2016/6/12  

今回、一気に9作品をアップ!さらに頑張れ、おれ!

ヒメアノール  監督: 吉田恵輔  出演 : 泉洋、有村架純、長澤まさみ
 2015年 日本映画
今回のイチ押し:ビルの清掃会社に勤める岡田は何のとりえもない男。毎日をただ漠然と生きていて、その事が不安になっている。その点、彼の仕事の先輩の安藤はポジティブだ。そんなある日、岡田は安藤に誘われておしゃれなカフェを訪ねる。安藤のお目当てはそこに勤めるユカ。彼はユカに恋をしていたのだ。岡田がふとカフェの外を見ると高校時代の同級生の森田がいた。ユカと話をする機会を得た岡田と安藤は、森田がユカにストーキングしている事を知る。相談を受けているうちに岡田とユカは付き合う事になるが、岡田は森田が気になっていた。高校時代森田は酷い虐めにあっていて、岡田はそれを見て見ぬふりをしていたのだ。しかし、ある事件をきっかけに森田は人格が変わっていた・・・
私評: あいつ、邪魔だから殺す・・・コミック原作のこの作品について、私は全く何の情報も持たずに映画館に行きました。選んだ理由はR15の猟奇殺人犯の話という事のみ(笑)。しかし、あまりの凄さに度肝を抜かれました。とにかく不気味で人間性を欠く森田が怖い。平気な顔をして嘘をつくシーンにすごい嫌悪感を抱いた。その対象にいる岡田は温厚で真面目。しかし、彼は色々なことから逃げている。この正反対のふたりの共通項が「いじめ」。ある事件から暴走し続ける森田って、もしかしたら近くにも居そうな気もします。そんな森田を演じるのはV6の森田剛。なんと彼は単独では映画初主演!彼の演技は壮絶です。岡田役は「HERO」「予告犯」の濱田岳。彼もたくさんの映画に出ていますよね。そしてユカ役は「腑抜けども、哀しみの愛を見せろ」の佐津川愛美(超可愛い)。その他、ムロツヨシ、大竹まことなど・・。監督は「さんかく」「麦子さんと」の吉田恵輔。
殿、利息でござる!  監督 : 中村義洋  出演 :阿部サダヲ、瑛太、松田龍平
 2016年 日本映画
今回のイチ押し:江戸時代の中期。財政困難な仙台藩は庶民に重い税を課していた。寂れた宿場町の吉岡でも夜逃げが相次いでいる。造り酒屋の穀田屋十三郎はこの町の行く末を案じていた。そんな時、この町に知恵者である茶師、菅原屋が帰って来る。早々に町の惨状を知った菅原屋は、藩に大金を貸し付けてその利息をいただくというとんでもないアイデアを提唱する。しかし、そのために必要な金は少なく見積もっても千両!町の有力者たちを囲い込み、私財を投げ打ってまで金集めに勤しむ十三郎。金の亡者で十三郎とは反りが合わない、実の弟の甚内、そしてみんなが集まる飯屋の女将まで巻き込んで、徐々に金が集まり始める。しかし、仙台藩の財政担当の萱場も一筋縄でいく男ではなかった・・
私評:今日は歩いてここまで来たぞ・・・この話って実話なんだそうです。しかも、彼らが作り上げた金貸しのシステムは長年に渡って仙台では採用され多くの人々を苦役から守ったのだそうです。もちろん、そんな突拍子もない事がトントン拍子で行くはずもなく苦労も多かったと思いますが、映画の方はコミカルに描かれていて、最初から最後まで楽しく観る事ができました。これぞジャパニーズ・エンターテインメント!そして人間ドラマもそこはかとなく描かれているのが良いですね。十三郎役は「謝罪の神さま」の阿部サダヲ。この映画の中では彼はとってもまじめな役。だから面白いのですが。彼の弟の甚内役は「悪人」の妻夫木聡、菅原屋は「一命」「まほろ駅前便利軒」の瑛太、女将役は「残䵷」の竹内結子。その他、松田龍平、山崎努、寺内康文、西村和彦などなど。そして驚きは千代藩主役で登場するフィギュアスケートの羽生結弦。ハンサムでキリっとした感じは殿様にピッタリでした。監督は「白ゆき姫殺人事件」「残䵷 住んではいけない部屋」の中村義弘。
デッドプール  監督 : ティム・ミラー  出演 : ライアン・レイノルズ、モリーナ・バッカリン
Deadpool  2016年 アメリカ映画
今回のイチ押し:元傭兵のウェイドは自分の物差しで悪人と見るや徹底的に懲らしめて金を巻き上げている。そんな彼もヴァネッサという女神と出会い結婚を決意。幸せの絶頂だった。しかし・・・、彼は不治の病に冒されていて余命も限られていた。そんな時、ウェイドは謎の組織から病気を治せると誘いを受け、怪しい人体実験を受ける事に。そしてウェイドは驚異的な治癒能力と不死身の体を手に入れるが、実験の副作用で体中の皮膚がただれてしまう。実験を行ったエイジェックス=フランシスは彼を元の姿に戻せると言う。しかし、数々の拷問に遭いやっとの思いで施設から逃げ出したウェイドは醜い姿に赤いコスチュームを纏い、「デッドプール」という名でフランシスを探し続ける。一方、そんな彼を「X-MEN」のメンバーのコロッサスとネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッドがつきまとう・・
