2015/5/31

真夏のような暑い日が続いていますが、こういう時こそ映画館!?
イチ押しは暑さをふっ飛ばす痛快ミュージカル、人情味溢れる感動作
そしてヨーロッパ産のミステリー。

ピッチ・パーフェクト  監督 : ジェイソン・ムーア  出演 : アナ・ケンドリック、アンナ・キャンプ
Pitch Perfect  2012年 アメリカ映画
今回のイチ押し:バーデン大学の女性アカペラグループの「バーデン・ベラーズ」は念願の全国大会に進出。しかし、メインボーカルのオーブリーは緊張のあまり・・・。それから数ヵ月後、バーデン大学に新入生がやってくる。彼女の名はベッカ。音楽プロデューサーになるのが夢だがこの大学の教授でもある父親の説得があったため渋々入学をしたのだ。バーデン・ベラーズの新リーダーになったオーブリーはベッカに声を掛けるが「歌には興味がない」とそっけなく断ってしま。そんなベッカは大学のラジオ局内でCDの整理という地味なバイトを始める。しかし、彼女が作った曲がいつか使ってもらえると確信をしていた。そんなある日、ベッカがシャワー室で鼻歌を歌っていると、バーデン・ベラーズのクロエに絶賛される。父親から積極的に大学生活に参加する事を促されたベッカはバーデン・ベラーズのメンバーになった。そこには超個性的な女たちが集まっていた・・
私評: 今夜、アカペラの時代が変わった!!・・・アメリカでは2年前に公開されて大ヒット。つい最近、パート2が公開されて驚異的なヒットをした。それがフックになったのか、ようやく日本でも公開です。アカペラの音楽が好きなせいもあるのですが、とにかく耳に心地良い音楽がいっぱい。そして個性的な登場人物たちが自ら歌って踊って・・・。また、この作品はブロードウェイ出身。やっぱりねって感じがします。基本的にはコメディなので笑いどころがいっぱい。そして最後のライブで大感動!これはこの手の映画では定石なのですが私はとにかく気に入ってしまい、速攻でサントラも購入しました!主演は「マイレージ・マイライフ」のアナ・ケンドリック。彼女は「イントゥ・ザ・ウッズ」でも歌ってましたね。彼女の歌、最高です。ベッカの気になる異性ジェシーを演じるのはスカイラー・オースティン、オーブリー役は「ヘルプ 心がつなぐストーリー」のアンナ・キャンプ、そしてファットエミー(太っちょエイミー)役は「ナイト・ミュージアム エジプト王の秘密」のイギリスの博物館の職員を演じたレベッカ・ウィルソン。そして審査員役は「スパイダーマン」「ハンガーゲーム」のエリザベス・バンクス。監督は舞台監督出身でこれが映画は初監督となるジェイソン・ムーア。 
駆け込み女と駆け出し男  監督 : 原田眞人  出演 : 大泉洋、戸田恵梨香、満島ひかり
 2015年 日本映画
今回のイチ押し:時は江戸時代。鎌倉にある東慶寺は政府公認の駆込寺。女たちがそこに駆け込2年が経てば離縁を申し立てられるのだ。しかし、寺に入る前には御用宿の柏屋で身上調査が行われる。柏屋の居候で駆け出しの医者の信次郎は江戸でいざこざを起こしここにやってきた。駆け込んできた女たちはここの当主である源兵衛と面接をしてから東慶寺に入るのだ。そんなある日、顔にやけど傷を持つ女“じょご”とお吟が東慶寺に駆け込んだ。ふたりは偶然、同じタイミングで東慶寺に駆け込もうとしていて道中で出会った。じょごは怪我をしたお吟を荷車に乗せてここまで連れてきたのだ。お吟は日本橋の唐物問屋の妾。ある事情から彼の元を去ったのだ。一方のじょごは腕の良い鉄練職人だったが、彼女の亭主はじょごに働かせて自分は酒と女に浸っていたのだ・・
私評:私、お吟さんに会えて良かった・・・とにかくセリフが多い。そして早口。この映画の役者さんたちは大変だったと思います。まさに「捲したてる」って感じ。しかも、ワンカットが長く一気の撮影している。だからこそ、作品のテンポがすごく良いのです。しかし、この映画の良さはやっぱり原作に込められた人情味あふれるドラマ。粋なセリフも多いんですよ・・。そして最後は畳み込むような感動のつるべ打ち。とてもイイ映画でした。泣きました!日本映画はこういう路線に活路を見出して欲しい。信次郎役は「清洲会議」「青天の霹靂」の大泉洋、じょご役は「エイプリルフールズ」「SPEC」の戸田恵梨香、お吟役は「悪人」「愛のむきだし」の満島ひかり。この主演の3人の演技が本当に素晴らしい!その他、樹木希林、内山理名、陽月華、キムラ緑子、武田真治、堤真一、山崎努という豪華な顔ぶれ。監督は「突入せよ!「あさま山荘」事件」「クライマーズ・ハイの原田眞人。
