2008/5/7

今回はレビューを溜めすぎたので
2ページに分けてアップします。公開終わってしまった
作品もありますが・・・。イチ押しはイットガールの元祖と
いかにもあり得そうな??ネットサスペンス。

ファクトリー・ガール  監督:ジョージ・ヒッケンルーパー  出演:シエナ・ミラー、ガイ・ピアース
Factry Girl  2006年 アメリカ映画
今週のイチ押し:資産家のお嬢様イーディは体中からオーラを放つ魅力的な女の子。どこに行っても男たちの視線は彼女に釘付け。そんな彼女の魅力の虜になったのは、飛ぶ鳥を落とす勢いの新進気鋭のアーティスト、アンディ・ウォーホール。彼はさっそくイーディに声をかけ、彼が創作活動を行っている”ファクトリー“に呼び、撮影中だった映画に彼女を出演させた。その作品のイーディは世間を驚かせた。その美しさは当時の常識を覆すほどで、その存在感、モード感は多くの人々の共感を呼び、ウォーホールのミューズという肩書きを超えて ”時の女IT Girl“となったのだ。60年代の煌びやかなセレブの中でも一際光を放っていたイーディ。しかし、彼女の心はいつも「愛」に飢えていた・・・
私評:君自身を演じればいいんだよ・・・・60年代のアメリカを席巻したイーディ・セジウィック。以前にウォーホールの本を読んで、彼女の名前を見て以来、私の頭の中にずっと住み着いていた女性です。今のTVを賑わすアイドルとはまったく異質(というか、格が違う??)で、とにかく誰もが一目で憧れを抱くほどの女性だったらしい・・。そんな彼女も普通の女の子で、いつも”深く愛されること“を望んでいた。その相手がウォーホールだったり、そしてやはり当時の時代の寵児だったボブ・ディランというのだから驚きです。しかし、彼女の願いは叶わず・・・・そんなイットガールを見事に演じきったのはシエナ・ミラー。モデル出身で容姿端麗。しかも、演技も抜群の彼女は今後も要チェックです。ウォーホールを演じるのはなんとガイ・ピアース!あの変人アーティストを見事に演じています。そしてボブ・ディラン役は「ジャンパー」のヘイデン・クリステンセン。今までの彼のキャリアの中で最高の演技だったと思います。監督はジョージ・ヒッケンスーバー。
ブラック サイト  監督:グレゴリー・ホブリット  出演:ダイアン・レイン、コリン・ハンクス
Untraceable  2007年 アメリカ映画
今週のイチ押し:FBI捜査官のジェニファーはネット犯罪のエキスパート。警官だった夫が殉職し、ひとり娘と母親の3人暮らしの彼女は現場の捜査をはずれ、夜勤のオフィスワークを選んだのだ。彼女は今日もクレジットカードの詐欺を摘発したばかり。そんな彼女の元にメモが届けられた。“Killwithme.com”というそのサイトは粘着式のネズミ捕りに捕まったネズミが徐々に衰弱していくのをライブで流すという陰湿なものだった。IPアドレスを次々と変えて手がかりを掴ませないその手口にジェニファーも驚く。しかも、サーバーはロシアにありFBIの管轄外だった。しかし、ネズミのライブはほんの序章でしかなかった。次に犯人が選んだライブ映像は束縛された中年男。胸に付けられた傷から徐々に出血の量が増えている。それは抗擬血剤が投与されていたからだった。しかも、それはネットの閲覧数に応じて、量が増やされていた。興味本位でネットを覗く世界中の人々。そして男は絶命した・・
