2005/6/18

梅雨空の下、映画館の中は快適です。今回のイチ押しは帰ってきたヒーローと
ハッピーな気分にさせてくれる邦画話題作です。

バットマン ビギンズ  監督:クリストファー・ノーラン  出演:クリスチャン・ベイル、リーアム・ニーソン
Batman Begins  2005年 アメリカ映画
今週のイチ押し:ブルース・ウェインは少年時代に両親を殺害されて以来、常に恐怖をまとい、そして罪悪感に苛まれていた。青年となったブルースは犯人に対する復讐心と、両親が目指していた平和なゴッサム・シティの実現の両方を抱えて世界中を旅する事にした。犯罪者の真理を知るために自ら罪人となったブルースは、刑務所に入れられてしまう。そんな時彼の前に現れたのはヘンリー・デュカードと名乗る男。影の軍団を率いるラーズ・アン・グールの代理人と称する彼は、ブルースを影の軍団にスカウトしに来たのだ。長い修行が終わり、ブルースは影の軍団の目的を知り組織を離れていく。7年ぶりにゴッサム・シティに戻ってきたブルースは、町に蔓延る悪の力が正義を上回り、街自体が腐りきっている事に愕然とする。ブルースは父親が作った会社に戻り、一般人として復活を遂げる。一方、彼はもうひとつの自分を演出する。正義のイコンとして、そして悪への絶対的な恐怖を与える存在として、夜のゴッサムシティで悪人に天誅を加え始める。ここにバットマンが誕生した・・
私評:絶対的な恐怖を与えるイコン・・・・バットマンシリーズの最新作は、バットマンの誕生秘話。これまでに製作された5作品の中で、私的には最高の作品でした。バットマン自体がすごく映画的で、最高の素材だと思うのですが、今回の監督クリストファー・ノーランの料理の仕方はとにかくお見事。前半部分は説明が多く、話的には盛り上がらない部分なのですが、その辺りの演出も素晴らしい。これらが全て後半の演出に生きてくる。中でもバットマンとして色々とブルースが動き始めるところが好きですね〜。あと、今回の映画で私が痺れたのがバットマン・モービル(車)です。今回の車はまさに戦車!!それがハイウエイを疾走するシーンなんかもうサイコーでした。今回ブルース・ウェインを演じるのはクリスチャン・ベイル。今までで最高のブルースだったです。そして私が印象的だったのがゲイリー・オールドマン。いつもは悪役専門の彼が今回は正義の警察官。その他リーアム・ニーソン、マイケル・ケイン、ケイティ・ホームズ、キリアン・マーフィ、モーガン・フリーマン、そして渡辺謙という超豪華なキャスティング。とにかく最初から最後までスリルと興奮の2時間30分でした。それにしても渡辺謙の登場シーンの少なさにはガッカリしてしまいました
電車男  監督 :村上正典  出演:山田孝之、中谷美紀
 2005年 日本映画
今週のイチ押し:彼女いない歴=年齢のヲタク青年が、ある日電車の中で大暴れをするオヤジに遭遇。彼は美しい女性にからみ始める。今までの人生で最大級の勇気を振り絞って彼女を救ったヲタク君。その夜、彼は彼女に一目惚れをした事をインターネットの掲示板に書き込みをした。数日後、救った彼女からエルメスのペアカップが送られてきた。ネット掲示板に集まってくる名無しさんによって「電車男」と命名されたヲタク君の恋の物語はここから始まった。名無しさんたちのアドバイスでエルメスと命名された彼女をデートに誘う事に成功。以来、電車男とエルメスの恋の行方は、数多くの名無しさんたちの注目の的になった。そして彼らはネット上でしか知らない「電車男」のためにあの手この手で彼の恋愛をバックアップ。そしてついに電車男はエルメスに告白をした。彼の告白の結果をたくさんの名無しさんたちが待っていた。そしてついに・・・
