2016/5/4  

またしても溜めまくったレビューを一気に放出!
GWだし・・・

ルーム  監督: レニー・アブラハムソン  出演 : ブリー・ラーソン、ジェイコブ・トレンブレイ
ROOM  2015年 アイルランド・カナダ映画
今回のイチ押し:ジョイとジャックはふたりきりで、ある部屋に住んでいた。そこは天窓しかなく、外の景色は見えない。扉はロックされていて毎週日曜日に“オールト・ニック”と呼んでいる男がやってきて食べ物や日用品を運んでくる。しかし、彼が来ている間、ジャックはクローゼットで息をひそめていた。そしてジャックは5歳になった。実はジョイは17歳の時にオールド・ニックに誘拐され、ここへ連れてこられたのだ。それから7年間、彼女は監禁されている。そんなある日、ジョイはある作戦を思いつく。ジャックが病気になったと嘘をつき彼を外に逃がして助けを呼ぼうとした。しかし、オールド・ニックは薬を与えると言い放ち出て行ってしまう。翌日、オールド・ニックが部屋にやってくるとジャックが死んでしまったとジョイが泣き叫んでいた。しかし、それはジョイが仕組んだ“作戦その2”だった・・・
私評: バイバイ、たまごの蛇・・・本年度アカデミー賞主演女優賞を獲得した作品です。なんともショッキングな内容です。前半は若い母親と少年のふたりの異常な生活が描かれている。外の世界を知らないジャックはある意味純正培養されたエイリアンのような少年。母親以外と関わりを持たないことですごくピュアになっているのが、とても可愛くもあり、また可哀想でもあり。しかし、後半にこの部屋から脱出してからが、さらにドラマチック。今度は世間の目に晒され心を病んでいくジョイにスポットライトが当てられる。そして「部屋」の世界から外界に出されたジャックも・・・。最後の最後まで先行きが見えない、だけど自分自身の日常についても考えさせられる作品でした。ジョイ役は「ショートターム」の演技も印象的だったブリー・ラーソン。まさにオスカーの演技です。しかし、彼女以上に私を驚かせたのがジャック役のジェイコブ・トレンブレイ君の演技。すごいです!その他、「ボーン・スプレマシー」のジョーン・アレン、「ジュラシック・パーク3」のウィリアム・H・メイシーがジョイの両親役で登場します。監督は「FRANK-フランク-」のレニー・アブラハムソン。
ボーダーライン  監督 : ドゥニ・ヴィルヌーヴ  出演 :エミリー・ブラント、ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリン
Sicario  2015年 アメリカ映画
今回のイチ押し:アメリカとメキシコの国境近くでは大きな麻薬取引が行われる。FBI捜査官のケイトは麻薬組織のアジトの捜索に参加。しかし、そこには罠が仕掛けてあり爆破によって2名の命が奪われる。ケイトはそんな現場を目の当たりにした。数日後、彼女は上司に呼び出された。そこで彼女は国防総省のグレイヴァーに会い麻薬カルテルの撲滅チームへの参加を決意した。エル・パソに移動したケイトはグレイヴァーのパートナーのコロンビア人、アレハンドロと出会う。そしてチームはメキシコのシウダー・ファレスに到着。見るからに危険な男たちがウヨウヨいる中で、彼らはカルテルのボス、マニュエル・ディアスの弟を引き取る。彼を連れてアメリカに向かうが国境の料金所でギャング団の車に囲まれ銃撃戦となってしまう。なんとかエル・パソに辿りついたケイトは捜査の違法性をグレイヴァーに訴えるが彼は聞く耳を持たない。彼の真のターゲットはディアスのさらに上の麻薬王、アラルコンだった・・
私評:小さな町へ引っ越して、今回の事は忘れろ・・・この映画はすごい。銃撃戦の迫力、そして無法地帯と化したメキシコのスラムの目を覆いたくなるような無残な死体。そこで戦うためには法に従っていても埒があかない。主人公のケイトは常にモラルを抱いているが、グレイヴァー、アレハンドロにはそんな躊躇はまったくない。この作品は一応、映画用に作られて物語ですが、これに近い、いやこれ以上の闘いが繰り広げられているらしい。正義を振りかざすだけでは悪は撲滅できない。そのためには非情なまでの行為も必要なのかもしれません・・・。ケイト役は「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のエミリー・ブラント、グレイヴァー役は「エベレスト3D」のジョシュ・ブローリン、アレハンドロ役は「チェ 28歳の革命」のベニチオ・デル・トロ。この3人が3様に素晴らしい演技を見せます。特にベニチオ・デル・トロの狂気・・・、すごいです。監督は「プリズナーズ」でも狂気の世界を描いたドゥニ・ビルヌーブ。