私評:X-MENになんてならねえよ。ハゲのプロフェッサーに言っとけ!・・・最近のこういう映画って何でも3Dにしちゃうけど、この映画はしっかり2D!確かに頭が吹っ飛んだり、壁に叩き付けられて潰されたりするので、3Dでは強烈すぎるかも??デッドプールのキャラクターが面白いのですが、あの独特なしゃべり方は字幕ではなかなか伝わってこないのが残念。今度、吹替えも観てみよう。実はデッドプールって「ウルヴァリン ZERO」に出ていたんですよね~。あまり、記憶に残っていないので再チェックせねば!デッドプール役は「グリーン・ランタン」のライアン・レイノルズ。実はこの映画には彼以外は有名人が出ていない!エンジェル・ダストという悪役で「ワイルド・スピード EURO MISSION」のジーナ・カラーノが登場。ヴァネッサ役はモリーナ・バッカリン、NT・ウォーヘッド役はブリアナ・ヒルデブランドちゃん。監督はこれが長編映画監督デビューとなるティム・ミラー。
海よりもまだ深く  監督 : 是枝裕和  出演 : 阿部寛、樹木希林、真木よう子
 2016年 日本映画
15年前に一度だけ文学賞を受賞したことがある作家の良多。今は作品の取材を兼ねてという理由で探偵会社に勤めている。しかし、彼のだらしなさは天下一品。探偵の調査費を誤魔化したり、やっと手に入れた金もすぐにギャンブルで使い切ったり・・・。そんな彼だが同じ探偵事務所所に勤める町田は良多に一目置いている。良多には別れた妻、響子がいる。最近、新しい恋人ができたらしく良多は気が気ではない。そんな良多の楽しみと言えば息子の慎吾と過ごす時間。息子の前ではつい見栄を張ってしまうのだ。良多の母親の淑子は団地でひとり暮らし。たまに良多が来るとつい面倒をみたくなる。そんなある台風の夜、ひょんな事で良多、響子、慎吾が淑子の団地で一晩を過ごすことになる・・
私評:こんな木でも何かの役には立っているのよ・・・なんの変哲もない、どこにでもいそうな家族の物語です。だらしない中年男はやる事なす事いちいち気に障るのですが、そんな男でも彼を見ていてくれる人がいる。今まではことごとくみんなの期待を裏切ってきた良多に残っていた最後の良心は父親である事。それに気づくまでにとっても遠回りするのです。日常の何気ないやり取りもこの監督の手にかかるとすごくドラマチックになってしまう。映画を観終わった後はなんだかとっても心地良い気分になれました・・・。良多役は「エヴェレスト神々の山麗」「テルマエ・ロマエ」の阿部寛。彼のダメ男ぶり、最高です!響子役は「そして父になる」「蜜のあわれ」の真木よう子、淑子役は「あん」「海街Diary」の樹木希林。その他、小林聡美、リリー・フランキー、池松壮亮などなど。監督は「海街Diary」「歩いても、歩いても」の是枝裕和。
ちはやふる 下の句  監督 : 小泉徳広  出演 : 広瀬ずず、野村修平
 2016年 日本映画
千早率いる「瑞沢高校競技かるた部」は東京都大会を勝ち上がり、全国大会に駒を進めた。その事を幼なじみの新に伝えるために、千早は太一と一緒に岐阜を訪ねる。しかし、新はもうかるたはやらないと宣言する。ショックを受ける千早だったが全国大会に向けて再び練習に打ち込む。そんな時、千早は競技かるた界の最強クイーンと呼ばれる若宮詩暢の存在を知る。新が再びかるたに目を向けるには詩暢に勝つしかないと考えた千早は、部を離れ独自で自分自身の強化に励む。単独行動に対して後ろめたさはあるものの、走り出したら止まらないのが千早。しかし、太一、そして部員たちの言葉は千早に「チームワーク」の大切さを思い出させるのだった・・
私評:かるたはチームプレイやないって事を思い知らせたる・・・前編の勢いをそのままに青春炸裂映画になっています。部活の作品は今回のかるたに限らず面白い作品が多いですよね。熱いかるたバトルはもちろん、恋も友情もある、まさに青春王道を行く映画。おじさんの私が観ているとどうにも危なっかしい千早にそわそわしちゃいました。そしてなんと来年、この作品の続編ができるそうです!最強クイーンとの再戦でしょうかねぇ!?前作に引き続き千早役は「海街Diary」の広瀬すず、太一役は「ビリギャル」の野村修平、新役は「仮面ライダードライブ」の真剣佑。その他、「舞子はレディ」の上白石萌、「地獄でなぜ悪い」の國村隼・・・。そして新たな布陣として最強クイーン役で「リトル・フォレスト」の松岡茉優(可愛い~!!)監督は小泉徳広。
