2012/4/8 その２

メジャー系中心で映画を見る私ですが
こういう渋い映画は見逃しません！

ドライブ	監督：ニコラス・ウィンディング・レフン	出演：ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン
Drive	2011年アメリカ映画
	今週のイチ押し：昼間はカーアクションのスタントマンと修理工場で働き、時には強盗の逃がし屋を請け負う“ドライバー”。彼は多くを語らない。そんなある日、彼は同じアパートに住む人妻のアイリーンと出会う。彼女の息子のベニシオともすっかり意気投合したドライバーは、アイリーンに仄かな気持ちを抱き始める。しかし、服役していたアイリーンの夫のスタンダードが出所。スタンダードも、今回はまっとうな生活をしようと心に決めていた。しかし、一度汚れた彼の人生はなかなか修正できない。スタンダードはマフィアからある質屋を強盗するように言われる。彼を逃がすためにドライバーは夜の稼業の“逃がし屋”を申し出る。しかし、そこには巧妙に仕掛けられた罠が待ち構えていた。ついにドライバーは自らマフィア相手に戦いを仕掛ける・・・・
	私評：５分間は必ず待つ。銃は使わない・・・無駄な演出を排して、すごくスリムな作品です。主人公が寡黙なためセリフもかなり少ない。それにしてもオープニングのカーチェイスのシーンは最高です。ただ、スピードで引き離すのではなく警察無線をフルに使った頭脳戦。この演出は素晴らしいです。そんな中で映画の雰囲気とマッチした音楽が素晴らしい効果を出しています。夜の街を疾走するシーン、そしてアイリーン、ベニシオとのドライブシーンの音楽は最高でしたね。そしてクールな雰囲気で淡々と進む前半から、スタンダードの強盗シーンでいきなりギアチェンジ。刺激的なバイオレンスシーンが続きます。これがなければＲ１５にはならなかったのに・・・。主演は「ラースと、その彼女」「きみに読む物語」のライアン・ゴズリング。彼って優男のイメージだったのですが・・・。アイリーン役は「１７歳の肖像」「ＳＨＡＭＥ」のキャリー・マリガン。彼女も演技の幅が広いですね。その他、アルバート・ブルックス、ブライアン・クランストン、ロン・パールマンなど、渋い役者が揃っています。監督はデンマーク出身のニコラス・ウィンディング・レフン。

僕達急行　Ａ列車で行こう	監督：森田芳光		出演：松山ケンイチ、瑛太、ピエール滝
	2012年日本映画
	のぞみ地所に勤める小町圭とコダマ鉄工所の小玉健太はふたりとも鉄道オタク。小町は列車からの景色を眺めながら音楽を聴くのが好きで、健太は仕事柄、鉄道の作りや金属の音が好き。しかし、ふたりともそんな趣味が災いして恋人はいない。ひょんなことで出会ったふたりは意気投合して友情を育む。そんな時、小町に九州への転勤が言い渡される。落ち込むかと思いきや、喜んで“新幹線で”福岡へと向かう小町。彼は仕事の余暇は九州のローカル線に乗りまくっていた。九州に遊びに来た健太と旧豊後森機関車子を訪ねた小町は、そこで筑後という鉄道大好き人間と出会う。筑後の家を訪ねた小町と健太は言葉をなくす。そこにあったのは信じられない広さの部屋に敷き詰められた鉄道ジオラマ。しかも、健太の大好きな京急線の模型まであった。しかし、故障で動かなくなっていた。そこで修理を名乗り出たのが健太。彼はあっという間に直し、3人はジオラマに電車を走らせ、しばし”オタク”の世界に浸るのだった・・・・
	私評：融資してくれ～！！！！！・・・・・先日、惜しくも亡くなった森田芳光監督の遺作です。この映画は私が大好きな森田作品「間宮兄弟」のテイストを引き継いだ、オタクコンビの映画。このふたりが醸し出すなんとも言えない“ユルイ”雰囲気が良いんです。そんなふたりが趣味の鉄道が元でビジネスでも成功をするというのは、ツッコミどころですが、まあプチハッピーな映画なので仕方ないか？？だけど、このユルユル感は見ている私にひと時の癒しを与えてくれました。“鉄男くん”や“鉄子さん”が見ればさらに面白いポイントがいっぱいあるんでしょうね。主演は「ノルウェイの森」の松山ケンイチと「ワイルド７」「一命」の瑛太。ふだんはハンサムな役が多いふたりがイケてない男を好演。（映画の中では小町はけっこうモテる設定）脇役陣は貫地谷しほり、村上絵梨、ピエール滝、伊部雅刀、笹野高史、松坂慶子。この脇が良いから主演が引き立つんですよね。森田監督作品はたくさん観ました。「模倣犯」以外はけっこう好きな作品が多いです。もっともっと映画を作って欲しかったですね。

