2012/4/29

レビューを一カ月近く溜めてしまったのでGW中に追いつきます!
今回のイチ押しは女性たちが勇気と感動をくれる
秀作です。

ヘルプ  監督 : テイト・テイラー  出演 : エマ・ストーン、ヴィオラ・デイビス
The Help  2011年 アメリカ映画
今週のイチ押し:1960年代前半、アメリカ南部の町ミシシッピー州ジャクソンに大学を卒業したスキーターが帰郷した。同級生たちはみんな結婚してしまったが、スキーターは恋愛以上に作家になる夢が勝っていた。地元の新聞社に就職したスキーターは家事についてのコラムを書くことになったが、そんな知識を持ち合わせない彼女は友人のエリザベスの家のメイド、エイビリーンに助けを求めた。やがてスキーターは自分を取り巻く南部の上流社会に反発を覚え始める。家事は黒人のメイドに押し付け、自分たちは遊び三昧の白人女性たち。しかも、同級生のリーダー格のヒリーは病気がうつるという理由で黒人のトイレは別にするべきと、公然と訴えかける。スキーターはそんな黒人メイドたちの真実の姿を伝えたいとNYの編集者に申し出た。しかし、そこで真実を語る事はメイドたちの生活を脅かし、しかも危険が伴うことだった・・
私評:Eat My Shit!!・・・・これも今年のアカデミー賞で話題になっていた作品。ようやく日本にお目見えです。私はかなりお気に入りの映画です。実際に60年代の南部では黒人の扱いは奴隷並みで、映画の中でもその扱いは酷いもの。しかし・・・、痛快な反撃をするのですが、やはりしっぺ返しもあったりします。そんな苦境も神の言葉を信じ、長年育んできた友情を信じ、そして新たな異分子のスキーターを信じ、メイドたちは奇蹟を起こします。2時間30分の長編ですが、ダレてしまうシーンはなくて最後はちょっとほろ苦さを感じながらも気持ち良く映画館を出る事が出来ました。劇中のウンコ事件は最高でした!?主演のスキーターを演じるのは「ゾンビランド」のエマ・ストーン。大きな目が印象的な美女です。彼女の次回作は「アメイジング・スパイダーマン」。エイビリーン役は「ダウト ~あるカトリックの学校で~」の演技が印象的だったヴィオラ・デイヴィス。憎たらしいヒリーを演じるのが「ヴィレッジ」「マンダレイ」のブライス・ダラス・ハワード。その他オクタヴィア・スペンサー、シシー・スペイセク(おばあちゃんになったな~・・)、メアリー・スティーンバージェンらが共演。監督はミシシッピーで生まれ育ったテイト・テイラー。
ももへの手紙  監督 : 沖浦啓之  出演 : 美山加恋、優香、西田敏行
 2012年 日本映画
小学校6年生のももは、その夏、母のいく子と共に瀬戸内海の小さな島に越してきた。彼女の父親が事故で亡くなって、ふたりはこの島への移住を決めたのだ。ももは父が亡くなる前に喧嘩をした事を後悔していた。そして父の引き出しの中で“ももへ”とだけ書かれた手紙を見つけた。父は何を言いたかったのかが、ももは気になっていた。ふたりが越してきたのはいく子の大伯父の古い家。その家の“そら”と呼ばれている天井裏の部屋で、ももは漆塗りの文箱を見つけた。その中には彼女の曽祖父が好きだったという妖怪の本が入っていた。そんなある日、雨宿りをしていた祠でももはとんでもない物を見てしまう。稲光に照らし出されたその姿は文箱の中の本にあった妖怪だった。最初は怯えていたももだったが、3匹の妖怪たちの“通行手形”を手に入れ弱みを握ってしまう。そして妖怪たちとの不思議なひと夏は、ももにはとびきりの時間になっていく・・・・
私評:おいらたちには仲間がいるよ・・・なんともほのぼのした映画でした。ノスタルジックで、ちょっとだけ怖くて、だけどとっても感動的、そしてクスッと笑えるこの映画は、まさにジブリ作品のテイスト。忠実に描かれた景色の描写までソックリなのですが、ジブリ作品じゃないんです。登場してくる人々がみんな本当にいそうな人たちばかりで、不思議な物語がリアルに見えてきます。そしてラストは台風の中、ももが妖怪たちと大冒険を果たします。大きな感動はないのですが、最初に書いたとおりのほのぼの作品らしいほんわかした気持ちになり、一服の清涼剤となりました。(作品内で商品名が微妙に変えてあるところがたくさんあって、それを見つけるのも楽しいかも?例えば“おーいお茶”が“よーしお茶”だったり“グロンサン”が“グランサン”だったり)主演のももの声は「いま、会いにいきます」の美山加恋、いち子の声は「王様のブランチ」を卒業した優香。独身の彼女が6年生の母親役だったのですが、これがグッドでした。3匹の妖怪は西田敏行、山寺宏一、チョー。監督は「JINRO 人狼」、「Ghost In The Shell 甲殻機動隊」の沖浦啓之。
