2012/8/4

レビューが溜まって、上映が終わってしまった物も・・
イチ押しは感動のファミリーアニメと意外な大穴作品!?

おおかみこどもの雨と雪  監督 : 細田守  出演 : 宮崎あおい、大沢たかお
 2012年 日本映画
今週のイチ押し:大学生の花は親には頼らずひとりでバイトをしながら大学生活を送っている。そんなある日、彼女はひとりの不思議な雰囲気の青年を見かけた。彼は大学の講義を受けていたが、教科書を持っていなかった。気になった花が話しかけると彼は学生ではなかった。しかし、花はそんな彼に惹かれ、いつしかふたりは付き合い始める。彼はなんと狼男だった。突然カミングアウトされた花だったが、彼女はもはや彼なしでは生きていけなかった。そしてふたりは結ばれた。花は妊娠し、翌年には女の子の雪を、その翌年には男の子の雨が生まれた。当然のようにふたりの子供は人間とオオカミ男のハーフ。子供たちをなかなかコントロールができず、花は大忙し。しかし、そんな時に彼が死んでしまう。川に浮いていた死体は、母の目の前でゴミ処理トラックに投げ込まれた。ショックを受けた花だったが、彼女はひとりで子供たちを育て上げる決心をする・・
私評:雨は自分の道を見つけたんだ・・・今回のアニメは2作品とも親子の話。しかし、オオカミ人間の子供を育てるシングルマザーっていう発想が面白い。都会では目立ちすぎるために山奥に引っ越してからが実に良いです。頑張り屋のお母さんの花がオオカミ子供たちをどうやって育てて行こうかと試行錯誤を続けていくのですが、これはオオカミでなくて、人間の子供でも同じですよね。そして子供たちはそれぞれの道を歩き始めます。人間として生きていくのか?それともオオカミとして生きていくのか?最後はなんだかちょっと切ない気分にもなりましたが、子供はいつかは親元から巣立っていくのですからね・・・。田舎の村の風景、そしてオンボロの家が最高でした。花の声は「我が母の記」の宮崎あおい。まだ、子供がいない彼女ですが、映画の声はすっかりいいお母さんでした。「彼」役は大沢たかお、そして村の頑固じいさん役で菅原文太も登場。その他、麻生久美子、染谷将太、谷村美月などが、ちょい役で登場します。監督は「時をかける少女」「サマーウォーズ」の細田守。宮崎駿とは違うフィールドで、良作のアニメをどんどん作って欲しいです。
リンカーン弁護士  監督 : ブラッド・ファーマン  出演 : マシュー・マコノヒー、マリサ・トメイ
The Lincoln Lawyer  2011年 アメリカ映画
今回のイチ押し:黒塗りのリンカーンコンチネンタルの後部座席を事務所代わりにしてLA中を動き回る敏腕弁護士のミック。彼を頼りにしている町のチンピラ、麻薬の売人、そして娼婦たちに罪を認めさせて、検事と司法取引をまとめて刑を軽くするのが彼のやり方。少々道を外れることもあるが、彼の信念は決して揺るがない。そんなある日、彼は保釈金立て替え業者のヴァルからある情報を入手する。ルイス・ルーレという大金持ちのボンボンが女に暴行を加えたとして拘留されたというのだ。ミックはルイスのバックグラウンドを調べるが、彼の過去には一点の曇りもない。保釈の手続きを取ってひと儲けしようと動き出す。ミックは調査員のフランクと不動産会社を営むルイスの母を訪ね、そこで初めてルイスと対面する。ルイスは女に嵌められたと言い張り、被害者の女とは真逆の証言をしている。しかも、ルイスは司法取引には応じず、徹底的に法廷で闘うという。果たして真実は??・・
