2011/4/117

母が入院してしまい映画館にもなかなか行けません。
イチ押しはセクシーアクションと骨太ドラマ

エンジェル・ウォーズ  監督:ザック・スナイダー  出演:エミリー・ブラウニング、アビー・コーニッシュ
Sucker Punch  2011年 アメリカ、カナダ映画
今週のイチ押し:ベイビードールは母の死後、遺産を狙う継父の策略にはまり精神病院に入れられてしまう。用務員のブルーは継父からの賄賂でベイビードールにアナトミー手術を施し、記憶を消そうとしていた。恐怖から彼女は空想の世界へと誘われていく。そこは娼館でベイビードールを始めとする入院中の少女たちは娼婦へ、ブルーは支配人、そして精神科医のドクター・ゴルスキーはマダムへと変貌した。ある日、ゴルスキーはベイビードールにみんなの前でダンス踊らせる。音楽に身を委ねたベイビードールは次の段階の空想世界に入って行く。そこは大きな寺院で中にいた賢者が彼女に語りかける。自由を手に入れたければ5つのアイテムを手に入れろ。すると、巨大な3匹の侍たちが彼女に襲いかかる・・・。戦いを制したベイビードールの意識はふたたび娼館へと戻った。そこでベイビードールは館の少女たちと一緒に脱走を試みる・・・
私評:生き残るのはあなただったのよ・・・・・「300」「ウォッチメン」のザック・スナイダー監督が、またしても驚愕の映像の作品を作った。そこは少女の空想の世界。いつも通りのちょっとセピアがかった映像は彼らしさの象徴。そして空前のバトルシーンが描かれていきます。今回は少女たちのアクションなので、端々にぬるい演出はあるのですが、その辺りはビジュアルでカバー。だけど、セクシーな女子たちが暴れているだけで良いんです!萌えました!!(笑)ベイビードール役は「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」のエミリー・ブラウニング。すっかりセクシーな女になっちゃいました。あの半開きのぽってりした唇が色っぽいです。少女たちのリーダー、スイートピー役は「キャンディ」のアビー・コーニッシュ。(彼女はニコール・キッドマンによく似てる!)その他、「イントゥ・ザ・ワイルド」のジェナ・マローン、「ハイスクール・ミュージカル」のヴァネッサ・ハジェンズ、「DRAGONBALL EVOLUTION」のジェイミー・チャン、そして賢者役は(すっかりおじいさんになってしまった)「羊たちの沈黙」のスコット・グレン。いや~、めちゃめちゃカッコ良かったです!!
トゥルー・グリット  監督:ジョエル&イーサン・コーエン  出演:ジェフ・ブリッジス、マット・デイモン
True Grit  2010年 アメリカ映画
今週のイチ押し:1878年.フォートスミスの町にひとりの少女が駅に降り立った。彼女の名はマティ。彼女は父親の遺体を引き取るためにここにやってきたのだ。そして父を殺したのは、父が雇っていたチェイニーだという事実を知った。マティは町で父親の死後の処理をしていたが、父が金貨2枚のために殺された事を知り、理不尽な思いを抱いた。チェイニーはインディアン領に逃れ、お尋ね者のネッドの一味になっているという。父の形見の銃を手に入れたマティは自らの手でチェイニーを捕らえる事を決意した。マティは伝説の連邦保安官のルースター・コクバーンに犯人追跡を依頼した。しかし、彼は大酒飲みで“トゥルー・グリット(真の勇者)”には見えなかった。また、別の案件でチェイニーを追ってきたテキサスレンジャーのラビーフも加わりチェイニーの追跡が始まった・・
私評:彼なら2日前に死んだ・・・この作品はジョン・ウェインの「勇気ある追跡」のリメイクです。オリジナル版は見ているのですが、ほとんど記憶に残っていませんでした。今回の作品は西部劇でおなじみのドンパチのシーンはあまりなくて、人間の心情を深く掘り下げたドラマになっています。それゆえキャスティングが物を言う作品です。そして映像の美しさもとても印象的でした。雄大な西部の荒野を旅するシーンの美しいのなんのって・・・。そしてちょっぴり悲しいラストはなんとも言えない感動がありました・・・。主演は昨年、アカデミー主演男優賞を獲得したジェフ・ブリッジス。この作品で今年も主演男優賞にノミネートされました。ラビーフ役は主演作が目白押しの「ヒア・アフター」のマット・デイモン。チェイニー役は「ノー・カントリー」のジョシュ・ブローリン。しかし、この映画を牽引するのは恐るべき新人女優ヘイリー・スタンフェルドです。この作品がデビュー作の彼女ですが、名だたる名優たちを向こうに回して彼らをも飲み込んでしまうほどの演技を見せます。彼女は今年のアカデミー助演女優賞にノミネートされていましたが、これは納得。もし、この作品を先に見ていたら、彼女を推したと思います。監督は「ノー・カントリー」のジョエル&イーサン・コーエン兄弟。
