GWも終わり、気分はすっかり夏。
イチ押しはウクライナの衝撃作とディズニーのクラシック!
ザ・トライブ | 監督 : ヴァレンチヌ・ヴァシャノヴィチ | 出演 : グレゴリー・フェセンコ、ヤナ・ノヴィコヴァ | ||||||
The Tribe | 2014年 ウクライナ映画 | |||||||
今回のイチ押し:セルゲイは聾唖者学校の寄宿舎にやってきた。手話である事以外、健常者と何ひとつ変わらない授業を終えたセルゲイを校内の悪の組織(トライブ)を仕切るリーダーに呼び出された。何人かの男たちと殴り合いをさせられたセルゲイは屈強な所を見せ、知らぬ間にトライブの一員にされていた。恐喝、暴行などに加担した彼は、次第に組織内でも認められていく。組織の重要な財源は売春。多数の長距離トラックが駐車しているエリアでドライバーと交渉して事に及ぶ。ふたりの女子はその事に何の後ろめたさを持っていない。しかし、セルゲイは売春をしているひとりの女子を好きになってしまう。金を彼女に貢ぎ何度もセックスをした。一方のその女子はウクライナを出る事を夢見ている。そのための売春だった。リーダーはふたりのためにパスポートを取得して、彼女はイタリア行きを決意。しかし、女子への想いが募り過ぎたセルゲイは・・ | ||||||||
私評:この映画はセリフも字幕もない。セルゲイという名前はエンドクレジットでチェックしたのですが、実際には本編の中でセルゲイという言葉は出てこない。この作品は全編が手話で行われている。しかも、音楽もない。それゆえに映画の中では日常のノイズ、雑踏、そして手話の際の風を切る音や手を叩く音以外はないのです、そんなシチュエーションの中にポンと放り出されて最初は戸惑っていたのですが、徐々にこの映画のすごさが伝わって来る。言葉にしなくてもスクリーンから「怒り」「嘆き」「渇望」、そして「絶望」が伝わって来る。そしてそれらが全て交わった時とんでもない悲劇が起こります。強烈なラストは脳裏に焼きつきました。そしてこの映画のもう一つの特徴がカット割りをせず、長いワンシーンを繋げていること。とにかく衝撃的な作品でした。役者陣は監督が聾学校で見つけてきた新人ばかり。セルゲイ役はグレゴリー・フェセンコ、そして売春を重ねる少女役は女優志望のヤナ・ノヴィコヴァ。彼らのパフォーマンスの高さにも驚かされます。監督はウクライナのヴァレンチヌ・ヴァシャノヴィチ。世界にはこんなすごい映画がまだまだ埋もれているんでしょうね。 | ||||||||
シンデレラ | 監督 : ケネス・ブラナー | 出演 : リリー・ジェームズ、ケイト・ブランシェット | ||||||
Cinderella | 2015年 アメリカ映画 | |||||||
今回のイチ押し:純真な少女のエラは大好きな両親と幸せな生活を送っていた。しかし、幸せも永遠ではない。ある日、エラの母親が病死してしまう。父親とふたりで慎ましく暮らしていたある日、父は再婚を決意する。そして義母とふたりの義姉が家にやって来る。義母は派手な生活を好みパイーティ三昧の毎日。そしてなぜかエラには冷たく当たった。そんなエラに更なる不幸か襲いかかる。旅先で父親が亡くなってしまったのだ。それ以来、義母はエラを奴隷のように扱い、エラが心を開いて話せるのは屋敷に住んでいるネズミたちだけになってしまう。そしてついにエラも我慢の限界に達し馬に乗って家を飛び出してしまう。森を抜けたところでエラは運命の出会いをする。鹿を狩りに来ていたキッドと名乗る青年はお城で「見習い」をしているという。ふたりは一瞬で恋に落ちた。実はその青年はこの国の王子だった・・ | ||||||||
