2011/5/15

今回は3作みんな面白かったです!
だけど、イチ押しは圧倒的に面白かった・・というか大好き。

阪急電車 片道15分の奇跡  監督:三宅喜重  出演:中谷美紀、戸田恵梨香、宮本信子
 2011年 日本映画
今週のイチ押し:宝塚と西宮北口駅を結ぶ、わずか15分のコースを行き来する阪急今津線。その電車に乗り込む人たちには、それぞれの人生がある。婚約者を後輩に寝取られた翔子は、婚約解消の条件として披露宴に出席した。しかも、彼女は披露宴のゲストとしてはありえない純白のドレスで乗り込んでいった。ドレスのまま電車に乗ってきた翔子に孫娘と電車に乗っていた時江は「討ち入りは成功したの?」と囁く・・。ミサは彼氏のカツヤと一緒に電車に乗り込むが車中でキレたカツヤに駅で突き飛ばされる。それを見た時江はミサに絆創膏を渡しながら「別れなさい」と助言する。軍事オタクの圭一、権俵という苗字にコンプレックスを持っている美帆、騒々しいおばさんたちと嫌々ながら出掛けている内気な主婦の康江・・・。みんな悩みを抱えている。だけど、阪急電車での小さな出会いが彼らを笑顔に変えていく・・
私評:あなたたち、本当に私を怒らせたわね!!・・・なんだかとてもぽわ~とした気分になりました。ピンとこない形容詞ですが、私の今の心情には一番ピッタリとくる言葉なんです。心がポカポカ暖かくなる数話オムニバス構成です。この作品は号泣ではなく、涙がポロリと零れるような映画。登場人物たちがみんな身近なキャラクターなので感情移入しやすいのです。そして登場人物と一緒に笑ったり、泣いたり・・。映画が終わった後は、なんとも優しい気持ちになっていてたまりに溜まっていたイライラが嘘のように消えてしまいました。辛いのは自分だけじゃない。そして美人だって損ばかりしているんだ。帰りの電車の中で近くの人に話しかけたくなるかも??出演者は「嫌われ松子の一生」の中谷美紀、「デスノート」の戸田恵梨香、「マルサの女」の宮本信子。他にも南果歩、谷村美月、有村架純、勝地涼、玉山鉄二、そして可愛い芦田愛菜ちゃん。監督はこれが映画デビューとなる三宅喜重。
ブラック・スワン  監督:ダーレン・アレフノスキー  出演:ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル
Black Swan  2010年 アメリカ映画
ニューヨークのバレエ団に所属するニナ。新シーズンを迎えバレエ団のオープニングを迎える演目が決まった。それは誰もが知っているかの有名な「白鳥の湖」。芸術監督のルロワは長年バレエ団の象徴でもあったプリマドンナのベスを外して、若くて才能のあるダンサーの中からプリマドンナをオーディションで選ぶ事にした。ニナはルロワの前で精いっぱいの踊りを見せる。しかし、彼女は可憐で繊細な白鳥を踊らせば群を抜いた才能を見せたが、自由奔放で邪悪な黒鳥の踊りはルロワを満足させる事ができない。そんな時、バレエ団に新人ダンサーのリリーが入団する。魅力的なリリーは気になる存在だった。ニナは憧れのプリマドンナのベスから盗んだルージュを付けて、ルロワに直談判に行くが厳しい言葉を投げつけられすっかり意気消沈してしまう。しかし、ルロワが主役に選んだのはニナだった。そして黒鳥のお手本としてルロワが示したのはリリー。彼女の官能的な舞にニナは嫉妬を覚える。やがてニナの精神は、プリマのプレッシャーで徐々に崩壊していく・・・・・・
私評:完璧に踊りたかったの・・・主演は今年のアカデミー主演女優賞を獲得した「レオン」「スター・ウォーズ」のナタリー・ポートマン。並み居る女優たちを押しのけ彼女が獲得した演技がどれほどのものか?これが私を映画館に誘った最大の理由です。しかし、ナタリーの演技はすごい!彼女のオスカー受賞は必然でした。作品の方はニナという女性のサクセスストーリーかと思いきや、ニナ自身が抱いた孤独や黒鳥になれない焦燥感、そしてプリマドンナという大役の重圧で壊れた彼女の精神が見せる幻想が交互に描かれていく。どこまでが現実で、どこからが幻想なのか??ラストは本当に意外な展開でした。そして私がこの映画で好きなのがバレエシーンのカメラです。ダンサーの周りをカメラマンも踊りながら撮影しているのです。また、あの近距離での撮影・・。まさに計算しつくされたアングルです。共演者は「ジェボーダンの獣」のヴァンサン・カッセル、「ザ・ウォーカー」の美女ミラ・クニス、「エンティティ霊体」のバーバラ・ハーシー(彼女が偏執的で「キャリー」のパイパー・ローリー以来のキモいお母さんを演じました)。そしてビックリなのがベス役のウィノナ・ライダー。過去の可憐さはすっぱり捨て去り怖い女を演じました。監督は「π」「レクイエム・フォー・ドリームス」のダーレン・アロフノスキー。
アンノウン  監督:ジャウマ・コレット=セラ  出演:リーアム・ニーソン、ダイアン・クルーガー
Unknown  2010年 アメリカ・ドイツ映画
マーティンは妻のエリザベスと一緒にベルリンに降り立った。彼はこの地で行われる学会に出席するためにやってきた。ホテルに到着したマーティンはブリーフケースを空港に忘れてきた事に気付き、空港に戻るためにタクシーに乗り込んだ。しかし、タクシーは事故に遭い河に落ち、彼は運転手に引き上げられるが意識を失ってしまう。4日間の昏睡状態から目覚めたマーティンは記憶の一部を失くしていた。病室のテレビで学会のニュースを見たマーティンは自分がこのためにベルリンに来た事を思い出す。ホテルに戻りエリザベスを見つけたマーティンは、ホッとして彼女に話しかけるが、彼女はマーティンを知らないという。しかも、そこには別のマーティンがいて、彼を偽物だという。マーティン・ハリス博士のホームページを見ても、その男の写真は別の男だった。いったい自分はだれなのか??マーティンは藁をも掴む思いでタクシードライバーのジーナを訪ねる・・・・
私評:ここから君は自由だ・・・予告編を見た時に、この展開のオチはいったいどうなるのか?が知りたかったこの映画。23転するストーリーで最後には驚くべきどんでん返しが待っています。強引と言えば強引なオチですが、私はけっこうお気に入りです。前半はミステリー仕立てで謎が謎を呼ぶのですが、時間を追うごとにアクション色が強くなっていく。特にカーチェイスはかなりの迫力です。ベルリンの町の中を縦横無尽に駆け巡り、ちょっとした市内観光も楽しめます。主演は50歳を過ぎてからすっかりアクション俳優となってしまった「シンドラーのリスト」のリーアム・ニーソン。彼をサポートするタクシードライバー役は「イングロリアス・バスターズ」のダイアン・クルーガー。(彼女って私好みの美人・・)。エリザベス役はメルキアス・デストラーダの3度の埋葬」のジャニュアリーズ・ジョーンズ。その他、お久しぶりの「フランケンシュタイン」のエイダン・クイン、「ヒトラー 最後の12日間」のブルーノ・ガンツ、そして「フロストXニクソン」のフランク・ランジェラ。思いのほか、出演者は素晴らしい面子です。監督は「エスター」のジャウム・コレット=セラ。


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