2011/3/21

日本を襲った未曾有の大惨事もあり、映画館から足が遠のいています。
しかし、この映画だけは見たかった!もちろんイチ押しです。

SP 革命篇  監督:波多野貴文  出演:岡田准一、堤真一、
 2011年 日本映画
今週のイチ押し:官房長官襲撃事件から2ヶ月後。井上を含む警視庁警護課第4係の4人は怪我から回復し通常の任務に戻っていた。しかし、井上は上司の尾形の思惑を感じ取っていた。それぞれ別々の警護を担当しながら国会議事堂に集まった4人。議事堂には国会議員が次々と到着するが、同時にテロリストたちも次々と議事堂に集結し行動を開始する。そんな時、井上たちは尾形から第一院室の捜査を命じられる。それはあまりに不自然な命令で戸惑う4人だったが・・テロリストたちは尾形の野望に賛同した者たちだった。そしてテロリストだけでなく、当日の警護に当たったSPまでもが尾形の支配下にあった。彼らを引き連れ会議場に現れた尾形はあっという間に会議場を制圧。こうして議事堂は完全に彼らの支配下になった。井上は尾形をはじめとするテロリストの悪意にシンクロして、議事堂内の様子をいち早く感知した。テレビ放送をされている会議場の映像の中心に尾形がいる事を見て、4人は愕然とする。警護課長からの電話で「何もするな!」と言われた井上だったが、尾形への思いが4人を絶体絶命の要塞へと導くのだった・・
私評:大義のために死ねるなら本望だ・・・前作「SP 野望篇」のレビューに書いたとおり、この「革命篇」のための壮大な予告編だった。しかも、映画公開直前にテレビで「革命前夜」というドラマスペシャルまで作られた。TVシリーズを後追いしてから、ずっとこの作品にはまり続けた私は、製作者の思惑に見事に踊らされMAXのテンションで「革命篇」を観に出掛けました。この作品の面白さは綿密に計算されたストーリー展開。今作ではそれがさらにパワーアップして怒涛の展開を見せてくれます。一つ一つのシチュエーションが実にリアルでドキドキしていたのですが、SPの4人が会議場に突入するシーンはちょっと興ざめ・・あれはないでしょう・・。しかし、それを除けばほぼ完ぺきな作品でした。特にリアルなのが格闘シーンです。これについては多くを語りませんので、とにかく観てください。そして本物を使ったのでは?と思えるくらいリアルな議事堂内のセットも要注目です!主演はV6の岡田准一。彼は元々演技が素晴らしいのですが、今回はド派手なアクションを自らこなし、とにかく「すごい」の一言。ハリウッドでも通用しますよ。尾形役は堤真一。野望を抱く国会議員の伊達を演じるのは香川照之。その他に癖のある名脇役陣から、活きの良い若手までキャスティングも素晴らしいです。私は今回もSPのメンバーの一人を演じる真木よう子に釘付けでしたが・・・監督は前作に引き続き波多野貴文。
ツーリスト  監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク  出演:ジョニー・デップ、アンジェリーナ・ジョリー
The Tourist  2011年 アメリカ映画
パリの街を颯爽と闊歩する美女がいた。彼女の名はエリーズ。そんな彼女は多くの警官に監視されていた。彼女はロンドン警察が必死に追いかけているアレクサンダー・ピアースという男の恋人だった。そんなエリーズにアレクサンダーから手紙がと届く。「822分発のヴェネチア行の列車に乗り、自分に似た男を選べ」。エリーズは列車の中でアメリカから来たツーリストのフランクに話しかける。夕食を一緒にしたふたりはヴェネチアで再会。フランクはエリーズに誘われるまま、ホテルの彼女の部屋に泊まった。しかし翌朝、目が覚めるとエリーズは消えていた。すると、突然見知らぬ二人の男がフランクに襲いかかった。必死の思いで逃げたフランクは地元の警察に拘束され、自分がアレクサンダーと間違われて襲われたという事実を知る。彼を襲ったのはアレクサンダーが大金を騙し取ったギャングの一味だった。しかも、フランクには懸賞金が懸けられていた。悪徳警官によってギャング団に引き渡されたフランクを間一髪救ったのは、エリーズだった・・・・