私評:ありのままの自分を見て・・・シンデレラと言えば誰もが知っているディズニーの鉄板作品。暗い人生から一夜の魔法が元で王子様と結ばれて・・・。今更、なんで映画化なの?と思っていたのですが、とんでもない勘違いでした。あの誰もが知っている話が実写化によってこれほどまでにアップグレードするとは!!CG映像はもちろんですが、舞踏会のシーンは圧巻。美しいドレスを揺らしながら踊るシーンの美しいのなんのって。ラストのウェディングドレスも人気らしく、今年以降、結婚式で着る新婦がいるんだろな~・・。劇場にいた女性たちは大人から幼い子供までみんな目がうっとりしていました。男の(しかもおっさん)の私でさえ魔法がかかってしまうこの映画は、まさにディズニー・マジックですね。シンデレラ役はリリー・ジェームズ。そんなの可愛くないと思っていたのですが銀幕の彼女は別人。チャーミングでした。継母を演じるのは「ブルー・ジャスミン」のケイト・ブランシェット。悪女も彼女が演じるとさらに魅力的。フェアリー・ゴッドマザー役は「ローン・レンジャー」のヘレナ・ボナム・カーター。彼女は本当にどんな役でもやっちゃうな~。その他、ステラン・ステラスガルド、リチャード・マッデン。男はタイツ姿が凛々しい(もっこりだし)。監督は「マイティ・ソー」「エージェント・ライアン」のケネス・ブラナー。 | ||||||||
ビリギャル | 監督 : 土井裕泰 | 出演 : 有村架純、伊藤淳史 | ||||||
2015年 日本映画 | ||||||||
名古屋の女子高に通う工藤さやかは朝から晩まで遊んでばかりで勉強など全くしない毎日。これでは進学どころか進級も難しいと考えた母親の「ああちゃん」はさやかを塾に通わせることにした。ばりばりのギャルファッションで塾の面接に行ったさやかを見て、塾の講師たちは一同に引いてしまうが、ただひとり坪田だけは彼女に興味を抱いた。そしてさやかを慶応大学に入れると宣言する。しかし、さやかの学力は小学校の4年生程度。塾の教室でも珍回答を繰り返し、爆笑を誘うが坪田だけは「天才級の発想だ!」とさやかを褒め続けた。当初はノリで大学受験を宣言したさやかだったが現実はやはりシビア。それでも彼女は坪田や母親、そしてギャル仲間たちの応援を受けて必死に勉強を続ける・・・ | ||||||||
私評:聖徳太子=せいとくたいこ??・・・この作品は実話。実際にビリギャルが慶応大学に合格したという本を何度が書店で見ていた私。しかし、それが映画になっちゃうとは!当初私は作品自体にはあまり興味を持っていなくて、以前から映画館で目にしていた、主演の有村架純の等身大パネルが可愛いな~って思っていたこと、それと当日の映画のスケジュールがぴったりだった2つが重なり鑑賞することに。ストーリーもベタだし結末も見えているのだけれど、かなり感動してしまった!真実はフィクションより奇なり。まさにこの映画にぴったりの言葉です。私自身も予想外のハッピーでした。今更ながら「やればできる・・かも??」って思わせてくれる映画でした。主演は今大人気の「ストロボ・エッジ」「女子ーズ」の有村架純ちゃん。めっちゃ可愛い~。坪田役は「僕たちの交換日記」の伊藤淳史。その他、吉田羊、田中哲司、野村周平など。監督は「涙そうそう」「いま、会いにゆきます」の土井裕泰。 | ||||||||
The Next Generation パトレイバー首都決戦 | 監督 : 土井裕泰 | 出演 : 有村架純、伊藤淳史 | ||||||
2015年 日本映画 | ||||||||
警視庁が人間型ロボット=パトレイバーの急速な普及に伴う犯罪を抑制するために設立した特車第2課も、今は出動の機会すらなくし、いつしか金食い虫のお荷物の集団になっていた。そんなある日、最新鋭の軍事用ヘリコプターが何者かに盗まれる。完全武装したヘリコプター、通称「グレイゴースト」は最新の熱光学迷彩機能を持っている。(つまり周りの景色に溶け込み姿を消すことができるのだ)手始めにレインボーブリッジが攻撃される。敵は警察の監視を見事に交わし、至る所で武器と燃料の供給を繰り返す。そして警察の捜査の元、犯人像が浮かび上がってくる。六本木ヒルズ、都庁ビルと次々と都内の主要施設が破壊される中で、特車第2課の後藤田はある人物とコンタクトをとる。そして上層部の意見も聞かず独断で98式AVイングラムを稼働させる・・・ | ||||||||