64(ロクヨン) 前編  監督 : 瀬々敬久  出演 : 佐藤浩市、綾野剛、長瀬正敏
 2016年 日本映画
わずか7日で終わった昭和64年。しかし、その7日の間に悲惨な少女誘拐事件があった。通称「ロクヨン」事件。犯人から身代金の要求があり、指示通りの受け渡しをするが少女は無残な死体で発見された。それから14年の歳月が流れたが犯人はいまだに捕まっていない。当時の捜査に関わっていた三上はいま、刑務部の広報担当になっている。日々、署内の記者クラブとの調整に頭を悩ませている。また、刑事部と警務部の対立を目の当たりにしていてやりきれない気分だ。そんな時、警察庁長官がこの地にやって来る事になった。長官はまもなく時効を迎える「ロクヨン」にも触れ、被害者の雨宮宅にも訪れるという。その段取りも三上の仕事だった。久しぶりに雨宮を訪ねた三上は、仏壇に置かれたご仏前の名前に気を留める。幸田は「ロクヨン」事件の時、犯人からの電話を取り次いでいた・・
私評:これは警察の考えではない。俺自身の考えだ・・・原作、そしてNHKのドラマ観ている私は3回目の「ロクヨン」です。原作者の横山秀夫さんの本は、推理小説としても面白いのですが、やはり警察内部の描き方が生々しくて素晴らしい。今回も各部署の確執や軋轢が見事に描かれていて、さらに記者クラブという存在も強烈なインパクトを残しました。しかし、前編は一番盛り上がったところで終わり、後編へと引き継がれます。私は前後編に映画を分ける事に懐疑的ですが、この作品についてはじっくりと描かれていて何の異存もございません。そして注目は最強のキャスト。佐藤浩市、夏川結衣の夫婦、広報担当部署に綾野剛、金井勇太、榮倉奈々。警察側で滝藤賢一、椎名桔平、仲村トオル、奥田瑛二(この4人が超ムカつく)、三浦友和、吉岡秀隆、窪田正孝、鶴田真由。雨宮役は永瀬正敏。そして記者クラブメンバーに瑛太(すごい!新たな一面!)、坂口健太郎・・。まだまだいます。監督は「アントキノイノチ」の瀬々敬久。
スノーホワイト 氷の王国  監督 : セドリック・ニコラス=トロイアン  出演 : クリス・ヘムズワース、エミリー・ブラント
The Huntsman Winter War  2016年 アメリカ映画
スノーホワイトとの戦いに敗れた邪悪な魔女ラヴェンナには妹のフレイヤがいた。かつてフレイヤは心を焦がすような恋をして、彼の子供を産んだ。しかし、なぜか相思相愛だったはずの男によって子供を殺され、フレイヤは何でも凍らせてしまう魔力を得ていた。そしてフレイヤはラヴェンナの元を離れ、独自で王国を築いていた。フレイヤの王国は領土を拡大するために子供たちを誘拐しては兵士に育て上げていた。その子どもの中には後にスノーホワイトと一緒にラヴェンナを倒すハンターのエリックもいた。彼と一緒にこの地に来たサラとエリックはいつしか恋心を抱き結婚を約束する。しかし、フレイヤの王国では「愛」はご法度だった・・
私評:鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰??・・・前作は「白雪姫」がベースなっていたのでタイトルも「スノーホワイト」で良かったのですが、なんと今回スノーホワイトは出てきません!主演はハントマンのエリックです。今回のアクションシーンは前作ほどではないのですが、とにかくCGがすごい。特に氷のCGはお見事です。けっこう笑えるシーンもたくさんあって肩ひじ張らずに呑気に楽しみたいならもってこいの作品(褒めてるつもりです)。そしてこの作品に集結したスターにも注目!エリック役は「マイティ・ソー」のクリス・ヘムズワース、フレイヤ役は「ボーダーライン」「イントゥ・ザ・ウッズ」のエミリー・ブラント、サラ役は「クリムゾン・ピーク」「オデッセイ」のジェスカ・チャスティン、そして並み居る美女陣たちが霞んでしまうくらい美しいのが「マッドマックス 怒りのデスロード」のシャーリーズ・セロン!美しく、狂気に満ちた魔女と言う役はまさに彼女にピッタリ!素晴らしかったです。監督はセドリック・ニコラス=トロイアンって誰やねん!?
