2006/5/7

書き溜めないうちにアップしちゃいます。今回の3作は
どれも面白かった。でも、ビル・マーレイの哀愁と
伊藤英明のパッションが、変な(?)中井貴一を抑えました・・・。

ブロークン・フラワーズ  監督:ジム・ジャームッシュ  出演:ビル・マーレイ、ジェフリー・ライト
Broken Flowers  2005年 アメリカ映画
今週のイチ押し:独身の中年男ドンの元から恋人のシェリーが去っていった。かつてはドン・ファンと言われるほど多くの女と恋をした。しかし、勝手気ままな独身生活が彼には染み付いてしまっていた。そんな彼の元に一通の手紙が届く。ピンクの封筒にタイプで打った文字だが差出人の名前もなく消印も読み取れなかった。その手紙の内容はドンの息子についてのことだった。ドンと別れた後に妊娠に気付いた彼女は、息子を産んでひとりで育てたのだという。隣人のウィンストンに相談すると、彼は手紙の謎を解くべく、気乗りしないドンに昔付き合った女の元を訪ねるように促した。すっかりお膳立てができてしまったドンは重い腰を上げて旅に出るが・・
私評:だから大事なのは「今」だ・・・・ジム・ジャームッシュ作品はけっこう観ていますが、嫌いでもなく、かと言って好きでもなく・・。短編集の「ナイト・オン・ザ・プラネット」の幾つかが気に入っているくらい。前作の「コーヒー&シガレット」は観てないし・・。そんな私がこの映画に惹かれたのは主演がビル・マーレイだと言うことと、魅力的な中年女優が大挙して出演していること。きっと面白いに違いない!この予感は的中しました。なんと言っても良いのがビル・マーレイです。毒々しい態度も、歳をとってからは良い感じで彼の魅力になっている。しかも、哀愁溢れるあの眼差し・・。私も家にいるときはジャージ姿が多いのですが、自分を見ているようでした。そんな彼の「オヤジズム」をカッコイイ思えるようになったのは自分自身がそんな年になったからでしょうね。そして彼を取り巻く女たちが最高!彼の元を去っていく恋人がジュディー・デルピー。セクシーなシャローン・ストーン、堅物の良妻役のフレンセス・コンロイ、動物と会話する博士役はジェシカ・ラング、彼女の助手役はクロエ・セヴィーニ、そして「ナルニア国・・」のティルダ・スウィントン。シャロンの娘役で露出趣味の娘アレクシス・ジーナも印象的でした。そして忘れちゃいけないのが隣人役のジェフリー・ライト!彼のとぼけた演技が最高です。不思議なエチオピアの音楽も良い感じ。ジャームッシュ映画をちょっと見なおしました。
海猿 Limit Of Love  監督:羽住英一郎  出演:伊藤英明、加藤あい、時任三郎
Umizaru Limit Of Love  2006年 日本映画
今週のイチ押し:海上保安官の仙崎大輔は、飛行機事故の救助に向かった。嵐の中の救助は困難を極めたが、ふたりの生存者を必死に繋ぎとめていたが彼は一人しか救助ができなかった。彼の恋人の環菜とは遠距離恋愛だが、その日彼女は車で横浜から大輔の住む鹿児島へとやってきた。彼に手作りのウエディングドレスを見せるが大輔の反応は芳しくなかった。その翌日、訓練に向かう途中の大輔たちに大型フェリーが座礁したという連絡が入った。さっそく救助に向かう海上保安官たちは次々とフェリーに飛び乗り、救助活動を開始した。乗客の中には環菜の姿もあった。パニックの船上でふたりは仲直りの言葉も交わせず、別れ別れになってしまう。そこで大輔は妊婦の恵と車好きの男の海老原と合流するが、漏れたガソリンが引火して大爆発を起こし海老原は怪我を負ってしまう。ふたりを連れて脱出口を捜す大輔の前に現れたのはバディの吉岡だった。しかし、彼らは船内で脱出ルートを断たれてしまう。絶体絶命の中、彼らは必死に退路を探るが・・
