2014/5/6

さて、先週観た映画はこれで終了。いったい何本映画を見てるんだ!!
今回は反則ですが、イチ押しが4作品です。

テルマエ・ロマエ Ⅱ  監督 : 竹内英樹  出演 : 阿部寛、上戸彩、北村一輝
 2014年 日本映画
今週のイチ押し:古代ローマで斬新なテルマエをいくつも築き、その名を轟かせた設計技師のルシウス。時の皇帝のハドリアヌスは戦争での領土拡大をやめ、近隣諸国とも平和的な共存を考えていた。しかし、元老院は戦争による世界征服こそローマの真の姿だと考えていた。平和ボケが進むローマ市民に戦いの刺激を与えたのはグラディエーターによる殺し合いだった。グラディエーターたちのテルマエの悲惨さを目の当たりにしたルシウスは彼らのためのテルマエを考えていると、ふたたび「平たい顔族」の元へと流れ着いた。そこは力士部屋の風呂で、ルシウスは彼らを「平たい顔族のグラディエーター」だと勘違い。しかし、彼らの風呂場にあった沐浴剤(バスクリン)、そしてマッサージ機に感銘を受けたルシウスはローマに戻り、彼らのための最高のテルマエを建設した。ある日、ルシウスは次期皇帝候補のケイオニウスの姿をコロッセオで見かける。女好きのはずのケイオニウスの股間タッチを受けたルシウスは彼に違和感を感じるが・・
私評:ヘイヘイホ~、ヘイヘイホ~♪・・・1作目の『テルマエ・ロマエ』が大好きな私がパート2を見逃がす訳にはいきません。こういうお笑い系は2作目になるとパワーダウンするのですが、この作品は違います!とにかく私の笑いのツボを押しまくるのです。映画を見ながらこんなに笑ったのは久しぶりでした。しかも、今回はちょっと感動系でもあり、意外などんでん返しもありと、一粒で3度オイシイ作品。日ごろの憂さを笑い飛ばしましょう!!ルシウス役は彼以外には考えられない「トリック」「麒麟の翼」の阿部寛。とにかく彼が笑わせてくれます!ヒロインの真実役は「おしん」の上戸彩。ちょっとドジだけどルシウスに惹かれていく女の子をキュートに好演!前作から引き続き、北村一輝、宍戸開、市村正親という濃い顔のメンバーが再結集。平たい顔族は竹内力、笹野高史、キムラ緑子、そしてイカ八郎!!そしてグラディエーター役で曙太郎と琴欧州が登場。彼らがまた良いんですよ!!監督は前作に引き続き武村英樹。はたしてパート3はあるのか??あれば、もちろん観に行きます!!
チョコレート・ドーナツ  監督 : トラヴィス・ファイン  出演 : アラン・カミング、ギャレット・ディラハント
Any Day Now  2012年 アメリカ映画
今週のイチ押し:1979年、歌手を目指して女装のショーダンサーとして日銭を稼いでいるルディはポールと出会い、ふたりはひと目で惹かれあう。ポールは弁護士。彼は自分の護身のために自分がゲイである事は頑なに隠していた。ルディが暮らしているアパートの隣室には薬物依存症の母親とダウン症の息子のマルコがいた。そんなある日、母親はマルコをひとり残し家を出て、そのまま逮捕されてしまう。マルコを不憫に思ったルディはポールに相談するが、ポールは家庭局に連絡をして施設に入れる事を提案する。そしてマルコは強制的に連れて行かれた。翌日、ルディはポールと夜の町を車で走っていると施設を抜け出したマルコがひとり、夜の町を彷徨っていた。ふたりは居てもたってもいられずマルコを連れ帰った。ルディはこの子を引き取りたいとポールに話す。ふたりは「いとこ」である事にしてマルコを引き取り、生活環境の整っているポールの家で暮らし始めるが・・・