長ぐつをはいたネコ  監督 : クリス・ミラー  出演 : アントニオ・バンデラス、サルマ・ハエック
Puss In Boots  2011年 アメリカ映画
お尋ね者の<長ぐつをはいたネコ>ことプスは、金の卵を産むガチョウがいる空の城に届くツタを伸ばすという“魔法の豆”の情報を得た。豆は悪名高きジャックとジルが持っているという。豆を盗むためにホテルに忍び込んだプス。しかし、部屋にはもう一つの影が・・。そこにいたのはマスクをしたネコ。ジャックとジルに見つかってしまった2匹はなんとかその場を逃げ出した。剣の達人のプスと互角に戦ったのはなんとメスネコのキティ。そして彼女の後ろから現れたのはハンプティ・ダンプティ。彼はプスに一緒に豆を盗もうと言うが、プスはハンプティに対してどうしても許せない過去があった。捨て猫だったプスは孤児院に入れられるが、そこで彼を優しく迎えたのがハンプティ。しかし、プスはハンプティに騙され銀行を襲う羽目になってしまったのだ。無実の罪を着せられたプスは、ひとりで生き延びてきたのだ・・・・
私評:長ぐつがあればニャンでもできる・・・やっと見てきました。しかし、観に行く時期が遅くなったため、字幕版はなくて吹き替え版のしかも2D版で観ました。この映画は「シュレック」のキャラクターだった長ぐつをはいたネコがスピンアウトしてできた作品。これがなかなか面白い映画でした。キャラクターが生き生きしていて、しかもディズニーと違ってドリームワークスのアニメは“毒”があるところが好き。今回もイイ感じで毒がばら撒かれていました・・。そして私が気に行ったのがハンプティ・ダンプティというキャラクター。タマゴなんです。マザーグースのハンプティは塀から落ちて割れてしまいましたが・・・・。オリジナルのキャストはアントニオ・バンデラス、サルマ・ハエックのラテンコンビに「ハングオーバー」のザック・ガリフィアナス、ビリー・ボブ・ソーントン。しかし、日本語吹き替えのプス役・竹中直人はイイです。ピッタリです。そして意外と良かったのがハンプティの声を担当した勝俣州和。監督は「シュレック3」のクリス・ミラー。
アポロ18  監督 : ゴンザロ・ロペス=ギャレゴ  出演 : ウォーレン・クリスティ
Apollo 18  2011年 アメリカ映画
NASAのある事実を告発する、衝撃的な映像がネット上で発見された・・・。ジョン・グレイはバーベキューの最中に電話を受けた。なんとアポロ18号のクルーとして選ばれたのだ。しかし、今回は極秘の任務で誰にも口外はできないという。家族にも嘘をついて彼はプロジェクトに参加した。1974年、1220日、アポロ18号は発射された。ジョン以外にベン・アンダーソン、ネイト・ウォーカーのふたりが搭乗した。1225日、着陸船リバティは月面に無事着陸。ネイトとベンは極秘任務に取り掛かった。それは動態察知カメラの設置だった。仕事を終えたネイトは月の石の採集も忘れなかった。着陸船に戻ったふたりは原因不明のノイズに悩まされるが、疲れたふたりは眠りに落ちた。翌日、目を覚ますと採集した石が散乱していた。再び船外活動を開始したふたりは信じられない物を目撃する。なんと自分たち以外の人間の足跡がそこには残っていたのだ・・・・
私評:美しい。これは我々二人しか見ていない光景だ・・・これは「パラノーマル・アクティビティ」の宇宙版。「なんだか分からないけど、こんなもんが映っちゃいました!」みたいな映画です。映画の中で「なぜNASAが秘密裏に18号を飛ばしたのか?」を常に頭に置いて見るとけっこう面白い。そして映画の中間地点であるとんでもない物を発見して(上に書いた足跡ではない)から、俄然話が面白くなっていきます。最後のオチはちょっと笑っちゃいましたが、この映画はコンセプトが面白いですね。「パラノーマル・・」と違うのは、それなりにちゃんとお金を掛けて作っているところかな??出演者はウォーレン・クリスティ、ロイド・オーウェン、ライアン・ロビンス。みんなテレビのドラマシリーズでは活躍しているらしい。監督は「NAKED マン・ハンティング」のゴンザロ・ロペス=ギャレゴ。
ジョン・カーター  監督 : アンドリュー・スタントン  出演 : テイラー・キッチュ、リン・コリンズ