私評:キタ―――――――――(゜Д゜)――――――・・・異常なくらいの売り上げを記録した「電車男」がついに映像化された。原作(というか2チャンネルの掲示板ですが・・)は私も夢中になって読んでしまいました。今の世の中、ほとんどの人が自分の事だけで精一杯。しかし、この物語ではインターネットで知り合った素性も分からない男の恋愛のためにみんなが熱くなり、そして彼の幸せをみんなで分かち合えるところが良いですよね。人の幸せを素直に喜んであげられる事ってこんなに素晴らしい事なのですね。そんな事、当たり前だと思っていても、実際に映像化されると、なおさら感動が沸き起こりますよ。この映画はきっと優しい気持ちにさせてくれる映画です。電車男を演じるのはTV版「ウォーターボーイズ」の山田孝之、エルメスはまさにこのキャラがピッタリの中谷美紀。監督は村上正典。そしてエンディングの歌はOrange Range。この歌がまた良いんですよ・・。
サハラ 監督:ブレック・アイズナー  出演:マシュー・マコノヒー、ペネロペ・クルス
SAHARA  2005年 アメリカ映画
南北戦争時、莫大な財宝を積んだ鋼鉄の戦艦「テキサス」が戦火の中を潜り抜けていく。しかし、テキサスはその後行方不明になってしまう。そして現代。ナイジェリアとマリの国境付近で、ダーク・ピットは一枚の金貨を発見する。それはテキサスが運んでいたものだと確信したピットだったが、なぜ砂漠の真ん中に船が・・??一方、ナイジェリアでは奇妙な病気が流行していた。WHOから派遣された女医エヴァは、その感染源がマリにあると睨む。しかし、マリは内紛が勃発していて将軍のカジムが国境を封鎖していたのだ。通常のルートでは国境越えができないと知ったエヴァはNUMA(国立海中海洋機関)に依頼して水路からの潜入を決意。NUMAのメンバーであるピット、そして彼の相棒のアル、ルディに合流したエヴァはサンデッカー提督のボートを借りマリへと向かう。しかし、何者かがエヴァの命を狙っている事に気付く・・・・・
私評:こんな砂漠の真ん中で、俺たちは何をやってるんだ・・・。クライブ・カッスラー原作のダーク・ピットの冒険シリーズはご存知の方も多いでしょう!ご多分に漏れず、私も彼の小説を何冊か読んでいます。中でも面白かったのは「タイタニックを引き揚げろ」。この作品は1980年に映画化され、日本でも公開されたのですがこの映画を観たカッスラーは、あまりのできの悪さに激怒!!以来、彼の作品は映画化されていなかったのです。(実際、「レイズ・ザ・タイタニック」は酷い映画でした・・)そして今回の映画がどうだったかというと、かなり良くできていました。しかし、映画のテンポがイマイチ良くなくて、アクションシーンとアクションシーンの間が、どうもかったるい。それでもいちど映画の加速がつくと、強烈なアクションシーンに目が釘付け。でも、この映画はたぶんあと20分は短くできたと思います。主演のダーク・ピット役は、こんなにマッチョだとは知らなかったマシュー・マコノヒー。私が原作で描いていたダーク・ピットのイメージとは全然違うのですが、まあ合格点でしょう!エヴァ役はもしかしたらアクション映画初出演?のペネロペ・クルス。しかし、この2人の主演より素晴らしかったのがアル役のスティーブ・ザーン。クセのある役者なのですが、この映画ではピッタリとはまっていました。その他提督役には「セルラー」のウィリアム・H・メイシー。謎の実業家には「マトリックス。リローデッド」のランベール・ウィルソン。サクッとアクション映画が見たい方にはオススメの映画です。
ザ・リング2  監督:中田秀夫  出演:ナオミ・ワッツ、デイヴィッド・ドーフマン
The Ring 2  2005年 アメリカ映画