私評:これはひとりの人生の話なんだ!!・・・人間同士に愛情に垣根があってはいけない。同性愛者であろうと、障害者であろうと。この映画の中に描かれているのはこの上ない優しさに包まれた愛情と、それを排除する世間の偏見。70年代という時代背景もあり、ゲイ=ダメな人間みたいなレッテルを貼られてしまうルディとポールがなんとも切ない。ただ、お互いに愛し合っていて、そこに新しい愛情の対象であるダウン症の少年が加わっても、彼らの愛は終生変わらないはずだったのに・・・。残酷な結末に悔しさと悲しみが一気に押し寄せ、そして言い知れぬ怒りを感じながらも映画はエンドクレジット。とても辛かったです。しかし、子供を何とも思わない実の親と、心から愛して守りたいと願うゲイのどちらが子供にとって幸せなのか?答えは明白だけど、一筋縄にはいかないのが社会です。ルディ役は「スパイ・キッズ」「バーレスク」のアラン・カミング。彼の熱い演技と心に沁みる歌声が印象的でした。ポール役は「ノーカントリー」「LOOPER/ルーパー」のギャレット・ディラハント。熱いルディに対して冷静でクールな弁護士役が素晴らしかった。そしてマルコ役はアイザック・レイヴァ。実際にダウン症の彼はプロの役者。これが初オーディションで得た役です。監督はこれが日本では初の監督作品の公開となるトラヴィス・ファイン。
プリズナーズ  監督 :ドゥニ・ヴィルヌーヴ  出演 : ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホール
Prisoners  2013年 アメリカ映画
今週のイチ押し:ベンシルヴァニアで工務店を営むケラーは妻と、息子と娘の4人暮らし。幸せに満ちた日々を送っていた。しかし、感謝祭の日の午後、彼の娘のアナが彼女の友だちのジョイと一緒に外出したまま行方不明になってしまう。ジョイの父親のフランクリンと共に探し回るが娘の姿は見当たらず警察に通報した。ふたりが消える直前に怪しげなキャンピングカーを、ケラーの息子のラルフは思い出した。通報を受けた刑事のロキはすぐさま手配中の車を発見して運転席にいたアレックスという挙動不審な男を連行。警察で尋問するが彼は見覚えがないと言う。車からも不審な物証は発見できない、そもそも10歳児並みの知能の彼が、少女を誘拐して証拠を隠滅するなど不可能なのだ。48時間の拘束から解放されて叔母の元に戻ったアレックスだったが、ケラーはアレックスに掴みかかり娘の居場所を尋ねると「ボクがいる間は泣かなかった」という謎の言葉をケラーに囁いた。彼が犯人だと確信したケラーはアレックスを監禁してしまう・・
私評:誰かが口を割らないと、ふたりは死ぬんだ・・・強烈な映画でした。最愛の娘を誘拐され暴走する父親。その凄まじさにはちょっとばかり退いてしまいましたが、実際に自分がその立場であんなに怪しい男がその場にいたら(もちろん彼のように腕力もあれば)同じ事をするかもしれない。この映画の恐怖は誘拐事件の恐怖と、わが娘のために見境がなくなってしまう父親の恐怖の両方が描かれています。しかし、事件は突如として意外な方向に動き始めるのです。事件の核心に追加づいた父親のケリーは??そして少し遅れて事件に辿り着く敏腕刑事のロキは??事件の伏線は何度も画面に登場していて思わず唸ってしまう謎解き。2時間半は決して長くありませんでした!そしてすごいのがこの映画のキャストです。ケラー役は「レ・ミゼラブル」のヒュー・ジャックマン、ロキ刑事は「ミッション:8ミニッツ」のジェイク・ギレンホール、ケラーの妻グレース役は「コヨーテ・アグリー」のマリア・ベロ、フランクリン役は「アイアンマン」のテレンス・ハワード、彼の妻役は「ヘルプ 心がつなぐストーリー」のヴィオラ・デイヴィス、アレックス役は「それでも夜は明ける」のポール・ダノ、そして彼の叔母役は「ザ・ファイター」のメリッサ・レオ。これだけの名優をいっきょに観れるだけでもすごい映画です。監督は「灼熱の魂」「渦」のドゥニ・ヴィルヌーヴ。
神聖ローマ、運命の日 オスマン帝国の進撃  監督 : レンツォ・マルチネリ  出演 : F・マーレイ・エイブラハム、エリンコ・ロー・ヴェルソ
11 Settembre 1683  2012年 イタリア・ポーランド映画
