2012/7/17

今回はふたつの邦画をイチ押しにしました。
対照的な2作品ですが、インパクトは絶大。他の作品も良かったんだけど・・・

海猿 ブレイブハーツ  監督 : 羽住英一郎  出演 : 伊藤英明、加藤あい、、佐藤隆太
 2012年 日本映画
今週のイチ押し:海上保安官の仙崎は最高峰のレスキュー部隊で「海難救助の最後の砦」と言われている特殊救難隊に長年のバディである吉岡と一緒にルーキーとして加入し、日々過酷なトレーニングを受けていた。仙崎はふたりめの子供が妻の環奈の中にいる。そして吉岡には交際中のCAの美香がいた。そんな時、コンテナ船とタンカーの衝突事故が起こる。現場に向かった仙崎は最後のひとりを救出できず肩を落とした。そしてまたしても大事件が起こる。シドニーから東京に向かっていたジャンボ機がコントロール不能になってしまったのだ。油圧計がやられ、車輪もでない機体を滑走路に着陸させるのは不可能と判断した事故対策本部は、仙崎のアイデアを元にジャンボ機を海に着水させることにした。しかし、機体は30分も浮いてはいられず300名以上の乗客乗員を迅速に救助しなければならない。そしてその機にはCAとして美香が搭乗していた・・
私評:絶対に全員助ける!!・・・海猿シリーズは全部映画館で見ていますが、好きなんですよね~。主人公の仙崎の成長をずっと見てきた私は、妻の環奈や息子の大洋にまで感情移入しっぱなし。そして今回もすごい事件の救助に向かいます。CG技術の向上もあり迫力はさらにアップしています。特に今回の飛行機事故のシーンはすごくリアルでドキドキしました。ちょっと「タイタニック」のパクリみたいでしたが・・??そしてお決まりの感動のシーンも満載。救助のために海軍以外にも民間の船までが集結して、一位団結するシーンは大好きです。私は最初からけっこうウルウルしてしまいました。私の個人的な見解ではシリーズ4作品の中で、これが最高です!主演の仙崎を演じるのはシリーズ毎にマッチョになっていく伊藤英明、環奈役は加藤あい、吉岡役は佐藤隆太、そして救難課長には時任三郎という常連組に加え、美加役の仲里衣紗、仙崎の先輩で副隊長役に井原剛志が登場。監督は「ワイルド7」で大コケしてしまった分をこれで挽回した?羽住英一郎。
ヘルター・スケルター  監督 : 蜷川実花  出演 : 沢尻エリカ、桃井かおり、寺島しのぶ
 2012年 日本映画
今回のイチ押し:芸能界のトップに君臨する人気女性タレントのりりこ。彼女が表紙を飾る雑誌はどれも売れまくり、ついに彼女は映画の主役も手に入れた。どのメディアにも彼女の顔が出ない日はない。しかし、彼女には大きな秘密があった。彼女の体のほとんどは作り物。つまり彼女の美は全身整形により創り上げられたものだった。しかし、それはあまりにリスキーで、彼女は手術の後遺症に悩まされ、その都度再手術を重ねていた。実はこの美容クリニックの患者で自殺した女たちがいて、検察の麻田が事件として追いかけていた。その捜査線上にりりこの名前が浮上する。麻田はりりこを最後の切り札にするつもりだった。また、りりこには南部という金持ちの御曹司の恋人がいたが、彼は突然他の女と婚約。そしてりりこの存在を脅かすような後輩のモデルも登場し、りりこの精神状態は徐々に崩壊していく。
私評:どうして神様は最初に若さと美しさと与えて奪うんでしょうか?・・・すごい!超極彩色で、超サイケデリックで、超サディスティックで、超エロティック。どこまでもぶっ飛んだ作品です。映画の話題が主演の沢尻エリカに集中していますが、それだけでは説明ができない映画です。もちろん、美しい裸体を晒して狂気の演技を見せたエリカ様はすごい。こんな映画に出たらしばらくは心が壊れてしまうでしょう。しかし、そんな彼女にこれだけの演技を強いる事ができた実花監督がこれまたすごい。これは監督が女だからこそできた技かもしれません。とにかく私はあの沢尻エリカがボロボロにされていく様をサディスティックな気分で興奮しながら見ておりました(笑)。そしてこの映画の随所に散りばめられた深~いセリフも印象的でしたね。その他の出演者は桃井かおり、寺島しのぶ、原田美恵子、窪塚洋介、新井浩文、水原希子、大森南朋、哀川翔、綾野剛、寺島進・・・という豪華すぎるメンバー。彼らがまた、みんな印象的なんです。監督は「さくらん」の蜷川実花。これは事件です! 
崖っぷちの男  監督:アスガー・レス  出演 : サム・ワーシントン、エリザベス・バンクス
Man On A Ledge  2012年 アメリカ映画
一人の男がニューヨークのホテルにチャックインした。21階の部屋で豪華なルームサービスを終えた後、彼はおもむろに窓を開け放ち外に出るとわずか40センチの縁に降り立った。上を見上げていた老女が叫ぶとホテルの辺りは野次馬がごった返した。やがて警察も到着して男に話しかけると、彼は交渉人にリディアを指名。30分以内に彼女が来なければ飛び降りると言う。実は彼女は前回の自殺志願者との交渉に失敗し、彼の命を救えなかった事で落ち込んでいた。やがて、男の素性が判明する。彼の名前はニック・キャシディ。不動産王のイングランダーの策略により、冤罪の罪を着せられ服役中だったが、父親の葬儀で仮出所中に脱走したのだ。リディアが到着し交渉が始まる。しかし、ニックの視線は隣のビルのふたつの影。そこには彼の弟のジョーイとアンジー。実はニックが騒ぎを起こしている間に、隣のビルでとんでもない事件が起きていたのだ・・・・・・