私評:今回の弁護料は・・・無料だ・・・・あまり予告編も見ていなかったのですが曲者役者が揃っているこの作品になんとなく惹かれて観てきました。正直な感想は・・、めちゃ面白いです。法廷を舞台にした名作は数々ありますが、この作品もそれらに引けを取らない面白さ。刻一刻と変わる事件の真相にハラハラドキドキ。しかも、今回の事件と過去にミックが関わった事件がリンクしてくる辺りの展開は意外!そして最後は思わずニヤリとしてしまうくらいの、見事な締めくくり。いや~、面白かったです。主演は最近はマッチョな役が多かったマシュー・マコノヒー、彼の元妻で検察官役は「レスラー」のメリサ・トメイ。御歳48歳とは思えないセクシーさです。ルイス役は「父親たちの星条旗」のライアン・フィリップ(まだ青年のような若々しさです)、情報屋の私立探偵はウィリアム・H・メイシー、その他に「ポセイドン」のテッド・ミルトン、「ムーラン・ルージュ」のジョン・レグイザモ、「クラッシュ」のマイケル・ペーニャ、「ショーシャンクの空に」の憎たらしい館長を演じたセシル・ドブス、「タイタニック」のメアリー・ウインザー。監督はブラッド・ハーマン。
ゴッド・ブレス・アメリカ  監督 : ボブキャット・ゴールドスウェイト  出演 : ジョエル・マーレイ、 タラ・ライン・バー
God Bless America  2011年 アメリカ映画
40代の中年男フランクは不幸が続いていた。妻とは離婚し、この世で一番愛している娘にも嫌われている。テレビを見ていると低俗な番組ばかりだし、隣のバカ夫婦はいつも騒音を起こす。しかも、善意で優しくしていた会社の女性からセクハラで訴えられクビになってしまう。そしてフランクの悲劇はついに最高潮に。なんと頭の中に腫瘍が見つかり余命幾ばくもないと宣告された。いつものように家でぼんやりテレビを見ていたフランクの目に飛び込んできたのは、裕福な家で我が儘放題に育った生意気な小娘クロエ。それをみたフランクの中で何かが弾けてしまった。銃を持ち、隣の家のスポーツカーを盗んだフランクはクロエの元に向かった。そして見事に射殺!!ところがその現場を女子高生のロキシーが見ていた。彼女は興奮し、フランクの後を追っていく。モーテルに駆け込み自殺をしようとするフランク。しかし、そこにロキシーが現れ、この世にはもっと殺すべき人間がたくさんいるとフランクを諭すのだった・・・・
私評:私語もしないで携帯もオフにしてくれてありがとう・・・ストレスの発散には最高の映画かも。しかし、先日、アメリカの映画館でブチ切れた若造が銃を撃ちまくって大勢の死者が出たばかりなので、手放しで「ガッハッハ!」と大笑いするのはちょっと不謹慎かも。ちょっと前に「キレる」って言葉が大流行したけど、この映画はまさに「キレた」おっさんとストレスだらけの女子高生が「俺たちの明日はない」のボニー&クライドの如く、屍の山を築いていく。しかし、そのターゲットが上に書いた生意気女子高生&その両親、駐車場に変な停め方をする奴、映画館でマナーが悪い奴、有名なテレビ局のむかつく司会者・・・と、私も日頃から気になっているような輩ばかりで(またまたと~っても不謹慎ですが・・・)、彼らが命乞いをして殺されていくシーンは痛快でした。ああ、私もストレスが溜まっている~!!主演はあの名優ビル・マーレイの弟(だけど全然有名じゃない)ジョエル・マーレイと、いかにも優等生っぽい女の子タラ・ライン・バーちゃん。この子がセリフの中でF○○Kを連呼するシーンとアリス・クーパーをたたえるシーンは萌えますよ~。監督はボブキャット・ゴールドスウェイト。この監督のメッセージは「思いやりを持とう」だって。過激すぎる演出ではありますが、言われてみればこの映画のテーマって「思いやり」??
