お盆休みも映画三昧。見たい映画が少なすぎるぜ!!
パシフィック・リム | 監督 : ギレルモ・デル・トロ | 出演 :チャーリー・ハナム、菊池凛子 | |||
Pacific Rim | 2013年 アメリカ映画 | ||||
今週のイチ押し:最初にカイジュウが現れたのはサンフランシスコ湾。太平洋の深海の裂け目からヤツらは現れた。そして地球上の3つの都市がカイジュウに襲われ多くの人命が奪われた。人類は存続を掛けて環太平洋沿岸(パシフィック・リム)諸国が手を組み、イェーガーという巨大兵器を開発。イェーガーはカイジュウを次々と葬っていくが戦いは長きに渡り、カイジュウは次々と海底から姿を現し破壊を繰り返す。しかも、カイジュウのレベルは徐々にアップしていたのだ。このままではいつまで経っても戦いが終わらないと思われていた中で、天才科学者のニュートはカイジュウの脳と「ドリフト」する事で彼らを操っている者が他にいて、しかも強大なカイジュウが複数体送り込まれる事を察知。ついに軍は最終手段として4つのイェーガーを駆使して海底の亀裂を破壊する計画を立てる。旧型のイェーガーに乗り組んだローリーはかつてカイジュウとの戦いで兄を亡くしていた。そんな彼のパートナーに選ばれたのは日本人女性の森マコだった・・ | |||||
私評:これが人類最後の戦いだ~!!!思い知らせてやる!!・・・公開前からめっちゃ楽しみにしていた映画。日本人の男の子は古くはウルトラマン・シリーズや、ジャイアント・ロボ、マジンガーZ、映画ではゴジラやガメラに至るまで怪獣映画が体に沁み込んでいる。私はまさにその全部を体験してきた世代なので、予告編を見た時からアドレナリンが出まくり!しかも、監督が日本の怪獣、ロボット作品のオタク!!まさにドンピシャの映画でしたね~。IMAXで2回も見ちゃいました(4,400円も払って・・)だけど、2回目の方がさらに面白かったです。とにかくイェーガーの戦い方が最高。予告の時に「なんでふたりで操縦するの?」という疑問があったのですが、これはすぐに、しかも的確な理由で解説されます。久々に大興奮の作品でした。主演は「トゥモロー・ワールド」のチャーリー・ハナム。総司令官のスタッカー役は「プロメテウス」の船長役も記憶に新しいイドリス・エルバ。森マコを演じるのはすっかりハリウッドでも定着してきた「バベル」「ノルウェイの森」の菊池凛子。そして彼女の幼少時代を演じるのは天才子役芦田愛ちゃん。出演シーンは少ないですが、さすがのインパクトです!監督は「ヘルボーイ」「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロ。 | |||||
少年H | 監督 : 降旗康夫 | 出演 : 水谷豊、伊藤蘭、吉岡竜輝 | |||
2013年 日本映画 | |||||
今週のイチ押し:昭和16年、神戸で洋服の仕立て屋を営む家族がいた。父親の妹尾盛夫は確かな腕で居留地の外人たちも彼の顧客だった。母親の敏子は敬虔なクリスチャン。そして長男の肇と長女の好子。肇は母屋が作ったイニシャルの「H」の刺繍されたセーターを着ていたことから周囲には「H」と呼ばれていた。教会の宣教師である女性が突然アメリカに帰った頃から、彼らの周りにも変化が起こり始める。隣のうどん屋のお兄ちゃんが「思想犯」と言う事で逮捕された。映写技師の「オトコ姉ちゃん」が入隊後に姿を消して憲兵に追われていたが、数日後に肇によって死体が発見された。太平洋戦争が始まって以来、思想も言動も制限されていくが、躊躇なく意見を口にする肇に対して盛夫は現実を見る事を指導する。クリスチャンである事だけでもスパイ扱いされ兼ねないご時世で、盛夫は家族のためを思い考えや信仰までも心に奥にしまいこむことを家族に諭した。中学に入った肇は軍事教練ばかりの毎日にウンザリしていたが・・ | |||||
