2013/8/4 その2

新作映画がいっぱい!イチ押しは昭和天皇について
色々考えさせられたハリウッド映画!

終戦のエンペラー  監督 : ピーター・ウェーバー  出演 : マシュー・フォックス、トミー・リー・ジョーンズ
Emperor  2012年 アメリカ映画
今週のイチ押し:第二次世界大戦は2発の核爆弾で終止符を打った。無条件降伏をした日本の復興のためにアメリカが日本に送ったのはダグラス・マッカーサー。彼は日本について造詣が深く知識も豊富なフェラーズ准将を呼びだした。そして日本のA級戦犯の逮捕を命ずるが、前首相の東條英機は銃で自殺を図る。次にマッカーサーはフェラーズに戦争における天皇の役割の調査を命じた。今回の戦争の最高責任者は天皇であると言う見解から連合国側も天皇の裁判を望んでいたのだ。しかし、天皇が逮捕された場合の国民が受けるショック、そしてそれに伴う反乱が起こる事は確実だった。フェラーズは日本の救済のために奔走するが、そこには個人的な感情も多く含まれていた。彼は大学時代に日本からやってきた留学生のアヤと恋に落ちたのだ。彼女が帰国した後もずっと彼女への想いを抱き続けていたのだ。フェラーズは当時の日本の軍部、そして政治のトップクラスと会い、彼らの証言を聞き出した。アヤの捜索をしていたフェラーズはようやく彼女と再会する。そこで彼はアヤのおじの鹿島大将と出会う。彼はフェラーズに日本人の心理や天皇への格別な忠誠心を教授する・・
私評:日本国民には何の罪もない。すべて私が・・・マッカーサーと昭和天皇の対談は今まで色々な形で映像を見てきたけれど、今回はアメリカ側からの日本、そして昭和天皇の見方がすごく面白かった。どこまで史実に忠実か?と言う事でガタガタ言っている輩もいますが、これは映画なんだから!しかも、天皇がマッカーサーに告げた最初の言葉・・・。これには感動しました。天皇という立場は他国にはない特別な存在なので、当時の外国人から見ると不思議な存在だったでしょうね。そんなところも上手く描かれています。また、日本ならではの心遣いや独特の感情の表現の仕方なども、日本人の私が見てもすごくフェアに描かれていて違和感は抱きませんでした。しかし、マッカーサーが実は政治家になりたくて、その点数稼ぎのためにこの仕事をしていた事実は知らなくて、ちょっとショックでした。主演はTVシリーズ「LOST」のマシュー・フォックス。マッカーサー役は「MIB」シリーズのトミー・リー・ジョーンズ。日本側は「ノルウェイの森」の初音映莉子、鹿島大将役は「ステキな金縛り」の西田敏行。その他、中村雅俊、伊部雅刀、桃井かおり、火野正平、片岡孝太郎、そして先日他界した夏八木勲など、豪華なキャスティングです。監督は「真珠の耳飾りの少女」「ハンニバル ライジング」のピーター・ウェーバー。
最愛の大地  監督: アンジェリーナ・ジョリー  出演 :ザーナ・マリアノヴィッチ
In The Land Of Blood and Honey  2011年 アメリカ映画
1992年のボスニア。画家のアイラは交際を始めたばかりの警察官の恋人ダニエルがいた。ふたりはライブバーでデートを楽しんでいたが突然爆発が起こり、店は吹き飛ばされてしまう。ふたりは助かるが多くの死者が出た。それか数ヵ月後、ボスニアは内戦が始まっていた。セルビアの兵士たちがムスリム系の住民のアパートに押し入り、男はその場で射殺され、女は兵士たちの宿舎に連行される。金品をはく奪され、やがては性のはけ口になるのだ。そんな状況の中、アイラにも男たちが襲いかかるが、彼女を救ったのはセルビア軍の将校となっていたダニエルだった。ダニエルの父はセルビア軍の将軍で、ダニエルは自分の意志とは真逆の残虐な行為にも手を染めようとしていた。アイラはダニエルの所有物と言う事で他の兵の餌食になる事はなかったが、「自分だけが・・・」という複雑な想いをアイラは抱いていた。アイラの姉のレイラは捕虜にはならなかったが電気も水も止められ生活は困窮。しかも、信じがたい悲劇が彼女を襲う。一方、ダニエルに守られいたアイラだったが、ダニエルの転属が決まる・・・・
私評:私の名前はダニエル、戦争犯です・・・実はこの映画はイギリス大使館のイベントで観ました。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)も協賛し会場はなんと国連大学。当日は監督でUNHCRの大使でもあるアンジェリーナ・ジョリーも登壇し「戦時下の性暴力の撲滅」を訴えかけました。アンジーはこの問題の大きさを世界中に訴えるためにこの映画を作ったのです。しかも、ただのドキュメンタリー風の映画ではなく男女の恋愛なども織り込んだちゃんとした映画作品になっています。しかし、この映画に描かれている事は本当に残酷です。実際に内戦の間に5万人の女性がレイプされたと言う。しかも内戦なので、今まで隣近所で仲良くしていた人が、急に敵になり、しかも女性を襲ったというのですから酷いですね。そんな内容も映画の中にはしっかりと描かれています。映画はエンターテインメントだけではなく、こういう社会的な意義を持った作品というのもあって当然だと思います。当日の壇上でのアンジーの訴えも心に響きました。その様子はhttp://www.ustream.tv/channel/angelinajolieで見られます。主演はアイラ役はザーナ・マリアノビッチ、ダニエル役はゴラン・コスティック。監督は「チェンジリング」「ウォンテッド」のアンジェリーナ・ジョリー。