アンチ・クライスト  監督:ラス・フォントリアー  出演:シャルロット・ゲンズブール、ウィレム・デフォー
Anti Christ  2011年 デンマーク/ドイツ/フランス/スウェーデン/イタリア/ポーランド映画
雪の夜、その夫婦は愛を交わしていた。幸福な時間を過ごしていたふたり。しかし、悲劇は起こった。ひとり息子のニックが窓から落ちて死んでしまったのだ。息子の死に罪悪感を抱えた妻は心身症になってしまう。彼女を救うべく夫は、妻の抱えた傷を“愛”で埋め合わそうとするが効果は上がらない。セラピストでもある夫は彼女に催眠療法を施し、彼女の心に潜む恐怖の場所を探りだした。それはエデンと呼ばれる森。ふたりは森の奥深くへと入り込んでいく。エデンで恐怖から逃れられない妻は、夫にセックスを強要する。夫は心理療法で妻の恐怖を取り除こうとするが、妻の容態はさらに悪化していく。夫は山小屋の中で1年前の夏に妻がこの地で執筆していた殺戮に関する論文や魔女狩りの絵を見つける。そして夫は妻にニックの検死報告の書類を見せる。なぜか妻はニックに靴を逆に履かせていたのだ。その事を指摘された妻は逆上し夫に襲いかかる。妻は夫の足にドリルで穴をあけた・・・・
私評:死んでいく者たちの声が聞こえるの・・・ラス・フォントリアー監督の作品は正直言って苦手です。彼の描く狂気の世界が私には刺激的すぎるのです。神経を逆なでするのです。「それなら見なければ良いのに!」と言われそうですが、それもできない。不思議な監督です。しかも、彼の作品は美しい。今回の作品もオープニングのラブシーンからなんとも美しい映像を私に見せつけます。しかし、ストーリーを追うごとに徐々に恐ろしい映像が挟み込まれていく。そして彼女の中の何かが爆発し、壮絶なまでの“狂気”が映像として襲いかかってきます。まさに壮絶な・・・。という訳で、今回も“どよ~ん”とした不快感をいっぱい抱えたまま映画館を後にしました。しかし、なぜそんな思いを抱くのか?それはどこか自分にも相通ずる部分があるからなのかもしれません?狂気と対極にあるのは快楽??それとも・・・??夫役は「スパイダーマン」のウィレム・デフォー、妻役は「21グラム」のシャルロット・ゲンズブール。特にシャルロットの演技は凄かった・・。あのアイドルだった彼女が・・・。監督は「ドッグヴィル」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「奇跡の海」「マンダレイ」のラス・フォントリアー。彼の次の作品もきっと観に行っちゃうんだろうな~・・
ランナウェイズ  監督 :フローリア・シジジスモンディ  出演:クリステン・スチュワート、ダコタ・ファンニング
The Runaways  2010年 アメリカ映画
1975年、ロスアンゼルス。15歳のジョーン・ジェットはロックスターを夢見てエレキギターを掻き鳴らしていた。女のロッカーにほとんど市民権がなかった当時、ジョーンもチャンスに飢えていた。そんなある日、彼女はクラブで敏腕プロデューサーのキム・フォーリーを見かけ声を掛ける。10代の女の子だけのバンドに可能性を見出したキムはジョーンにドラマーのサンディ・ウェストを紹介した。そしてギター、ベースを加えたバンドに欠けていたのは華のあるヴォーカルだった。そんな時、キムがクラブで発見したのはブロンドの美少女シェリー・カーリー。彼女にカリスマ性を見出したキムは、即座にスカウト。そして彼女たちのバンド“ランナウェイズ”が結成された。予想通り彼女たちのバンドは男世界のロック界では差別され続けるが、人気は徐々に高まりついには全米ツアーが開始された。やがて、ランナウェイズはマーキュリーレコードと契約。日本へのライブツアーも決まるが・・
私評:チェリー・ボム!・・・実は私、ランナウェイズを生で見ました。当時、夕方の大人気番組だった「ぎんざNOW!」を観に行った時に出演していたのです。ガーター姿のシェリーは当時の私には超刺激的でした。その後、彼女たちレコードを買って何回か番組を見たのですが、私はジョーン・ジェットの方が好きでしたね。今回、映画を見る前に彼女たちの代表曲「チェリー・ボム」を聞きなおしたりして準備は万全。私の知らなかった“ランナウェイズ”を映画の中で垣間見て、なんだかとっても感動してしまいました。クールなジョーン・ジェットを演じるのは「トワイライト」シリーズのクリステン・スチュワート。今までの彼女のイメージとは全然違っていてビックリ。そしてシェリーを演じるのは「アイ・アム・サム」のダコタ・ファンニング。彼女はどんどん綺麗になって行きますね。今回の彼女はセクシーさと純粋さを持ち合わせた少女を好演!そしてなんと彼女のお母さん役は、少年時代に私が大好きだったテイタム・オニール!出演シーンは少ないのですが、私はきっちりとチェックしました!監督は写真家として有名な女性フローリア・シジスモンディ。
