2013/4/20

ポツリポツリと観ています、勢いがつかず・・。
GWが近いのでそこで一気に追いつくか??今回のイチ押しは
スペイン産のホラーと前衛的なフランス映画。そして日本語の面白さを再発見する映画。

フリア よみがえり少女  監督 : アントニオ・チャバリアス  出演 :ファン・ディエゴ・ボト、バルバラ・レニー
Dictad  2012年 スペイン映画
今週のイチ押し:教師のダニエルは妻のラウラと二人暮らし。子供が欲しいラウラはなかなか妊娠ができない自分に苛立ち体調を崩していた。そんなある日、ダニエルのもとに幼い時の友人のマリオが訪れる。彼は「自分の娘に会ってくれ」ダニエルに懇願するが、ダニエルはマリオを邪険に追い出してしまう。その夜、マリオは浴槽の中で、娘のフリアの目の前で手首を切って絶命した。数日後、ダニエルはラウラと一緒にマリオの葬儀に出席。そこで初めてフリアの姿を見たラウラは、フリアを気に入ってしまう。施設から彼女を引き取り、監護権のある者が現れるまでという条件でフリアを預かることにした。ラウラはフリアと仲良くなり溺愛し始めるが、ダニエルには懐かない。そして彼とフリアがふたりきりの時、フリアは「あなたをずっと前から知っている」という謎の言葉を投げかける。それ以来、ダニエルの中に封印していた幼い時の“ある事件”が克明に甦えりはじめる。少年時代、父親と二人で暮らしていたダニエルの元に、マリオとクララの二人を連れて女性がやってきた。彼女は父と再婚をするはずだった。そんな時、クララの遺体が墓地で発見される・・
私評:お前は誰なんだ・・・スペインからやってきたミステリアスはホラー作品。最近のハリウッドのホラーみたいに、血がドバドバ出る映画ではなく、理由のわからない恐怖にジワジワと責め立てられる作品です。ヨーロッパ映画らしい格調高さが感じられますね。フリアが昔死んだクララの生まれ変わりなのか??という恐怖から、ある人物の登場で恐怖の矛先が変わってきます。それはあまりに悲しい事実。この怖さの中にしっかりとしたドラマが描かれているところが、私はすごく気に入っています。見てる時だけ怖くて、見終わったら何も残らない”アトラクション“映画も良いのですが、こういう余韻を引きずるホラー映画も良いですね~!ダニエル役はファン・ディエゴ・ボト、ラウラ役はバルバラ・レニー、大きな目が印象的なフリア役はマヒカ・ペレスちゃん。監督はこれが初監督作品となったアントニオ・チャバリアス。
舟を編む  監督 : 石井裕也  出演 : 松田龍平、宮崎あおい、加藤剛
 2013年 日本映画
今週のイチ押し:大手書店の玄武書房の別館には“辞書”を作成する部署があった。本館の人たちはこの部署のことを知らない人もいる。この部署の舵取りをしている松本は危機を感じていた。長年彼の片腕として活躍してきた荒木が、妻の介護のために退職する事になったのだ。後釜をさがしていた松本は営業部で“変人”と呼ばれている真締(まじめ)に目をつける。彼は人付き合いが下手で、言葉にするのは苦手だが日本語に対する人並み外れたセンスを持っていた。そして真締はめでたく?辞書部に異動となった。彼が移るとすぐに新しい辞書「大渡海」の制作が決まる。全く新しい辞書作りは長い年月を要する大仕事。しかし、真締はそこでの仕事に自らのアイデンティティーを見出し、仕事に没頭していく。そんなある日、彼は下宿で家主の孫娘、香具矢に出会い一目惚れしてしまう。話すのが不器用な真締はラブレターを書くが、達筆すぎる手紙に香具矢は一度は引いてしまう。そして彼女は言葉で伝えて欲しいと懇願する・・
私評:“右”を語釈してください・・・三浦しおんの原作は「本屋大賞」に選ばれベストセラーとなりました。私は原作が気になっていたのですが、読めずにいました。しかし、原作を読まなくて正解!まずは「辞書作り」という特殊(?)な世界を垣間見て、目からウロコが落ちました。普段から普通に使っている辞書がこんなふうに作られていたとは!そして最初にも書いた「右とはどういうことですか?」という質問も斬新。まあ、ここまでは原作の力です。しかし、映画の方もすごく良くできていました。辞書作りのたいへんさはもちろん、ちょっと変わった真締くんのキャラと彼を取り巻く人々がユーモアたっぷりに描かれていています。誰ひとりとして「イヤな奴」がいない!!これはキャスティングが最高だったからですね。主演の真締を演じるのは「探偵はバーにいる」の松田龍平。相変わらず演技は下手ですが、この役は合っていましたね。香具矢役は「きいろい象」の宮崎あおい。チラシの写真とかがデカデカと載っていますが、彼女の出演シーンは龍平の半分です。そして個人的にすごく良かったのが、真面目の先輩役のオダギリジョー。その他、加藤剛、小林薫、池脇千鶴、鶴見辰吾などが脇を固めます。監督は「川の底からこんにちは」の石井裕也。この監督、やっぱり只者じゃない!!
