2015/6/7

もう、6月か~。なんて時間が経つのが早いこと・・・。
今回のイチ押しはカンヌが愛した日本の女性監督。

あん  監督 : 河瀬直美  出演 : 樹木希林、長瀬正敏
 2015年 日本映画
今回のイチ押し:どら焼き屋の雇われ店長の千太郎は無口で、毎日黙々とどら焼きを作り続けている。女子生徒たちのたまり場になっているが商売はうまく行っているようには見えない。しかし、千太郎はこの店のオーナーに借金もあり、文句ひとつ言わず働き続けている。彼は過去にある事件を起こしていて、今もそれを引きずっているのだ。そんなある日、彼の店に徳江という老女が訪ねてくる。彼女はここで働きたいという。素性もわからず、しかも75歳という年齢もあり千太郎は申し出を断るが、数日後に徳江は自分で作ってきた「あん」を届けに来た。今までは業務用のあんを使っていたが、徳江のあんを食べて千太郎はその美味さに驚いてしまう。一度は採用を断ったものの、千太郎は徳江を雇うことにした。翌日は早朝からあん作りが始まる。おいしさが格段にグレードアップしたどら焼きは評判を呼び、ついには店の前に行列ができ始める。しかし、徳江の病気についての悪い噂が飛び交い、いつしか客足が遠退いてしまう・・
私評:私はあずきに話しかけているの・・・素晴らしい人間ドラマでした。徳江が抱えていたのは「ハンセン病」。今では治療方法も確立され伝染もしないと分かっているのですが、徳江はずっと隔離された施設で育ってきた。そんな女性を演じる樹木希林の演技が素晴らしい。この時代になっても偏見の目で見られるのですが、そんな事実を静かに受け止める。そして短いながらも初めて外で働いた時間は彼女にとってかけがえのない素敵な時間となったのです。それら徳江がを静かに語るシーンでは本当に涙が止まりませんでした。どら焼き屋の店長役は「毎日かあさん」の永瀬正敏。(太ったので誰だか分からなかった・・)彼も無口な男の役なので、この作品って基本的には会話が少ない。ふたりに絡む(またまた無口な)女子中学生のわかな役は内田伽羅(本木雅弘と内田也哉子の娘)。その他、市原悦子、水野美紀、浅田美代子など。監督はカンヌが愛した女性監督、「萌の朱雀」「2つ目の窓」の河瀨直美。すばらしいドラマです。必見です!
ジェームズ・ブラウン 最高の魂を持つ男  監督 : テイト・テイラー  出演 : チャドウィック・ボーズマン、ネルサン・エリス
Get On Up  2014年 アメリカ・イギリス映画
今回のイチ押し:ジェームズ・ブラウンは少年時代、極貧の生活をしていた。母親は夫の暴力に耐えかねJBを置いて出ていった。その父親もJBを育てることはできず、親戚の家に預けることにした。JBはそこの叔母に可愛がられて育つが、ある日スーツを盗もうとして捕まり刑務所に入れられてしまう。そこに慰問でやってきたバンドの音楽に乗ってJBは踊り、歌い始める。そして彼はバンドメンバーのボビーと運命の出会いをする。ボビーの手はずで出所したJBはボビーと一緒に音楽活動を始める。JBのバンドは徐々に頭角を現し音楽界を席巻していく。しかし、バンドメンバーとの諍い、別れた母との再会などがJBを悩ませる。そしてさらに時代は大きな変革期に差し掛かり、黒人たちの社会的な立場も変わっていくなか、常にJBは彼らを叱咤激励し、そしてリードしていくのだった・・・
私評:ファンクって何ですか?? ・・・とにかくパワフルな映画でした。日本でも私よりちょっと上くらいの年齢の方はJBにハマった方が多いのでは?私は全盛期はあまり知らなかったのですが、映画の「ブルース・ブラザーズ」や「ロッキー4」に出ているのを見て、後から追いかけました。ソウル界、R&B界の帝王と呼ばれる彼のぶっとい生き方、信念をもって行動するそのパワー、そして最高のステージパフォーマンスがこの映画にはギッシリと詰め込まれています。彼を知っている人たちも納得、そして彼を知らない世代には驚異だと思いますよ。映画を観ているとついつい体が動いてしまうのでご注意を!(笑)JB役は「42~世界を変えた男~」でも実在の黒人メジャーリーガーを演じたチャドウィック・ボーズマン。彼がJBを完コピ。話方や仕草も然ることながら、あの圧巻のダンスを見事に再現。特にライブシーンは彼以外のバンドやダンサーも完コピ。すごいです!ボビー役は「大統領の執事の涙」のネルサン・エリス、バンドのマネージャー役は「ゴースト・バスターズ」のダン・エイクロイド。その他、オクタビア・スペンサー、ヴィオラ・デイビスなど黒人の粋なおば様たちが良いです。監督は「ヘルプ 心がつなぐストーリー」のテイト・テイラー。この映画もサントラゲットです!
呪怨 ザ・ファイナル  監督 : 落合正幸  出演 : 平愛梨、おのののか、桐山蓮
 2015年 日本映画
小学校の教師をしている結衣が消息を絶った。そんな時、彼女の姉の麻衣の夢に結衣が現れ助けを求めた。数日後、結衣の学校から彼女の身の回りの品が送られてきた。その中に入っていた日誌には、俊雄という少年の事が細かに書かれていた。それが気になった麻衣は俊雄の家を訪ねるが家はすでに解体されていた。実は俊雄の父親は妻の伽耶子を殺したあとに姿を消していて、俊雄は親戚の家に引き取られていたのだ。しかし、そこの家でもおぞましい不可思議な事が起こっていた。麻衣は恋人の蒼汰と暮らしていたが、結衣が持ち込んだと思われる呪いは彼にも伝染していく。地下鉄勤務の彼は誰もいないプラットホームで恐ろしい体験をしてしまう。自宅に帰った彼は麻衣が見ていた伽耶子の日記を見て震え上がる。すぐに処分をするが、なぜかまた部屋の中で発見される・・
私評:断ち切れないの・・・1999年にビデオ版で登場した『呪怨』もこれが最後(らしい)。しかし、今までの恐怖シーンを寄せ集めて繋ぎ合わせたような内容は、新たな恐怖を生むことはできず、正直ガッカリな内容でした。私は完成披露上映で観たのですが、ここに集ったのはほとんどがホラーの猛者たち。みんなピクリともしなかったです。ちょっと新しいものと言えば俊雄君の叫び声。映画館で見ると超音波みたいで思わず耳を塞ぎたくなりました。これは劇場でしか体験できません。ラストはネタバレになるので言いませんが、続きができますね。主演は「20世紀少年」の平愛梨。彼女はすごいビビりらしく撮影中にピンチになったらしい??俊雄を引き取る一家の娘役で伝説の球場のビール売り娘・おのののかが登場。最初はどうかなと思ったのですが、怖がる演技はかなりいいです!そして前作に引き続き結衣役で佐々木希。監督は「感染」「呪怨 -終わりの始まり-」の落合正幸。個人的には最後の作品は生みの親である清水崇にやって欲しかったな~・・・。


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