2014/6/22 その2

いくら書いても、追いつかない・・・。
イチ押しは木村大作さんの壮大な山物語!

春を背負って  監督 : 木村大作  出演 : 松山ケンイチ、蒼井優、豊川悦司
 2014年 日本映画
今週のイチ押し:長峰亨は東京でトレーダーとして、日夜大金を転がしている。社内でも期待の若手だ。彼には立山連峰で山小屋を営む父親がいる。そんな父親が山での事故で死んでしまう。葬儀を終えて母親の菫、そして山小屋で働く愛と共に、父の山小屋を訪ねた亨は、この山小屋を継ぐことを決心する。父の知人という悟郎も仲間に合流し、春を迎え亨、愛、そして悟郎の3人で山小屋はオープンした。食材の運搬、客たちへの給仕仕事、そして早朝からの業務など、亨にとってはハードな日々が続くが徐々に仕事にも慣れていく。そんなある日、関西から須永という若者が山小屋を訪ねてくる。彼はここの常連で愛、悟郎とは顔見知りだった。天気が崩れたため、亨は出発を見合わせるように告げるが須永はひとりで出発し滑落してしまう。偶然、救助隊がそれを発見し亨に連絡をして大事には至らなかったが、亨は改めて自分の仕事は山に来る人々の命も守ることだと認識する。登山客も続々と訪れ、山小屋は繁盛しているかに見えたが、経営は芳しくはない。しかし、亨は日を追うごとに仕事が好きになり、疎遠だった父の気持ちに近づいていくのだった・・
私評:あの二人、決まりやな・・・日本屈指の映画カメラマン、木村大作の監督2作目。立山連峰の美しい風景を「これでもか!」と言うくらい詰め込んだ本当に美しい作品です。山に集う人々が、なぜ何度も訪れるのか?それは山からの風景が、そして山自体が本当に美しいから。その理由を問答無用の映像美で見せつけてくれます。ドラマ自体はそれほど捻りがある訳でもなく、淡々と語られます。しかし、山に生きる人たちにおシンプルな話は、とっても心地よいです。それにしても実際に山を昇り降りしたキャスト&スタッフは大変だったと思いますよ・・・。主演は「ノルウェイの森」の松山ケンイチ。なんだか久しぶり。愛役は「東京家族」の蒼井優、悟郎役は「ジャッジ」「プラチナデータ」の豊川悦司。その他、檀ふみ、小林薫、新井浩文、吉田栄作などなど。監督は「剣岳 点の記」の木村大作。しかし・・・、ラスト近くの手をつないでグルグルのシーンは退いちゃいました。タイタニックか!ってツッコミを入れてください
渇き。  監督 : 中島哲也  出演 : 役所広司、小松奈菜、
 2014年 日本映画
元刑事の藤島は今は日雇いの生活。彼は以前に妻の浮気現場を押さえて車で突っ込むという刑事にはあるまじき行為で退職していた。それ以来疎遠になっていた妻から藤島に電話が入る。娘の加奈子がずっと家に帰っていないというのだ。久々に家を訪ねた藤島は加奈子の持ち物から覚せい剤を発見する。こうして藤島の娘探しが始まった。まずは、加奈子の中学生時代の友人と会った。彼女たちは一様に「加奈子は誰にでも愛されるいい子だ」という。しかし、高校のクラスメートの森下と長野は、まったく違う加奈子の一面をぶちまける。彼女が付き合っていた男が自殺したこと、そして彼女の悪魔のような側面が浮き彫りにされる・・・。数か月前、「ボク」はいじめの対象になっていた。死にたいと思っていた。そんなある日いじめが急になくなった。その原因は加奈子。ボクは加奈子にどんどん惹かれていく。そんな時、ボクは加奈子にあるパーティに誘われる。しかし、そこには信じがたい罠が待ち構えていた・・
私評:ぶっ殺すぞ、クソガキ!!!・・・この映画はキャッチコピー通りの「超激辛エンターテイメント」。バイオレンスはタランティーノ級。そこに監督お得意のキッチュでサイケデリックな映像がかぶさる。とにかく胸くそが悪くなる映画です。しかし、それがこの映画の狙いなのだから仕方ない。血糊の量もハンパない。登場人物が揃いも揃ってみんなサイテーの人間たち。気持ち悪い奴ら。しかし、そんな映画に日本映画を支える超メジャーな役者たちが勢ぞろいしました。監督が言っていたのですが、「まずこの映画を作るのにお金を出す会社がないと思った」「こんな映画に出演してくれる役者はなかなかいないと思った」との事。しかし、作品の配給にギャガが手を挙げ、役者も超一流が揃いました。「狂犬」藤島役は「清州会議」の役所広司、彼の元部下の刑事役は「悪人」の妻夫木聡、藤島の妻役は黒沢あすか、加奈子の元担任教師は「嫌われ松子の一生」の中谷美紀、加奈子の専属医師には「地獄でなぜ悪い」の國村隼、加奈子の同級生、森下役は「くちづけ」の橋本愛。その他、二階堂ふみ、オダギリジョーなどなど。そして驚くべきはふたりの新人。加奈子役はモデル出身の小松奈菜、そして「ボク」役の清水尋也。このふたり、やばいです!監督は「告白」「パコと魔法の絵本」の中島哲也。
