2015/4/12

今年はいつまで経って暖かくならない。こんな時は映画です!
今回は全部邦画だ~!イチ押しは青春ミステリー?映画です。

ソロモンの偽証 後篇・裁判  監督 : 成島出  出演 : 藤野涼子、板垣瑞生、石井杏奈
 2015年 日本映画
今回のイチ押し:学校内で起こった事件はクリスマスの朝に発見された柏木の遺体から始まった。警察は事件を自殺と断定するが、何者かが警察、そして藤野涼子に送り付けた告発文には、校内の問題児大出が彼を殺したと書かれていた。ついに前代未聞の学校内裁判が決行される事になった。主宰は藤野涼子。彼女は裁判では検事を務める。そして弁護側は他校からこの裁判に参加した神原和彦。全校生徒が、そして教師、父兄が見守る中で裁判は始まる。そこでは新たな証言、そして事実が明らかになっていく。告発文を作ったと思われる女子生徒の証人喚問、事件当日に柏木宅に掛かってきた違う公衆電話からの数本の電話、そして電話をした生徒を見たという証人、そして被告人の大出が当日に自宅にいた事を証言する男・・・。そして最終日、涼子はとんでもない人間を証言台に立たせた・・・
私評: そして私たちは友達になったわ・・・前編はとんでもない所で、いきなり「バンッ!」と映画が終わってしまったので、早く見たくて仕方なかった後篇。当然私は初日の1回目に行きました。「警察がそこを調べない訳ないだろう!!」というツッコミも入れたくなりましたが、そこは置いといて・・・。この作品の一番の魅力は生徒たちの「感情」の描き方。それは自分の気持ち弱さと対当する勇気であったり、逆に恐怖だったり。老いも若きも誰もが全ての事に勇気を持って立ち向かえるわけではない。むしろ大半は背を向けてしまうこともある。それらを克服する勇気を支えるのは「友情」であったり、両親の「愛情」であったり・・。そんな描写が私はすごく好きです。劇中のふたりの女子生徒のやりとりは辛くて号泣でした。主演はこの作品が初映画で主人公の名前をそのままもらった藤野涼子。彼女の眼力、ハンパないです。神原役は板垣瑞生くん、そして注目は大出役の清水尋也。彼って「渇き。」のいじめられっ子なのです。すごい振り幅です。大人になった涼子を演じるのは「バリの神様」の尾野真千子。その他、佐々木蔵之介、夏川結衣、永作博美、黒木華、田畑智子、小日向文世、津川雅彦という最強の布陣。あと、私が印象的だったのは死んだ松子という女子生徒の父親の塚地武雄。いいです!監督は「八日目の蝉」「ふしぎな岬の物語」の成島出。
ジヌよさらば ~かむろば村へ~  監督 : 松尾スズキ  出演 : 松田龍平、阿部サダヲ、松たか子
 2015年 日本映画
元・銀行の営業万だった高見武晴は不況の煽りで貸しが細り、客先が経営困難から自殺をした事がきっかけでお金に触ることができない「お金恐怖症」になってしまう。そこで武晴はお金を使わずに生きていくために東北の片田舎のかむろば村にやってきた。彼を迎えたのは村長の与三郎。彼は異常な程に世話焼きで、無謀な試みをしようとしている武晴を放っておけない。彼の妻の亜希子はこんな田舎に似合わぬ美人だが与三郎と一緒に武晴の世話を焼いてくれる。そんなある日、到着初日にバス停で出会った高校生の青菜が武晴を訪ねてやってくる。実は彼女はこの村のチンピラ青木の美人局で、金を持っている武晴に近づいてきたのだ。まんまと彼女の青菜の策略に乗り、常時の現場を青木に盗み撮りされた武晴だったが、与三郎の助けでなんとか窮地を脱する。しかしその時、青菜と村のマイクロバスに乗って走り始めた武晴は事故を起こし、バスを破壊してしまう・・
私評:なにも買わない、なにも売らない、ただ生きていく・・・面白い。とんでもないキャラクターの登場人物たちが入り乱れて、「中」くらいの事件を巻き起こしていく。しかし、この映画の面白さは気の利いたセリフと登場人物のキャラ。それらが見事に融合しています。ただ、けっこう殴り合いが多いのが玉に瑕。結構リアルなので笑えません。それにしても贅沢なキャスト。彼らがとんでもないキャラクターを嬉々と演じているのいい!主演は「舟を編む」で日本映画アカデミー賞の最優秀主演男優賞を獲った松田龍平。彼はこいうおとぼけキャラが似合う!村長役は「謝罪の王様」の阿部サダヲ。いつも以上にハイテンションだけど要所でホロリとさせる!彼の妻役は「告白」の松たか子。彼女の下着姿エロい!それに輪をかけてエロさ炸裂が「私の男」の二階堂ふみ。彼女のパンチラシーン・・・最高です。村の神様役は「マエストロ!」の西田敏行。その他、片桐はいり、中村優子、モロ師岡、荒川良々・・・。監督、そして役者として出演もしているのが「クワイエットルームにようこそ」の松尾スズキ。面白かった~!!
