2006/7/23

今回はぜんぶイチ押しにしたいくらい。激戦区を勝ち抜いたのは
問答無用のアクション大作。それにしても今回も邦画ばかりです・・。

パイレーツ・オブ・カリビアン 
デッドマンズ・チェスト
 監督:ゴア・バービンスキー  出演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム
Pirates of TheCaribien Dead Man's Chest  2006年 アメリカ映画
今週のイチ押し:ブラックパール号の船長、ジャック・スパロウはかつての精彩を欠いていた。北を指さないコンパスも、もはや役立たず。そして彼は鍵の絵が描かれた一枚の布切れを手に入れた。そんな彼の前にディヴィ・ジョーンズからのメッセンジャーがやってきた。なんと彼は、3年前に共に戦ったウィルの父親で、今では『深海の悪霊』ディヴィ・ジョーンズの手下だった。そういうジャックも13年前にディヴィと約束を交わしており、やがてはディヴィの元で永遠の労役が待っている。そしてその期限が間もなく切れようとしていたのだ。ジャックはディヴィの手の及ばない陸地へと全速力で逃げた。一方、ウィルとエリザベスは結婚式の当日に「ジャックを逃がそうとした罪」で逮捕され死刑を宣告される。しかし、彼らを逮捕したベケット卿はジャックのコンパスを持ってくれば無罪放免にするという。ウィルは再びジャックに会うため海原へ漕ぎ出すが・・・
私評:ジャックを探すには世界の海を知っている人間が必要でしょう・・・前作が大好きな私はこの第2弾もメチャメチャ期待していたのですが、期待を遥かに上回る出来の良さに大感激。とにかくすごいアクションのつるべ打ち、そしてとにかく笑える。このアクションと笑いの波状攻撃が2時間30分続くわけです。この映画を最後まで楽しむにはそれなりの体力が必要です??それくらい最初から最後まで気が抜けない映画なのです。これぞエンターテイメント、これぞアクション映画!!そして映画の最後で幾つかの謎を振り撒いて、映画はパート3に続いていきます。そして映画の最後の最後に登場する・・・。ぶっ飛びました。椅子から落ちそうでした。でも、それ故に来年公開のパート3は絶対に見逃せませんね。主演はジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、そしてキーラ・ナイトレイ。そしてエンドクレジットでビル・ナイの名前を発見したのですが、全然記憶にない・・。役を見たらなんとディヴィ・ジョーンズでした。あのタコ顔じゃ分からないよ・・。監督は前作に続きゴア・バービンスキー。この映画は映画館で観ようね。
やわらかい生活  監督:廣木隆一  出演:寺島しのぶ、豊川悦司
 2006年 日本映画
優子は東京の端っこ大森に引っ越す事にした。一流大学を出て、一流会社に就職し順風満帆な人生を送る・・はずだった。両親の死をきっかけに鬱病になった彼女は全てを失ってしまう。無気力に日々を送る優子にとって大森は最高の町だった。優子は「Love Kamata」というWEBを立ち上げ、町を歩いては写真を撮り書き込みをした。ある日、彼女の地元福岡に住む従兄の祥一がやってくる。妻を置いて家を飛び出して来た祥一は優子のアパートに転がりこむが、その独特の雰囲気に優子は押され、逆に居心地の良さを感じてしまうのだった。その他にも優子の周りにはEDの都議会議員、アヤシイ痴漢おじさん、WEBで知り合った気弱なヤクザなどが集まってくる。ある日、優子は自分が引篭もった本当の理由を祥一に打ち明けるが・・・・・
私評:誰かに「おやすみ」って言われたの久しぶりばい・・・私は性格上、どうしても一生懸命頑張ってないとダメなのですが、この映画は「頑張らなくてもいいんじゃない・・」と語りかけてくれるような映画でした。でも、全ての人がそんな「ゆるゆる」な生活が出来るわけではない。この映画の優子の場合「金は親の遺産を持っている」「男にモテる素養を持っている」という条件がなければ、彼女のような「ゆるゆる生活」はできません。しかし、映画はしばしそんな「やわらかい生活」の夢を見させてくれるのです。それはまさに大人のメルヘン・・。そしてその「ゆるゆるワールド」はなんとも気持ちの良い世界でした。主演は本当にどんな役でも見事にこなす本格派女優、寺島しのぶ。従兄の祥一役は豊川悦司。痴漢オヤジは田口トモロヲ、そして若いヤクザ役は妻夫木聡という贅沢な顔ぶれ。監督は名作「ヴァイブレータ」廣木隆一。
笑う大天使(ミカエル  監督:小田一生  出演:上野樹里、伊勢谷友介
 2006年 日本映画

突然母親を亡くして独りぼっちになってしまった女子高生の史緒。しかし、彼女には生き別れになっていた兄がいたのだ。しかも、彼は超がつくほどの大金持ちの伯爵!そして史緒は兄の意向により、これまた超がつくほどのお嬢様学校『聖ミカエル学園』に転校した。庶民の代表のような史緒にとって、ここでの生活は地獄だった。そんなある日、学園の女子生徒が次々と誘拐されてしまう。金持ちの令嬢を狙う誘拐事件の発生だ。そんなある日、学校の陰でこっそりとチキンラーメンを食べようとしていた史緒が起した焚き火で、あわや火事に。そこに居合わせた同級生の和音と柚子と一緒に火を消そうと色々なものを投げ込んだ瞬間、不思議な現象が3人を取り巻き、なんと彼女たちは超人的な力を手に入れてしまった・・・・