私評:これは特車2課の悪しき伝統・・・実写の劇場版として7作が作られ、これが最終版。1話目は新宿で観たのですが、あとの5作はDVDとVODで視聴。実物大のパトレイバーを作った事が話題になったけど、このロボットが大暴れするシーンはありません。しかし、そのハリボテ感がけっこう好きかも??だってパトレイバーは人間ドラマですから!そして個性溢れる特車2課の面々の「熱さ」と「ゆるさ」が好き。そしてこの監督ならではのセリフの量の多さ!役者さんもたいへんだっただろうな~と変な所に感心してしまいました。最終章を見ての結論=私はパトレイバーが好きです!特車2課のメンバーの後藤田役は「踊る大捜査線」の筧利夫、整備班のシバ役は千葉繁、パトレイバーの操縦担当女子泉野明役は「みんなエスパーだよ」の真野恵里菜、超軍事オタクの塩原佑馬役は福士誠治、そして美しき隊長カーシャ役は「海月姫」の太田莉菜、警視庁公安部の警部役で「SPACE BATTLESHIP YAMATO」の高島礼子、そして大注目は軍事ヘリの天才パイロット役の森カンナ。ひと目惚れです。監督は「機動警察パトレイバー」「イノセント」の押井守。 | ||||||||
フォーカス | 監督 : グレン・フィカーラ&ジョン・クレア | 出演 : ウィル・スミス、マーゴット・ロビー | ||||||
Focus | 2015年 アメリカ映画 | |||||||
ニッキーは天才的な詐欺師。彼は熟練の詐欺師たちを束ね、高級ホテル、カジノ、祭り等で荒稼ぎをしている。そんなある日、ニューオリンズでニッキーの目にひとりの美女が止まった。彼女の名前はジェス。スリの捥は未熟だが、ニッキーはジェスに可能性を見出し、仲間に引き入れて詐欺のノウハウを叩き込む。ところが、ふたりの師弟関係はいつしか一線を超えてお互い惹かれあっていく。大きなヤマを終えたニッキーはジェスに大金を渡して忽然と姿を消してしまう。それから数年後、ニッキーはブエノスアイレスのレース場にいた。新たな稼ぎ口として選んだのは財閥が所有するレーシングチーム。彼が所属していたレーシングチームが開発した画期的なエンジンの偽情報を敵チームに掴ませるのが今回の仕事。チームのオーナーが主催のパーティで大芝居を打つニッキーの前に現れたのは、見違える程美しくなったジェスだった・・・ | ||||||||
私評:詐欺の基本はフォーカス(目線)を逸らすことだだ・・・詐欺師の映画は過去にいくつも作られているのでどうしても比較してしまう。往年の名作「スティング」、最近では「オーシャンズ11」のシリーズなど、どれも最後にどんでん返しがあって思わず「やられた~!」と心の中で叫んだ。この「フォーカス」のオチはかなり卑怯なのですが「なるほどね!」と頷ける内容。しかし、この映画のすごいところは豪華なホテル、レース場、そしてスーパーボールの試合会場のVIPルームなどのシーン。煌びやかな舞台はセットではなく全部ロケ。特にレース場での商談で彼らの後ろをすごいスピードのレーシングカーが何回も通り過ぎていく。個人的にはあのシーンが好きです。主演はアクションだけではないぞ!と頑張ってみた「インデペンデンス・デイ」のウィル・スミス。相変わらずすごい体!そして私の注目はヒロインのマーゴット・ロビー!「ウルフ・オブ・ウォールストリート」「アバウト・タイム」でキレイだな~と思っていた女優。しかも、私の好きなニコール・キッドマンと同じ、オーストラリア出身!!その他、「ラブ・アクチュアリー」のロドリゴ・サンドロ、「アメリカン・ハッスル」のアドリアン・マルティネスなどなど。監督はグレン・フィカーラとジョン・クレアのふたり。 | ||||||||
王妃の館 | 監督 : 橋本一 | 出演 : 水谷豊、吹石一恵、田中麗奈 | ||||||
2015年 日本映画 | ||||||||