今週のイチ押し:オスマン帝国が勢力を拡大してヨーロッパに触手を伸ばし始めた17世紀の後半。大宰相に任命されたムスタファの目標はヨーロッパの中心であるウィーンを陥落させ、さらにローマに侵攻、最後にはキリスト教の大本山のサン・ピエトロ大聖堂にイスラムの旗をたなびかせることだった。そんな時、ムスタファはヴェネチアに不思議な力を持つ僧侶がいるという噂を耳にする。彼は盲人の視力を回復させるなど、数々の奇跡を起こしたと言うマルコ・ラヴィアーノ。彼はイタリアの地で毎日東の空に光り輝くほうき星を見て、血の前兆を確信していた。一方、ムスタファの妻は無数の矢に射抜かれる夫の夢を見て、彼の身を案じていた。ついにオスマントルコ軍は侵攻を開始。マルコは神聖ローマ皇帝のレオポルト1世に召喚されウィーンを訪れた。そこでマルコはポーランド王ヤン3世に助けを求めるべきと進言するがレオポルドは、マルコの言葉を信じなかった。しかし、敵軍は30万の兵を従え着々とウィーンに近づいていた。しかし、味方の兵はたったの5万だった・・・
私評:神が私を生かしたのは、私があなたを救うためだ・・・キリスト教とイスラム教の宗教戦争の中でも特に有名なこの戦いをドラマチックに、そして圧倒的な迫力で描いた作品です。総製作費は16億円・・・って安すぎませんか??合戦に参加する兵隊の数もハンパないし、衣装代だけでもすごいお金が掛かっているはず。その分CGはちょっとさびしいひと昔前のクオリティですが、そんな事が気にならないくらいの大迫力。多勢に無勢の戦いを強いられたキリスト教勢の中でポーランド王が仕掛けた大胆不敵な作戦にも驚きました。しかも、史実なのです!!また、そんな戦いの中でお互いの宗派のために離別する男女の悲恋、そしてマルコとムスタファの因縁などもドラマチックに組み込まれています。マルコ役は「アマデウス」のF・マーレイ・エイブラハム。ムスタファ役は「カストラート」のエリンコ・ロー・ヴェルソ、そしてポーランド王のソヴェスキを演じるのは「イースタン・プロミス」のイエジー・スコリモフスキ。監督はレンツォ・マルチネリ。
チスル  監督 : オ・ミヨル  出演 : ヤン・ジョンオン、オ・ギュンジュン
JiSEUL  2012年 韓国映画
19484月。南北に分割統治されていた朝鮮半島で、南朝鮮だけの単独選挙に反対した済州島の一部島民が武装蜂起した。それが元で、米軍の作戦統制下にあった韓国軍と警察は、済州島の海岸線から5kmより内陸にいる人間を暴徒と見なし、無条件で射殺するよう命じられた。しかし、大半の島民にとって、その指示は到底理解不能で、誰もが皆右往左往するばかり。噂に翻弄されて山奥に逃げ込む者もあれば、銃を取って抵抗しようとする者もいた。しかし、彼らの大半はあまり深刻には考えていなくて、すぐにこんな事態は収束して元の生活に戻れると信じていた。そんな時、ある村を占領した韓国軍は村人の虐殺を開始した。家を焼き、か弱い女子供も追い立てた。事態の深刻さを知った人々は洞窟に立て籠もって生き延びようとするが・・
私評:罪のない人たちを殺さなくてはいけないのか??・・・これは韓国の済州島で実際にあった話。実は映画の前にNHKのドキュメンタリーを見ていた私は、実際にその様子を目の当たりにしてすごい衝撃を受けました。7年間で延べ3万人が殺されたこの事件はつい最近まで韓国でもタブーとされており、表沙汰にはなっていなかった事件です。こんな悲しい事件を白黒の画面で描くため、余計に切なくなっていたような気がします。チスルとは「じゃがいも」の事なのですが、じゃがいもにまつわるとてつもなく悲しいエピソードが映画の中に描かれています。そのシーンでは思わず涙が溢れてきました。また、映画はワンカットの長回しで撮影されていて、セリフもかなり多い。(ある意味でダラダラ)実はこの映画は2回観ていて、1回目は風邪薬を飲んでいたせいもあり、爆睡してしまいました。皆様も気をつけて!?出演はヤン・ジョンウォン、オ・ギュンジュン、ソン・ミンチチョルなど。恐らく有名な役者はいないと思いますが、スタッフ、キャストの大半は済州島の出身者だと言う事です。映画で使用した洞窟も実際に60年前に逃げ込んだ物だそうです。監督はオ・ミヨル。
相棒 劇場版Ⅲ 巨大密室!特命課 絶海の孤島へ  監督 : 和泉聖治  出演 : 水谷豊、成宮寛貴、釈由美子
 2014年 日本映画