ホーリーモーターズ  監督 : レオス・カラックス  出演 : ドニ・ラヴァン、エディット・スコブ
Holly Mortors  2012年 フランス・ドイツ映画
今週のイチ押し:レオス・カラックス監督、本人が登場。彼の指の一本は不思議な金属でできている。壁の穴に指を入れると、不思議な扉が開き、そこは誰もいない映画館。彼はいったい何を見るのか??男は家族に見送られ家を出た。彼の名はオスカー。お抱えの運転手を押しのけ、門まで歩くとそこには別の白いリムジンが待ち構えていた。車に乗り込むと運転手の女が「今日のアポイントメント」について話し始める。にわかに男は変装を始める。まず、男が変装したのは醜い老女。彼女は金を乞うため、人ごみの中に飛び出す。変幻自在なオスカーは様々なキャラクターになりきる。CGのためにマークの付いた全身タイツを来てエロチックなアクションをこなしたり、不気味な怪物になって街を闊歩しモデルの女を強奪したり、殺人者、父親など次々と姿を変えて、人々に生活に介入する。果たして彼の目的は??・・
私評:これが最後のアポイントメントよ・・・レオス・カラックスが帰ってきた!「ポーラX」以来、実に13年ぶり。(2008年に「TOKYO!」という作品で短編は撮っています)前衛的な彼の作品はどうしても“キワモノ”と言われたり“異端”と言われたりするが、彼の突出した感性は、私の神経を“心地よく逆撫で”するのです。とにかくしっちゃかめっちゃかな演出。あまりに突拍子もない演出が次々と飛び出すのですが、それがどこからどんな形で飛び出してくるのかは、到底予想できません。私は終始ニヤニヤしながら、彼の変化球を楽しみました。こんな映画を撮れるのは、彼を置いてはいないだろうな~・・・。主演はカラックス作品の常連ドニ・ラヴァン。11ものキャラクターを演じ分けるのですが、本当の彼の素顔はどれなのか??(あの怪物かも??)リムジンの運転手は「ジェボーダンの獣」のエディット・スコブ。怪物が誘拐するモデル役は「ゴースト・ライダー」のエヴァ・メンデス、シリアスな展開から突然ミュージカルにしてしまうエヴァ役はカイリー・ミノーグ。すごい映画です!