真夜中のゆりかご  監督 : スサンネ・ビア  出演 : ニコライ・コスター=ワルドー、マリア・ボネヴィー
A Second Chance  2014年 デンマーク映画
今回のイチ押し:真面目な刑事のアンドレアスは妻のアン、そして生まれて間もない息子アレクサンダーと幸せに暮らしている。そんなある日、アンドレアスは通報を受けたアパートに踏み込んだ。そこでは出所してきたばかりのトリスタンと彼の妻のサネが大声で言い合いをしていた。アンドレアスはその家のクローゼットの中で糞尿にまみれた乳児を発見する。しかし、法律に守られて乳児は保護することができなかった。そんな時、アレクサンダーが急死する。泣き叫ぶアン、そして必死に蘇生を試みるアンドレアス。しかし、息子は戻ってこなかった。警察に通報しようとするとアンは息子と引き離すなら自分も死ぬと言い出す。アンドレアスはアンに薬を飲ませて眠らせて、息子を連れてトリスタンの家に向かう。爆睡をしているトリスタンとサネの目を盗んでアレクサンダーとトリスタンの息子を入れ替えるが・・
私評:この子は私の息子じゃない・・・デンマークの映画です。妻のために悪事に手を出してしまった刑事。しかし、この映画の面白さはそこから始まる。彼の予想の枠を大きく外れる展開になってしまい、事実を隠蔽するためにアンドレアスが暴走していく。その展開が恐ろしい。しかし、さらに驚くべき事実が浮上。すでに私の中ではかなりのショックを受けていたのですが、追い打ちをかける新たな事実に完全に打ちのめされました。しかし、この映画の凄さはシナリオです。完全無欠とは言いませんが次々とアンドレアスを襲う事件が、見事なまでにリアルです。アンドレア役は「オブリビオン」「MAMA」などハリウッドでも活躍中のニコライ・コスター=ワルドー、彼の相棒のシモン役は「遊星からの物体X ファーストコンタクト」のウルリク・トムセン、トリスタン役は「天使と悪魔」の殺し屋を演じたニコライ・リー・コス。監督は「未来を生きる君たちへ」のスサンネ・ビア。
チャッピー  監督 : ニール・ブロムカンプ  出演 : シャールト・コプリー、デヴ・パテル
Chappie  2015年 アメリカ映画
犯罪の巣窟である南アフリカで、ロボットによる警備が始まった。そのロボットを開発したのは若きエンジニアのデオン。しかし、彼はさらに上を行くロボットの開発に明け暮れていた。それは高度の人工知能を備えたロボット。デオンはようやくソフトを作り上げるが、会社のトップのミシェルは人工知能をロボットに組み込む事を許さなかった。諦めきれないデオンはスクラップ寸前のロボットを盗み出し、AIをインストールしようとするがギャング団に誘拐されてしまう。AIを組み込んだロボットはギャング団に奪われ「チャッピー」と名付けられる。急速に情報を吸収して成長するチャッピーはギャングとしての生き方を学んでいく。一方、デオンを毛嫌いする彼のライバルのエンジニアのヴィンセントは、チャッピーの存在を知りその事をミシェルに密告する・・
私評:意識はインストールできないんだ・・・AIってどこまで行っちゃうんでしょうね?人間のように考えることができるコンピューターを描いた作品はたくさんあります。考えてみればチャッピーのアイデアは「A.I.」や「アイ・ロボット」で使われている。しかし、今回ちょっと違うのが赤ん坊のように真っ新なAIがギャング団に育てられること。しかし、その純真さが彼らにも伝わって・・・。結局、チャッピーも強欲な人間が産んだ可哀想なロボットなのです。ところがこの映画はラストがとんでもない。過去のこの手の映画との差別化でしょうが、強引すぎ(笑)。まあ、これも「あり」ということで・・・。チャッピー役は監督が絶対の信頼を置き、盟友でもある「第9地区」のシャールト・コプリー。もちろんチャッピーはCGですが、元の動きや声は彼が担当。デオン役は「スラムドッグ&ミリオネア」のデヴ・パテル。そしてギャング団役はニンジャ&ヨ=ランディ・ヴィッサー。南アフリカ出身のラップパフォーマンス集団。彼らがすごいインパクトです。その他、ヒュー・ジャックマン、シガニー・ウィーバーなどなんとも贅沢な脇役!監督は「第9地区」「エリジウム」のニール・ブロムカンプ。
