2006/4/23

1ヶ月ぶりのレビューです。あまり映画を観ていないのですが・・・。
とりあえず6作品をアップして、ストックが4作品です。(笑)
今回のイチ押しは日本人で良かったと思える不思議な癒し映画です。

かもめ食堂  監督:荻上直子  出演:小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ

2005年 日本映画

今週のイチ押し:ヘルシンキの町に『かもめ食堂』という小さな店がオープンした。店主は日本人のサチエ。メインメニューは日本人のソウルフードの「おにぎり」。しかし、来る日も来る日もお客はやってこない。そんな「かもめ食堂」の最初のゲストは日本かぶれの青年のトンミ。そんな彼から「ガッチャマン」の歌の歌詞を聞かれるが、途中までしか思い浮かばない。イライラしながら歌を繰り返すサチエ。その日の夕方、図書館のカフェで日本人ミドリを発見したサチエは、思い切ってガッチャマンの歌詞を彼女に尋ねた。すると彼女は全ての歌詞をすらすらと書いて見せた。お礼を言うサチエにミドリはここに来た経緯を話した。何かを感じたサチエはミドリに一泊の宿を提供した。やがて、ミドリも『かもめ食堂』を手伝うことになった。いつまでたっても客が来ない『かもめ食堂』。しかし、街の人たちは密かにこの店を覗いていた・・・
私評:ノルウェイには森があります・・・・私は小林聡美の大ファン。古くは『転校生』から『やっぱり猫が好き』もほぼ全編を見ています。そんな彼女が主演の映画ということで、私はとても楽しみにしていました。そして映画がどうだったかというと、まさに小林聡美のために作られたのでは?と思えるほど、彼女の良さが引き出された作品でした。彼女の自然体で飄々とした雰囲気が、この映画のサチエにピッタリだったのです。そして片桐はいりともたいまさこが不思議な魅力のエッセンスを振りまき、ヘルシンキという異国の中での「日本人」が見事に描かれていました。この映画に色恋はありません。あるのは、小さな夢を現実にしようと頑張る女性たちの、小さな友情物語なのです。そして彼女たちの不思議な魅力に吸い寄せられるフィンランドの人たちに物語です。この映画に登場する美味しそうな料理の数々には参った。本当にお腹がグーグー言ってしまいました(笑)。原作は群よう子。監督は『バーバー吉野』の荻上直子です。
クレヨンしんちゃん 
伝説呼ぶ 踊れ!アミーゴ!
 監督:ムトウユージ  声の出演:矢島晶子、ならはしみき
 2006年 日本映画
カスカベにそっくり人間が現れた!そんな噂がしんのすけの幼稚園で話題になっていた。都市伝説に震える子供たち。しかし、その噂はホンモノだった。デパートに出かけた野原一家にそっくり人間の魔手が伸びる。なんとみさえのそっくり人間が現れたのだ。そこに登場したのが国際秘密組織SRIのジャッキー。彼女の活躍でニセモノのみさえをやっつけたが、ひろし、ひまわり、そしてなんとしんのすけのそっくり人間まで現れた。しかし、町の人たちは次々とそっくり人間にとり代わっていた。ホンモノと見分けるにはサンバの曲をかけるしかない。ニセモノは思わず踊ってしまうのだ。そしてついにしんのすけはこの事件の黒アミーゴ・スズキと遭遇する・・・・
私評:シンデレラのおねいさん、おパンツ見えたよ・・・クレヨンしんちゃんも映画館で見るようになって6年が経ち、当時小学校に入ったばかりだった甥っ子も6年生になりました。その間毎年、映画館で見てきました。監督によって作風は違えど、クレしんの楽しさは家族の愛情と、そして超がつくほどおバカな会話。今回も満喫しました。しかも今回の映画は私の好きなホラーテイストが味わえるというお徳版??いや〜、楽しかったです。テンポのよい展開もグッドでした。劇場は相変わらず子供たちの下品な笑いでいっぱい。しかし、こういう光景を見ていると日本はつくづく平和だと思えてしまうのでした・・今回のスペシャルゲストは、今バラエティで人気の長州小力。そしてエンドクレジットの歌は、なんと倖田來未。彼女の歌うGo Awayに合わせてキャラクターたちが踊るエンドクレジットは必見かも??さあ、来年は甥っ子も中学生。また、一緒に見に行ってくれるかな?
プロデューサーズ  監督:スーザン・ストローマン  出演:ネイサン・レイン、マシュー・ブロデリック
The Producers  2005年 アメリカ映画
ブロードウェイの大物プロデューサーだったマックスの最新ミュージカル「ファニー・ボーイ」は大コケ。かつての栄光はどこへやら、今は悪評ばかりが彼について回る。そんなある日、彼の元に会計士のレオが帳簿を調べにやってくる。彼はショーがコケると出資者に配当を払わなくて良いので、金が残るというカラクリを発見する。そこでふたりは手を組んで史上最悪のミュージカルを世に送り出すことを決意。まずは、史上最悪の脚本を探すことからスタートした二人はナチス信望者フランツの書いた『春の日のヒトラー』という作品に出会う。続いて史上最悪の演出家、史上最悪の役者と彼らは着々と史上最悪のショーの準備を進めていくが・・・・
私評:僕のブルーの毛布〜!・・・コメディ映画の巨匠メル・ブルックスの超大ヒットミュージカルの完全映画化。メル作品だけにかなりブラックなネタが満載。しかし、この濃〜いミュージカルに私はどっぷりとはまってしまいました。オープニングから10分近い主人公の二人の掛け合いを見たときは、正直ダメだと思ったのですがそれを乗り越えたら、あれよあれよという間に時間が過ぎていきました。そして大爆笑の連続。周波数が合ったのでしょうね。特に笑ったのはマックスが軍資金を集めるためにおばあちゃんたちを騙しに行くシーンとフランツが歌うドイツのバンドの歌。思い出すだけで笑っちゃいます。主演は「バードケイジ」のネイサン・レインと「ゴジラ」のマシュー・ブロデリック。このふたりの歌の上手さにはビックリ。(マシュー君、私と誕生日が2日違いでした!)そしてちょっと頭の足りないスウェーデンの女を演じるユマ・サーマンが最高。「奥様は魔女」ではサイテーの演技を見せたウィル・フェレルもこの映画のフランツ役はまさにはまり役!!ゲイの演出家ゲイリー・ビーチとロジャー・バートは夢に出てくるくらいインパクト強いです。(笑)監督はこの映画がデビューとなる振付師のスーザン・ストローマン。この映画はエンドクレジットの最後まで見ましょう!
名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌  監督:山本泰一郎  声の出演:高山みなみ、神谷明
 2006年 日本映画

