見に行った甥っ子に私は言いました。「早く心から打ち込める何かを見つけなさい。」すると彼は「そんなのもう、決まってるよ。ぼくは絵を描くことが大好きだから、ずっと描いていくんだ。」小学校5年生の少年に1本取られた・・ | |||