私評:サイトを見ないでください。皆さんが凶器です・・・・ここ数年のネットの進化は著しいものがありますよね。ネットの進化で情報は即時にゲットできるし、便利なツールもたくさんあるし、私たちの生活に潤いを与えていることは確かですが、その一方で犯罪も多発している。この映画はそんなタイムリーな話題をとってもリアルに描いたサスペンス。ネットでのリアルタイムの処刑ライブ。しかも、死刑執行の時間は閲覧者が増えるごとに加速していく・・。この映画を見ていて自分だったらどうだろうか?と考えてしまった。「ちょっと位なら良いかな?」なんて軽い気分でサイトを覗いてしまうかもしれない・・。この映画を見ていて、それが一番怖かったです。あなたは絶対に見ないと言い切れますか??主演はすっかりおばさん女優になってしまったダイアン・レイン。でも、彼女の知的な感じがこの役には合ってました〜。犯人役のジョセフ・クロスも不気味で良いキャスティング。また、ジェニファーの同僚役は「キング・コング」のコリン・ハンクス。監督は「オーロラの彼方へ」のグレゴリー・ホブリット。
大いなる陰謀  監督・出演:ロバート・レッドフォード  出演:メリル・ストリープ、トム・クルーズ
Lion and Lambs  2007年 アメリカ映画 
近い将来の大統領と目されている若き野心家アーヴィング上院議員は、かつて自分の事を良く書いてくれたベテランジャーナリストのロスをインタビュー取材に呼び出した。彼の目的はロスに対テロ戦争中のアフガニスタンで展開させる新たな作戦についてリークすることで、彼女に対して好意的な報道をしてもらい、世論に訴えかけること。取材時間はなんと1時間。それだけの時間を割いてくれたこと=事の重大性をロスは認めざるを得なかった・・。同時刻のアフガニスタン。志願兵のアーネストとアーリアンはアーヴィングの発案による高地占領作戦に参加していた。アメリカを良く変えたいという理想に彼らの志は燃えていた。しかし、作戦の途中で敵の攻撃を受けアーネストは雪山に転落。彼を追ってアーリアンも自らヘリを飛び降りた。しかも、そこは敵陣のど真ん中だった・・・同時刻のカリフォルニア大学。マレー教授はひとりの生徒を呼び出した。彼の名はトッド。マレーはトッドの中に豊かな才能を見出していたがトッドはそれらを無駄にしていた。マレーは教え子のアーネストとアーリアンについて語り始めた・・・・
私評:山頂が安全だなんて、誰が言ったんだ・・・・とてもシリアスな社会派ドラマです。トム・クルーズが出ているから・・なんてお気楽な気分でこの映画を見てはいけません!しかも、この映画は「平和に対して無関心になりすぎている」人々に対しての警鐘を放ってもいるのです。アメリカはブッシュ政権になってから戦争のオンパレード。戦地では毎日多くの尊い命が失われている。私たち日本人は”遠い海の向こうの事“とお気楽なのが致し方ないとしても、アメリカ国内でも無関心な人たちがとても多かったらしく、そんな輩にはこの映画がかなり刺激的だったようです。しかし、この映画はアメリカでの興行は散々だったらしい・・。ちょっとお説教じみた感があったのかもしれませんね。しかし、私は背筋がピンとなるような強烈なメッセージを受け取りました。この気分は長続きはしないですが、その瞬間だけでも戦争について考える事ができたのは、私がまだ「まとも」な人間なのだと分かるバロメータになったかも???監督&出演はロバート・レッドフォード。演出の的確さはやはりお墨付きでしょう。しかも、この難しい作品を90分台にまとめたのもお見事!(これ以上長いと着いてこれないかも??)ロス役は名女優メリル・ストリープ。完璧です!そしてこの名女優とガチンコで演技の火花を散らすのがトム・クルーズ。彼はやはり演技力も確かですね・・。なんだか、めっちゃ長い文章になってしまいました。
紀元前1万年  監督:ローランド・エメリッヒ  出演:スティーブン・ストレイト、カミーラ・ベル
10.000 BC  2006年 アメリカ映画