私評:「それは何でございますか?」「これはおチキンおラーメンですわ」・・・樹里ちゃんサイコー!いや〜、彼女のコメディエンヌとしての才能は計り知れない。特にこういうお転婆娘の役をやらせたら右に出るものはいないでしょう?今回は役柄上、普段は『大阪弁』で友人同士の会話は『お嬢様言葉』という両極端を操るのですが、これがまた良いんですよ。そして元気ハツラツなアクションシーンもあるし、まさに樹里ちゃんのための映画でした。原作はまったく知らないのですが、原作ファンには、どうもこの映画評判が悪いみたいです。そしてこの映画のもうひとつの見所がVFXの映像。それがまたおバカな映像でめちゃ笑えるんですよ。青春映画という見方をしても、楽しめる作品ですね。その他の出演者は関めぐみ、平愛梨、そして伊勢谷友介。監督はVFX界の大物(らしい)小田一生。つじあやのが歌う主題歌も爽やかで好きで〜す。
日本沈没  監督:樋口真  出演:草g剛、柴咲コウ
 2006年 日本映画

アメリカの調査団が日本は静かに沈下をしていて寿命は40年との発表をした。内閣総理大臣は地球科学博士の田所に独自の調査を依頼。しかし、彼が導き出した答えはなんと「1年以内に日本列島は完善に沈没する」という答えだった。国際海洋センターで働く小野寺の元に駿河湾の地震に巻き込まれた時に少女を救ったレスキュー隊員の玲子が訪ねてきた。玲子の家族は孤児になった少女を引き取ったが、心を開かないというのだ。それがきっかけで小野寺と玲子は互いに惹かれあっていく。総理は田所の見解を重く見て、内閣の中に危機管理担当大臣を置いた。くしくも任命されたのは田所の元妻の鷹森沙織だった。やがて田所の予言どおり日本列島は各地で災害が発生。混乱する人々は次々と国外へと避難をしていくが、到底間に合うことはない。そんな時、小野寺はイギリスの海洋会社からオファーがあり日本を去る事に。そして玲子に一緒に行こうと誘うのだが・・・・

私評:ぼくにも守るべき命があるんです・・・33年前に小学生だった私は父親と一緒に旧作の「日本沈没」を見に行きました。小松左京の書いた小説は大ヒットで我が家にも本が置いてあった。そして観た映画は初めて見る迫力ある映像に圧倒され、恐怖だけが身にしみついた。数年前にもう一度見直したのですが、やはりこの映画で感じたのは「なんとか怖がらせてやろう」という思いばかりが伝わってきた。ところが新しい「日本沈没」はもっと身近なキャラを主演に置くことで、かなり違う映画になっていた。現代の技術の粋を集めればすごい映像が出来ることは分かりきっているのですが、映画自体がそちらばかりに趣きを置かずドラマ部分を際立たせることでバランスの良い映画になっていた。いわゆるハリウッド的なデザスター映画ですね。パニック+浪花節の取り合わせは最高です。そして決定的に違うのはラストのオチなのですが、今回の映画の方が私好みです。主演はSMAPの草g剛と人気女優、柴咲コウ。前作では主演だった田所博士役は助演に回り物語を盛り上げる豊川悦司。監督は「ローレライ」の樋口真嗣。

ブレイブストーリー  監督:千明孝一  出演:松たか子、大泉洋、ウエンツ瑛士
Brave Story  2006年 日本映画
小学生のワタルは友達と一緒に近所の幽霊ビルを探検していた。そこでワタルは隣のクラスの転校生ミツルを見かける。すると、ミツルは未完成の階段の遥か上に突然現れた大きな扉の中に吸い込まれるように消えていった。翌日、学校でミツルを捕まえたワタルは扉について問いかけた。「あの扉の向こうに行けば運命は変えられる。願いがひとつだけ叶うんだ・・」。家に帰ったワタルはドアの外に立ちすくむ父親を見つけた。父は家を出て行くという。そして更なる不幸がワタルに降りかかる。なんと母親が倒れて病院に担ぎ込まれたのだ。その時ワタルの脳裏に浮かんだのはミツルの言葉だった。そしてワタルはひとり幽霊ビルへと向かった・・・・・
私評:こんな運命間違ってる!・・・私の大好きな宮部みゆきさんの原作がアニメ化された。これはゲーム好きな宮部さんが描いた、まさにRPGワールド。扉の向こうの世界で願いを叶えるために5つの宝玉を探し回ります。そして当然のようにワタルを取り巻くのは旅の仲間たち。しかし、この作品の宮部さんらしさは「間違った事を正すためには、どんな手段を用いても良いのか?」という事。誰かにとって間違ったことを正しても、それは必ずしも誰にとっても正しいことなのか??そのために犠牲を生むことも致し方ないことなのか???数々の疑問を私たちに投げかけてくる。しかも、子供の目線で。だから、私はこの映画を親子で見に行くことを勧めたいです。声優陣は松たか子、ウエンツ瑛士、常盤貴子、田中好子、今井美樹、伊東四郎、そして大泉洋という豪華な顔ぶれ。配給がワーナーという事で、世界でも旋風を巻き起こすのでしょうか??


前回の記事も読んでね〜!



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