2013/5/19

今回は邦画ばかりの3作品。どれも見応えありでした!

モンスター  監督 : 大九明子  出演 :高岡早紀、加藤雅也、大杉漣
 2013年 日本映画
今週のイチ押し:海辺の田舎町にひとりの美しい女が降り立った。彼女の名前は鈴原未帆。彼女はこの町にフレンチレストランを開業した。美しい女性オーナーのこの店の噂はどんどん広まり、店には彼女をひと目見ようと客が押し寄せた。しかし、彼女には人にいえない過去があった。元々は彼女はこの町の出身で本名は田淵和子。和子はその容姿の憎さから化け物扱いされていたのだ。しかし、そんな彼女に優しく接してくれたのが同級生の高木英介だった。実は彼と和子は4歳の時に一緒に灯台に行った事があったのだ。ところが和子はある事件を起こしこの町から逃げるように去って行った。東京で働き始めた和子は陰湿ないじめに遭いながらも強く生きていた。そんな時、彼女は美容整形のカタログを見て病院を訪ねた。金で美しさを買う事ができると知った和子は費用を稼ぐために風俗で働き始めるが・・
私評:84000円?そんなに安いんですか??・・・原作は「海賊とよばれた男」で今年の本屋大賞を受賞した人気作家の百田尚樹。私もこの本は読んでいました。映画はこの原作にほぼ忠実な演出で、原作を読んだ私も違和感なく入り込めました。しかし、この作品の“肝”になるのは主人公の鈴原未帆。ブルドッグと呼ばれた不細工な女が誰をも虜にする美女に変身するわけですからね。この難しい役にチャレンジし見事に演じ切ったのは「忠臣蔵外伝 四谷怪談」の高岡早紀。醜かった昔はすごい特殊メイクを施し、田淵和子と鈴原未帆を演じ切りました。41歳とは思えない若々しい美しさ。そして美しい裸体も晒します。彼女がずっと憧れ続けた英介役は「荒ぶる魂たち」の加藤雅也、和子に母親を重ね、常に助け船を出す崎村役は「爆逆家族」の村上淳、そして彼女に美を与える美容外科医には名脇役の大杉漣。そしてこの映画のもう一つの特色はスタッフ陣も女性ばかりな事。監督は大九明子、脚本は高橋美幸、撮影は大沢佳子、そして特殊メイクはハリウッドで腕を磨いた江川悦子。面白かったです!!
ペタル ダンス  監督 : 石川寛  出演 : 宮崎あおい、怱那汐里、安藤サクラ
 2013年 日本映画
今週のイチ押し:服飾店で働く原木は友人が行方不明になったのは自分のせいだと思い込んでいる。その友人から“風に乗って飛んでいる物に願い事をすると叶う”と聞いた原木は空を飛んでいるグライダーに向かって、友人が元気でいるよう願いを掛けた。ジンコは図書館勤務。彼女に原木が「自殺」についての本の場所を訪ねた。その日、ジンコは駅のホームに佇む原木を発見。今にも電車に飛び込みそうに見えたジンコは原木にタックルし、指をはく離骨折してしまう。その日、原木は職を失くしていたのだが、自殺をする気は全くなかった。ジンコの友人の素子は元夫の直人から車を借りていた。実はジンコと素子の大学時代の友人のミキが海に飛び込んだらしいのだ。ドライバーの予定だったジンコが骨折をしてしまったため、急遽、原木が運転手を名乗り出た。ジンコ、素子、原木の3人はミキの入院している北の街を目指して出発した・・
私評:ありがとう。来てくれて・・・20代の女性たちの出会いと友情のロードムービーです。とにかく主演の女性たちの演技が素晴らしい。ジンコ以外は何かしら問題を抱えている。そんな女たちが集まる事によって引き起こされる不協和音。お互いが掛ける言葉もたどたどしい。そして沈黙・・・。しかし、そんな溝が実際に会って、時間を共有する事によって徐々に埋められていく。そんなやりとりがとっても気持が良いんです。そしてこの映画の見所は画面の中に見事に切り取られた風景と人物の構図。じっと彼女たちを見つめるかのように設置されたアングルで、より一層彼女たちに近づけるんですね。ジンコ役は「舟を編む」「北のカナリア」の宮崎あおい、原木役には「BECK」「家政婦のミタ」の怱那汐里、素子役は「愛と誠」のガム子が印象的だった安藤サクラ、そしてミキ役は「ハッピーフライト」の吹石一恵。このカルテット最強です!監督は「tokyo.sora」の石川寛。
クロユリ団地  監督 :中田秀夫  出演 : 前田敦子、成宮寛貴
 2013年 日本映画
介護士を目指している明日香は両親と弟と一緒にクロユリ団地に引っ越してきた。古くて年寄りばかりのこの団地だったが家族が一緒なら明日香は幸せだった。明日香の気がかりは隣の家。昨日、あいさつに行った時もいきなりドアを閉められたし、朝は5時半に目覚ましが鳴りっぱなし、そして夜は壁を引っかくような音がするのだ。そんな時、明日香は砂場で一人ぼっちで遊んでいる少年に出会う。彼の名前はミノル。弟に歳が近い事もあり明日香はなんとなく気になっていた。学校の授業で、ある老夫婦が死後2週間後に発見された事件を知った明日香は隣が気になり訪ねた。すると、隣の老人は壁にもたれたまま死んでいた。明日香は老人を救えなかった事で落ち込んでしまう。そんな時、隣の部屋の清掃に訪れた笹原と言う男と言葉を交わした明日香は、彼が不思議な現象を何度も見ている事を知る。翌日の実習で明日香は死んだ老人の声を聞くが・・・・
私評:遊んでくれるって約束したじゃない・・・久々に怖いジャパニーズホラーに会える??と期待して観に行ったのですが怖さという部分では期待外れ。とにかく全然怖くない!しかし、ホラードラマとしてはかなり面白い。映画を見始めると“妙な違和感”が端々に感じられるのです。しかし、この違和感は作品の中で語られるのではなく、感覚的なものなのです。ところがこれらが見事に解決されていく。入り組んだストーリーが絡み合って最後の最後に最強のエンディング。まあ、ちょっと無理な展開もあるのですが・・・。主演は元AKB48の前田敦子。彼女の怖がる演技はけっこうグッド!笹原役には「ララピポ」の成宮寛貴。明日香の両親役は勝村政信と西田尚美。怪しい霊媒師役は手塚里美。(彼女のシーンがどうもしっくりしない)そしてポスト貞子になるのか?ミノル役には「黄金を抱いて翔べ」の田中奏生くん。監督は「リング」「仄暗い水の底から」の中田秀夫。


前回の記事も読んでね~!



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