ビー・デビル  監督 :チャン・チョルス  出演 : ソ・ヨンヒ、チ・ソンウォン
 2010年 韓国映画
ソウルの銀行に勤めるヘウォンはストレスまみれの都会の生活に疲れ果て、子供時代に住んでいた島を訪ねる。そこはたった9人の住民が住んでいる孤島だった。彼女を笑顔で迎えたのは島から出た事がないボンナム。屈託のないボンナムだったが、彼女の生活は悲惨だった。暴力で彼女を圧する夫。夫の留守には義弟が彼女をおもちゃにする。義母も彼女を奴隷のように扱っている。もはやボンナムには人間の尊厳さえなかった。しかし、彼女はいつか娘と一緒にこの島を出ようとチャンスをうかがっていたのだ。へウォンにソウルに連れて行って欲しいと懇願するボンナムだったが、へウォンは煩わしさしか抱かなかった。そんな時、とんでもない事件が島の中で起こる。その事件は今までじっと息をひそめていたボンナムの中の悪魔を呼び覚ます。そして島は惨劇の舞台となる・・・・
私評:太陽に聞いたから・・・「韓国映画のバイオレンスの頂点」というふれこみでR18指定の作品です。そのキャッチフレーズに偽りなし。とんでもない殺戮シーンでした。まるで横溝正史の「八墓村」みたいだと思ったのは私だけでしょうか?そして後半は「黒い家」の大竹しのぶ・・。鎌を振り回すボンナムの怖いのなんのって。ここまで言えば、なんとなく分かるでしょう??それにしても不気味な映画でした。「味噌」のシーンは、私は大爆笑でしたが・・。ボンナム役は「チェイサー」のソ・ヨンヒ。いやはや彼女は凄い女優です。純粋ではあるのですが、粗野。へウォンへの接し方も気持ち悪いんですよ・・。へウォン役は美しいチ・ソンウォン。都会暮らしの彼女が最初はボンナムを拒絶していたのですが・・・・??そして登場人物が少ないこの映画ならではの、気持ち悪い島民たちがとっても印象的でした。監督は新人のチャン・チョンルス。彼はあのキム・ギドクの助監督をしていたそうです。なるほどって感じです。
ガリバー旅行記  監督 : ロブ・レターマン  出演 :ジャック・ブラック、エミリー・ブラント
Gulliver's Travel  2011年 アメリカ映画
NYの新聞社で働くガリバーは社内郵便係を10年も務めている。彼は失敗を恐れるばかりに何事もすぐに諦めてしまう性格。5年間も憧れている旅行欄の担当のダーシーにもずっと気持ちを伝えられずにいた。そんなある日、彼はアマンダから旅行記事を書く仕事を得た。ガリバーが取材するのは、あのバミューダトライアングル。単身ボートで海原へと旅立ったガリバー。しかし、天気は大荒れになりガリバーはボートごと大波に呑みこまれてしまう。目を覚ましたガリバーは自分の目を疑った。ガリバーの体の上にはたくさんの小さな人間たちが乗っていて、ガリバーの体はロープに縛りつけられていたのだ。彼が流れ着いたのはリリバットという王国だった。敵国のプレフスキュアの回し者と勘違いされたガリバーは洞窟に囚われてしまう。そんな時、敵襲を受けた火災の城に閉じ込められた王と敵に誘拐されそうになった王女を救ったのはガリバー。一転して、彼は国の英雄となる。そんな彼に納得がいかないのが、今までこの国のヒーローだったエドワード将軍。しかも、彼はガリバーのせいで“副将軍”に格下げされてしまう・・・・
私評:今回はやり遂げなくちゃ・・・ガリバー旅行記は小学生の時に原作を読みました。これを知らない人はほとんどいないでしょう?今回の映画は舞台を現代に変えて、冒険家の旅ではなくダメ男の成長を描いています。現在の映像技術をもってすればガリバーと小人の島の映像なんて簡単カンタン・・。だけど、3Dの方はたいしたことなかったです。今回は20世紀フォックスの作品という事もあり、映画の中でフォックスの数々の名作がパロディで使われています。「スター・ウォーズ」「タイタニック」「アバター」「24」、そして他社ですが「トランスフォーマー」・・・爆笑でした。原作のガリバーは小人の島の後に、巨人の島に行ったり、空飛ぶ島「ラピュタ」に行ったりするのですが、この作品も続編があるのでしょうか??主演は私が大好きなコメディアン、「スクール・オブ・ロック」のジャック・ブラック。今回も歌って踊って・・良いです!彼が憧れるアンバー役は「メリンダとメリンダ」のアマンダ・ピート。王女役は「プラダを着た悪魔」「ウルフマン」のエミリー・ブラント。監督は「モンスターVSエイリアン」のロブ・レターマン。


前回の記事も読んでね~!



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