イニシエーション・ラブ  監督 : 堤幸彦  出演 : 松田翔太、前田敦子、木村文乃
 2015年 日本映画
1980年代・・・。鈴木夕樹は冴えない大学生。コンパには呼んでもらえるが、彼の役回りはあくまでも人数合わせ。そんなある日、彼はコンパで美しい女性と出会う。彼女の名前は成岡繭子。彼女は鈴木の周りのいい男たちではなく、鈴木に話しかけてきたのだ。みんなで出掛けた海水浴で電話番号を知らせてくれた繭子と鈴木は急速に接近。彼女のためにワンランク上の男になろうと鈴木は決意した。そしてふたりは付き合うことになった・・・鈴木は繭子のために静岡の会社に就職するが東京への出向が決まる。電話での会話、そして週末は東京からスターレットに乗って静岡に帰ってくる。しかし、遠距離恋愛は次第にふたりの間に溝を作る。そんな時、繭子の妊娠が・・
私評:鈴木くんことを「たっくん」って呼ぶね・・・原作は160万部突破のベストセラー。私は未読ですが予告編に惹かれてこの映画を見に行きました。「ラスト5分できっとあなたは騙される」、なんて言われたら絶対に見破ってやろうとするじゃないですか。しかし、私はけっこう早い段階で見破ってしまいました。これって活字だから面白いんじゃないかな??逆に原作がどんな描き方をしているのか読んでみたくなりました。だけど、この映画の面白いのがこだわりの80年代の描き方。黒電話、テレカ、かっとびスカーレット(車)、サングラス、当時のヒット曲、そしてふたりのファッションも、今見るとけっこうダサい。私はそんな時代のど真ん中が青春だったのでニヤニヤしちゃいました。鈴木役は「ライアーゲーム」の松田翔太、繭子役は「さよなら歌舞伎町」の前田敦子。このふたりがいいです!鈴木の東京の恋人、石丸美也子役は「くちびるに歌を」の木村文乃。その他、贅沢な脇役として木梨憲武、片岡鶴太郎らも登場します。監督は「TRICK」「SPECK」の堤幸彦。
メイズ・ランナー  監督 : ウエス・ボール  出演 : ディラン・オブライエン、ウィル・ポールター
The Maze Runner  2015年 アメリカ映画
青年は荷物と一緒のエレベーターで目を覚ました。行き先はわからない。てっぺんに到着すると天井が開けられそこでは多くの青年たちが待ち受けていた。到着したとき、青年は全ての記憶を無くしていたがトーマスという名前だけは思い出した。たどり着いた場所は四方を高い壁で囲まれていた。その場所では青年たちがしっかりとした秩序のもとで暮らしていた。壁には切れ目があり、そこは迷路(メイズ)になっている。メイズに入れるのはランナーと呼ばれる偵察隊だけだった。そんなある日、一行のリーダーのアルビーがランナーと一緒にメイズに行ったところ重症を負ってしまう。巨大な入口が閉まる直前にトーマスはメイズに飛び込みランナーと合流した。しかし、メイズに閉じ込められた一行を謎の生物が襲う。しかし、その生物をトーマスが殺し、翌日に無事に生還した事で事態は一変する・・
私評:ここで生きることよりも出口を探す・・・世界中でヒットを記録した三部作の第1弾。すごい映像の予告編で期待度は150%。だけど、けっこう簡単に出口まで行っちゃうんですよね。脱出のための試練もけっこう大雑把だし・・・。しかし、映画の最後の方でどうして彼らがここに送られてきたのかが明らかになる。それは「なるほど!」と思わせる内容でした。しかし、迷路(メイズ)からは脱出してしまったので続きはどうなるんでしょうね??主演は新人のディラン・オブライエン。彼は次のスパイダーマンのシリーズの主演候補らしい??ただひとりの女性メンバー・テレサ役は「月に囚われた男」のカヤ・スコデラリーオ、ギャリー役は「なんちゃって家族」のウィル・ポールター、そしてニュート役は「ラブ・アクチュアリー」で片思いの少年を演じたトーマス・サングスター。背も高くなってイイ男になりました!監督も新人のウエス・ボール。続編は年内に公開予定です!