謎解きはディナーのあとで  監督 : 土方政人  出演 : 櫻井翔、北川景子、椎名桔平
 2013年 日本映画
大富豪の一人娘の宝生麗子は久々の休暇を豪華客船「スーパースターヴィーゴ」号(別名「プリンセスレイコ号」)で過ごす事に。この船は彼女の父の所有物で、これが最後の航海だった。もちろん彼女の傍らには執事の影山が連れ添っていた。ところがこの船の乗客に麗子の仕事(警察官)の上司の風祭も乗船していた。実は彼は国立市からシンガポールに送られるアート作品「Kライオン」の護送のためにやってきたのだ。そんな時、船内で殺人事件が起こる。被害者はシンガポールの大富豪。彼は銃殺された後に、救命胴着を着せられ海に放り込まれたのだ。しかも、花火見学で賑わう船客の目の前で。なぜ、犯人は胴着を付けたのか??乗客3000人の中から怪しい人物の取り調べが行われるが、風祭&麗子の捜査は一向に捗らない。彼らの元を離れ影山は何やら隠れて捜査をしているようだ。そんな時、ふたり目の犠牲者が・・・。果たして犯人の真の目的とは??・・・・
私評:お嬢様、今回の事件の真相は、皆目見当がつきません・・・ベストセラー小説がTVドラマ化されてついには映画化。私は1作目の原作が大好きで、TVシリーズはイメージが合わないのでは??という懸念から避けていました。しかし、今回映画化と言う事で観に行っちゃいました。正直、原作を読んでからも時間が経っていたのでキャラクターにあまり違和感はありません。と言うか、けっこう良かったです!事件の真相や謎はなんとなく途中から読めてしまい、やっぱり・・という感じ。そこだけがちょっと残念でした。影山役は「神様のカルテ」の櫻井翔。彼にピッタリの役でした!麗子役は「間宮兄弟」の北川景子。けっこう弾けたキャラなのですが、彼女なりに頑張っていました。何よりキレイだから許す。そして風祭役はぶっ飛び演技もできる「アウトレイジ」の椎名桔平。その他、加賀丈史、中村雅俊、桜庭ななみ、要潤、竹中直人、生瀬勝久、そして宮沢りえが謎の女を演じます!!監督はこれが映画初監督となる土方政人。エンドクレジットでは嵐の歌の後に、けっこう長い話があるので、絶対に席を立たないでください!
ローン・レンジャー  監督 : ゴア・ヴァービンスキー  出演 : ジョニー・デップ、アーミー・ハマー
The Lone Ranger  2013年 アメリカ映画
1933年、カーニバルに訪れた少年は「WILD WEST」と書かれた見世物小屋に入った。そこで彼はインディアンの人形を見つけた。しかし、よく見るとそれは人形ではなかった。そして彼は語り始めた。60年以上も前、若き検事のジョン・リードは8年ぶりに故郷に戻った。偶然、その列車にはふたりの囚人が乗り合わせていた。ひとりは極悪非道で縛り首になる事が決まっているブッチ、そしてもうひとりはコマンチ族のトント。ブッチは脱走の機会を狙っていて、見張りをいとも簡単に片付けるが、なんとトントが彼に銃を向けていた。トントは長年に渡り、彼を追っていたのだ。しかし、悪いタイミングでジョンが乱入し、ブッチはまんまと逃げてしまう。町に戻ったジョンは兄のダンと久々に再会。ダンはジョンをテキサス・レンジャーに指名する。兄弟と仲間たちはブッチを追うが、彼らの罠にはまり皆殺しにされてしまう。脱獄をしたトントは殺戮の現場に辿り着く。そこで彼は不思議な白馬の導きでジョンを蘇らせた。トントと孤高のレンジャー「ローン・レンジャー」はブッチを探すために手を組むが・・・・
私評:ハイヨー!シルバー!!・・・80年前からアメリカでは親しまれているキャラクターが2013年に映画で復活!(1933年のラジオ放送がスタート)しかも、このラジオドラマは3000話近く作られたと言うから驚きです。もちろん、TVの普及とともにTVシリーズも作られ、私もなんとなく覚えていました。その中で主演のレンジャーが愛馬に跨って言う決め台詞が冒頭のフレーズ。そして大流行したのが「インディアン、嘘つかない!」でした。今回の映画はとにかく大活劇。列車から馬に飛び乗ったりするシーンはCGじゃないです。そして最後の大アクションシーンはTVの時と同じく「ウィリアム・テル序曲」の軽快な音楽に乗って信じられないような映像が展開されます。大興奮でした。しかし、この映画は長い・・・。もうちょっとスッキリできませんか??主演のトント役は御存じジョニー・デップ。本当に彼はどんな役にもなれちゃうんですね。ジョン役には「J・エドガー」「白雪姫と魔法の鏡」のアーミー・ハマー。ヒロインにはこれが映画デビューとなるルース・ウィルソン。極悪人のブッチ役は「アルマゲドン」「ダークナイト」のウィリアム・フィクトナー。その他、ヘレナ・ボナム・カーター、トム・ウィルキンソン、バリー・ペッパーなどなど。監督は「パイレーツ・オブ・カリビアン」「リング」のゴア・バービンスキー。


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