ヘイル、シーザー!  監督 : ジョエル&イーサン・コーエン  出演 : ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー
Hail, Caesar!  2016年 アメリカ・イギリス映画
1950年代のハリウッド。最盛期の映画スタジオでは歴史超大作の「ヘイル、シーザー!」の撮影が行われている。主演は当代きっての大スターのウィットロック。しかし、あろう事か彼が何者かに誘拐されてしまう。スタジオ中がパニックになる中でウィットロックの捜索を依頼されたのはスタジオの「なんでも屋」のエディ。さしあたり女の元にいるのではとお気楽に考えていたエディだったが10万ドルの身代金を要求する電話が経理に入る。しかし、「なん何でも屋」の元には次々と依頼が舞い込んでくる。イギリスの巨匠を手こずらせるイケメンだけが取り柄の俳優、ゴージャス&セクシーで売り出し中の女優の妊娠騒動と次々と解決して行くが・・
私評:これがホンモノの映画だ~!!!・・・コーエン兄弟の新作はなんともお気楽なコメディ。豪華な俳優陣がみんな楽しそうに演じています。コーエン兄弟もきっとハリウッドの超大作を見て育ったのでしょう。だからこそ、こんな映画を撮ってみたかったのでしょう。スペクタルなシーンはないけど、懐かしいセットや演出の数々に思わずニヤリ。それらはどこかで観た事があるシーンなんですよね。そして出演するスターたちも、当時のスターの誰かにあて書きされているような気がしました。それを想像してみるのも面白いですよ。出演者は・・・ジョシュ・ブローリン(はまり役)、ジョージ・クルーニー(笑えます!)、ジョナ・ヒル、チャニング・テイタム(ダンスがキレッキレ!)、ティルダ・スウィントン(怪しい・・)、レイフ・ファインズ、フランシス・マクドーマン、そしてスカーレット・ヨハンソン(エロい!)という超超超~豪華な顔ぶれ。監督は「ノー・カントリー」のジョエル&イーサン・コーエン兄弟。
探偵ミタライの事件簿 星籠の海  監督 : 和泉聖治  出演 : 玉木宏、広瀬アリス、石田ひかり
 2016年 日本映画
数々の難事件を解決してきた天才脳科学者の御手洗の元に、女性編集者のみゆきが訪ねてくる。彼が担当する作家にアイデアを与えるため、御手洗に事件を解決してもらおうという魂胆だ。みゆきが用意した数々の未解決事件の中で御手洗が目を留めたのは、瀬戸内海の小さな島(死体島)の事件だった。その島ではこの半年間で6体もの死体が流れ着いていた。そこの海に立った御手洗はすぐにその謎にたどり着いた。事件のカギは瀬戸内海の複雑な潮流だった。いずれの死体も広島県の福山市から流れ着いたと分かった御手洗、そしてみゆきは現地に向かった。するとすぐに外国人の女性の変死事件に遭遇。そして地元の大学の教授、滝沢の身辺でも不穏な出来事が起こる。しかし、それらの事件にはすべて繋がりがあった。天才御手洗は事件を解決できるのか??・・
私評:事件のピースは全部出揃ったよ・・・島田荘司の御手洗作品を最初に読んだのはもう30年以上も前。「斜め屋敷の犯罪」でした。それ以来、けっこうな数の彼の作品を読んでいます。今回、映画化された「星籠の海」も2-3年前に読んでいます。天才と呼ばれるだけあって事件の解決がスマートで、私的には明智小五郎タイプ。中でも今回の「星籠の海」は幾つかの事件が絡み合うという実にクレバーな内容。まさに映画向きの作品だと思いました。しかし映画の方は、正直に言うとちょっと物足りない。と言うのも映画らしさが感じられなくてテレビドラマのレベルだったから。題材が良いだけにもったいないですね~。御手洗潔役は「のだめカンタービレ」の玉木宏。なんだか久々に彼を見たような・・・。みゆき役は「銀の匙」の広瀬アリス、(すずちゃんのお姉ちゃん)、滝沢役は懐かしい石田ひかり(すっかり太って別人です)。その他、小倉久寛、要潤、谷村美月、吉田栄作。監督は「相棒」シリーズの和泉聖治。


前回の記事も読んでね~!



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