私評:お前はいつもひと言多いんだ・・・1997年に出版された妹尾河童原作の「少年H」がようやく映画化された。この作品の前にも何度かオファーがあったらしいのですが、原作者が頑なに拒否。しかし、最高の監督とキャストを携えて、ようやくGOが出た映画です。ご多分にもれず、私は原作の大ファン。そんな私が見ても、今回の映画のできは最高だったと思います。昭和の舞台セットの完璧さ、時代背景の描き方、そして完璧なキャスティング!日本でしか描くことができない作品だけにこれだけのクオリティを出せた事は本当にうれしい限りです。作品は特に泣ける題材ではないのですが、凄まじい時代を生きた親子の固い絆と愛を描いた秀作です。盛夫と妻の敏子を演じるのは実生活でも夫婦の水谷豊と伊藤蘭のふたり。このふたりはまさに原作のイメージ通り!そしてこの作品のキーマンであり、実際の主人公である肇を演じるのは吉岡竜輝くん。ユーモアたっぷりな演技はまさに天才!そして妹役の花田優里音ちゃんのホンワカした演技もイイです!その他、小栗旬、早乙女太一、原田泰三、佐々木蔵之介などが脇を固めます。監督は「鉄道員(ぽっぽや)」「あなたへ」など数々の名作を送り出してきた巨匠・降旗康夫。素晴らしい映画でした! | |||||
ペーパボーイ 真夏の引力 | 監督 : リー・ダニエルズ | 出演 : ザック・エフロン、ニコール・キッドマン | |||
The Paperboy | 2012年 アメリカ映画 | ||||
今週のイチ押し:1969年の夏、フロリダ州モート郡。水泳選手として将来を嘱望されていたジョンは、ある問題を起こして水泳部を追放されてしまう。そして今は、父親が営む田舎町の小さな新聞社で配達を手伝っていた。母親は彼が幼いころに家出していて、現在父が付き合っているエレンとはそりが合わず、奥手なためにガールフレンドもいない。そんな彼の唯一の心の拠り所はメイドのアニタだけだった。そんな時、ジャックの兄のウォードが帰省する。彼は4年前にこの町で起こった殺人事件の再調査のためにやってきたのだ。それはかつてこの町の保安官だった男がメッタ刺しにされた事件で、ヒラリーと言う男が犯人として逮捕され死刑が確定していた。ウォードはこの事件の裁判に疑問を抱き、ヒラリーが冤罪の可能性があると睨んでいたのだ。運転手としてウォードの手伝いをする事になったジャックの前にシャーロットという女性が現れ、彼はひと目で恋に落ちてしまう・・ | |||||
私評:男と女は寝るものよ・・・ニコール・キッドマン大好きの私はこの映画を見逃がす訳にはいきません!どちらかと言うとお上品な役どころが多い彼女が“淫猥”な女を演じているのですが、これがまたたまらなくセクシー。ジャックが惹かれるも仕方ないです。映画の方はミステリーとしても面白いのですが、事件が進むごとにそれぞれの登場人物の本性が暴きだされていく展開が壮絶。ラストはホラー映画さながらの怖さ。それもそのはず、この映画のキャストがまさに曲者揃い。主演のジャック役は「ニューイヤーズ・イブ」「一枚のめぐり逢い」のザック・エフロン。彼とメイドのアニタだけがまともな人間??ウォード役には「コンタクト」「サハラ 死の砂漠を脱出せよ」のマシュー・マコノヒー。よくこの役を演じようと思ったな~と感心。特に彼の性癖は驚愕のひと言。ヒラリー役はこれまた強烈なインパクトを残す「2012」のジョン・キューザック。怖いよ~!!そしてシャーロット役は我らがニコール・キッドマン。ジャックの父親役は「羊たちの沈黙」のスコット・グレン。彼がこれまたイヤらしい役を演じます。どの役者も今までとはひと味もふた味も違ったキャラを演じています。監督は「プレシャス」のリー・ダニエルズ。 | |||||
ABC・オブ・デス | 監督 : アンジェラ・ベティス、井口昇、アルセル・サーミエント | 出演 : | |||
The ABCs Of Death | 2012年 アメリカ映画 | ||||
ベッドに横たわる男にいきなり妻が襲いかかる。そして彼の喉にナイフを突き立てる。その頃、外の世界でも何やら騒ぎがどんどん広がっていく・・・早く寝ないとビッグフットが襲ってくると聞かされた少女。必死に羊を数えて寝ようとするが、ここは雪の降らないメキシコ・・・切腹するサムライ。彼が腹に剣を差し入れると苦悶の表情から、滑稽な顔に!介錯を務めるサムライは彼の首を切り落とそうとするが、そのあまりの迫力に圧倒され・・・セクシーな女性がトイレで長~いウ●コをする。水で流そうとするが流れ切らず、断片が便器に残ってしまう。彼女はそれを見て・・・「ABC・オブ・デス」に参加を決めたものの良いアイデアが浮かばない監督は「本物の死」を撮ろうと決意。その作品とは・・・・ | |||||