スポットライト 世紀のスクープ  監督 : トム・マッカーシー  出演 : マーク・ラファロ、マイケル・キートン
Spotlight  2015年 アメリカ映画
2002年、アメリカ・ボストンの有力紙「ボストン・グローブ」社に新しい編集局長としてマーティン・バロンが就任した。彼は就任早々、過去に社がとりあげたカトリック教会のスキャンダル記事に目を留めた。それは神父が子供に性的な虐待をしたと言う内容。バトンは新聞の一面記事「SPOTLIGHT」の編集長のウォルターを呼び出し、徹底的に調べることを命じた。かつてこの事件の担当をした弁護士、事件の被害者などに聞き取り調査をする記者たちの前に思いもよらぬ事実が次々と浮かび上がる。取り上げられた事件は氷山のほんの一角で、事件に絡んだ神父の数は想像を絶する数だった。記者たちは事件の本質に迫るため攻めの姿勢を崩さない。しかし、カトリック教会と言う強大な敵に対して、真に戦いを挑むべきなのかという疑問も頭をもたげる。そんな時、911の同時多発テロが起こり、調査は一時凍結してしまう・・
私評:「これを発表して誰が責任をとるんだ??」「それでは発表しな責任はだれがとるんだ??」・・・本年度アカデミー作品賞を受賞した映画です。カトリック教会が起こしたスキャンダルというのがすごい。バチカン相手に報道で立ち向かった当時の記者たちの姿は、まさにヒーロー。しかし、どこかインパクトが足りない。似たような映画だと韓国の「ドガニ」というのがありましたが、こちらでは大人たちに虐待される子供たちのシーンがあり、見ている私も怒りが爆発したのですが、今回は成長した大人たちへのインタビューだけになっている。確かにこちらの方がスマートでR指定もつかないけどインパクトが激減したような気がします。出演者はハリウッドのスターばかり。記者役で「アベンジャーズ」のマーク・ラファロ、「アバウト・タイム 愛おしい時間たち」のレイチェル・マクアダムス、編集長役は「バードマン」のマイケル・キートン、新任の編集局長は「スクリーム」のリーヴ・シュレイバー、くせ者弁護士役で「トランスフォーマー」のスタンリー・トゥッチ。監督は「扉をたたく人」のトム・マッカーシー。
暗殺教室 -卒業編-  監督 : 羽住英一郎  出演 : 山田涼介、菅田将暉、山本舞香
 2016年 日本映画
謎の生物「殺せんせい」を暗殺すべく集められた3E組の面々。相変わらず先生に殺すどころか掠る事も出来ない。月日は流れ2学期が始まりタイムリミットも近づいてくる。そんな時、殺せんせいの前に新たな刺客が現れる。それはE組の生徒の茅野かえで。実は彼女の姉は殺せんせいが超生物になる前に関わりがあった女性研究員で、元3E組の担任だった雪村あぐりの妹だった。姉の敵と信じて疑わないかえでだったが、事実は違っていた。殺せんせいはかつて「死神」と呼ばれる殺し屋だった。そして死神は超生物になるための実験台だった。そんな死神に優しく接したのがあぐりだった。しかし、実験中に事故が起こりあぐりは命を落としてしまったのだ・・
私評:ヌルフフフフフ、殺せるとイイですね~・・・今夏も大ヒットのこの作品。成田は3週目に入ってもかなり集客していて、一番大きなシアターを独占です。私はコミックもテレビアニメも観ていないし、前作はイマイチだったのですが、観に行っちゃいました。しかし、今作はかなりの面白さ。キャラクターを分かっているからこそ楽しめるんですよね。今回は殺せんせいの過去が描かれ、そしてついに殺せんせいが・・・。この展開、かなり泣けました。そして殺せんせいを継ぐ、渚のシーンでまた感動。期待していなかっただけに強烈なパンチを食らいました。出演者は前作に引き続き、山田涼介、菅田将暉、山本舞香、橋本環奈、知英、椎名桔平。今回からのメンバーは、前作は声だけの出演だった二宮和也、桐谷美玲、成宮寛貴。監督は「海猿」「MOZU」の羽住英一郎。