ラン・オールナイト  監督 : ジャウマ・コレット=セラ  出演 : リーアム・ニーソン、エド・ハリス
 2015年 アメリカ映画
元・殺し屋のジミーは雇い主でもあり友人でもあるショーンに長年仕えてきた。今は、ショーンの息子のダニーのもとで堅気な仕事をしていた。しかし、ダニーはショーンの言いつけなど聞かず悪事に手を染めていた。ジミーは息子のマイクとは距離を置いていている。そんなある日、マイクは殺人現場に遭遇する。しかも、犯人はダニーだった。目撃されたダニーはマイクを殺そうとするがジミーによって逆に殺されてしまう。息子を失ったショーンは怒りを爆発させジミーとマイクを殺すよう部下に命令する。しかも、ダニーの殺人現場が偽装されマイクが殺人事件の重要参考人となり警察にも追われることに。長年、話もしなかったジミーとマイクは、マイクの家族を守るため、そして自分自身を守るために協力することに。しかし、行く先々でショーンの刺客が彼らを待ち受ける・・
私評:今夜だけ。あすの朝まで、俺を信じろ・・・最強おじさんリーアム・ニーソンがニューヨークで大暴れ。彼のヒットシリーズ「96時間」では娘のために激走しますが、今度は息子のために夜のニューヨークを激走。そしてボコボコにされながらも必死の息子を守り続ける。しかも、息子は善良な男なので殺しはジミーが全て請け負う。たった一夜の物語ですがスリリングで、しかもド派手なアクションもあるので、映画をサクッと見てスッキリしたい人にはオススメかも??しかし、最強の相手のはずの殺し屋のボスのショーンがけっこう簡単にやられちゃうのがたまに瑕。主演は「シンドラーのリスト」「フライト・ゲーム」「荒野はつらいよ」のリーアム・ニーソン。御年63歳。まだまだアクション現役です!ショーン役は「ライトスタッフ」「スノー・ピアサー」のエド・ハリス、息子のマイク役は「ロボコップ」のジョエル・キナマン、そしてジミーの父親役でニック・ノルティが登場。(気付かなかった・・)。監督は「エスター」「アンノウン」「フライト・ゲーム」のジャウマ・コレット=セラ。
天才バカヴォン 蘇るフランダースの犬  監督・出演 : FLOGMAN  出演 : 犬山イヌコ、瀧本美織
 2015年 日本映画
世界征服を目論む悪の軍団インテリペリ。総統のダンテは森羅万象を予言するシステムの開発を試みたがデータ不足で稼働しない。そこに必要だったのはバカボンのパパの本名だった。ダンテの手下たちはあの手この手でバカボンのパパの名前を探るが、聞き出せず、しかも彼らは「パ行」でしか話せなくなるほどのダメージが与えられた。ダンテは本人からではなく息子のバカボンから聞き出すため刺客を送る事に。そこで選ばれたのは教会で愛犬のパトラッシュと一緒に死んだはずのネロ少年。実は彼は天に召される直前にこの世で受けた数々の理不尽な事に腹を立て、パトラッシュとともに地獄に行き復讐の機会を待っていたのだ。そしてネロはダンテによってこの世に呼び出されるが・・
私評:これでいいのだ!・・・「秘密結社 鷹の爪団」「パンパカパンツ」などで有名なDLEの作品。なぜ大画面でフラッシュアニメを、しかも高い金を払って見なくちゃいけないんだ!・・・なんて思っている輩にはお勧めしません()。しかし、85分の上映時間の中にこれでもかというくらいアホなギャグが散りばめられています。後半はさすがに疲れてきた・・・。作品の最後はけっこう感動的に締めくくられていてなかなかグッドでした。それにしても夜の映画館に観客がたったの3人。寂しいですね・・・。バカボンのパパ他、数キャラクターの声を担当するのは天才FLOGMAN。あの鷹の爪団もほとんど彼の声ですからね。バカボンの声は「綱、引いちゃった」「罪とか罰とか」の犬山イヌコ(彼女の声がバカボンにぴったり!)、ネロの声は「風立ちぬ」でも声優をしている瀧本美織、バカボンのクラスのいじめっ子役で「舞子はレディ」の濱田岳。その他、村井國夫、上島龍平。そしてビックリしたのがエンドクレジットで流れる歌。まさかのクレイジーケンバンド!監督はFLOGMAN


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