John Carter  2012年 アメリカ映画
1881年、エドガーは叔父のジョン・カーターからの電報を受け取り彼の元へと向かった。しかし、彼が着いた時にはジョンは息を引き取っていて、エドガーは莫大な遺産と1冊の日記を受け取った。その日記には驚くべき事実が書かれていた。13年前、大佐として戦いの日々を送っていたジョンは、ある事件から戦いを憎み、避けていた。そんなある日、彼は荒野で襲撃され、ある洞窟へと逃げ込んだ。そこでジョンに襲いかかって男が持っていたメダリオンを掴んだジョンは、次の瞬間未知なる惑星バルスームへと飛ばされていた。砂漠で意識が戻ったジョンは自分が空高く跳躍ができる事に気付く。異世界では地球と重力が違っていたのだ。そしてジョンは緑色の巨体に牙を生やしたサーク族に捕らえられてしまう。しかし、サーク族の皇帝のタルス・タルカスはジョンの跳躍力を高く買うが・・・・
私評:空を飛ぶのは嫌いだ・・・ディズニーが放つ超アドベンチャー巨編。ところがアメリカでは史上空前の赤字を出すほど大コケをしたらしい。日本の公開前にそんな噂を聞いてすっかり萎えていたのですが、実際に観たらけっこう面白い。しかし、ジョン・カーターという主人公に魅力を感じないんです・・・。これが例えばジェームズ・ボンドやインディ・ジョーンズみたいなカリスマヒーローなら、さらに面白い作品になったはず。私は期待半分で観に行ったので、けっこう楽しんじゃいました。とにかく特撮シーンはすごい迫力。3Dの威力も存分に楽しめました。主演は「バトルシップ」のテイラー・キッチュ。両作品が同日に日本公開となり両方コケたら・・??なんて思っていたのですが、そこそこの売り上げみたいです。ヒロインのデジャー・ソリス役は「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」のリン・コリンズ。サーク族を演じるメンバーはウィレム・デフォー、サマンサ・モートン、トーマス・ヘイデン・チャーチ、ポリー・ウォーカーと最強の面子。しかし、彼らの素顔を映画で見る事はできません!監督は「ファインディング・ニモ」「ウォーリー」のアンドリュー・スタントン。
ブラック&ホワイト  監督 : マックG  出演 : リース・ウィザースプーン、クリス・パイン、トム・ハーディ
This Means War  2012年 アメリカ映画
CIAの敏腕捜査官コンビFDRとタックは香港で大物武器商人のハインリッヒの取引現場を抑えるが、銃撃戦となり彼を逃がしてしまう。しかも、その際ハインリッヒの弟を転落死させてしまう。その失態のつけは内勤と言う退屈な仕事だった。商品検査の仕事をするローレンは失恋を引きずっていた。そんな彼女のために友人のトリッシュは勝手に彼女の過激なプロフィールを出会いサイトにアップした。するとそのサイトにひとりの男がアクセスしていて、それはなんとタックだった。タックのために一肌脱ごうと初めてのデート現場にいたのがFDR。しかし、タックはローレンと意気投合していた。ところがレンタルビデオ屋でFDRがナンパをしたのも、なんとローレン。しかも、彼も一発で彼女の魅力に参ってしまう。お互いが同じ女を好きになった事を知ったふたりは正々堂々と戦うと紳士協定を結ぶが・・・・
私評:お前、俺の○○と寝たのか!!!・・・知らぬ間に劇場にラインナップされていたアクションコメディ。私は主演のリース・ウィザースプーン目当てで観に行ったのですが、さすがに彼女も年齢には勝てず・・と言ってもまだ36歳!キュートなんだけど、すごく無理を感じてしまった。(その点、キャメロン・ディアスはまだまだ全然イケてるのでリース嬢にも頑張って欲しい)また、彼女を奪い合うふたりの男も(私の個人的な感想ですが)華がない。カッコイイはずなのになんだかパッとしないんですよ。だけど、クスクス笑いながら100分近い映画をガン見できたのは、この映画の力でしょうね!?もしかして、リース嬢の胸元だけ??主演は「キューティ・ブロンド」のリース・ウィザースプーン。今回は下ネタトーク満載で、そんな演出も痛々しい・・。FDR役は「スタートレック」で若きカーク船長を演じたクリス・パイン、そしてタック役は「インセプション」のトム・ハーディ。監督は「チャーリーズ・エンジェル」「ターミネーター4」のマックG。


前回の記事も読んでね~!



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