私評:帰ったら結婚しよう・・・前作の「海猿」を再度DVDで見てから新作に臨もうと思っていたのですが、見られないまま劇場に行ってきました。しかし、1作目やTV版を見ていなくてもこの映画はしっかり楽しめます。この映画はとにかく「ツッコミどころが満載」です。そんな事をしている暇があったら、早く動け〜!とか、そんな事はぜったりあり得ないとか・・。しかし、この映画はそういう部分を全部許して(映画なんだから良いじゃないか〜って感じで)観ると最高の映画です。刻々と修羅場と化していく船内のドキドキ感。男たちの友情と信頼。そして大輔と環菜の恋愛。どれをとっても私は気に入ってしまった。そして何回も涙してしまいました・・。主演は伊藤英明。彼はちょっとふざけた演技はダメなのですがシリアスな演技は天下一品。そして見事に鍛えられた体がスゴイ。環菜役は1作目でもめちゃ可愛かった加藤あい。今回も良い感じです。大輔のバディ吉岡役は佐藤慶太。妊婦役は大塚寧々。海老原役は吹越満。大輔の上官下川役は時任三郎が演じます。監督は1作目に引き続き羽住英一郎。そしてエドクレジットで流れる伊藤由奈の「Precious」がサイコーでした。
寝ずの番  監督:マキノ雅彦  出演:中井貴一、木村佳乃、
Hardest Night  2006年 日本映画
上方落語会の重鎮、笑福亭橋鶴は、今まさに臨終の時を迎えようとしていた。一番弟子の橋次は「心残りはありませんか?」と尋ねると橋鶴は絞り出すような声で「そ、そ○が見たい・・」と言った。兎にも角にも師匠の最期の願いを叶えるため橋太の嫁、茂子に白羽の矢が立った。気の強い茂子にびくびくしながら事情を話すと案の定、言葉より手の方が先に飛んできた。しかし、茂子も師匠のためにひと肌脱ぐことに。そして師匠の顔をまたいで・・。しかし、橋鶴が言ったのは「そ・と」だった。その3分後、外を眺めながら橋鶴は息を引き取った。橋鶴の通夜が始まった。お笑いの師匠の通夜が湿っぽくなってはいけない。そこから想像を絶する一夜が始まった。しかし、それはまだ本の序の口。師匠を追うようにこの世を去った一番弟子の鶴次、そして鶴橋の妻志津子が続けてこの世を去り、またしても「寝ずの番」が繰り広げられるのだった・・・・
私評:芸者・芸者シュッポシュッポ・・・絶頂だ〜絶頂だ〜楽しいな〜♪・・・大人のエンターテインメントと名打って公開中のこの作品。まさに大人の映画です。通夜の席でアブナ〜イ下の話で故人を送り出す。そのネタの過激さと言ったら・・活字にするのは恥ずかしいのでここには書きません。映画館はおじさんとおばさんばかりで、色気のない(というか下品な)笑い声が絶えませんでした。もちろん私もこういう話は大好きなので大笑い!しかし、そんなエロ話の合間合間に心温まるエピソードが上手に挿入されている。この辺りは演出の上手さですね。しかも、この活字にするのも恥ずかしいセリフをシャーシャーと言う役者たちもスゴイ。主役の橋太役は、まじめな顔してすごい事を言う中井貴一、彼の妻でポルターガイストを起す木村佳乃、師匠役は監督の実兄長門裕之、彼の息子で才能のない噺家役は岸辺一徳、一番弟子役は笹野高史、おかみさん役は富司純子。(あの富司純子があんなセリフを!!)そして師匠とおかみさんを巡って戦ったという社長役で堺正章という豪華メンバー。監督のマキノ雅彦とは津川雅彦のこと。彼の監督としての技量も確かです! 


前回の記事も読んでね〜!



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