劇場版スペック　天	監督：　堤幸彦	出演：戸田恵梨香、加瀬亮、神木隆之介
	2012年　日本映画
	警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策本部、通称“ミショウ”。その日、警視総監と内閣情報官が訪れる。彼らは“全員ミイラ殺人事件”について語り始める。そして突如女の声で「シンプルプランをやめないと全員殺す」と叫ぶふたり。彼らは何物かに憑依されていたのだ。それは謎の“スペックホルダー”から当麻、瀬文への挑戦状だった。“全員ミイラ殺人事件”の現場となったクルーザーを調べた当麻は被害者が全員公安や政府関係者と繋がりがある事を知る。その時、瀬文の元に志村美鈴から電話が入る。何物かが彼女をつけ狙っているというのだ。しかし、美鈴はつけられていたのではなく、保護されていたのだ。彼女の護衛をしていたのはＣＩＲＯ特務部の青池と宮野。青池は瀬文の元恋人だった・・・・・
	私評：化け物扱いかよ！・・・この映画、テレビシリーズを見ていないと全然付いていけません。いきなりＴＶの特番“翔”の後から映画が始まります。実は私はテレビシリーズの“ＳＰＥＣ”が好きで、タイムリーではなかったのですがレンタルビデオでコンプリート。それゆえにすんなり映画に入る事が出来ました。しかし・・・、この映画はいくつもの謎を残したまま終わってしまいます。“起承転結”でいう“転”と“天”を引っ掛けてあるので“結”があるのかと思ったら・・・。それはエンドクレジットの後をお楽しみに！？しかし、相変わらず堤監督の演出はキャラクターが立ちまくり。まさに、“堤節”とでも言うべきか？主演の当麻を演じるのは「デスノート」の戸田恵梨香。彼女の弾け方がハンパじゃない！「トリック」の仲間由紀恵もそうだったけど、堤監督に掛かると美女も名優もみんな変な奴になってしまいます。瀬文役は「永遠の僕たち」の加瀬亮。彼らのボスの野々村役は「太陽にほえろ！」のゴリさんで有名な竜雷太。その他、福田沙紀、神木隆之介、椎名桔平、伊藤淳史、栗山千明、浅野ゆう子・・・。みんなキャラを破壊されています。監督は「はやぶさ」「ＢＥＣＫ」の堤幸彦。どうやらＳＰＥＣはアメリカのＴＶシリーズでリメイクされるらしい？

レック３　ジェネシス	監督 : パコ・プラサ		出演：レティシア・ドレラ、ディエゴ・マルティン
REC3 Genesis	2012年　スペイン映画
	バルセロナの結婚式場でコルドとクララは人生で最良の日を迎えていた。ふたりの結婚式が華やかに行われ親戚や友人たちが大勢集まっていた。そしていよいよ披露宴会場でパーティが始まる。大広間でダンスが始まり宴は最高潮に。しかし・・・、具合の悪そうだった叔父が２階の手摺から落下。しかも、駆け寄った叔母の首に噛みつき肉を削ぎ取った。叔父と同じような形相で何人かが会場に飛び込んでくる。そして彼らは次々と出席者を襲い、噛み殺していった。彼らはウィルスに冒されていたのだ。コルドはクララの姿を見失ってしまい、やむなく厨房へと逃げた。そしてダクトを抜けて裏庭に出ると、そこには新たに感染した狂人たちがウヨウヨいる。すると近くの教会に祖母たちがいるのを見つけ、そこへと駆け込んだ。ここに立て籠もって救援を待つという仲間をよそに、コルドはクララを探すという。すると会場に備え付けのスピーカーからクララの声が響いた。「愛しているわ。私妊娠したの」・・・・
	私評：スポンジ・ボブは著作権が面倒なので、これはスポンジ・ジョンさ・・・シリーズの１、２は問答無用の恐怖を直球で投げてきたが、今回の作品はコメディ要素がいっぱい。しかも、映画会社の売りは“ラブストーリー”。欲張り過ぎはよくありませんよ。どれもが中途半端になってしまっています。映画のラストはあのアメリカン・ニューシネマの名作を彷彿させるのですが、私は思わず失笑してしまいました。また、ＲＥＣの１，２は現場に持ち込まれたカメラが映してしまった・・というのがコンセプトなのですが、この映画は途中でいわゆる普通の映画の演出が入っていたりします。よく分からん！そんなところを映画会社は「ＲＥＣシリーズの突然変異」と呼んでいます。うまいことを言うな～！ヒロインのクララ役はレティシア・ドレラ。彼女の見開いた目はかなり怖い！コルド役はディエゴ・マルティン。過去の２作品はジャウマ・バルゲロとパコ・プラサが共同で監督をしていましたが、今回はパコ・プラサの初単独監督紗品。ＲＥＣシリーズは次のパート４が最終章だそうです。これも見なければ！

前回の記事も読んでね～！

Ｉ　Ｌｏｖｅ　Ｍｏｖｉｅに戻る