ポリス・ストーリー レジェンド  監督 : ティン・シェン  出演 : ジャッキー・チェン、リウ・イエ
Police Story 2013  2014年 香港映画
ベテラン刑事のジョンはひとり娘のミャオの呼び出しで若者が集う北京のクラブ「ウー・バー」を訪れる。ジョンの妻のが事故で死んで以来、半年ぶりに娘と会うことになったジョンは、彼女の変貌ぶりに愕然とする。しかも、彼女はこのクラブのオーナーのウーと付き合っているという。そうこうしているうちにクラブには意味ありげな輩が集まってくる。するとジョンは背後からいきなり殴りかかられ気を失ってしまう。目を覚ますとジョンは椅子に拘束され、店は頑丈に閉鎖されていた。ジョン親子を含む十数人が人質として捕えられ、店内にはたくさんの爆弾が仕掛けられていた。警察も手が出せない状況の中、主犯のウーは警察に対して条件を突きつける。それは投獄中のウェイを引き渡す事。ウーは数年前に薬店で起こった事件で命を落とした若い娘の兄で、店に集ったのはその事件の当事者たち。ジョンもその現場に立ち会っていたのだ・・
私評:パパはすごい刑事よ・・・ジャッキー・チェンの最新作。彼も還暦を迎えアクション映画は卒業。それでもちょいちょいアクションシーンを挟んできますが、ちょっと前の凄いアクションシーンはありません。それゆえに今回のポリス・ストーリーはドラマ重視。けっこう重い展開の中、事件の核心に少しずつ近づいていきます。しかも、今回のジャッキーはやられっ放しでボコボコ状態。見ていて辛かったです。サスペンス色も強いこの映画で、今までのジャッキー映画とは一線を画した、ニュー・ジャッキーを見ることができます。それゆえアクションを期待して行くと、がっかりしてしまうかも??それと注目は小さな町をそっくり作ったセット。ウーのクラブなんかもお金をかけて作ってあります!主演のジャッキー・チェンのほか、ウー役は「山の郵便配達」「中国の小さなお針子」のリウ・イエ、ミャオ役は「ラスト・コーション」のジン・テイエン。監督は「ラスト・ソルジャー」のディン・シエン。ジャッキー映画の名物NG集もしっかりありますので、エンドクレジットまでしっかり見ましょう! 
ノア 約束の舟  監督 : ダーレン・アロノフスキー  出演 : ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー
Noah  2014年 アメリカ映画
ノアはある夜、恐ろしい夢を見る。好き放題をして堕落した人間たちが水の底に沈んでしまう。この世の終焉を見たのだ。これを神の啓示と悟ったノアは地上のピュアな生き物を水害から救出するための箱舟を作り始める。ノアには妻のナーマと3人の息子、そして瀕死の重傷を負った少女を救出し、そのまま養女にしたイラがいたが、彼らだけで巨大な箱舟を作るのは不可能。そんな彼らに手を貸したのは「ウォッチャー」と呼ばれる異形と化した元天使たちだった。箱舟の完成が近づくにつれて、様々な動物たちがノアの下に結集する。最初は鳥たち。そして蛇などの爬虫類、そして大型の哺乳類まで。動物たちはまるで自分の居場所を知っているかのように船内に落ち着き、ナーマが調合した植物をいぶした煙で深い眠りについた。そんな時、ノアの箱舟を奪うべくドバル・カインが動き出す。トバル・カインはノアの父親の命を奪った張本人でもあった。しかし、壮絶な戦いの最中、ついに大洪水が彼らを襲う・・
私評:これは始まりだ・・・ノアの箱舟の話は聞いた事もあり小さいころに絵本でも見た記憶があります。しかし、聖書の話というのは私自身はどうもピントがずれていて馴染みがないです。正直、内容を理解するまでには至らず。しかし、映像は本当に目を見張る物がありました。特に洪水のシーンはすごかった。IMAXで高い金を払って観た甲斐があります。それにしても130分は長い。そして全編に渡りお説教を聞いているような作品で、途中はかなり強烈な睡魔に襲われました・・・。主演は「レ・ミゼラブル」のラッセル・クロウ。今回もちょっとだけ彼の歌声が聴けます。マーラ役は「フェノミナ」のジェニファー・コネリー、ノアの祖父役には「ヒッチコック」のアンソニー・ホプキンス、ノアの反抗期の次男役は「パーシー・ジャクソン」シリーズのローガン・ラーマン。そして養女のイラを演じるのは「ハリー・ポッター」シリーズのハーマイオニーを演じたエマ・ワトソン。監督は「ブラック・スワン」のダーレン・アロノフスキー。


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