私評:その問題なら解決するさ・・ジョニー・デップ、アンジェリーナ・ジョリーという2大スターの競演が話題のこの映画。そういうミーハーな見方しかできない映画なんだろうとタカを括っていたらとってもスタイリッシュなサスペンス映画でした、それはまるで往年のヒッチコック作品やオードリー・ヘップバーンの「シャレード」のようなオシャレなサスペンス。ふたりに駆け引きも良いのですが、オチがとっても良いのです。最後の最後に明かされる大どんでん返しはサイコーでした。(私は最後まで読めなかった・・)そしてもうひとつの注目はヴェニスの街並みの美しさ。川辺を走るゴンドラ、超豪華ホテルとそのバルコニーからの眺め・・。情緒のある街は最高の舞台でした。フランク役は「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジョニー・デップ。今回は地味な男役なのですが・・・。そしてヒロインは「ソルト」のアンジェリーナ・ジョリー。今回は派手なアクションはなく、あくまでも美しくミステリアスな女を好演。彼女を追うロンドン警視庁の警部役は「レギオン」「ダヴィンチコード」のポール・ベタニー、彼の上官役は「007リビング・デイライツ」のティモシー・ダルトン。その他、「時計仕掛けのオレンジ」のスティーブ・バーコフ、「娼婦ベロニカ」のルーファス・シーウェルなどなど・・。監督は「善き人のためのソナタ」のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク・・て長い名前・・。
英国王のスピーチ  監督 :トム・フーパー  出演:コリン・ファレル、ジェフリー・ラッシュ
The King's Speech
 2010年 イギリス映画
ジョージ6世は幼い頃からずっと吃音に悩まされていた。英国王ジョージ5世の二男ではあったが、人前に出る事が苦手で自信も失いつつあった。厳格な父親はそんな息子に式典のスピーチを命じた。ジョージは妻のエリザベスとともに多くの言語学者を訪ね、治療を試みるがまったく改善はしなかった。そんなある日、エリザベスは専門家のライオネルの噂を耳にして、ジョージを連れていく。型破りな方法を用いるライオネルは、ジョージの吃音問題は心の問題と見破り、彼のプライベートにもずかずかと踏み込みジョージを怒らせる。しかし、ヘッドフォンを付けてシェイクスピアを読ませるという奇妙な実験は功を奏し、音楽で聞こえなかった自分の声が、滑らかに本を読みあげている事に驚く。それ以来、ジョージはライオネルの元でレッスンを続けた。そんな時、父のジョージ5世が他界。彼の後にはジョージの兄のエドワード8世が即位するが、彼はアメリカ人の未亡人との恋に溺れて王位をジョージに譲ることに・・・
私評:伝えるべき言葉があるんだ!・・・本年度のアカデミー賞で主演男優賞、監督賞、作品賞を獲得した作品です。主人公のジョージ6世は、現在のエリザベス女王の父親で実在の英国王。常に国民の前に立ち、国民を誘い、そして惹きつける事が必要な王様が、話をする事にコンプレックスを持っていたと言うのが、まずはすごい事実。そして彼がそんな障害を乗り越え、人々の前で感動的なスピーチをしたという事がさらにすごい。しかし、映画はそんな王の苦悩とレッスンをとてもコミカルに描いていきます。途中までは爆笑の連続でした。そしてついに、私たちは感動的なスピーチに胸を熱くしたのでした・・・。良い映画です。主演は「ラブ・アクチュアリー」「ブリジット・ジョーンズの日記」にコリン・ファース。そして妻のエリザベス役は「アリス・イン・ワンダーランド」のヘレナ・ボナム・カーター。まず、このブリティッシュコンビが最高!そして実際のライオネル同様、オーストラリア出身のジェフリー・ラッシュが奇妙で不思議なキャラクターを嬉々と演じています。その他、ガイ・ピアース、ティモシー・スポール、マイケル・ガンボンなど、良い脇役が揃っています。監督はトム・フーパー。


前回の記事も読んでね~!



I Love Movieに戻る