2014/5/18

今回の3作品はすべて仕事で関わりを持っている方が
携わっています。これもご縁ですね・・・

太陽からプランチャ  監督 : 窪田将治  出演 : 相馬圭祐、馬場良馬、Saree
 2014年 日本映画
今週のイチ押し:レストランの商品写真の仕事をしている竜太は元々、人物写真のカメラマンを目指していたが生活のために夢を挫折していた。そんなある日、彼の後輩の忠弘が仕事を辞めると竜太に告げた。自分の夢を追いかけたいと言う忠弘に対して、返す言葉もない竜太は心のどこかで嫉妬のようなものも感じていた。そんなある日、竜太は偶然女子プロレスの選手と出会い、試合のチケットを手に入れる。半信半疑で会場を訪ねた竜太はリングの上で輝く選手たちを見て心惹かれる。しかも、彼女たちが置かれている状況は非常に厳しく、それを知った竜太はさらに彼女たちに興味を持ち、彼女たちの密着取材を申し入れた。中でも竜太の目を引いたのは新人のふたりのレスラー。竜太は彼女たちのデビューまでを記録に残そうとする。一方の忠弘はアイドルグループに密着することに・・
私評:ただいま!・・・人生はずっと悩みの連続。時には挫折をしたりする事もある。だけど、これは自分だけではなく誰もが味わう事。この映画の登場人物たちもそれぞれが挫折を味わっているのですが、夢を諦めずに邁進する事でそれぞれが素敵な物を手に入れます。それは忘れかけていた理想だったり、追いかけていた夢であったり、そして友情だったり・・・。青春映画、イイですよね~。しかも、ど真ん中の剛速球。私も久々に胸躍り、血がたぎる感を味わう事ができました。それにしてもこの映画のプロレスのシーンの迫力はハンパないです。カメラがリングに上がり選手たちに超接近!!観ている私も思わず体が動いてしまいました。竜太役は相馬圭祐、忠弘役は馬場良馬。ふたりともいわゆるイケメン俳優です。しかし、私の目を引いたのは女子プロレスの女子たち。この映画から女子プロレスのプロになったふたり(世羅りさ、山口ルツコ)に現役プロレスラーも映画に参戦。中でも目を引いたのはSareeちゃん。そしてアイドルグループアリス十番も劇中でライブを見せてくれます。監督は個人的に仲良くさせていただいている「僕の中のオトコの娘」「クレイジズム」の窪田将治さん。良く知っている方なので贔屓目に見てしまいそうですが、そんな事を差し置いても面白いと思える映画です。おススメ。
ナンバーテン ブルース さらばサイゴン  監督 : 長田紀生  出演 : 川津祐介、ファン・タイ・タン・ラン
 1975年製作 2014年公開  日本映画
今週のイチ押し:1975年、ベトナム・サイゴン。商社の駐在員の杉本はこの国に馴染み、それなりの良い生活をしている。町の至る所で銃声が響いているが、杉本は気にも留めなかった。そんなある日、彼の後を追ってくる男がいた。彼の名前はフン。彼は杉本の元で働いていたが会社の金を使い込みクビにされていたのだ。しかも、フンは杉本の家に忍び込み部屋を物色していた。これを見つけた杉本とフンはもみ合いになり、杉本はフンを勢いで殺してしまう。警察に正直に言っても異国人の杉本の話を聞いてはくれない。杉本は彼の愛人であるランが働くクラブのオーナーを訪ねる。杉本は彼に偽のパスポートを手配してもらう事にした。そんな杉本の元にフンの婚約者の女性が現れる。しかも、フンの仲間たちも集まり杉本を追い詰める。そしてついに杉本は第2の殺人を犯してしまう。殺人者のレッテルを貼られ、警察にも追われる身となった杉本はラン、そして日系2世のタローと共に北へと向かう。そこで彼らは密航船に乗ろうとするが・・
私評:お前はナンバーワンなんかじゃない。ナンバーテンだ!・・・1975年に撮影されたままお蔵入りしていた幻の作品が38年の時を経て公開された。しかも、この作品はベトナム戦争末期の作品で、この撮影の直後にサイゴンが陥落。まさに危険と隣り合わせの中で映画が作られたのです。諸事情によりその当時は日本で公開ができなかったそうです。映画の中には普通に銃を肩に掛けた兵士や装甲車がカメラのすぐ近くにあり、ドキュメンタリーを見ているかのような映画でした。そしてそんな中で緊迫感あふれるドラマが展開されていく。これはまさに70年代の遺産。そしてそんな状況下で映画を作り上げたスタッフ、キャストには最大の賛辞を贈りたいと思います。主演の杉本を演じるのは名脇役の川津祐介。若かりし川津氏は精悍でとてもカッコイイ。彼の愛人のラン役はベトナムでは有名な歌手で女優のファン・タイ・タン・ラン、タロー役は今や事業家として活躍する磯村健治。監督は「恐喝こそ我が人生」「犬神家の一族」の脚本家、長田紀生。この映画のラインプロデューサーはお仕事でお付き合いをさせていただいているOMAGACTの西村さん。
シークレット・チルドレン  監督 : 中島央  出演 : オーガスト・コリエル、ジェイミー・ベルナデッテ
The Secret Children  2014年 アメリカ映画
とある先進国Xでは3万人に及ぶクローンが人間の手によって作られた。以来、クローンと人間は有効な関係を保っていたが、新たに大統領になったブルームクレイストは「クローン廃絶」を宣言。シークレット・チルドレンと呼ばれるクローンたちは「クローン監視委員会」から逃れるために身を隠すことしかできなかった。クローンの夫婦のベンとアンジェラは、逃走生活に疲れ次第に己を見失っていく。ランスは革命を計画。人間のふりを続けてなんとかやり過ごす事に執着するカール。しかし、クローンのひとりギルは人間として生きる事ができる交換条件としてクローンたちの隠れ家をクローン監視委員会に密告してしまう。クローンたちを匿う運動をしてきたセドリックとソフィアは、長年の親友である人間のマックスからの援助を受けてきたが、ついに彼らも捕らえられてしまう・・
私評:ひとりでも多く生き残る事が勝利なの・・・監督の中島央さんは彼の前作「LILY」の時に何かとご縁があった方。ご本人とも何度かお会いしています。そんな彼が日本の FOX INTERNATIONAL JAPANとひかりTVをスポンサーにしてSF映画を作り上げました。彼の作品は全編英語でまさにインターナショナルバージョン。しかし、どうにも展開がのろくて眠い。動きがあるわけでもなく、感動的なセリフがあるわけでもなくダラダラと時間が過ぎて行く。唯一、私が気に入ったのは音楽。SF映画という舞台にピッタリの不思議なメロディが素敵でした。出演者は低予算の作品らしく有名人はなし。クローンの静かなる抵抗をするセドリック役にオーガスト・コリエル、ソフィア役はジェイミー・ベルナデッテ。このふたりは印象的でした。この映画出資しているFOX INTERNATIONAL JAPANの内海さん、チケットをありがとうございました!


前回の記事も読んでね~!



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