大昔のとある山岳地にある部族が暮らしていた。若いハンターのデレーは少年時代から同じ村の美しい少女エヴェレットと心を通わせていた。しかし、デレーの父親はある日、突然村を去り村では卑怯者扱い。デレーも卑怯者の息子として差別を受けてきたが、ひとりでマンモスを倒して以来、村人の見方が変わった。そんなある日、謎の男たちが村を襲った。目の前でエヴェレットをさらわれたデレーは3人の仲間とともに彼らを追った。途中で巨大な牙を持つ(やまねこ?)を助けたデレーは、他の部族の伝説の勇者と崇められ、旅の友も次第に増えていった。実は彼らの家族も謎の男たちによって殺されたり、連れ去られたりしていたのだ。数々の危機を乗り越え、デレーたちの目の前に現れたのは巨大なピラミッドだった・・・・
私評:あいつは神なんかじゃない・・・・今まで「インデペンデンス・デイ」や「GODZILLA」などですごい映像を見せてくれたエメリッヒ監督が今回挑んだのは過去の地球。マンモスの群れ、巨大なやまねこやダチョウ、そして壮大なるピラミッドなど映像の見所はふんだんに用意されています。その分ドラマはかなり単純でとっても分かりやすい映画。たぶん、子供たちが見ても面白い映画なのだと思います。まあ、この監督の映画はいつもツッコミどころが満載なので、それを知った上で最高のCG映像を楽しんじゃいましょう。主演は今までまったく知らなかったスティーブン・ストレイト。そして彼と旅をする村の勇者役は「クジラの島の少女」のクリフ・カーティス。エヴェレット役は「ストレンジャー・コール」のカミーラ・ベル。この映画は大画面で見ないとね・・・。TVだと魅力が半減どころか10%になっちゃう・・。監督はこういう超大作の天才、ローランド・エメリッヒ。
黒い家  監督 : シン・テラ  出演: ファン・ジョンミン、ユ・ソン
 2008年 アメリカ映画
生命保険会社に査定員として入社したチョン・ジュノは初日から厳しい現実を見せ付けられる。すっかり元気をなくした彼の元に一本の電話が入る。相手の女性は「自殺をしても保険はおりるのか?」と尋ねてきた。相手が自殺するのでは?と思ったジュノは必死の説得をした。しかも、会社のマニュアルでは禁止されている自分の名前やかつて自分の弟が自殺したことなども話してしまう。数日後、板金工場を営むパク・チュンベから指名を受けるが、ジュノは彼を知らない。仕方なく彼の家を訪ねたジュノは、そこで彼の息子が首を吊って死んでいるのを発見する。その時のパクの不審な行動と、息子にかけられた多額な保険金からジュノは保険金殺人ではないかと警察に訴える。ジュノが再びパクの家を訪ねるとそこには見るからにか弱いパクの妻シン・イファがいた。そこにパクが現れ保険金受け取りの請求書を手渡した。保険金殺人の疑いを拭いきれないジュノは保険金の支払いを猶予する。しかし、パクは執拗に会社に足を運びジュノを待ち続けた。その頃からジュノの家の電話に異常な数の留守電が残され始める・・・・
私評:早く保険金をくれ〜!・・・・ご存知、日本のホラー作家貴志祐介のベストセラー。日本版の「黒い家」もかなり怖かったけど、韓国版も負けず劣らず怖かったです。前半は保険金殺人をする異常者と保険会社員のいや〜な雰囲気の駆け引きが続き、神経をいたぶられるのですが、途中からは俄然スプラッターな展開になります。日本作品では大竹しのぶがサイコな女を(それこそ狂ったように)演じたのですが、韓国版は細くて消え入りそうな美女。この女の豹変ぶりがまず、超〜コワイ。そして痛々しい映像が続き・・・・。けっこう力が入りっぱなしで、映画が終わった後はふう〜っと大きなため息をついてしまいました。主演は「ユア・マイ・サンシャイン」のファン・ジョンミン。彼の怖がる演技が良いんですよ!サイコ女役は「4人の食卓」のユ・ソン。そして不気味なパク役は「シルミド」のカン・シニル。監督はシン・テラ。


前回の記事も読んでね〜!



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