パリに向かう飛行機の中で有名作家の北白川右京はいた。そこで見た夢は予知夢だったのか?パリに到着した右京は同じツアーの面々と一緒にリムジンでホテルに到着。そこは別名「王妃の館」と呼ばれるパリの最高級ホテル。参加費も200万円という高額ツアーだ。しかし、このツアーの裏にはもうひとつのツアーが隠れていた。29万8千円の料金で同じホテルに宿泊できるお手頃ツアーだ。しかし、このふたつのツアーはダブルブッキングで同じ部屋を共有していたのだ。ホテルの協力もあり二つのツアーは見事にすれ違っていたが曲者揃いのツアー客たちは、ツアーコンダクターの言うことなど聞く由もない。そんな裏事情とは別に訪問先の至るところで右京には創作のアイデアが降ってくる。それはルイ14世と幼い時に親元を離れ庶民として暮らす息子の話だった・・・ | ||||||||
私評:トレビア~ン・・・主演の水谷豊が最近どうも苦手な私・・。「相棒」の片岡右京が個人的にはダメなんですよね・・・。そんな水谷氏がハデハデの衣装でいかにも変人の作家役。予告編を見たときは勝手に「だめだこりゃ」と思ってしまった私。でも、三角マークの会社の皆様とは仲良しなので観に行きました。ところがこれが面白い。全体的にドタバタでドリフのコントみたい。原作が浅田次郎さんとのことなのですが未読なのが良かったのかな??水谷豊への拒絶症もこの映画ではなくて、むしろ北白川右京のキャラは好きかも??彼の創作も映像化されるのですが、これがけっこう笑える。最後が「レ・ミゼラブル」みたいになっちゃってるのがちょっと辛いけど・・・。主演は「相棒」「少年H」の水谷豊、ツアーコン役で「夢売るふたり」の田中麗奈。綺麗になったな~・・。ツアー客役で吹石一恵、青木崇高、安達祐実、中村倫也、石橋蓮司、緒形直人。創作の世界で安田成美、石丸幹二が登場。監督は「探偵はBARいる」シリーズ、「臨場」の橋本一。 | ||||||||
脳内ポイズンベリー | 監督 : 佐藤祐市 | 出演 : 真木よう子、西島秀俊、神木隆之介 | ||||||
2015年 日本映画 | ||||||||
携帯小説の作家の桜井いちこは過去のある事件を引きずり、自分に自信が持てずにいる。そんな彼女が合コンで知り合った年下のイケメン男子の早乙女と駅で遭遇した。どうしよう・・。彼女の頭の中では「理性」「ポジティブ」「ネガティブ」「衝動」そして「記憶」の担当が激しく論議を交わしている。結局、彼女は彼に声をかけ食事をする事に。しかも、牛丼。そしてそのままの勢いで一夜を共にしてしまう。そんな時、いちこにとんでもない幸運が降ってくる。彼女の書いた小説が本になるのだ。彼女の作品に惚れこんだ出版社の越智は自分の作品に自信が持てないいちこを一喝。自分を好きになる事を勧めた。早乙女とはなんとなく付き合っているが、どうしても歯車が合わない。そんな時、いちこは越智から真剣に付き合いたいと告白されるが・・・ | ||||||||
私評:あなたと一緒だと自分を好きになれないの・・・今週、成田の映画館で公開されたのが唯一この映画だったので観に行きました。正直、全然観たいと思っていなかった作品。キャストはすごいんだけど、最後まで私は作品に入り込めませんでした。しかし、頭の中の色々なキャラクターで、自分はどれなんだろうと考えるのは面白い。私は間違いなく「理性」ですね。行動力はあまりなく超草食系ですから・・(苦笑)ラストのオチはこういう映画に有るまじき展開でちょっと面白かったけど・・。しかし、私が大注目したのは主演の真木よう子です。彼女って「S」ぽい役が多いのですが、今回はキュンキュンしている30女子。これがまた可愛いんです。脳内の別キャラでボンデージ姿で登場するのですが、「こっちの方が真木よう子っぽいな」と思ったのは私だけ?(余談ですが彼女はすごい巨乳)脳内キャラで「ストロベリーナイト」の西島秀俊、「神様の言うとおり」の神木隆之介、吉田羊、桜田ひより、浅野和之、早乙女役は「永遠の0」の古川雄輝、越智役は舞台俳優の成河。監督は「キサラギ」の佐藤祐市。 | ||||||||