私評:5分1本勝負、26の恐怖・・・すごい!ホラー映画と言う枠の広さをあらためて知らされた作品です。目を覆いたくなるような残虐なシーンもあれば、鳥肌が立つようなゾッとするシーン、手に汗握るシーンや、思わず笑ってしまうような展開も。しかし、どの作品も不条理の上に成立していて毒っ気が満載。まさにそんなとんでもない短編集が洪水のように襲いかかって来る映画です。ホラー映画ファンは必見!!そうでない人も楽しいですよ。しかし、あまりの強烈なシーンが多いのでR18の指定です。26の作品の中には日本人監督が3人参加。ひとりは「恋する幼虫」「片腕マシンガール」の井口昇。彼の「おなら映画」は大爆笑!ふたり目は「地獄甲子園」の山口雄大。彼は上に書いた切腹の話。3人目は日本の特殊メイクの1人者である西村喜廣。その他には「メイ」の女優アンジェラ・ベティスの監督作品や「ホーボー・ウィズ・ショットガン」のジェイソン・アイズナーなど、新進気鋭のホラー作家が勢揃い。しかし、一番印象的だったのは「DOG FIGHT」と言う作品で狂犬と人間のガチンコ勝負。痛そうでした~・・。めちゃめちゃ面白かったです~! | |||||
ホワイトハウス・ダウン | 監督 : ローランド・エメリッヒ | 出演 : チャニング・テイタム、ジェイミー・フォックス | |||
White House Down | 2013年 アメリカ映画 | ||||
アメリカ大統領のジェームズ・ソイヤーは中東からアメリカ軍を撤収し同盟国に対し貧困にあえぐ国々への支援を願い出た。しかし、彼の案は賛否両論でイランの新政府と手を結ぼうとする彼の考えには反発する者も多かった。議会警察のジョン・ケイルは下院議長のイーライの警護を仕事している。イーライを送り届けるとその足で彼は娘のエミリーを迎えに行った。大統領の大ファンであるエミリーにサプライズでプレゼントしたのはホワイトハウスの通関パス。それは彼女を大いに喜ばせた。そしてジョンはホワイトハウスのシークレットサービスの面接を受けるが敢え無く不採用となってしまう。そんな中、ホワイトハウス内で不穏な動きがあった。そしてホワイトハウスのドームが爆破される。すると、館内に潜りこんでいた傭兵たちがあっという間にホワイトハウスを制圧してしまう。エミリーと一緒にホワイトハウスのツアーに参加していたジョンだったがトイレに出掛けていたエミリーを探すために傭兵たちに立ち向かっていく。そして偶然にも大統領を発見し、彼の救出も兼ねる事になる。犯人たちの裏にはとんでもない黒幕がいた。果たしてジョンは大統領を守りきれるのか?そして娘の命を救う事ができるのか??・・・・ | |||||
私評:犯人はあなただ・・・・私の大好きなローランド・エメリッヒ監督の最新作。相変わらず大味なのですが、その大袈裟な演出が私は大好き。次から次へとヒーローを襲う危機、また危機。しかし、ヒーローは決してめげないのだ!これは彼の作品の主人公たち全員が同じです。そしてここぞと言う時の大爆発。大統領がバズーカを使ったり、武器庫が大爆発のシーンでは「ありえね~!!」と思いながらも、彼の演出にグイグイ引き込まれて楽しい2時間10分を過ごす事ができました。さすがです!しかし、ちょっと前に公開された「エンド・オブ・ホワイトハウス」と作品的に被るんですよね~・・。だけどどちらも面白かった!!主演は「エージェント・マロリー」「G.I.ジョー」のチャニング・テイタム。彼の肉弾戦は見所の一つです。大統領役は「レイ」「ジャンゴ 繋がれざる者」のジェイミー・フォックス。そして大活躍なのが娘役のジョーイ・キングちゃん。この娘、すごく可愛いし演技は上手いし!今後が注目の女優です。その他、マギー・ギレンホール、リチャード・ジェンキンス、ジェームズ・ウッズなどシブい役者が揃ってます。監督は「インデペンデンス・デイ」「2012」のローランド・エメリッヒ。彼の作品にハズレなしの私です! | |||||
アイアン・フィスト | 監督・出演 : RZA | 出演 : ラッセル・クロウ、ルーシー・リュー | |||
The Man With The Iron Fists | 2012年 アメリカ映画 | ||||