小五郎はコナンと蘭、そして少年探偵団の面々と横浜のホテルに向かっていた。依頼人に通された部屋はホテルの最上階のスイート。しかし、依頼人は小五郎とコナンを残し、あとのメンバーには隣接するテーマパークのフリーパスIDを渡して遊んでくるようにと促した。しかし、それは依頼人の罠だった。フリーパスには小型爆弾が仕掛けられていて、テーマパークの外に出ると爆発する仕組みになっていた。しかも、タイマーもセットされ今夜の10時までに依頼人の事件を解決できなければ爆発してしまうのだ。依頼人がまず二人に渡したのは「TAKA3−8」の暗号。ふたりはさっそく事件解決に乗り出した。しかし、事件解決を依頼されていたのはコナンと小五郎だけではなかった。コナンのライバル、西の名探偵服部平次、そして警視総監の息子白馬探までもがコナンと同じ状況に置かれていた。手を組んで事件解決に乗り出したコナンたち。しかし、タイムリミットは刻々と近づいていた・・・・

私評:ジョウダンじゃないぜ。事件は俺が解決する・・・名探偵コナンもついに10作目。毎年「クレヨンしんちゃん」と同じ日に公開されるこの作品。だからというわけではないのですが、ここ数年ずっと劇場で観ています。今回は10周年ということもありオールスターが総出演。平次、探、怪盗キッド、そしてコナンがどう絡んでいくのかが、今回の楽しみでしょう!テーマパークに人質を閉じ込めて、しかもタイムリミット付きの事件というのは、ドキドキ感も倍増。オチはイマイチでしたが、かなり楽しめました。本当にコナンの映画はハズレがありません。今回、灰原哀の今までにない一面(?)も観れるので、ファンは必見です。主題歌はなんとB’sです。 もちろん、映画の最後にいつもの通り「11作目製作決定!」の告知がありました。
子ぎつねヘレン  監督 : 河野圭太  出演:大沢たかお、深澤嵐、松雪泰子
 2006年 日本映画