映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃  監督 : 高橋渉  出演 : 矢島晶子、ならはしみみき、藤原啓治
 2016年 日本映画
野原一家はみんな同じ夢を見た。それぞれの夢の中に大きな魚型の乗り物が現れてその口に吸い込まれてしまった。しかし、その夢を見たのは野原家だけではなく、春日部中が同じ夢を見ていたのだ。その夜、春日部市民は夢の中で会った。しかも、そこでは夢が具現化されるのだ。まさお君は漫画家に、風間君は政治家に、ネネちゃんはアイドルに、ボーちゃんは石に、そしてしんのすけはななことデート。素敵な夢を見ると足元の風船が大きく膨らんでいく。しかし、その夢は不思議なぬいぐるみたちに吸い込まれていくのだった。翌日、幼稚園に転入生のサキがやってくる。みんなに馴染もうとしないサキだったが、実は彼女はみんなの夢と関連があったのだ・・
私評:母親はそんな事で子供を見捨てたりしない!!・・・毎年恒例のクレしんですが、今年もひっそりと一人で鑑賞。やっぱりこの映画は私の心のオアシスです。今回もしっかり笑わせていただきました。しかし、今回も家族の絆がしっかり描かれていて思わずウルウル。最近はヒロシが決め台詞を言うのが定番だったのですが、今回はみさえがバシッと決め台詞。カッコ良かったです。また、今回は脚本を「劇団ひとり」が書いているというのも話題になっています。(私的にはだから何?って感じでしたが)。話題だけでいうと主題歌は、元々は「ゲスの極み乙女」の曲を使う予定だったのですが、例のベッキー事件が原因で変更になったとの事です。ゲスト声優は「みんなエスパーだよ」の安田顕、「神様のカルテ2」の吉瀬美智子、そしてとにかく明るい安村が本人役で登場。ちょっとブームも過ぎた感満載ですが・・・。主の声優はいつも通り矢島晶子、ならはしみき、藤原啓治、こおろぎさとみ。監督は『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』の高橋渉。
フィフス・ウェイブ  監督 : J・ブレイクソン  出演 : クロエ・グレース・モリッツ、ニック・ロビンソン
The Fifith Wave  2015年 韓国映画
女子高生のキャシーの青春を謳歌する日常は、突然終わってしまう。その日、空から巨大なUFOがやって来た。彼らは「アザーズ」と呼ばれる事になった。そして突然の停電。車も飛行機も電機系はすべてが止まってしまう(第1波)。次に人類を襲ったのは大津波。海から遠いオハイオに住んでいたキャシーだったが、そこにも水は到達した(第2波)。次のアザーズの攻撃はウィルスを蔓延させる事。鳥インフルエンザで人類の多くが死亡。キャシーの母親も死んでしまう(第3波)。安全な場所を求めてキャシーは父親、そして弟と一緒にキャンプ地を訪れる。ひとときの安息を味わうが、そこに突然軍の車がやって来る。ヴオーシュ大佐の指示で子供たちは軍の施設に移動させられるが、キャシーはバスに乗り遅れ弟と離れ離れになってしまう。しかも、残された大人たちは全員射殺されてしまう・・
私評:俺たちが第5の波??・・・なんだかとても中途半端な作品です。SFアクションとして観ると辻褄が合わなかったり、理由付けが強引すぎたり・・。ちょっとした青春映画でもありなのですが、人類がパニックの時に何やってんだ!って感じだし。しかも、ラストは「これで終わりか!?」という内容。まさか続編を作ったりしないよね??渾身のCG映像もなんだかとっても寂しい。という事でこの映画の見所は美しく成長した主演のクロエ・グレース・モリッツちゃんを見る事だけでした。「キック・アス」の頃から大好きだったクロエちゃんがあんな事をしちゃうなんて・・・。そして軍の大佐役で「スポットライト」にも出演しているリーヴ・シュレイバー、女軍曹役で「デュエット」のマリア・ベロが登場。マリア・ベロが超~おばさんになっていてショックでした。そしてキャシーが憧れる同じ学校の生徒は「ジュラシック・ワールド」のお兄ちゃん役のベン・パリッシュ。監督は「ディセント2」のJ・ブレイクソン。


前回の記事も読んでね~!



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