警視庁特命係を警察庁長官官房付の神戸が訪れた。彼は太平洋に浮かぶ孤島、鳳凰島で起きた事故の調査を依頼しに来たのだ。鳳凰島とはある実業家が個人所有する島で島内では元自衛官たちが訓練のために共同生活を送っている。その島で訓練に一時的に参加していた予備自衛官が馬に蹴られて死亡したのだ。特命課の右京と甲斐の使命は事故の調査を口実に島に潜入して島を調査する事だった。島に到着すると島の民兵組織のリーダー神室と紅一点の高野が彼らを出迎えた。右京は現場で持ち前の洞察力と嗅覚を発揮し、「事故」は「事件」であると確信する。右京は極秘に鑑識課の米沢に連絡を取り証拠を掴もうとする。また、捜査一課からも伊丹、三浦、芹沢の3人が島に送り込まれる。右京、甲斐と合流した彼らは事件の鍵を握る決定的な証拠を掴むが・・
私評:そこに隠されているのは生物兵器らしいよ・・・相棒は相変わらずTV版はほとんど観ていません。時々、特番で観るくらい。しかし、劇場版は欠かさず見に行っています。これが3作目になるのですが主役の右京の相棒が毎回違っているのも面白いですね。今回の甲斐は警察庁次長の息子という設定もグッド。今回も彼らの前に巨大な謎が立ち塞がります。孤島に集結した民兵たちの目論見とは??さらに彼らを巻き込む巨大な陰謀が動き出します。とにかくこの映画はテンポが良いです。人物の描き方もうまいので複雑な相関図もサラッと頭に入ってきます。しかし、最初の事件の凶器はどうなんでしょう??私の中ではあり得ないのですが・・・(苦笑)主演は「少年H」の水谷豊。片岡右京は金田一耕介や明智小五郎と並ぶミステリーの有名キャラになりましたね。彼の相棒の甲斐は「のぼうの城」「クロユリ団地」の成宮寛貴。お馴染みのメンバーとして及川光弘、石坂浩二、六画精児らが登場。民兵のリーダー神室役は「13人の刺客」の井原剛志、そして高野志摩子役は「修羅雪姫」「ゴジラXメカゴジラ」の釈由美子。相変わらずの素晴らしいプロポーションで見事なアクションをこなしています。それにしても美しい・・・。監督は劇場版相棒の全てを手掛けている和泉聖治。
The NEXT GENERATION 第1章
パトレイバー
 監督 : 押井守  出演 : 真野恵里菜、福士誠治、筧利夫
 2014年 日本映画
レイバー犯罪の対抗策として警視庁が作った特車二課。しかし、2013年現在、彼らの存在価値は薄れ、現在はとにかくレイバー技術の維持が彼らの仕事になっていた。公務員である彼らに休みはなくひたすら延々とルーチンワークをこなす。レイバーの操縦訓練も「動かせばどこか壊れる」ことから見送られ、出動要請も誤報ばかり。出勤しては無駄に時間をつぶし、飯を喰らう。彼らの士気もどんどん落ちて行く。そんな時、ついに緊急出勤出動警報が鳴り響く。工業用レイバーで暴れる酔っ払いの鎮圧が今回の仕事。現場に着くと犯人は人質を楯に取り後藤田隊長の説得に耳を貸さない。ついに究極の指示が操縦担当の泉野明に下る・・
私評:機動警察パトレイバーは私の大好きなアニメのひとつ。今回、それが実写化されるというのでわざわざ新宿まで出向いて観てきました。アニメ版の面白さの一つは登場人物のキャラクター。まずは、泉野明(通称ノア)と篠原遊馬(劇場版ではなぜか塩原佑馬になってる)のやりとり。声優の冨永みーなと古川登志夫の息をも付かせぬマシンガントークが最高なのです。劇場版でも試みはしているのですがなんだかとってもぬるい・・・。そして後藤田隊長のキャラも生かされていない。私の好きな南雲隊長も出ていない。しかし、整備班の班長のシバシゲオはアニメ版からそのまま登場の千葉繁さんが登場!これは嬉しかったです。ちなみにエピソード0はチバシゲオ中心の物語。ミュージカルにしちゃってます。ちょっと寒い・・・。泉野明役は「みんなエスパーだよ!」が可愛かった真野恵里菜。佑馬役は「のだめ カンタービレ」の福士誠治、後藤田隊長役は「踊る大捜査線」の筧利夫。監督はアニメ版を作った天才、押井守。しかし、この作品は全12話を7回に分けて劇場で小分けにして上映して、その後に長編劇場版を公開するという変則版。これから先、劇場版以外はDVDで観ます・・


前回の記事も読んでね~!



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