東京の学校から転向してきた太一は、写真家の母親と離ればなれ。彼は母親の友人の獣医、矢島の家に預けられた。学校にもなかなか馴染めないでいた太一は、ある日一匹の子ギツネを見つけた、道端にうずくまって動こうとしない子ギツネを、太一は見捨てることができず家へと連れ帰った。「入院費は払えるのか!?」という矢島の問いかけに対し、仕事の手伝いをする事で了承を得た。しかし、矢島は子ギツネの異変に気付いた。このキツネは目と耳が不自由で、外界に何の反応も示さなかった。そんな子ギツネに太一は「ヘレン」と名づけ、以前にも増して愛情を注いで育て始める。最初は覚めた目で見ていた矢島と中学生になる彼の娘美鈴だったが、太一の情熱は徐々にヘレンに伝わり始める・・・・

私評:サリバン君、やるじゃない・・・・感動系の映画だということは重々承知の上で行ったのですが、子供+動物という天下の宝刀を2つも使う卑怯な映画で(笑)、私は涙・涙・・。3重苦の子ギツネと少年の心のふれあいと、その清らかな気持ちが引き起こす奇跡。あ〜、私の心もすっきり汚れを落としたような気がしました。そして特筆すべきは北海道の美しい大自然の映像。網走辺りらしいのですが、本当にきれいです。主演の少年役は深澤嵐君。彼の愛くるしい表情と見事な演技に泣かされました。獣医役は今、引っ張りだこの大沢たかお。そして太一の母役は松雪泰子。そして大沢たかおの娘役の小林涼子ちゃんが、なかなか良い演技を見せてくれます。松竹映画も「クイール」の路線でこの映画を作ったのでしょうが、見事にはまりましたね。監督はこの映画が長編デビューとなる河野圭太。

サウンド・オブ・サンダー  監督:ピーター・ハイアムズ  出演:エドワード・バーンズ、キャサリン・マコーマック
A Sound Of Thunder  2005年 アメリカ映画
西暦2055年、人類はついにタイムトラベルの技術を手に入れた。大手旅行代理店の『タイムサファリ』は独自で開発したタイムマシーンを使って、遥か太古の白亜紀にゲストを運び恐竜ハントをさせるツアーを売り物にしていた。しかし、タイムマシーンの生みの親のソニアはこのツアーを危険だと非難していた。ツアーを仕切っているトラヴィスは自らが研究している絶滅種の復元のためにタイムマシーンを使っていたが、社長の傲慢な経営には嫌気がさしていた。しかし、タニアの指摘が当たり時間というとてつもない怪物は徐々に異分子を排除しようと働き始める。恐竜ツアーの最中にトラブルが発生しゲストの一人があるものを持ち帰ってしまったのだ。異常気象から始まった異変は24時間後、シカゴにタイムウェイブが襲う。巨大昆虫の襲撃、そして古代種の植物の異常繁殖が人々を襲う。そして第2、第3のタイムウェイブが押し寄せるとタニアは予言する・・・・
私評:6500万年分の進化の波が訪れるのよ・・・この映像を5年前に見たら「スゴイ!」と思えたかもしれません。しかし、「キングコング」を見た後にこの映画を見ると、どうもチープに見えてしまう。CGを使うところを費用削減のために手書きのバックにしたり、外のシーンも狭いセットの中で撮影したりと、素人の私が見ても分かってしまう「特撮」が随所に見られました。しかし、テーマ自体はすごく面白い。タイムパラドックス作品に欠かすことのできない時間の歪みをどう修復するかがこの映画の見所。そして謎の古代生物の特撮はなかなかの迫力。恐竜とオランウータンを合わせたような怪物は迫力がありました。主演はお久しぶりの「プライベート・ライアン」のエドワード・バーンズ。彼もこういうマッチョな役で活躍して欲しいな〜。ヒロイン役は「スパイゲーム」のキャサリン・マコーマック。悪徳社長役はオスカー俳優ベン・キングスレイ。監督はB級アクション映画ならお任せのピーター・ハイアムズです。


前回の記事も読んでね〜!



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