19世紀の中国。争いが絶えないある町が舞台。名もない鍛冶屋は敵対する「ライオン会」と「ウルフ団」の双方から特注の武器を依頼され、日夜”炎”と”鋼”と闘っていた。そして稼いだ金は愛する女レディ・シルクのために費やしていた。ライオン会の首領の金獅子は総督から金塊の輸送を依頼される。しかし、金獅子の部下の銀獅子と銅獅子の裏切りで金獅子は殺害されてしまう。彼の死を知った弟子のゼン・イーは遠くの山から町へと戻る事を決意した。金の輸送の噂がある男を町に引き寄せた。ジャックと名乗るその男は娼館のピンクブロッサムに居を構え、町の動向を見守っていた。銀獅子がリーダーになったライオン会はウルフ団を殲滅させ、ついには金獅子の正統な後継者であるゼン・イーに暗殺部隊を送り込む。しかし、全身に武器を仕込んだ「X刀」を操るゼン・イーは彼らを撃退。しかし、さらに銀獅子が送り込んだ最強の殺し屋“金剛”によってゼン・イーは瀕死の重傷を負わされるが、そんな彼を助けたのは鍛冶屋だった。回復に向かったゼン・イーは鍛冶屋に最強のX刀を作ってくれと頼むが、鍛冶屋は金剛に捕らえられ、両腕を切り落とされてしまう・・・・ | |||||
私評:お楽しみはこれからだ・・・昔の香港カンフー映画にインスパイアされた監督がどうしても作りたかった映画。とにかく70年代のカンフー映画を見た事がある人は「あ!このシーン見た事がある」「この演出、知ってる」と言いたくなるようなパクリのオンパレード。しかし、そこに新しい演出が加わり、さらにとんでもない大物スターが加わり、映画は最高に加熱されています。しかも、香港のカンフー映画大好きなクエンティン・タランティーノ:プレゼンツ(プレゼンツって何だ??)、脚本には「ホステル」のイーライ・ロス、そしてアクション監督にはコリン・ユーが加わり何ともインパクトのある戦いのシーンが展開されます。なんだかすごく大雑把な作りの映画ですが、見所も多い作品。この映画で監督・脚本・主演・音楽を務めたのがラップ・ミュージックの大御所RZA。彼はジム・ジャームッシュの作品やタランティーノ作品で音楽を担当していました。謎の「ハサミの使い手」ジャックにはオスカー俳優「グラディエーター」のラッセル・クロウ!そして娼館のマダム役には「キル・ビル」と同じような役で登場のルーシー・リューが登場。ふたりのアクションシーンは、すごいけどかなり笑えます!アメリカでも大コケしたこの作品。日本もサビシイ結果となりました。 | |||||
ブルース・リー マイブラザー | 監督 : レイモンド・イップ | 出演 : アーリフ・リー、レオン・カーフェイ | |||
Bruce Lee My Brother | 2010年 香港映画 | ||||
ブルース・リーことサイフォンはアメリカのサンフランシスコで生まれた。京劇の俳優の両親の巡業中だった。生後間もなく映画に出演して子役スターとして多くの映画に出演。そして10歳の時に李小龍:ブルース・リーとして映画俳優の道を進むことに。映画の撮影所はまさに彼にとっての学校で撮影現場を眺めるのは彼にとって至福の時だった。しかし、私生活では喧嘩三昧。喧嘩は得意だったが恋愛は苦手なブルースは長身の美女のパールに恋心を抱くが、彼の親友が彼女に好意を抱いていると知り深く悩んでしまう。やがてブルースは強くなりたいと言う思いからイップマンの元に弟子入りし詠春拳を学ぶ。高校のボクシングトーナメントに出場したブルースはチャンピオンのイギリス人を見事にKO。しかし、納得がいかないイギリス人は彼を倉庫に呼び出しふたりだけの試合を申し込む。双方が傷だらけになるも、これが元でふたりの間には友情が芽生える。そして偶然にも彼からブルースの友人のクォンがアヘン中毒になっている事を知る・・・・ | |||||
私評:夢をあきらめるな・・・私が一人で映画を見始めたのが1973年ごろ。その時に日本で爆発的に流行っていたのが「オカルト映画」と「ブルース・リー」だった。私が初めて彼の作品を見たのが「燃えよ!ドラゴン」。しかし、この映画が公開されたとき、彼はすでに他界していた。そんな伝説的なヒーローに私も夢中でヌンチャクも買ったし、チャイナ服も買ったし・・・。そんな彼の事をブルースの実の弟であるロバートの視線で作ったのがこの映画。今まで知らなかったブルースの一面を垣間見る事ができます。それは恋愛だったり、ダンスに夢中になっていたりするシーンだったり、ボクシングの話だったり。そして今や伝説になっているイップマンとの出会いなどは、実に興味深い話でした。もちろん、ドキュメンタリーではなく映画としてきちんと作ってあります。主演のブルース・リー役はアーリフ・リー。ブルース役は荷が重すぎるでしょうね・・。父親役には「孫文の義士団」のレオン・カーフェイ。母親役にはクリスティ・チョン。監督は「ウォーロード/男たちの誓い」のレイモンド・イップ。 | |||||