私評:俺は無実だ!!・・・面白い!飛び降り男として街中の注目を浴びる中で、実は・・・みたいな発想ってありそうでなかったですよね。刻一刻と変わる現場でニックがどう振舞うのか?そして隣のビルのちょっとずっこけコンビの活躍もすごく面白いです。まさに予測不可能なサスペンス映画でした。しかし、高所恐怖症の私にはかなり刺激的なシーンが幾つかあって、その度に私は下半身がヒューンとなり、椅子から落ちそうになりました(苦笑)。主演は「アバター」で世界的に有名になったサム・ワーシントン。今回は彼の貫禄さえ感じさせる見事な演技。交渉人リディア役は「スパイダーマン」のエリザベス・バンクス、弟役は「リトル・ダンサー」のジェイミー・ベル、悪徳不動産王には「アビス」のエド・ハリス。すごい面子でしょう!さらに私の注目はアンジー役のジェネシス・ロドリゲス。超~美しいです。監督はこれが初の劇映画となるアスガー・レス。これはおススメです!
ワン・デイ  監督 : ロネ・シェルフィグ  出演 : アン・ハサウェイ、ジム・スタージェス
One Day  2011年 アメリカ映画
1988715日。その日はスコットランド大学の卒業式。まじめなエマと金持ちで自由奔放なデクスターは初めて言葉を交わした。事の成り行きでエマの家を訪れたデクスターだったが、ふたりは関係を結ばずにずっと友達でいようと誓う。そして違う道を歩み始めるふたり。翌年からエマはロンドンで一人暮らしを始める。作家を目指してはいるものの良い職には就けず、彼女はメキシコ料理の店でウェイトレスを続ける。一方のデクスターはパリに移り住み優雅な生活を送っていた。1992年は初めてふたりでプロヴァンスに旅行をした。翌年からデクスターはTV番組のMCの仕事を得て生活はさらに派手になりパーティー三昧の毎日。しかし、それでも電話の相手はエマだった。やがて、エマは教師になり堅実な生活を歩み始める。一方のデクスターは仕事も行き詰まりストレスから酒びたりの毎日を送るようになるが・・・・
私評:愛してるわ、あなたって本当に幸せな人ね・・・・ふたりの男女の23年間に及ぶ715日だけを描いた不思議な映画。その間にふたりはお互いの人生を歩みながらも常にお互いに心を寄せている。いっその事、最初から結婚していたら・・・??と思うかもしれませんが、それだとこのふたりはダメになっていた。23年の友情の積み重ねがふたりの愛情を最上級の物に育んでいくんですね。しかし、皮肉な運命は彼らに更なる試練を与えます。それはあまりに切なくて胸が締め付けられました。この映画のもうひとつの見所はイギリス、フランスの美しい風景。ブルターニュの海岸のシーンなんて美しいのなんのって・・・。感動でした。主演は大作への出演が目白押し、「プラダを着た悪魔」のアン・ハサウェイ。彼女は本当に良い女優になりましたね。「ダークナイト・ライジング」のキャットウーマン役も楽しみです。デクスター役は「アクロース・ザ・ユニバーサル」のジム・スタージェス。このふたりのキャスティングは最高でした!監督は希代の女性家督「17歳の肖像」のロネ・シェルフィグ。
ラム・ダイアリー  監督 : ブルース・ロビンソン  出演 : ジョニー・デップ、アンバー・ハード
The Rum Diary  2011年 アメリカ映画
1960年、プエルトリコにジャーナリストのポール・ケンプが到着した。彼は地元紙のサンファン・スター紙に入社した。そんなある日、彼は海で美しい女性シュノーと出会い、一目惚れしてしまう。しかし、彼女はアメリカ人の企業家サンダーソンの恋人だった。サンダーソンと仲間たちは沖合の島に豪華なリゾートホテルとマンションを建設しひと儲けしようとしていて、ポールに好意的な記事を書くよう依頼するが、ポールは違法の契約のような気がして即答をしなかった。そんな時、彼は以前にサンファン・スター紙で働いていて、今はアルコールとドラッグに浸っているモバーグと出会う。彼の不思議なポリシーや行動に心を動かされたポールは、今までにないくらいタイプライターと向き合い、その思いを叩きつける。それは彼が本来持ち合わせていたジャーナリストとしての才能の開花だった・・・・
私評:人魚かと思ったよ・・・・最近の映画ではすごいメークで素顔をさらす事がほとんどなかったジョニー・デップが久々に素顔で登場。しかも、彼の親友だったハンター・S・トンプソンの原作で、まさに彼自身のようなキャラクターを嬉々と演じています。シュールでブラックな笑いが満載だけど、後半に近づくにつれて主人公のポールが、自分のやるべき事を自覚して、そして邁進していく。その姿が思いっきりカッコ良かったです。人生を楽しむには自分が信じる事に思い切り打ちこむこと。それは仕事だって、恋愛だって、趣味だって良いんですよね。ラストの彼の“やり遂げた感”溢れる笑顔、良かったです。主演は先日離婚が報道されたジョニー・デップ。めちゃ美しいシュノー役は「ザ・ウォード/監禁病棟」のアンバー・ハード。ジョニーの離婚の原因って彼女かも?その他、アーロン・エッカート、ジョヴァンニ・リビシ、リチャード・ジェンキンスなど個性派が勢揃い。監督は「ジェニファー8」のブルース・ロビンソン。


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