ボクたちの交換日記  監督 : 内村光良  出演 : 伊藤淳史、小出恵介、長澤まさみ
 2012年 日本映画
河本と田中のふたりコンビ漫才の房総スイマーズは鳴かず飛ばずの状態が続いている。高校時代に文化祭で大ウケした事がきっかけだったが、コンビを組んですでに12年の年月が経っていた。30歳を迎えたふたりは、漠然と将来の不安も抱えていた。なかなか本音の話ができないふたりは交換日記を始め、お互いの胸の内をぶつけ合った。すると、今まで以上に二人は結束し、ふたたび同じ夢に向かって歩み始める。そんな時、ふたりは「笑軍」というお笑いのトーナメントに出場することに。練習を積んだふたりは順調に予選を通過。あと、1回勝てば決勝トーナメントに出られるところまで勝ち進んだ。ところが肝心のところで河本はセリフを咬んでしまい、それが原因で敗退。河本はすっかり気落ちしてしまう。そんなある日、河本は突然コンビの解散を申し出る。田中は必死に食い止めようとするが河本はガンとして意志を曲げない。ついに田中も解散に同意するが・・・・
私評:今日はベッキーを見たから、勝てそうな気がするんだ・・・人気放送作家の鈴木おさむの原作を映画化。実はたいしたことないだろうとタカを括っていたのですが、見始めたら映画の面白さにどんどん惹かれていきました。そしてラストは感動でウルウル・・・。いい映画です。この映画はとてもテンポが良いのですが、それは笑いのエッセンスがふんだんに盛り込まれているから。間延びしそうな演出も笑いにしちゃうといい感じで流れていくんですよね。私が一番感動したのは、河本の娘の名前を田中が聞くシーン。それまでの展開を見ていれば、どうしてその名前に行き着いたかが分かってジーンとしちゃいました。キャストも豪華です。田中役はチビノリダーこと伊藤淳史、河本役は「僕の彼女のサイボーグ」の小出恵介、田中の恋人→奥さんはTV「黒の女教師」の木村文乃、河本の恋人→奥さん役は「モテキ」の長澤まさみ。その他にも佐々木蔵之助、川口春奈、カンニング竹山などなど。その他にも若手のお笑いが多数出演します。監督はウッチャンナンチャンの内村光良。彼も秘めた才能を持っているようです。
ライジング・ドラゴン  監督 ・主演:ジャッキー・チェン  出演 : クォン・サンウ、ジャン・ランシン
Chinese Zodiac  2013年 香港映画
トレジャー・ハンターのJCのもとに、新たな依頼が入った。それは清朝時代にヨーロッパの軍に略奪された十二支の頭像。アンティック・ディラーのマックスプロフィット社は、本物のアンティークを手に入れたあとに模造品を作り、それを売り捌いて莫大な利益を上げている闇商社。JCもそれを知りながら金のためと割り切って商売をしていた。JCはチームを結成して世界中を飛び回る。そんな時、JCはアンティークの鑑定士でもあるココと知り合う。彼女は盗品を元の国に戻すという運動にも参加している。ココの元にナショナル・ジオグラフィック社の人間と偽って近づいたJCたちは、彼女から有力な情報を手に入れる。そして彼女はJCが泥棒である事を知らないまま、仲間に加わってしまう。また、JCは十二支像の一つを持っているフランスの資産家のキャサリンと出会う。しかし、彼女の資産はすべて銀行に差し押さえられていた。しかし、JC一行はキャサリンの屋敷である写真を発見。その写真には十二支像のすべてと、お宝がたっぷり携えたキャサリンの祖父が写っていた。海に浮かぶアーチ型の岩を求めて、彼らは出発するが・・・・
私評:だけど、引退はしません・ジャッキー・チェンでした!・・・ジャッキー・チェンが自ら「アクション超大作はこれで終わり」と宣言。ジャッキーのアクション映画を30年以上も観てきた私には、とても残念なニュースです。誰だって年齢とともに体が衰えるので、仕方ないけどね・・。それでも今回の映画ではすごいアクションつるべ打ち。まだまだ、現役で行けるんじゃない??特に体中にローラースケートのようなタイヤをつけて坂道を滑走するシーンは圧巻。もちろん、特撮もあるのですがジャッキー自らが滑っているシーンもいっぱい。そして私の大好きな“ぶん殴り合い”もしっかり取り込まれていて嬉しかったです。最後はお約束のNGシーン集。痛そうなシーンもあって、最後の最後まで楽しませてもらいました。ジャッキー・チェンは主演だけではなく、監督、脚本、武術指導も手掛けています。JCの強力なパートナーのサイモン役は韓国のトップスター「マルチュク青春通り」のクォン・サンウ、やはりチームの一員で紅一点・足技の名人はこれが映画初出演となるジャン・ランシン。彼女のキックはすごい!そしてマックスプロフィット社の社長は「2012」「三銃士」のオリバー・プラット。ジャッキーの最後の勇姿。しっかり眼に刻みましょう!しかし、今回のパンフレット、半分がカレンダーという、超~手抜き!!


前回の記事も読んでね~!



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