エイプリル フールズ  監督 : 石川淳一  出演 : 戸田恵梨香、松坂桃李、冨司純子
 2015年 日本映画
清掃員のあゆみはあるテレビ報道を見て決意する。一度だけ関係を持った医者の亘の携帯に電話をして自分が妊娠をしている事を告げる。その日は折しも41日のエイプリルフール。亘はあゆみの言葉をさらりとかわした。偶然、亘がイタリアレストランに行くことを知ったあゆみはそこに乗り込んでいく・・・。学校に向かう美波は強面の男たちに拉致される。その現場を目撃した小学生たちは警察の似顔絵作成に協力。その絵を見た美波の母親は愕然とする。男は自分の前夫だった・・・見るからにロイヤルな夫妻を乗せた黒塗り車。しかし、この夫妻は普通のご身分で、妻の病気の治療が奇跡的に成功した祝いで一日豪遊しているのだと言う。運転手はこの夫妻が高貴な方と信じて疑わないが・・・。遥人はあるWEBサイトを見て、自分が宇宙人であると信じ込む。その日、宇宙から迎えが来ると知った遥人は「やるべき事をやって」宇宙に帰る準備をする。ところが彼の周りは彼が自殺をするのでは?と勘違いをして・・
私評:その嘘は却下・・・27人の登場人物たちが繰り広げるドタバタ人間ドラマ。コメディテイストが多いのですが、しっかり感動のドラマも盛り込まれています。中でも私は誘拐犯の話が好きですね~!しかし、この映画の何がいいってテンポの良さ。いくつかのストーリーを同時並行に描いて最後に不思議な繋がりを見せるという手法は今までもありましたが、この作品はそのジャンルの最上級。面白かった!出演者は戸田恵梨香、松坂桃李、ユースケ・サンタマリア、菜々緒、富司純子、里見浩太朗、寺島進、滝藤賢一、岡田将生、リリィ、古田新太、木南晴夏・・・他にもたくさん出てきます。個人的には松坂桃李の最低男ぶりと、菜々緒のセクシーさが最高。監督は人気テレビドラマ「リーガル・ハイ」「デート ~恋とはどんなものかしら~」の演出を手がけた石川淳一。
新宿スワン  監督 : 園子温  出演 : 綾野剛、山田孝之、伊勢谷友介
 2015年 日本映画
白鳥龍彦は人生の最下点にいた。そんな彼が辿りついたのが新宿歌舞伎町。複数のチンピラに絡まれボコボコにされてしまう。そんな龍彦を救ったのは歌舞伎町のスカウトとしては名を馳せている真虎(まこ)。真虎は龍彦に惹かれるものを感じ、真虎が働いているスカウト会社「バースト」に引き入れた。歌舞伎町の若い女たちに片端から声を掛けまくる龍彦。そして真虎の教えもあり徐々にスカウトマンとして頭角を現す。「バースト」の向こうを張っているのは「ハーレム」。このふたつの組織は一触即発。特に「ハーレム」の若き幹部・秀吉は影で覚せい剤を売り、その財源を元にして歌舞伎町のトップになろうと企てている。金髪の暴れ髪の龍彦を見て、秀吉のある過去がフラッシュバックする。そんなある日、龍彦は町でスカウトした女を風俗店に連れて行くが、そこで店長が女を殴っている現場を目撃する。カッとなった龍彦は店長を殴り倒して女を救出するが・・・
私評:俺がスカウトした女たちは全員幸せにします!・・・試写会で観てきました。日本映画ですが、ソニー・ピクチャーズの配給です。歌舞伎町が舞台なので、まさに歌舞伎町で撮影がされています。町中で殴り合いをしたり、下着で走ったりするのですが、あの歌舞伎町でよくこれだけ撮影できたな~と感心することしきり。ゲリラ的な撮影もいっぱいあったと思います。そしてこの映画、とにかくケンカのシーンが多い。スプラッター映画は好きなのですが殴り合いのシーンはどうも苦手な私・・・。ちょっとハイな気分になったり、センチメンタルな気分になったり、そして最後はちょっと感動でした。主演は「白ゆき姫殺人事件」の綾野剛。とにかく彼が大暴れ。顔芸も見せてくれます。真虎役は「あしたのジョー」の伊勢谷友介、秀吉役は「凶悪」「モンスターズ」の山田孝之。彼はこういう役が多いな~。女性陣はシャブ漬にされる風俗嬢あげは役で「ヘルタースケルター」の沢尻エリカ、九州から上京してホステスになる女は「機動警察パトレイバー」の真野恵里菜。その他、深水元喜、金子ノブアキ、山田優など、個性的な役者が終結。監督は「地獄でなぜ悪い」「冷たい熱帯魚」の園子温。


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