あの事件から数ヵ月後。レイチェルと息子のエイダンはシカゴを離れ、田舎町に引越しをした。町の小さな新聞社に勤め始めたレイチェルの元に、ある事件のニュースが飛び込んできた。「被害者はすごい顔をしていた・・」レイチェルはいても立ってもいられず現場へと出向いて行った。そこでレイチェルは被害者の少年の顔を見て愕然とする。それは自分の夫の死に顔と同じ。恐ろしい表情だった。そしてその死体の腕が彼女の腕を掴んだ。「見ーつけた!」サマラだった。彼女の怨念が呪いのビデオを生み、そのビデオを見た者は7日目に死んでしまう。そしてレイチェルはそのビデオ連鎖を切ったと思っていた。しかも、サマラのターゲットはエイダンだった。体調を崩し、どんどん体温が下がっていくエイダン。そしてついにエイダンにサマラがとり憑いてしまう。レイチェルは再びサマラの出生を辿り、サマラの生みの親に出会う・・・・・・
私評:ぼくを殺して・・・日本が生んだ恐怖映画「リング」がアメリカでリメイクされ大旋風を起こした。そしてその映画の続編が登場。しかも、今回はリメイクではなく完全なオリジナル・ストーリーになっている。しかも、日本版の「リング」を監督した中田秀夫が、ハリウッドに乗り込んで作り上げた。ところが、今回の映画は「怖さは控えめ」でした。その代わり今回の作品は「親子の愛」が前面に押し出されていて、感動的な作りになっていました。レイチェルが何度も「エイダンのためなら、なんでもやってみせる」と言うのですが、最後に彼女はその勇気と愛情を体現して見せるのです。なんだか不思議な感じがしました。しかし、クライマックスでの井戸のシーンはなかなかの恐怖演出でした。主演は是作に続いてナオミ・ワッツが演じます。今回の母親の愛の強さを演じられるのは、彼女ならではでしょう。そしてビックリしたのがサマラの母親役で登場したシシー・スペイセク。あのキャリーを演じたら彼女が、21世紀のホラー映画で不気味な女役で登場するなんて・・。ホラーファンにはタマリマセン。
戦国自衛隊1549  監督:手塚昌明  出演:江口洋介、鈴木京香、加賀丈志
 2005年 日本映画
秘密裏に行われた人工磁場発生器の実験の最中、的場一佐率いる自衛隊の1個隊が過去にタイムスリップしてしまう。やがて、その事が歴史に何らかの障害をもたらしと思われる謎の暗黒の穴「ホール」が日本各地に現れる。事故から3年後、かつての的場の優秀な部下、鹿島の元に自衛隊の森と神埼が訪れる。彼らは再び起こるであろう磁場の異常を察知し、的場の後を追いかけ過去にタイムスリップすると言うのだ。すでに自衛隊を去っていた鹿島は、最初は断ったものの彼らのミッションに参加する事を決めた。そして彼らは450年前にタイムスリップを成功させた。そこで彼らを待っていたのは、自らを織田信長と呼ぶ的場と彼の部下たちだった。的場はこの時代で天下統一を目論んでいたのだ。歴史には些細な事件ならば修復する力があると信じ、鹿島たちは元通りの時代に戻すため、織田信長に勝負を挑むが・・・・・・
私評:己の信ずる道を進むのじゃ・・・1979年に公開された角川映画「戦国自衛隊」はまさに名作中の名作。CGなんてまったくない時代に、自衛隊の戦車、装甲車、ヘリを実際に使って撮影された。武田騎馬隊2万人対自衛隊の精鋭の戦いは本当に圧巻で、今見てもすごく興奮してしまいます。今回は1979年版とはストーリーも設定も変えて、新たな戦国自衛隊映画になっています。しかし、オリジナル映画の素晴らしさを知る私には、物足りなさでいっぱい・・。イチバンの敗因は「CGの多用」です。確かに実際の撮影ではでき得ないすごい絵にはなっているのですが、なんだか軽いんです。また、ストーリーも取ってつけたように都合の良い展開でイマイチ・・。前作との比較はしたくないけど、やっぱり気にしてしまいますよね。鹿島役は江口洋介、神崎役は鈴木京香、的場役を加賀丈史、その他北村一輝、的場浩司、嶋大輔、綾瀬はるかという良い面子が揃っています。脚本は「ローレライ」「亡国のイージス」の福井晴敏、監督は「ゴジラシリーズ」の手塚昌明。


前回の記事も読んでね〜!



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