メリダとおそろしの森  監督 : マーク・アンドリュース、ブレンダ・チャップマン  声の出演 :ケリー・マクドナルド、エマ・トンプソン
Brave  2012年 アメリカ映画
スコットランドのとある王国のプリンセス、メリダはお転婆な女の子。幼少の頃に王である父親からもらった弓の腕は男も顔負け。そんなある日、王国に3隻の船が到着する。それぞれの船に乗り合わせた王子の中から、メリダは伴侶を選ぶように母に言われ激怒。母と喧嘩をして愛馬と森の奥深くへと向かった。そこでメリダは鬼火に導かれ、森に住む魔女に出会った。望みを叶えてくれるという魔女にメリダは「母親から解放されて自由になりたい」と伝えた。すると、魔女は美味しそうなケーキを差し出し、母親に食べさせるようにと言う。さっそくメリダは城に戻り、母親にケーキを食べさせるが・・・・
私評:未来は自分で決めるの・・・・ディズニーの新作はお転婆なお姫様が大活躍。自分のせいでクマに変わってしまった母親を助けるために奔走します。しかも、期限は2日。そんな状況になってしまったからこそ、母と娘が分かり合う事ができて、二人の距離もグンと縮まる。ディズニーが得意な“お姫様”モノではあるのですが、今回は母と娘の物語がメイン。ボーイズにはちょっと退屈な内容かもしれません??今回は吹き替えの3Dで映画を見ました。メリダの声はAKB48の大島優子という事で宣伝にも力が入っていますが、メリダのキャラクターが大島優子にピッタリでまったく違和感はなし。というか、ディズニー作品は吹き替えのキャスティングも厳しい審査があるんですよね。しかし、彼女はなんでもソツなくこなしますよね。あとのキャストはいわゆる声優のプロが担当しているので安心です。監督は今回が初の長編監督となるマーク・アンドリュース。
ピラニア リターンズ  監督 : ジョン・ギャラガー  出演 : ダニエル・パナベイカー、マット・フィッシュ
Piranha 3DD  2012年 アメリカ映画
スプリング・ブレイクでのピラニア事件から1年が経過。リゾート地だった湖は今では廃墟になっている。一方、湖から遥かに離れた土地では巨大なリゾートプールがオープンを控えていた。その名は“ビッグ・ウエット”!そこのプールには大人しか入れない”裸で入れるプール”もあるのだ!プール開きが近づいたある日、女子大生でこのプールの共同出資者でもあるマディは、スプリング・ブレイクで大暴れしたピラニアが、地下の水脈を通ってここにもやって来ている事を知る。プールのオープンを阻止しようとするが、オーナーは強引にプール開きをしてしまう。プールはこの日を待ち焦がれていた若者や家族連れで大賑わい。しかし、ピラニア軍団はこのプールに流れ込み、プールは真っ赤な血で染まっていく・・・・
私評:こんなにゆっくりだから大丈夫だよ・・・・前作の「ピラニア3D」は私の大好きな作品。今回はその続編ということだったのですが、都内ではたった1館だけの公開という寂しさ。やはり今回もR18の作品です。これは残虐なシーンが多いという事よりも、裸の女がガンガン出てくるからです。前作のオープニングでは「ジョーズ」のリチャード・ドレイファスがピラニアの餌食になりましたが、今回は「ビッグ・ウェンズデー」のゲイリー・ビジーが生贄に。こういう役で登場してくれるのが嬉しいですね。しかし、今回はとにかく笑いのツボが多い。特に私の世代にピンポイントで笑えるネタが・・・??主演はこういう映画には不向きな(?)貧乳のダニエル・パナベイカー。可愛いのでOKです。そして前作に引き続き「ミッション:インポッシブル」のヴィング・レイムス、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のクリストファー・ロイドが登場。そして今回の注目は「ナイト・ライダー」「ベイウォッチ」のデヴィッド・ハッセルホフが自分役で登場。ナルシストな人気アクターを大爆笑の演技で見せてくれます。監督は「THE FEAST/ ザ・フィースト」のジョン・ギャラガー。


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